--------------------------------------------------------------------------------------------------------- 障害者雇用 マニュアル 103 自動車製造業における 障害者の雇用事例 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- はじめに 障害者の雇用については、近年、障害者の就労意欲が高まるなか、企業サイドにおいても、CSR(企業の社会的責任)への関心の高まり等を背景として、積極的に障害者雇用に取り組む企業が増えてきており、障害者雇用は着実に進展してきています。 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構では、厚生労働省と連携を図りながら、業界団体に働きかけて、業種別に障害者雇用推進事業の取り組みを展開しています。平成21年度は、社団法人日本自動車工業会にご協力をいただき、自動車製造業界における障害者雇用の取り組み状況を把握するため、専門委員会の設置、企業へのヒアリング等を行いました。 本マニュアルでは、現在障害者雇用を行い、障害者に適した雇用管理や職域の確保、社内啓発等に取り組んでいる13社の事例を紹介しています。本マニュアルに掲載されている各事例は、自動車製造業界はもとよりほかの製造業等多くの企業の障害者雇用の取り組みにとって参考になりますので、ぜひお役立てください。 最後に、ご協力いただいた社団法人日本自動車工業会、委員各位、ヒアリング調査に応じていただいた各企業、そして関係者の皆様には心から感謝を申し上げます。 ※各社の事例の内容は、平成21年10月〜11月時点のものです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- いすゞ自動車株式会社 藤沢工場 3 スズキ株式会社 高塚工場 5 ダイハツ工業株式会社 京都工場 7 トヨタループス株式会社 9 日産自動車株式会社 横浜工場 11 日野ハーモニー株式会社 13 富士重工業株式会社 群馬製作所 15 ホンダ太陽株式会社/ホンダR&D太陽株式会社 17 マツダ株式会社 本社工場 19 株式会社MMCウイング 21 三菱ふそうトラック・バス株式会社 中津工場 23 ヤマハ発動機株式会社 本社 25 UDトラックス株式会社 上尾工場 27 障害者雇用に関する制度 ● 障害者雇用率制度 29 ● 子会社などについての雇用率算定の特例 30 ● 障害者雇用納付金制度 31 ● ジョブコーチによる支援、トライアル雇用、精神障害者ステップアップ雇用 32 ● 精神障害者総合雇用支援、相談・援助・情報提供、障害者雇用事例リファレンスサービス、雇用管理サポート事業、就労支援機器の普及啓発 33 ● 障害者雇用のための助成措置等 33-34 ● 地域障害者職業センター 35 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- いすゞ自動車株式会社 藤沢工場 所在地 神奈川藤沢市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/視覚障害者/内部障害者/知的障害者/精神障害者 スキルアップに向けて、研修や検定を実施 事業所の概要 いすゞ自動車株式会社藤沢工場は、主として大型・中型・小型トラックの組立、エンジン・トランスミッションの組立、研究開発業務を行っています。社員数は約6,200名です。 藤沢工場には、多くの障害種類の人が在籍していますが、現在のところ聴覚障害者、中でもろう学校からの新規学卒者が大半を占めています。東京都内にある本社が一括して求人を出し、応募のあったろう学校について、本社や工場の人事担当者が訪問し雇用につなげるというかたちをとっています。配属先は製造部門が多い状況です。知的障害者についても、新規学卒者を雇用する場合が多くなっています。そのほかは、雇用後に障害者となった中途障害者です。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 高齢・障害者雇用支援機構が毎年募集している優秀勤労障害者表彰に社員を積極的に推薦し、推薦の対象となった社員の意欲を高めるとともに、社内への周知を図っています。 また、過去には工場の近隣で行われた手話講習会に聴覚障害者を受け入れている部署の管理者に対して情報提供を行い、受講するよう働きかけること等も行っていました。 職務の開発や調整 基本的には、特段職務の開発や調整は行わず、既存の職務の中で、一人ひとりに適した部署に配属。その後しばらくの間はOJTによりマンツーマンで指導を行ったり、業務上必要なパソコンソフトの更新があった際に手話通訳を手配して聴覚障害者に研修を受けてもらいやすい環境を整えたり、受け入れ後のきめ細かいフォローを行っています。 一方、事務補助を行う知的障害者について、社内にある簡易な仕事をいくつか切り出して組み合わせて1名分の仕事を創出する等、職務内容の調整を行った例もあります。 支援機関・支援制度の活用 聴覚障害者について、怪我をした際や病気になった際に産業医と相談する場合や、定年を迎えるに当たって再雇用制度にかかる説明を行う場合等、込み入った内容の説明を行う必要が生じた際に、県の聴覚障害者福祉センターに手話通訳の派遣を依頼することで、説明内容を確実に伝える体制をとっています。 雇用管理上の配慮・工夫 聴覚障害者に対しては、状況に応じて、手話通訳を依頼したりマンツーマンで筆談を行うサポート役をつける等の配慮を行っています。また、集団に対して業務を説明する場合には、説明後にメールで個別に丁寧に説明すること等も行っています。 知的障害者に対しては、社内のメール便の集配等負担の大きくない仕事に従事してもらうことを配慮しています。 このほかの障害の人については、個別の状況によって、残業を避ける等の配慮を行う場合がありますが、基本的には全員フルタイム勤務に対応しています。 雇用事例 Case1:押見泰敬さん 40代半ば、勤続24年の押見さん。開発部門に所属し、エンジン部品の設計全般にかかる仕事(エンジン設計におけるレイアウト検討等)を行っています。 押見さんは聴覚障害2級。ろう学校の専攻科(機械)を卒業後新規学卒で入社し、以来開発の仕事に従事。幾つかの部署を経験し、これまで開発してきた部品の種類は多岐に渡ります。設計ソフトは年々新しくなっていますが、研修や検定を受けることにより、スキルアップを図っており、ベテラン社員の1人として活躍しています。 周りの人とのコミュニケーション手段は、日常業務では筆談やメール、検定を受検する際は筆談です。過去に、集団で研修(=週に1回ずつ、合計6ヵ月間)を受けた際に筆談だけのサポートでは十分でなかったことがあり、その際は途中からマンツーマンの研修に変更する等の配慮を行いました。 Case2:佐藤俊さん 50代半ば、勤続30年の佐藤さん。開発部門に所属し、バス設計におけるトレーサー業務の補佐に従事しています。 佐藤さんは聴覚障害2級。ろう学校の専攻科(機械)を卒業してしばらくしてから中途で入社し、以来開発の仕事に従事。いすゞ自動車以外で働いていた経験もあります。設計ソフトは年々新しくなっていますが、研修や検定を受けることにより、スキルアップを図っており、押見さんと同様、ベテラン社員の1人として活躍しています。 周りの人とのコミュニケーション手段は、筆談やメールが中心です。過去に6名のグループで研修を受けた際は、手話通訳を配置する等の配慮を行いました。 総務人事部藤沢労務グループ 金子弘幸さん 聴覚障害の社員については、全般的にコミュニケーション上の配慮を行っていますが、特に、部署ごとに行う朝礼で上司から連絡事項を課内の全員に対して伝える場合等は、周りの人のサポートを欠かさないようにしています。(筆談によるフォロー等) そのほかの障害の社員も含め、現在雇用している人については全員、各職場ごとに個別に合わせた配慮や工夫を行うことによって、自然に職場に溶け込んでいます。 押見泰敬さん(聴覚障害) 現在、パソコンを使って3Dモデル作成や図面作成を行っています。仕事をするうえでは、「寸法を正確に測りながら作成すること」「ミスをしないようにすること」に気をつけています。入社以来ずっと設計業務をやってきて、最初は大変でしたが、周りの人に助けられて少しずつ慣れてきて、よかったと感じています。 周りの人と筆談でコミュニケーションをとる際に、時折難しい言葉があってわかりにくいことがありますが、再度確認することで、確実にわかるようにしています。 佐藤俊さん(聴覚障害) 現在、CADを使って仕事をしています。入社当初は、仕事は手書きで行っていましたが、その後パソコンが導入され、さらにソフトが新しくなってきているため、研修を受けること、また日常的には説明してくれる人の話をよく聞くよう気をつけること等により、対応しています。ずっと開発の仕事をやってきましたが、仕事は自分に合っていてやりがいを感じています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- スズキ株式会社 高塚工場 所在地 静岡県浜松市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/知的障害者 新規学卒者の雇用に当たって、 インターンシップ制度を活用 事業所の概要 二輪車・四輪車・船外機・ボート・電動車両・産業機器等の開発・製造・販売を行っているスズキ株式会社。高塚工場は、本社に隣接し、二輪車エンジンの組立・機械加工を行っています。スズキ株式会社全体では社員数は約16,000名、高塚工場は約460名です。 雇用後に怪我により障害者となった社員がいたことをきっかけに、障害者雇用に取り組み始めました。新規学卒者については、ろう学校や特別支援学校を中心に求人活動を行い、在学中に1〜2週間程度インターンシップ(作業体験)を実施したうえで雇用を判断しています。新規学卒者以外は聴覚障害者が多く、ハローワークの合同面接会で雇用するという方法が多くなっています。配属先は、全員が製造部門となっています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 全事業所の部門ごとに、定期的に会議を行っています。中でも1番多いのは、月1回の工務課長会議。この会議の何回かの機会を利用して、人事担当者から障害者雇用に関する話をしています。また、普段から人事担当者が様々な職場を訪問し、雇用に関する諸問題や課題を共有化する過程を通じ、CSR(企業の社会的責任)の視点からも障害者雇用が求められています。 実際に障害者を配属することとなった部署に対しては、予め人事担当者や工務課長が中心となって説明し理解を求める等、受け入れ準備を万全に行うよう努めています。 職務の開発や調整 基本的には、既存の職務の中で一人ひとりの適性を考えて配置する方針。しかし、時には、本人の希望も交えながら、人事担当者と配属先の職場で配置換え等を検討することもあります。 支援機関・支援制度の活用 新規学卒者は、全員雇用後数週間の研修(座学)を受けることになっています。その中に聴覚障害者がいる場合は、市役所や静岡県聴覚障害者情報センター等に相談し、手話通訳者の派遣を依頼し、情報が確実に伝わるよう取り組んでいます。 雇用管理上の配慮・工夫 新規学卒者は在学中に1〜2週間程度のインターンシップを行ったうえで雇用を判断していますが、インターンシップ期間中は、事業所内に練習用の模擬作業場を用意し、最初は全員体験してもらいます(内容は、組み立てやボルトの締め付け)。その後は、個々の状況に応じて、サブライン等で実際の仕事を行います。雇用後は、新規学卒者は障害の有無にかかわらず全員が1年間かけて複数の職場を体験したうえで配属職場を決定するシステムをとっているため、新規学卒の障害者については、@在学中のインターンシップ、A雇用後の1年間、2つの機会を通じて、時間をかけて適性を十分に見極めた後に配属部署が決定することとなり、継続雇用につながるポイントのひとつとなっています。 また、聴覚障害者への配慮として、何人かの社員が独学で手話をある程度マスターしており、様々な機会において仕事の都合がつく時に手話通訳者の役割を担う等、社内のコミュニケーションにかかる支援体制を強化しています。さらに、安全重視の一環として、製造部門の機械にランプを取り付ける等、社をあげて「見える化」に取り組んでおり、聴覚障害者の働きやすさにもつながっています。 雇用事例 Case1: 山下峻矢さん 20代前半、勤続2年6ヵ月の山下さん。機械課に所属し、シリンダーの出荷検査、2サイクルシリンダーのポート面取り作業を行っています。 山下さんは聴覚障害2級。ろう学校卒業後、障害者職業能力開発校を経て(在学中には、インターンシップを利用)、入社しました。 普段は周りの社員と筆談でコミュニケーションをとっています。筆談にはノートや紙を使うほか、仕事を教える際には職場の壁にかけてあるホワイトボードも活用。また、仕事を教える人を専任する配慮も行っており、コミュニケーションはスムーズにとることができています。 Case2: 粟津原光さん 20代前半、勤続2年6ヵ月の粟津原さん。完成課に所属し、二輪エンジン組み立てラインで水漏れ検査・オイル漏れ検査、及びホイストによる次工程への移動作業を行っています。 粟津原さんは軽度の知的障害。職業自立支援施設を経て(在籍中には、インターンシップを利用)、入社しました。 粟津原さんに対する特別な配慮ではありませんが、高塚工場では、個別の状況に応じて丁寧に仕事を教えたり、何かあればフォローするようにしています。粟津原さんについても、雇用当初はしばらく1名の社員がつきっきりで仕事を教えました。また、生産機種や生産量に応じ担当工程が変わることがありますが、その際にもしばらく1名の社員がつきっきりで仕事を教え、さらに、現在も繁忙期等にラインのスピードが速くてついていけずに本人からの合図があった場合には、周囲の社員がフォローする等の体制をとっています。 人事部人事第一課課長代理 田中信一郎さん(中央)、 同係長 黒田将也さん(右)、 高塚工場工務課長 熊谷利明さん(左) 障害のある社員の配属部署を考える時には、安全面を特に重視しており、過去に障害のある社員を受け入れた経験がある部署を中心に考えています。また、配属が決定した部署に対しては、受け入れ体制を万全にするべく、事前に念入りに説明し理解してもらうよう働きかけています。職場定着のためには、職場と人事担当者が緊密に連携し、様々な課題に対応することや、健常者と区別なく成長を期待し見守ることが重要だと考えます。高塚工場においては、現在全員フルタイム勤務で、各職場で活躍しています。 山下峻矢さん(聴覚障害) 仕事をするうえでは、ミスを出さないことと部品を落とさないことについて気をつけています。 周りの人とコミュニケーションをとる時には、口の動きを読み取って理解したり、筆談を使っています。どちらかというと口数が少ないタイプなので、周りの人とたくさん話をすることは無いですが、必要なコミュニケーションは十分にとっています。 今の仕事は、責任を持って任されているので、やりがいを感じています。 粟津原光さん(知的障害) 仕事をするうえでは、エンジンを確認する時にエンジンを傷つけないように気をつけています。ラインが動くスピードに合わせて仕事をするところが難しいと思います。 もともと車が好きなので、この仕事に就いてよかったと思います。これからも、今の仕事を頑張っていきたいです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- ダイハツ工業株式会社 京都工場 所在地 京都府大山崎町 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/内部障害者 入社後の半年は、マンツーマンで支援 事業所の概要 ダイハツ工業株式会社京都工場は、トヨタ自動車株式会社の小型乗用車、商用車を受託生産しています。社員数は約1,300名です。 障害者雇用は、約30年前に聴覚障害者を受け入れたことが始まりです。製造部門(塗装、組立、検査等)で、聴覚障害者を中心に雇用しています。 採用活動やそれに伴うろう学校との情報交換、職場実習の受け入れ等は、本社が一括して行っています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 聴覚障害者が配属される部署に対して、高齢・障害者雇用支援機構が作成した「聴覚障害者の職場定着推進マニュアル」を参考に配慮事項を周知しています。 また、平成21年度から京都工場をはじめ各工場の障害者雇用担当者が3ヵ月に1回集まり、各工場の雇用管理等の取り組みについて情報交換を行い、ノウハウの共有に努めています。 職務の開発や調整 基本的に、障害特性には配慮しつつ、職種・職場を限定せずに受け入れる方針をとっており、新たな職務を開発することは現在のところ行っていません。 雇用管理上の配慮・ 工夫 新入社員研修では、聴覚障害者社員と健常者社員が一緒に受講します。健常者社員が講義の内容を筆談で聴覚障害者社員に伝えるようにしています。また、入社2〜5年の先輩が「フレッシュマンコーチ」となり、障害の有無にかかわらず、半年間、新入社員の状況を把握し、職長に報告する体制になっています。 庶務的な手続き等で、聴覚障害者が事務所に行く際には、同じ部署の健常者が同行して、指示や手続きの漏れが無いようにサポートしています。災害発生時の避難の際にも、健常者とペアで動くことを徹底しています。 朝礼時の連絡事項は、口頭だけでなく資料を配布したり、ホワイトボードを活用しています。また、普段の情報交換には携帯電話のメールも活用しています。 寮の自動火災報知設備にも視覚に訴えるようランプを設置しています。 そのほか ダイハツグループ内事例 工場における知的障害者の雇用は、知的障害者がどのような仕事ができて、周囲の社員がどのように接したらよいかがわからず、慎重になっていました。そこで、モデルケースとして滋賀県の竜王工場で、グループ就労の受け入れを行っています。 グループ就労は、地域の作業所と請負契約を結び、作業所から指導員と障害者がグループで工場に出向きます。障害特性を把握している指導員の援助のもと、障害者が工場内の除草作業や空き缶分別作業等を行っています。グループ就労を通じて、知的障害者の能力や特性の理解に役立っています。 雇用事例 Case1:湯川賢太さん 20代前半、勤続1年の湯川さん。足回り部品組み付け作業に従事しています。 湯川さんは聴覚障害2級。ろう学校卒業後に入社しました。コミュニケーション手段として、口の動きを読み取る口話、身振り手振りを交えた指示、筆談を使い分けながら、仕事を進めています。 ほかの社員と同様に、連続2交替制(1週間ごとに早番(6時30分〜15時10分)、遅番(16時10分〜0時50分)を交互に行う)で勤務しています。 Case2:川端浩之さん 20代後半、勤続7年の川端さん。防錆シーラー塗布作業に従事しています。 川端さんは、聴覚障害4級。ろう学校卒業後に入社し、湯川さんと同様に、口話、身振り手振り、筆談を使い分けながら、仕事を進めています。また、連続2交替制で勤務をしています。 工務部総括室人材育成グループ 石川紀正さん 雇用管理を進めるうえで、聴覚障害の特性に配慮すべきことはあります。聴覚障害者が打合せ等で事務所に行く場合は、健常者が同行して、指示の漏れが無いように職場の上司にお願いしています。この点を除いては、一人前の職業人として特別扱いをせず接しています。 湯川賢太さん(聴覚障害) 足回り部品の組み付け作業を担当しています。最初は、パーキングケーブルの締め付けや大きな部品の扱いが大変でした。作業がうまくいかない時は、リリーフマン(トラブル時に対応する社員)に対応をしてもらっています。将来的には自分も班長やリリーフマンができるように頑張りたいと思います。 川端浩之さん(聴覚障害) 防錆シーラー塗布作業(溶接した接合部にボンドを塗る作業)を担当しています。新たに工程が変わった時やわからない時は、作業要領書を読んだり、班長に聞いています。いずれは、完成車両の塗装の手直し作業に挑戦してみたいと思っています。同僚も飲み会に誘ってくれるので楽しんで仕事をしています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- トヨタループス株式会社 所在地 愛知県豊田市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/内部障害者/知的障害者 ユニバーサル化を徹底、日誌・マニュアル・マンツーマン指導等によるフォロー 事業所の概要 トヨタループス株式会社は、トヨタ自動車株式会社(以下、「トヨタ自動車」)の特例子会社。トヨタ自動車では、従来より工場を中心に障害者雇用(主に聴覚障害者)に取り組んでおり、法定雇用率を達成していましたが、障害者雇用のさらなる社会的ニーズを受け、就労が進んでいない重度身体障害者や知的障害を雇用できるよう、平成20年5月に設立しました(※事業開始は、平成21年4月)。トヨタ自動車にあった部署を、配置されていた人も含めてそのまま分社化する形式で設立しました。トヨタ自動車から業務委託を受け、印刷、メール便の受発信、カタログ発送等を行っており、社員数は約90名です。 雇用の際は、ハローワーク、合同面接会、特別支援学校、障害者職業能力開発校等から募集しています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 入社後に2日間行う障害者の新入社員教育において、「障害の理解とチームワーク」について研修、数名のグループごとにディスカッションする時間も設けることにより、お互いの障害に対する理解を深めるよう働きかけています。 また、設立前の1年間、特例子会社に分社化することが決定した部署の社員に対して、地域障害者職業センターや福祉施設の職員による相談会の場を設ける等、障害者との接し方や注意すべき点に対する理解の徹底を図りました。中でも、知的障害者と一緒に働いた経験の無い社員が多かったため、知的障害者に対する理解促進に重点をおきました。 職務の開発や調整 障害特性を踏まえて、配属や業務内容を決定しています。また、業務の適性や人間関係を見て、配置換えを行う場合もあります。 支援機関・支援制度の活用 設備のバリアフリー化に伴う助成金、雇用に関わる特定求職者雇用開発助成金を利用しています。また、中途採用者については、トライアル雇用を活用しています。 雇用管理上の配慮・ 工夫 次のような取り組みを行っています。 ● 平成20年10月に社外の有識者で構成する「ユニバーサルデザイン研究会」を立ち上げ、約1年間かけて、全ての障害者にとって働きやすい社屋や設備を検討し、実現。 ● 全員が無線タグを身に付け、入退室管理を行っている。セキュリティ強化や緊急時の対応においても効果が出ている。 ● 短日・短時間勤務の導入や、1人で持つことのできる重量物の上限を引き下げ ● マンツーマンで指導者がついたり、管理者が育成計画表を作成する等のフォロー体制の整備 ● 社員が自ら積極的に業務の改善を提案する「創意工夫制度」の導入 ● 知的障害者について、わかりやすいマニュアル作成、家庭との日誌のやり取り、年1回の家族見学会の機会を利用した指導者との個別面接等 雇用事例 Case1:辻圭祐さん 20代半ばの辻さん。大学卒業後、1年間の職歴を経て、平成21年4月に入社しました。主として、印刷物(名刺、辞令、賞状)のデータの作成を行っています。パソコン技能は独学で習得しました。 辻さんは肢体不自由で電動車椅子を使用しています。低い位置でも作業が可能なように、@FAX送信時はパソコンからデータを送る、Aプリンターの操作パネルを傾斜できるものにする、B高さを調整できる机を使用する、等の配慮を行っています。 Case2:荒川辰将さん 20代前半の荒川さん。障害者雇用支援センターを経て、平成21年4月に入社しました。400種類ある車のカタログの発送を行っています。 同じ名前の車でも乗用車や商用車等によってカタログが異なるので、わかりやすいよう、カタログを入れている棚を乗用車や商用車等によって色別に分ける配慮を行っています。 Case3:荒井茂人さん 40代前半の荒井さん。平成21年4月に入社しました。宛先が不明確なメール便の宛名をパソコンで検索し、正しい送り先に配送する手続き等を行っています。パソコン技能は、自らパソコン教室に通って習得しました。また、時には台車を使ってメール便の運搬も行います。 荒井さんは肢体不自由で車椅子を使用しています。車椅子の高さで操作しやすいように、FAXとコピーの操作盤を分離して設置する等の配慮を行っています。最近では、自らアイディアを出した車椅子でも使いやすい台車が完成し、使用しています。 常務取締役 有村秀一さん(右)、 管理部長 佐藤亘さん(左) 特例子会社のミッションである障害者雇用を拡大するためには、業務量の拡大が必要です。そのために、親会社に高度な印刷物も作成できることをアピールし、親会社がこれまで外注してきた印刷物の委託を受けたり、これまで親会社の社員や派遣社員が行ってきた500ある販売店向けの郵便物の仕分けや封入作業を取り入れる等を行っています。 辻圭祐さん(肢体不自由) 障害に対して理解がある職場なので働きやすいです。パソコンで賞状を作成する仕事は、決められたフォームに合わせて入力するので難しいと感じていますが、ミスが出ないように気をつけて仕事を行っています。 荒川辰将さん(知的障害) 最初はカタログに書いてある車の名前や種類を覚えるのが大変でしたが、今は慣れました。もともと車が好きなので、仕事は楽しいです。 荒井茂人さん(肢体不自由) パソコンを使用する仕事は初めてですが、施設が整っていて働きやすい職場だと感じています。仕事をするうえでは、風邪をひいたりお腹をこわさないよう食事や飲み物に注意する等、体調に気をつけています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 日産自動車株式会社 横浜工場 所在地 神奈川県横浜市 雇用障害者 聴覚障害者 ダイバーシティを推進し、個性を発揮できる 職場づくり 事業所の概要 日産自動車株式会社横浜工場は、1935年に稼動を開始。車両の一貫生産ラインを有した、日本で初めての自動車の量産工場でした。現在、3つの地区から構成され、エンジンやサスペンション部品を一貫生産する主力ユニット工場となっています。社員数は約1,800名です。 障害者雇用は全社方針に則り、各事業所単位で取り組んでいます。横浜工場では、神奈川県内だけではなく、千葉県内のろう学校とも連携し、聴覚障害者を主に技能員として積極的に雇用しています。 また、採用活動の一環として、ろう学校の生徒を対象に生産職場での2日間の体験実習を行う等、職場見学の受け入れを積極的に実施しています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 社内全体でダイバーシティ(=多様性)を推進しています。人には様々な個性があり、様々な背景からなる個々人の考え方や価値観は多様ですが、こうしたダイバーシティが会社の強みとなるという考えのもと、様々な個性を尊重するダイバーシティマインドを醸成しています。個性のひとつに障害を含めて考え、障害に焦点を当てるのではなく、様々な個性を持った人がそれぞれに力を発揮して会社全体の力になっています。 職務の開発や調整 聴覚障害者に対して職務を新たに開発するのではなく、現在社内にある職務に配属するようにしています。聴覚障害者の配属については、工場における数年間の職種別受け入れ人数の計画を作成し、この計画に基づいて各職場へ配属。職種別受け入れ人数の計画は、事業所全体のバランスを考えて作成しています。その際には、なるべく一人作業にならないよう配慮しています。 また、現在は聴覚障害者が配属されていない部署は無いため行っていませんが、以前は、初めて聴覚障害者が配属されることとなった部署の社員に対して、受け入れるための準備として、障害者と一緒に働くための心構えについて話をしたり、手話講習会を行う等の取り組みを行いました。 雇用管理上の配慮・工夫 聴覚障害者が働きやすい環境づくりを心がけています。各部署に要望を確認し、ホワイトボードやプロジェクタ等、聴覚障害者と情報を共有できるものを購入し、よりよくコミュニケーションをとることができるよう配慮。会議や勉強会の際には、プロジェクタを用い、誰もが情報を共有できるようにしています。各部屋には、移動式の大きいホワイトボードと持ち運び可能な大きさのホワイトボードを置いています。 また、伝達事項は必ず個別に対応するようにしています。重要なことは、工長や指導する立場の人が直接筆談で伝達。朝礼・夕礼時には、聴覚障害者に対する筆談を担当する人を専任し、確実に内容が伝わるようにしています。 研修については、特に配慮しています。以前は聴覚障害者はほかの社員と一緒に研修を受けていましたが、完全に理解するまでに時間がかかっていたため、昨年度から手話通訳の派遣を依頼。ほかの社員とは別に、聴覚障害者向けの研修として層別教育(役割等級(職級)に応じた教育)を実施することとしました。研修期間は1週間程度、内容はほかの社員の研修内容と同じです。 さらに、社内だけではなく、社外での環境にも配慮。聴覚障害者が入居する寮には、インターフォンの代わりにベルランプを設置しています。FAXや携帯電話のメール等も使用することにより、コミュニケーションをスムーズにとることができるような環境を作っています。 雇用事例 Case1:田澤秀信さん 20代半ば、勤続5年の田澤さん。2交代で勤務しています。フォークリフト等の乗物に乗り、納入された部品を各ラインに運搬する業務に従事しています。 Case2:Aさん 30代後半、勤続23年のAさん。4ヵ月前に異動となり、現在はエンジン組立作業の一部でエンジンにFrカバーという部品を取り付ける工程の作業を行っています。 Case3:陳 欽さん 20歳、勤続2年の陳さん。3交代で勤務しています。工場内を回り、設備の点検、修理を行う保全業務に従事しています。 入社当初はコミュニケーション面について不安があり、自分の伝えたいことが相手にきちんと伝わるかどうか不安を感じていましたが、現在は職場にも慣れ、安心して勤務しています。 職場でわからないことがあれば必ず聞き、時間は多少かかっても自分で何度も確認することを心がけています。 横浜工場総務部人事課 吉田信英さん、船田邦彦さん ハンディキャップの有無にかかわらず、一人ひとりの適性や能力に応じた育成計画を作成し、この計画に沿ってスキルアップを図っており、基本的には健常者の社員と変わりない業務に従事しています。 また、コミュニケーション上のサポートとして、ホワイトボード等のコミュニケーションツールを所属部署に配備したり、社員教育の際には手話通訳を利用しています。 全体的にみて職場定着率も高く、モノづくりの現場で、チームの一員として活躍しています。 田澤秀信さん(聴覚障害) 忙しい時や、QCサークル*(月に何回か行っている。工場内にいくつかのQCサークルがあり、サークルによって回数は異なる)で改善をしている時に仕事のやりがいを感じます。作業手順どおりに行動することを心がけて仕事をしています。特に、安全第一・災害ゼロ、職場のルールを守ることに気をつけています。 Aさん(聴覚障害) 品質不具合につながるような工程は、特に注意して作業をするようにしています。 陳 欽さん(聴覚障害) 入社当初はコミュニケーション面で不安がありましたが、現在は安心して働いています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 日野ハーモニー株式会社 所在地 東京都日野市 雇用障害者 知的障害者 知的障害者向けの名刺ソフトやマニュアルを整備 事業所の概要 日野ハーモニー株式会社は、2007年に日野自動車株式会社の子会社として設立、2008年には特例子会社として認定されました。社員17名のうち、9名の知的障害者を雇用しています。 親会社において障害者社員の高齢化による退職者の増加、求職者の障害状況の変化を踏まえ、障害者雇用の拡大と新たな職域の開発が必要であると判断し、特例子会社の設立を決定しました。 親会社の独身寮等の清掃や、名刺、印刷物の制作、封入・発送作業等を行っています。 知的障害者の雇用に当たっては、特別支援学校、東京障害者職業能力開発校、国立職業リハビリテーションセンターの新規学卒者を中心に雇用を進めています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発(※親会社を含む) 日野ハーモニー株式会社が行っている業務を親会社の社内報や社内イントラネットに掲載して、知的障害者雇用の啓発を行っています。 また、親会社から依頼される業務が中心であるため、2010年度から親会社に「障害者雇用促進委員会【仮称】」(各部門の代表部長級で構成)を立ち上げて、業務のさらなる開拓に向けて情報交換を行っていく予定です。 職務の開発や調整 職務の開発は、ハローワーク八王子、東京障害者職業センター、東京経営者協会と相談をしながら、先行他社の特例子会社の取り組みを参考にしました。 名刺作成業務を導入するに当たっては、名刺作成ソフトの制作会社に依頼し、知的障害者が操作しやすいようカスタマイズを行いました。 また、新たな職務として、社内郵便物の配達業務を試行中です。さらに、親会社の他事業所や研修センターの中に就業場所を拡大することも検討しています。 雇用管理上の 配慮・工夫 知的障害者の受け入れに際し、次のような配慮・工夫を行いました。 ● 入社希望者全員に職場実習を実施。また、トライアル雇用も活用し、本人と職場の適合性を判断 ● 地域障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用し、知的障害者に対する作業指導や雇用管理のノウハウについて助言を得る ● 入社の際には、地域の就労支援センターに登録をしてもらい、当センターに生活面に関する相談、家族との連絡調整を依頼 ● 3名の知的障害者に対して1名の指導員を配置して、きめ細かな作業指導を行う ● 写真等を盛り込んだ手順書の作成(理解力に応じて2種類の手順書を整備) ● 作業に対する集中力の維持を図るために、定期的に担当業務を見直し、慣れや飽きを防いでいる ● 1ヵ月ごとに個別目標を設定し、事務所に掲示している ● 名刺ソフトの整備に際しては助成金も活用 雇用事例 Case1:村上瑛一さん 20代前半、勤続1年11ヵ月の村上さん。知的障害があります。高等学校を卒業してから、福祉施設の通所を経て、入社しました。親会社の独身寮において、ラウンジ、食堂、玄関、洗濯室、トイレ等の清掃を担当しています。手順書に沿った清掃方法の習得、休憩前の報告等ができることを目標に勤務しています。 Case2:室井優花さん 20代前半、勤続1年の室井さん。知的障害と左下肢に障害があります。東京障害者職業能力開発校在籍中に職業訓練を受け、修了後入社しました。名刺作成や封入等の事務補助作業を担当しています。複数の業務を担当しながら、作業の品質や量を一定にすることを目標に勤務しています。 取締役事業部長 細谷賢一さん スタッフには企業人としての厳しさや緊張感を持って業務に取り組んでもらっていますが、管理する側としても安全第一を基本に、障害特性に応じた職務を開発していくことが大切だと考えています。また、当社ではフルタイムでの採用を基本としていますので、基礎体力の維持と健康管理等に配慮をしています。 村上瑛一さん (知的障害) 汚れをきれいにすることが大変な時もありますが、早くできるようになりたいです。仕事中の報告がきちんとできるように頑張りたいです。 室井優花さん (知的障害、肢体不自由) 東京障害者職業能力開発校でパソコンを使用したことがありましたが、コピー機を使うのは初めてでした。今では慣れました。名刺制作では汚れが無いように、封入作業では書類の端が折れないよう注意して仕事をしています。今より早く、品質も良くなるよう、レベルアップを目指したいです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 富士重工業株式会社 群馬製作所 所在地 群馬県太田市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/内部障害者 TPM活動を通して、障害者の意見を職場環境の整備に反映 事業所の概要 富士重工業株式会社群馬製作所は、本工場、矢島工場、太田北工場、大泉工場、伊勢崎工場を有し、軽自動車、小型自動車、普通自動車ならびにその部品の製造、修理及び販売を行っています。社員数は約7,300名です。 障害者雇用は、1970年代後半から聴覚障害者を中心に採用していましたが、さらなる雇用の拡大のために、1998年に大泉工場第1トランスミッション課にパーツ供給係を立ち上げ、肢体不自由者の受け入れも進めることにしました。 採用活動は、パーツ供給係立ち上げの際、中途採用を行いましたが、現在はろう学校の新規学卒者採用を中心に進めています。学校を訪問し、情報交換や1週間程度の職場実習の受け入れ等も実施しています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 パーツ供給係を立ち上げて障害者雇用を進めていくことについて、事業所内に方針を周知しました。 職務の開発や調整 従来、エンジン組立職場で行っていたパーツ組立作業を集約し、パーツ供給係を立ち上げました。 雇用管理上の配慮・工夫 肢体不自由者を受け入れるために、スロープ、自動ドア、車椅子対応の自動販売機、トイレを設置。これらの設備改善では、一部助成金を活用しました。また、工場内での移動の負担を軽減するために、職場の近くに駐車場を整備し、昼食時に食堂で配られる弁当を職場まで配達できるようにしました。 聴覚障害者を雇用した時には、部品の締め付け具合を音で判断する工程をランプで知らせる仕組みにしたり、パトライトを設置しました。 パーツ供給係では、ほかの部署と異なり、交代制勤務を導入していません。車椅子を使用している障害者に対しては、褥そう防止のために、随時ストレッチをすることを励行しています。 効率的な作業工程や環境整備の一環で、TPM活動*を行っていますが、障害者からも意見を出してもらい、障害特性に応じた環境整備につなげています。 雇用事例 Case1:大津雅人さん 50代前半、勤続9年の大津さん。ハローワークからの紹介を受けて入社。パーツ供給係に所属し、エンジンの小物部品の組立作業に従事しています。 大津さんは、肢体不自由で車椅子を使用しています。職場にはスロープや車椅子用のトイレ等が設置されており、作業をするうえで不自由はありません。 Case2:武藤章広さん 30代前半、勤続4年の武藤さん。ハローワークの合同面接会を通じて入社、パーツ供給係に所属しています。 武藤さんは、両上肢と体幹機能に障害があります。自立歩行ができるので、部品の運搬、供給作業に従事しています。入社後、民間資格の「自主保全士」を取得しました。 Case3:大河津久実さん 20代前半、勤続1年の大河津さん。入社後、パーツ供給係に所属し、エンジンの小物部品の組立作業に従事しています。 大河津さんは、聴覚障害。口の動きを読み取る口話と指示された内容を復唱し確認しながら、コミュニケーションをとっています。 人事部主査 長川光弘さん パーツ供給係を立ち上げる際には、職場内の環境整備を行うとともに、家族に下肢障害者がいる社員の意見を参考にしました。障害者社員を工場内で見かけた時は、私から挨拶をするようにしています。お互い顔を見ることでコミュニケーションがとりやすくなるし、体調について察することもできます。 大津雅人さん(肢体不自由) 車椅子を使用していますが、職場環境が整備されているので、不便と感じることはありません。仕事では、安全と品質が保てるよう取り組んでいます。作業効率が上がるようにTPM活動で改善案の提案もしています。 武藤章広さん(肢体不自由) 安全と品質を守るために決められた手順を守って作業をすることを心がけています。職場の勉強会を通じて、自主保全の資格を取得しました。今度は危険物取扱者の資格を取得したいと考えています。 大河津久実さん(聴覚障害) 仕事上のコミュニケーションは、口話で読みとり、誤りが無いよう復唱しながら確認しています。今後は資格取得に挑戦したいと考えています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- ホンダ太陽株式会社/ホンダR&D太陽株式会社 所在地 大分県日出町 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/内部障害者/知的障害者/精神障害者 ユニバーサル化の展開、 重度化や加齢に対応した治具の製作 事業所の概要 ホンダ太陽株式会社(以下、「ホンダ太陽」)は、本田技研工業株式会社の特例子会社。本田技研工業株式会社の創業者が障害者の自立と自己成長を掲げ、1981年に社会福祉法人太陽の家、日本精機株式会社と合弁で設立しました。同じく特例子会社であるホンダR&D太陽株式会社(以下、「ホンダR&D太陽」)は、株式会社本田技術研究所が重度障害者のさらなる雇用拡大を目的に、1992年に本田技研工業株式会社と社会福祉法人太陽の家と合弁で設立。ホンダ太陽の日出工場とホンダR&D太陽は同じ敷地内にあり、社員数は合わせて約170名。部品製造、研究開発等を手がけ、両社ともに本田技研工業株式会社の製造の一翼を担っています。 障害者雇用に関しては、ハローワークのほか、障害者職業能力開発校や特別支援学校と連携。身体障害者の雇用が中心となっていますが、ホンダ太陽については、2年ほど前より、知的障害者等の雇用にも取り組み始めています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発(※親会社を含む) 親会社である本田技研工業株式会社や株式会社本田技術研究所、そのほかグループ会社に対する啓発として、各社の人事や設備改善の担当者に来社してもらい、社内見学や説明等を行う機会を頻繁に設けています。 職務の開発や調整 配属に当たっては、既存の職務の中で、その人に合った職務にまずはトライしてもらうという方針をとっています。その中で、OJT教育により能力向上を図ったり、また障害状況や加齢により対応が難しい場合は、治具を製作してできないことをカバーする、あるいはできる範囲の職務内容に調整する等の配慮を行っています。 支援機関・支援制度の活用 雇用に当たって、前述したとおり、ハローワークを始めとした各機関と連携し、人材の確保に努めています。 また、知的障害者と精神障害者の雇用に当たっては、地域障害者職業センターのジョブコーチ支援を利用。ジョブコーチが事業所と障害者の双方と相談し調整を行うことで、スムーズに職場に適応する一因となっています。 さらに、設備の改善等について、各種助成金を活用しています。 雇用管理上の配慮・工夫 社屋を含め、設備全体にユニバーサル化を展開しています。 また、障害状況等によって、指先の巧緻性を要する仕事や、両手で行う仕事等に対応することが難しい場合、治具を製作して用いることにより、仕事への対応を可能にしています。 設備改善や治具製作については、以前はいくつかの部署に分かれて取り組んでいましたが、2008年10月、日出工場内の管理本部/施設・設備管理部に一本化しました。管理本部/施設・設備管理部においては、特許を取るような大がかりな装置の製作から、社内で普段利用している部品等を用いて作る簡単な治具の製作まで、様々な取り組みを行っています。製作に当たっては、各現場の責任者から個別に問題をあげてもらい、障害者本人の意見も聞きながら、試行錯誤しながら改善を図っています。 雇用事例 Case1:佐矢野利明さん 20代前半、勤続約2年の佐矢野さん。特別支援学校を卒業後、障害者職業能力開発校(国立吉備高原職業リハビリテーションセンター)において1年間機械製図の訓練を実施後、入社。ホンダR&D太陽にて、CAD業務を行っています。OJTにより、順調に技能を取得しています。 佐矢野さんは、肢体不自由で車椅子を使用。車椅子マラソンの選手でもあり、2009年秋には、2ヵ月間限定で、競技用車椅子の調整業務にも携わりました。 Case2:西内匡甫さん 20代半ば、勤続約1年の西内さん。社会福祉法人太陽の家に約6年間通所後、入社。ホンダ太陽日出工場にて、部品の梱包を行っています。 西内さんは、軽度の知的障害。新たな仕事を教える際にはわかりやすい表現で丁寧に説明する、何度も指示を繰り返す等の配慮を行っています。現在、仕事の処理スピードが非常に速く、戦力となって活躍しています。 Case3: 福田洋子さん 20代半ば、勤続約10ヵ月の福田さん。社会福祉法人太陽の家に約1ヵ月間通所後、入社(ジョブコーチ支援を利用)。 ホンダ太陽日出工場にて、パソコン業務(名刺作成等)を行っています。パソコンを仕事として使うのは初めてですが、OJTにより順調に仕事をこなしています。 福田さんは、精神障害で、定期的な通院・服薬をしています。周りの人と雑談を行う等の対人関係は得意ではなく、普段は周りの人も無理に係わるようなことはしていませんが、上司に誘われて野球部のマネージャーも務める等、徐々に人間関係に広がりがみられています。 ホンダ太陽株式会社 管理本部事業管理部総務課課長 都築憲幸さん OJT教育、OJC教育(On The Chance Training=チャンスを活かして、まずはトライしてもらう。)、状況に応じた設備改善や治具製作等の取り組みにより、既存の職務に一人ひとりが最大限の力を発揮できることを基本に考えています。今後は、身体障害以外の障害のある人についても活躍の場を広げていきたいと考えています。 西内匡甫さん(知的障害) ここの職場は、周りの人達がとても親切に教えてくれるので好きです。仕事をするうえでは、不良品を絶対に出荷しないよう、品質に気をつけています。ひとつでも多く生産できるよう、これからも頑張ります。 佐矢野利明さん(肢体不自由) CADを使って図面を作成するうえでやり方に悩むことも多いですが、終わった後には達成感があり、やりがいを感じてます。 今は会社に隣接する社宅に入っていますが、近いうちにアパートを借りて自立したいという目標もあります。 福田洋子さん(精神障害) 仕事の中心は名刺の作成ですが、ときどき図面への所有権表示やレーザー刻印等の仕事も手伝っています。まだ慣れない仕事もありますが、今後も引き続き頑張っていきたいと思います。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- マツダ株式会社 本社工場 所在地 広島県府中町 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/視覚障害者/内部障害者/精神障害者 管理者の講習や研修への積極的な参加を促進、 人事部門にサポートデスクを設置 事業所の概要 マツダ株式会社本社工場は、本社に隣接し、乗用車やトラックの製造を行っています。社員数は約7,100名です。 障害者雇用については、1980年代より広島県を中心に開始しました。新規雇用の殆どは聴覚障害者で、技能系職場への配属が続いていました(新規雇用を除く障害者は、雇用後に障害者となった中途障害者)。 近年、ダイバーシティの観点等から、全社的に、障害種類、地域、職種を問わず受け入れるよう方針を転換。従来から行っていたハローワークや特別支援学校との連携による採用活動に加え、ハローワークの合同面接会への積極的な参加、自社のホームページへの障害者向け専用サイトの開設、社外の専用サイトを活用した全国展開の採用活動等を開始しました。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 本社と連携し、次のような取り組みを行っています。 ● ダイバーシティの促進策の一環である障害者雇用の促進及び理解について、トップダウンで各職場に展開 近年の障害者雇用に係る方針の転換(=「技能系職場に聴覚障害者を新規雇用」→「特定の職場や障害に捉われず広く障害者を雇用」)について、経営トップによる意思決定を行い、取り組みの理解と協力を各部門マネジメントを経由して全社に浸透させました。 ●「フィジカルチャレンジサポートデスク」の設置による支援体制の強化 昨年より、人事部門に障害者雇用専門の相談窓口であるデスクを設置。2名の専任の担当者を配置し、障害者本人や各部署の管理者からの相談に対応しています。担当者は、障害者職業生活相談員の資格を取得しています。 ● 障害者職業生活相談員の資格取得促進(現在までに19名の社員が資格を取得→今年度中に27名に増員予定) ● 県労働局が主催する企業内ジョブサポーター研修(2日間実施)への参加促進(現在までに4名の社員が参加→今年度中に10名に増員予定) ● 優秀勤労障害者表彰の入賞や、障害者スポーツ大会への参加と入賞の状況について、社内報へ掲載・周知 ● 手話のできる社員を講師とする自主的な手話勉強会の実施(18年ほど前より、毎年1回実施。3ヵ月間連続で週1回の頻度、1回当たり2時間)。 職務の開発や調整 基本的には行っていませんが、既存の職務の中で個々の障害程度と能力に応じて、部門主導で調整を行う場合があります。 支援機関・支援制度の活用 行政機関や事業主支援機関等が開催する障害者雇用に係るセミナーや講習、イベント等に、人事担当者や、障害者が配属されている部署の管理者が参加しています。 また、設備改善に関して、障害者作業施設設置等助成金を利用しています。 雇用管理上の配慮・工夫 本社と連携し、次のような取り組みを行っています。 ● 社屋に近い駐車場を優先的に確保 ● 聴覚障害者に対し、集団研修における手話通訳の手配・社員の自主的な手話の習得・筆談ボードやランプの設置・ミーティングにおけるマンツーマンでの筆談・資料の事前配布 ● 下肢障害者のための段差補修・フロアの滑り防止対策 このほか、工場内において、障害の有無にかかわらず社員全員の安全を重視する観点から、機械に作動状態や異常を知らせるランプを取り付ける等の「見える化」を推進。さらにその改善内容を掲示板で周知し、全員で情報を共有するよう努めています。 そのほか MMP(マルチマンパワープロジェクト)による職場復帰に向けた取り組み 雇用後に障害者となった社員については、原職復帰を基本としていますが、1983年に、本社工場の社員も含め、技能系職場の社員が雇用後に障害者となった場合に原職復帰前に一定期間通うための職場「MMP」を本社内に設けました。MMPにおいては、外注している作業の一部を社内化すること等によって軽作業を用意し、個々の体力や作業遂行能力の回復状況に応じてステップアップを図りながら原職復帰を目指す仕組みをつくりました。 近年はダイバーシティの観点からMMPを経由せずに直接原職に復帰する社員も増えてきており、現在在籍する社員は6名ほどとなっています。フルタイム勤務で、マスキングテープの準備作業等を行っています。 雇用事例 Case1:木村錠二さん、Case2:村田正彦さん 木村さん、村田さんは、ともに聴覚障害2級で40代半ば、新規学卒で入社し勤続27年になります。所属は、第4エンジン課です。仕事の内容は、木村さんはエンジン部品組立(特殊な外段取り工程)、村田さんはエンジン部品組立てラインの半数工程を担当しています。ともに職場の戦力の一員となって活躍しています。 周囲の社員とのコミュニケーション手段は筆談が中心ですが、簡単な手話やジェスチャーも使用。集団で行うミーティングの際は、毎回同じ人がマンツーマンで筆談を行っています。また、仕事上は、作業ポイント表を活用。これは、全社員向けに作成したものですが、写真や吹き出しによる解説を盛り込んでいるため見やすくてわかりやすく、聴覚障害のある社員にとっても役に立つ支援ツールのひとつになっています。 人事労政部人事・労務グループ主幹 小山健次さん ダイバーシティの観点から、社員全員がともに切磋琢磨しながら自己成長していくこと、障害のある人だけでなく、いろいろな人、いろいろな価値観を持つ人達が一緒に働くことを基本としています。障害のある社員に対しては、ほかの社員と同じスタートラインに立てるよう、個々の状況に応じて職場環境を整える等の配慮は行いますが、そこから先は、ほかの社員と同じように努力してもらう等、特別な配慮は行わないことを基本に考えています。 木村錠二さん(聴覚障害) 仕事をするうえでは、手順を忘れないように気をつけています。これからも引き続き、順調に仕事をこなしていきたいと思っています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 株式会社MMCウイング 所在地 愛知県岡崎市 雇用障害者 知的障害者 知的障害者数名と指導者1名から成る ユニット単位で業務を遂行 事業所の概要 株式会社MMCウイングは、2007年に三菱自動車工業株式会社の特例子会社として設立されました。社員29名のうち、22名の知的障害者を雇用しています。愛知県岡崎市と岡山県倉敷市に事業所があり、それぞれ、三菱自動車工業内の福利厚生施設の清掃、機密廃棄文書・資料の回収・処理、仕損部品の分解・分別・廃棄、緑化作業等を行っています。 知的障害者を雇用するに当たっては、ハローワークを窓口として、トライアル雇用や必要に応じて地域障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用しています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発(※親会社を含む) 親会社からの委託業務が中心であるため、株式会社MMCウイングの取り組みを親会社の社内報や社内イントラネットに掲載したり、幹部会議で紹介する等により、啓発と受託業務の拡大を図っています。 雇用管理上の配慮・工夫 知的障害者の受け入れに際し、次のような配慮・工夫を行いました。 ● トライアル雇用を活用し、本人と職場の適合性を判断 ● 地域障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用し、知的障害者に対する作業指導や雇用管理のノウハウについて助言を得る ● 3〜4名の知的障害者に対して1名の指導員を配置して、きめ細かな作業指導を行う ● 指導員に対して、「MMCウイング指導員心得」を示し、適切な作業指導ができるように周知 ● 写真等を盛り込んだ手順書の作成 ● 安全装置を取り付けたシュレッダーの設置 ● ラッシュ時の通勤を避けるために、時差出勤を導入 ● 体調管理のために月に1日以上、有給休暇の取得を奨励 ● 継続雇用のためには生活面の安定が重要と考え、家族や福祉機関にサポートを依頼 加えて、業務遂行援助者の配置助成金や特定求職者雇用開発助成金も活用しています。 また、指導員の中には、親会社を退職して再雇用された人もいます。親会社の業務に精通し、親会社の社員ともコミュニケーションがとりやすい等、これまでの経験と人脈を活かしてもらっています。 職務の開発や調整 特例子会社設立に向けて、先行他社の特例子会社の見学や、親会社がアウトソーシング先に委託していた清掃業務を一部見直す等、業務を創出しました。 雇用事例 Case1:三輪 愛さん 30代前半、勤続1年7ヵ月の三輪さん。知的障害があります。清掃、シュレッダーを使用した文書廃棄作業、部品の分解作業等に従事しています。過去にほかの会社に勤務していた経験があります。ハローワークの紹介で再就職しました。 Case2:金澤 裕さん 20代後半、勤続2年5ヵ月の金澤さん。知的障害があります。清掃、シュレッダーを使用した文書廃棄作業、部品の分解作業等に従事しています。過去に車の部品製造会社に勤務していた経験があります。ハローワークの紹介で再就職しました。 Case3:Cさん 20代前半、勤続2年1ヵ月のCさん。知的障害があります。清掃、シュレッダーを使用した文書廃棄作業、部品の分解作業等に従事しています。特別支援学校卒業後、作業所に通っていましたが、ハローワークの紹介で入社が決まりました。 取締役社長 鎌田重雄さん 知的障害者の雇用を進めるに当たっては、単一の作業に限定するのではなく、親会社から様々な業務を受託し、多くの作業を作り出す方法を選択しました。様々な作業を経験することで、知的障害者の持つ可能性や、将来の自立に役立つのではないかと考えています。 複数の部署を持つ事業所であれば、障害者が担当できる作業を見つけることが可能だと思います。あまり難しく考えずに障害者雇用を進めてほしいと思います。 三輪 愛さん 以前勤めていた会社と比べて、仕事をいろいろ教えてくれます。わからないことは指導員に聞いています。間違えずに今の仕事を頑張りたいです。 金澤 裕さん 以前は車の部品製造会社に勤めていたので、トイレ掃除の仕事をするのは初めてでした。今は慣れました。もっとトイレ掃除が上手になりたいと思います。 Cさん 作業所と比べて仕事は早くやらなければいけません。でも、お給料がもらえるようになってうれしいです。電動ドライバーの使い方も慣れました。もっと早く仕事ができるようになりたいです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 三菱ふそうトラック・バス株式会社 中津工場 所在地 神奈川県愛川町 雇用障害者 内部障害者/知的障害者 中規模の工場で、長期に継続雇用 事業所の概要 トラック・バス、産業エンジン等の開発、設計、製造、売買、輸出入を行っている三菱ふそうトラック・バス株式会社。2003年1月に、三菱自動車工業株式会社から独立しました。その生産拠点のひとつである中津工場は、トラックやバスのトランスミッションに使用される歯車の一貫加工を行っています。中津工場には、総務部と、部品工作部歯車課が配置されており、社員数は約160名です。部品工作部は歯車課を含めて全部で4つの課があり、歯車課以外の3つの課は川崎工場にあります。 障害者雇用については、三菱自動車工業株式会社からの独立前から、継続的に取り組んでいます。採用経路は、ハローワーク。ここ数年は、販売会社等を中心とした新規学卒者以外の雇用が中心となっています。現在、工場には新規に雇用した障害者のほか、雇用後に障害者となった中途障害者がいますが、中津工場にも11年前に雇用した知的障害者と、雇用後に内部障害者となった人がいます。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 神奈川県川崎市にある本社では、月1回全国の人事担当者が集まって会議を行っています。この会議の場で、本社の人事担当者から各事業所の人事担当者に対し、全社的な障害者の雇用状況について説明したり、各部署での障害者の受け入れにかかる依頼等について話をする時間を設けています。 実際に障害者を配属している職場においては、必要に応じて周囲の社員がその人に関わる情報を共有し、配慮を行っている場合もあれば、管理職以外にはあえて伝えていない場合等、状況によって様々です。 職務の開発や調整 現在は、社内にある職務の中で、障害者の個々の状況に合った業務に配置しており、障害者に合わせた開発や調整等は特には行っていません。但し、まだ実現にはいたっていませんが、現在社外にアウトソーシングしている軽作業を社内に戻すことができれば、職務が広がる可能性があります。 雇用管理上の配慮・工夫 一人ひとりの体力やできることを考慮して、心身ともに負荷がかからない業務に従事してもらうこと、残業や夜勤を避ける等の配慮を行っています。また、体調や都合に合わせて、フレックスタイム制を利用できるようにしています。フレックスタイム制のコアタイムは、10時〜15時。製造部門に勤務する社員が利用することはなかなか難しい状況ですが、総務部に所属する1名の社員がこの制度を利用しています。 さらに、高齢化社会に併せて定年後65歳まで再雇用する制度を導入しており、高齢となった障害者も同様に継続して戦力として活躍してもらう体制を整備しています。現在、2名があと数年で定年を迎えるため、この制度を利用してさらに活躍することが期待されます。 雇用事例 Case1:岡山伸明さん 50代後半、勤続38年の岡山さん。総務部に所属し、人事部の統括専門職として勤務しています。 岡山さんは内部障害(腎臓機能障害1級)。12年ほど前に病気により、障害者手帳を取得しました。現在は、週に3回夜間に人工透析を行っています。そのうち2回は平日に当たっていますが、フレックスタイム制を利用し、その日は早めに退社するようにしています。 Case2:沼山務さん 50代後半、勤続40年の沼山さん。部品工作部の試作特定班に所属しています。入社以来、一般職から上級職へとキャリアアップを果たし、現在は技能系列監督高度技能職という職務を担っています。現在は、部品生産の進捗管理や調整にかかる業務を行っています(パソコンを使用)。 沼山さんは内部障害(直腸機能障害4級)。6年ほど前に病気により、障害者手帳を取得しました。体力面を考慮し、夜勤やフォークリフト運転は避けるようにしています。 Case3:Aさん 30代前半男性のAさんは、軽度の知的障害です。約11年前、ハローワークの紹介により入社しました。 入社してから3年間くらいは部品の熱処理業務を行っていましたが、その後は現在に至るまで、主としてトランスミッションの部品の一部であるハブとスリーブの組み合わせ、及び検査(=キズが無いかどうか)を行っています。部品の種類は10数種あり、日によって変わりますが、指示書を見てその日の業務を把握します。さらに、時には簡単な機械加工も行っています。 Aさんに対しては、安全面を重視し、判断ミスで怪我につながるような作業に従事することは避けています。また、繰り返し行う作業を行ってもらう等、同時にいろいろな判断が必要な作業はさせないように配慮しています。また、Aさんに対する特別の配慮ではありませんが、中津工場では、もともと誰に対しても個別の状況に合わせてわかりやすく仕事を教えることを実践しています。 以上のような配慮のもと、Aさんは1日平均200個の部品を処理する等、今では主力メンバーの一員となっています。今後もどこまでできるか確認しながら、機械加工の仕事を徐々に増やしていくことを目標としています。 部品工作部歯車課課長 大島卓雄さん 一人ひとりの状況に応じて、負担のかからない仕事を考えるようにしています。また、部品工作部は川崎工場にもありますが、川崎工場も含めて、意欲のある人には、可能な範囲で仕事のローテーションを行ってもらう等、いろいろなことにチャレンジする機会を設けるようにしています。 岡山伸明さん(内部障害) 入社以来、ずっと総務関係の仕事をしています。以前は川崎工場に勤務していましたが、14年ほど前に当工場に移りました。疲労しやすい傾向はありますが、現在は残業も殆ど無く体力的にきつい業務内容ではないため、順調に仕事を行っています。 沼山務さん(内部障害) 以前は品質管理を担当しており、2年前現職に異動しました。現在、2ヵ月に1回の通院以外は特段の配慮は必要なく、順調に仕事を行っています。但し、普段から無理をしないこと・汗をかかないことなどについて気をつけています。 Aさん(知的障害) 仕事には慣れました。普段から心がけているのは、自分に与えられた仕事をこなすということです。今後、機械加工の仕事をもっとやってみたいです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- ヤマハ発動機株式会社 本社 所在地 静岡県磐田市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者/視覚障害者/内部障害者/知的障害者/精神障害者 障害者職業生活相談員のリーダーとして 定年退職者を再雇用 事業所の概要 ヤマハ発動機株式会社本社は、モーターサイクルや船外機、ボート、スノーモービル等の製造販売を行っています。社員数は約10,000名です。 障害者雇用については、1990年代、CSR(企業の社会的責任)を意識する中で、一層力を入れていくこととしました。障害者職業能力開発校やろう学校の新規学卒者を採用するとともに、ハローワークの合同面接会を通じて中途採用も進めています。 本社の工場では、聴覚障害者を多く雇用していますが、事務や技術部門においては、肢体不自由者も雇用しています。また、総務のサービスセンターでは、社内郵便物の集配業務において、知的障害者も雇用しています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 障害者と健常者が一緒に就労できる職場運営を行うという考えのもと、執行役員を委員長とする「障害者雇用促進委員会」を設置し、障害者雇用を推進しています。 また、下部組織として障害者を配属している部署には障害者職業生活相談員を配置し、障害者に対する理解と社員の啓発につなげています。 職務の開発や調整 障害者と健常者が一緒に就労できる職場運営を行うという考えから、障害者向けに新たな職務は開発していません。採用面接を通じて障害者の能力や経験を踏まえて、受け入れ部署を決定しています。ろう学校等在籍中の学生の場合、1日〜1週間の体験実習を実施したり、中途採用者の場合はトライアル雇用を活用する中で、適性を判断することもあります。 雇用管理上の配慮・工夫 工場に勤務していた手話のできる女性社員が定年を迎えた際に、障害者職業生活相談員と手話通訳の担当として再雇用しました。この社員は、聴覚障害者の研修時の通訳やろう学校等との連絡・調整、障害者の仕事上の相談、各部署の障害者職業生活相談員に対する助言を行う等、障害者の職場定着を進めるうえで中心的な役割を果たしています。 また、聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にするために、一般社員に対して要約筆記や手話教室を開催したことがあります。 さらに、車椅子を使用している障害者に対しては、次のような環境整備、配慮を行いました。これらの整備に当たって、一部助成金を活用しました。 ● 雨天時に車の乗降がしやすいように、屋根付きの駐車場を設置 ● トイレを改修し、スロープを設置 ● 災害時の非難器具として、非常用階段避難車(キャタピラがついており、階段を下りることが可能)「キャリダン」を配備 ● 食事がとりやすいように、社員食堂に車椅子専用のスペースを設置 ● 独身寮の2部屋分を1部屋に改修し、車椅子の動線を確保 雇用事例 Case1:小池浩志さん 40代前半、勤続9年の小池さん。肢体不自由1級で車椅子を使用しています。 技術本部技術基盤統括部技術電算部CAE強化グループに所属し、2輪商品解析実験評価というパソコンを使用したシミュレーション業務に従事しています。ハローワークの紹介により、中途で入社しました。 Case2:沖秀樹さん 40代前半、勤続18年の沖さん。肢体不自由1級で車椅子を使用しています。 大学卒業後に入社、AM事業部にて実験を担当していた時に事故により受障しました。その後、AM第2技術部開発第4グループに復帰し、4輪エンジン開発の数値解析、パソコンを使用したシミュレーション業務に従事しています。 職場復帰する際、寮に入居していたので、寮の2部屋分を1部屋に改修し、車椅子の動線を確保しました。 人事部人材開発グループ   片山友博さん 障害者の職場定着に向けて相談体制をどのように整えていくかが重要です。現在は、障害者職業生活相談員として中心的な役割を担っている社員がいますが、今後は、後継者を育成していくことも大切と考えています。 小池浩志さん(肢体不自由) 以前は別の会社でCADを利用した設計の仕事をしていましたが、その経験を活かしてCAE解析(シミュレーション)の仕事で採用していただきました。会社では、個人を尊重してもらい、やりたい仕事をやらせてもらっています。自分が解析した製品が形になった時は喜びを感じます。 沖秀樹さん(肢体不自由) 自分がシミュレーションした製品が世の中に出て、ユーザーが喜んでくれることにやりがいを感じています。職場復帰をする時に、寮や駐車場を改修していただいたこと、また仕事をしやすくするための意見要望を聞く場を設けていただいたことに非常に感謝しています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- UDトラックス株式会社 上尾工場 所在地 埼玉県上尾市 雇用障害者 肢体不自由者/聴覚障害者 「見える化」により誰でも作業できる環境 事業所の概要 UDトラックス株式会社上尾工場は、大型から小型までのトラックの組立、及びトラック、バス、産業用のディーゼルエンジンの製造を行っています。社員数は約2,830名です。 障害者雇用は、約30年前に聴覚障害者を受け入れたことが始まりです。製造技能職として、聴覚障害者を中心に雇用しています。 日頃より、近隣のろう学校と連携を取りながら、工場見学やインターンシップ制度(1〜2週間程度の職場実習)を活用し、雇用の促進に努めています。 障害者雇用の取り組み 社内への啓発 内定者が出た段階で受け入れ部署に周知し、職務等について協議を行っています。障害の有無にかかわらず、新入社員については社内報で紹介しています。 職務の開発や調整 障害特性に配慮はしますが、基本的には健常者と同じ職務に従事してもらうことを方針としています。雇用後に障害者となった社員に対しては、障害状況に応じて受け入れ可能な職場を検討しています。 雇用管理上の配慮・工夫 初めて聴覚障害者を雇用した際は、社内で手話講習を行いました。その後、個人的に手話の勉強を続けた社員もいます。今では、手話の勉強をした社員が、職場内の集会や研修の際に、コミュニケーションの補佐をすることもあります。 また、事業所の方針等全従業員に説明が必要な内容は、「全員集会」で案内します。聴覚障害者には、事前に資料を作成し情報を確実に提供しています。 製造現場では、作業ミスや欠陥を防ぐために問題点が常に見えるよう「見える化」、作業の標準化、作業指示システム化等による「誰でも化」に取り組んでいます。具体的には、写真を用いた標準作業書の整備や必要な部品をランプで知らせたり、組立方法を画面で表示する等、視覚的に訴える改善を行っています。これらは、障害の有無にかかわらず全社員にとってわかりやすいものとなっています。 職場で相談したいことがある場合には、直接上司と筆談等を通じて、日常からコミュニケーションを図っています。 雇用事例 Case1:中島進さん 40代半ば、勤続26年の中島さん。PT製造部機関課に所属し、大中型エンジン組立ラインのリリーフ(ライン全体を見渡し、不具合が生じた時に各工程のヘルプに入る)に従事しています。 中島さんは聴覚障害1級。ろう学校卒業後に入社しました。口の動きを読み取る口話と筆談でコミュニケーションを取りながら、仕事を進めています。中島さんはこれまでの経験を活かし、技能検定「内燃機関組立」の1級試験を受験し、見事に合格しました。受験に当たっては、実技・学科ともに上司を含めた職場の同僚が、わかりやすい教育を実施しました。 また、平成21年には優秀勤労障害者として埼玉県知事表彰を受けました。職場の同僚も誇りに思っているとのことです。 PT製造部機関課課長 深田武士さん(中央)、 同課係長 久田幸男さん(左)、同課係長 根岸好行さん(右) 聴覚障害者に対しては、コミュニケーションに関する配慮を行っていますが、それ以外は健常者と同様に接しています。同僚として分け隔てなく接していく中で気心が知れ、一層、コミュニケーションがうまくいくと思います。当社の聴覚障害者は職場になくてはならない戦力となっています。 現在QCサークル*活動に積極的に取り組んでいますが、聴覚障害者も自由に意見が出せるような環境を作り出したいと思っています。 中島進さん(聴覚障害) お客様が満足を得られるように決められた標準作業を指導していきます。不具合情報をチーム全員で理解、共有し、再発防止策に素早く取り組みます。 技能検定試験では、学科の勉強が大変でしたが、1級に合格することができ、仕事への自信につながりました。 *QCサークルとは QC(Quality Control)は「品質管理」を意味する。品質改善のために継続的に活動する少人数チームのことをQCサークルという。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 障害者雇用に関する制度 制度についてはさまざまな種類がありますが、そのうちの一部をご紹介します。 障害者雇用率制度 障害者雇用率制度とは、社会連帯の理念に基づき、障害者の雇用の場を確保するため、すべての事業主が、一定割合以上の人数(法定雇用障害者数)の身体障害者又は知的障害者を雇用することを義務付けている制度です。(精神障害者は雇用義務の対象ではありませんが、精神障害者保健福祉手帳所持者を雇用している場合には、各企業における障害者数の算定対象に加えることができます) (平成22年7月から) 実雇用率 <企業における雇用障害者数> = 障害者である常用労働者(短時間労働者を除く)の数 + 障害者である短時間労働者の数 × 0.5 常用労働者(短時間労働者を除く)の数 + 短時間労働者の数 × 0.5 ※企業における雇用障害者数の算定は、重度身体障害者又は重度知的障害者については、1人を2人として計算します。重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)については、1人を1人として計算し、身体障害者、知的障害者又は精神障害者である短時間労働者については、1人を0.5人として計算します。 法定雇用 障害者数 = × 法定雇用率 (民間企業は1.8%) 企業全体の常用労働者 (短時間労働者を除く)の総数 + 短時間労働者の数 × 0.5 (平成22年6月まで) 法定雇用 障害者数 = × 法定雇用率 (民間企業は1.8%) ※原則として、常用労働者(短時間労働者を除く)を算定の基礎としており、短時間労働者は、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)については1人を1人として、精神障害者である短時間労働者については1人を0.5人として、それぞれ計算しますが、それ以外は算定の対象となりません。 企業における障害者の把握・確認について 障害者を把握・確認する際には、「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」により、障害者の適正な把握・確認に努めて下さい。 なお、「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」は厚生労働省ホームページに掲載されています。 ⇒http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha01/060401.html --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 除外率制度  法定雇用障害者数算定の基礎となる常用労働者数の計算に当たっては、一定の業種に属する事業を行う事業所の事業主については、その労働者数から一定率に相当する労働者数を控除できます。 注)@除外率は事業所を単位として適用され、事業所ごとに計算した常用労働者数を合計して企業の常用労働者数を算出します。   A障害者雇用調整金及び報奨金の支給を算定する際に除外率は適用されません。   B除外率制度は廃止に向けて段階的に縮小することとしており、平成22年7月より、以下のように改正されます。 除外率設定業種 除外率(%) 非鉄金属製造業(非鉄金属第一次製錬・精製業を除く)/船舶製造・修理業、 舶用機関製造業/航空運輸業/倉庫業/国内電気通信業(電気通信回線設備を設置 5 して行うものに限る) 採石業、砂・砂利・玉石採取業/窯業原料用鉱物鉱業(耐火物・陶磁器・ガラス・ セメント原料用に限る)/その他の鉱業/水運業 10 非鉄金属第一次製錬・精製業/貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く) 15 建設業/鉄鋼業/道路貨物運送業/郵便業(信書便事業を含む) 20 港湾運送業 25 鉄道業/医療業/高等教育機関 30 林業(狩猟業を除く) 35 金属鉱業/児童福祉事業 40 特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行うものを除く) 45 石炭・亜炭鉱業 50 道路旅客運送業/小学校 55 幼稚園 60 船員等による船舶運航等の事業 80 船員等による船舶運航等の事業とは、船舶等(自力で運行する能力をもたないしゅんせつ船等を含む。)により旅客又は貨物の運送を行う事業、船舶等により海面等において水産動植物を採捕する事業、船舶等により海面等において水産動植物を養植する事業等、船舶等によって行われるすべての事業をいいます。ただし、港湾において行われる船内荷役及び沿岸荷役の事業はこれに含まれません。 子会社などについての雇用率算定の特例  障害者雇用率制度においては、障害者の雇用機会を確保し、法定雇用率(=1.8%)以上の障害者を雇用することは個々の事業主(企業)ごとに義務づけられていますが、障害者の雇用の促進及び安定を図るため事業主が次のような措置を講じた場合には、その特例が認められます。 [子会社特例]  障害者の雇用の促進及び安定を図るため、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社(特例子会社)を設立し、一定の要件を満たす場合には、その子会社で雇用される労働者を親会社に雇用された労働者とみなして、雇用率を算定できることとしています。 [関係会社特例]  特例子会社を持つ親会社と親子関係にある関係会社が特例子会社の障害者雇用に貢献している場合で、一定の要件を満たす場合には、関係する子会社も含め、企業グループ全体で雇用率を算定できることとしています。 親会社 ●意思決定機関の支配 ●役員等の派遣 関係会社 ●営業上の関係、 出資関係又は役員派遣等 関係会社 ●意思決定機関の支配 特例子会社 親会社、特例子会社、関係会社で実雇用率を通算 親会社 特例子会社 ●意思決定機関の支配 ●役員派遣等 親会社と特例子会社とで実雇用率を通算 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- [関係子会社特例 (企業グループ算定特例)] 親会社の責任の下、グループ全体で障害者雇用を進めることとし、一定の要件を満たす場合は、特例子会社を持たない場合でも、企業グループ全体で雇用率を算定できることになります。 親会社 すべての子会社が対象です。 意思決定機関の支配 関係子会社 関係子会社 関係子会社 企業グループ全体で実雇用率を通算 [特例事業主特例 (事業協同組合等算定特例)] 個々の企業では障害者雇用のノウハウ・仕事の確保等が不十分な場合等において、複数の企業が事業協同組合等(事業協同組合、水産加工業協同組合、商工組合、商店街振興組合)を活用して共同して障害者の雇用を進めることとし、一定の要件を満たす場合は、組合員である事業主(特定事業主)で雇用される労働者を事業協同組合等に雇用された労働者とみなして雇用率を算定できることになります。 特定事業主 特定事業主 特定事業主 雇用促進事業に参加 事業協同組合等 事業協同組合等及び特定 事業主で実雇用率を通算 法定雇用障害者数が0人の組合員 企業A 雇用促進事業に参加しない組合員 企業B 法定雇用障害者数が0人の組合員、雇用促進事業に参加しない組合員は、本特例の対象になりません。 障害者雇用納付金制度 障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、職場環境の整備、特別の雇用管理等が必要とされることが多く、経済的負担が伴うことから、雇用義務を履行している事業主と履行していない事業主とではその経済的負担に差が生じることとなります。 障害者雇用納付金制度は、障害者を雇用することは事業主が共同して果たしていくべき責任であるとの社会連帯責任の理念に立って、事業主間の障害者雇用に伴う経済的負担の調整を図るとともに、障害者を雇用する事業主に対して助成、援助を行うことにより、障害者雇用の促進と職業の安定を図るため「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき設けられた制度です。 障害者雇用納付金制度の概要 障害者雇用納付金の徴収 1人当たり月額50,000円 ○常用雇用労働者数301人以上の事業主は、 ●毎年度、納付金の申告が必要 ●法定雇用率を達成している場合も申告が必要 ●法定雇用率(1.8%)を下回っている場合は、申告とともに納付金の納付が必要 独立行政法人 高齢・障害者 雇用支援機構 法定雇用率を 下回っている 事業主 法定雇用率を 超えている 事業主 法定雇用率 (1.8%)相当数 納付金 雇用している身体、知的、精神障害者の数 調整金 障害者雇用調整金の支給 1人当たり月額27,000円 ●常用雇用労働者301人以上で、雇用障害者数が法定雇用率を超えている事業主 報奨金の支給 1人当たり月額21,000円 ●常用雇用労働者300人以下で、支給要件として定められている数を超えて障害者を雇用している事業主 在宅就業障害者特例調整金の支給 ●在宅就業障害者等に仕事を発注した納付金申告事業主の申請に基づき、支払った業務の対価に応じた額を支給 在宅就業障害者特例報奨金の支給 ●在宅就業障害者等に仕事を発注した報奨金申請事業主の申請に基づき、支払った業務の対価に応じた額を支給 各種助成金の支給 ●障害者を雇い入れたり、雇用を継続するために職場環境の整備等を行う事業主の申請に基づき費用の一部を助成 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 注)「障害者雇用納付金制度」の一部改正 平成22年7月から、常用雇用労働者が201人以上300人以下の事業主 平成27年4月から、常用雇用労働者が101人以上200人以下の事業主 に、障害者雇用納付金制度の対象が拡大されます。 ☆制度の適用から5年間は、納付金の減額特例が適用されます。  常用雇用労働者が201人以上300人以下の事業主   平成22年7月から平成27年6月まで 50,000円→40,000円  常用雇用労働者が101人以上200人以下の事業主   平成27年4月から平成32年3月まで 50,000円→40,000円  ※障害者雇用調整金は、変わらず27,000円となります。 ジョブコーチ(職場適応援助者)による支援 問い合わせ/地域障害者職業センター 障害者が円滑に職場に適応することができるよう、ジョブコーチが事業所に出向き、職場内においてさまざまな支援を行います。地域障害者職業センターに所属するジョブコーチ(配置型ジョブコーチ)と社会福祉法人等に所属するジョブコーチ(第1号職場適応援助者)が各地域に配置されており、必要に応じて両者が連携して支援を行います。 上記のジョブコーチ以外に事業主が自ら雇用する障害者(在職者)のために、職場適応援助者を配置することができます(第2号職場適応援助者)。また、第1号及び第2号職場適応援助者配置に関し、助成金が支給されます。 事業主 (管理監督者・人事担当者) ●障害特性に配慮した雇用管理に関する助言 ●配置、職務内容の設定に関する助言 上司 同僚 同僚 ●障害の理解に係る社内啓発 ●障害者との関わり方に関する助言 ●指導方法に関する助言 ジョブコーチ 障害者 ●作業遂行力の向上支援 ●職場内コミュニケーション能力の向上支援 ●健康管理、生活リズムの構築支援 家族 ●安定した職業生活を送るための家族の関わり方に関する助言 集中支援 不適応課題を分析し、集中的に改善を図る 週3〜4日訪問 集中支援 支援ノウハウの伝授やキーパーソンの育成により、支援の主体を徐々に職場に移行 週1〜2日訪問 フォローアップ 数週間〜数ヵ月に1度訪問 支援機関1〜7ヵ月(標準2〜4ヵ月)(地域障害者職業センターの場合) 障害者試行雇用(トライアル雇用)事業 問い合せ/ハローワーク 障害者に関する知識や雇用経験がないことから、障害者雇用をためらっている事業所が、障害者を原則3ヵ月間、試行雇用(トライアル雇用)の形で受け入れ、本格的な障害者雇用に取り組むきっかけづくりを進める事業です。トライアル雇用を実施した事業主に対しては、トライアル雇用終了後、トライアル雇用奨励金が支給されます。 精神障害者ステップアップ雇用 問い合せ/ハローワーク 事業主が精神障害者を試行的に雇用し、一定の期間をかけて、職場への適応状況をみながら、徐々に就業時間を伸ばしていくことにより、精神障害者と事業主の相互理解を深め、その後の常用雇用への移行や雇用のきっかけづくりを図る制度です。期間は原則として3ヵ月以上12ヵ月以内、1週間の所定労働時間は原則として10時間以上です。ステップアップ雇用を実施した事業主に対しては、ステップアップ雇用奨励金が支給されます。また、精神障害者2人以上5人以下のグループでステップアップ雇用を実施し、支援担当者を選任して対象者の援助を行う場合は、ステップアップ雇用奨励金に加えてグループ雇用奨励加算金が加算されます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 精神障害者総合雇用支援 問い合せ/地域障害者職業センター 精神障害者及び精神障害者を雇用しようとする又は雇用している事業主に対して、主治医との連携のもと、職場復帰・雇用促進・雇用継続の雇用の各段階で行う体系的かつ専門的な支援サービスです。 <職場復帰支援> 職場復帰のコーディネート、リワーク支援 など <雇用促進支援> 採用計画等を含む雇用管理に関する助言・援助、ジョブコーチによる支援 など <雇用継続支援> 職場適応の状況等に応じた助言・援助、ジョブコーチによる支援 など 相談・援助・情報提供 詳細は、当機構ホームページをご覧下さい               https://www.jeed.go.jp/disability/employer/employer01.html 相談・援助 障害者を新たに雇用する事業所からの相談、職場定着に関する相談等、事業主からの各種の雇用相談に応じています。 障害者職業生活相談員資格認定講習の開催 障害者を5人以上雇用する事業所においては、法律に基づき、障害者の職業生活全般に関する相談・指導を行う障害者職業生活相談員を選任しなければならないこととされており、その資格認定講習を実施しています。 障害者雇用事例リファレンスサービス https://www.ref.jeed.go.jp/ 障害者雇用における課題に対して解決の参考となる、全国の事業所の取組事例等をホームページで紹介しています。 雇用管理サポート事業 問い合せ/地域障害者職業センター 障害者の雇用、雇用継続又は職場復帰に当たっての雇用管理に関して、専門的な知識やノウハウを必要としている事業主に対して、地域障害者職業センターの障害者職業カウンセラー等が、地域の各種専門家(協力専門家)と一緒に事業所を訪問し、相談・助言を行っています。 就労支援機器の普及啓発 詳細は、当機構ホームページをご覧下さい https://www.kiki.jeed.go.jp/ 特に重度障害者の方々の雇用促進と雇用継続を図るため、ホームページを活用して障害者の就労を支援する機器及びソフトウエアなどの普及を図っています。また、障害者を雇用する事業主の方々や事業主の団体に対して、就労支援機器を一定期間無料で貸し出すことにより、その普及を促進しています。 就労支援機器は、ホームページから検索することができます。申請書はホームページからダウンロードできます。 障害者雇用のための助成措置等 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金) 問い合わせ/ 都道府県労働局、ハローワーク 身体障害者、知的障害者又は精神障害者等の就職が特に困難な者を新たに公共職業安定所等の紹介により雇い入れた事業主に対して、その賃金の一部を雇い入れた日から一定期間助成することにより、雇用機会の増大を図るものです。 障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金) 問い合わせ/ 都道府県労働局、ハローワーク 中小企業における雇用状況は低水準で推移しており、特に中小企業における法定雇用率未達成企業のうち雇用障害者数が0人である企業が約8割を占めていること、また、今般の景気悪化により障害者の雇用情勢が後退するおそれがあること等の状況の中で、障害者雇用の経験のない中小企業において、初めて身体障害者、知的障害者又は精神障害者を雇用した場合に奨励金を支給することにより、障害者雇用の促進を図るものです。 特例子会社等設立促進助成金 問い合わせ/ 都道府県労働局、ハローワーク 景気後退期においても比較的安定した障害者雇用が見込まれる特例子会社や重度障害者多数雇用事業所の設立促進のための助成制度を創設し、安定的な障害者雇用を保障するとともに、地域における特例子会社等を増やし、それを核とした地域の障害者雇用の拡大を図るものです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 事業協同組合等障害者雇用促進助成金 問い合わせ/ 都道府県労働局、ハローワーク 特定事業主特例(事業協同組合等算定特例)制度の活用を推進し、中小企業における障害者雇用を促進するものです。 障害者雇用納付金制度に基づく助成金       事業主が障害者を新たに雇い入れたり、障害者の安定した雇用を維持するために、少なからぬ経済的負担がかかることがあります。障害者雇用納付金制度に基づく助成金は、その費用の一部を助成し、負担の軽減を図ることで障害者の雇い入れや継続雇用を容易にしようとする制度です。 ○助成金の種類 助成金の対象、助成率、限度額、手続き等は 当機構ホームページhttps://www.jeed.go.jp/disability/employer/download/h20_josei.pdfをご覧下さい。 障害者作業施設設置等助成金 障害者福祉施設設置等助成金 障害者介助等助成金 職場適応援助者助成金 重度障害者等通勤対策助成金 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金 障害者能力開発助成金 内 容 障害者を常用労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主が、その障害者が障害を克服し作業を容易に行うことができるよう配慮された作業施設または改造等がなされた作業設備の整備等を行う費用に対する助成金です。 障害者を常用労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主またはその事業主が加入している事業主団体が、障害者である労働者の福祉の増進を図るため、障害者が利用できるよう配慮された福利厚生施設の整備等を行う費用に対する助成金です。 重度身体障害者、知的障害者、精神障害者または就職が特に困難と認められる身体障害者を常用労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主が、障害の種類や程度に応じた適切な雇用管理のために必要な介助等の措置を実施する費用に対する助成金です。 職場適応援助者による援助を受けなければ、事業主による雇い入れまたは雇用の継続が困難と認められる障害者に対して、職場に適応することを容易にするために職場適応援助者(機構が行う養成研修または厚生労働大臣が定める研修を修了し、援助の実施に関し必要な相当程度の経験及び能力を有すると認められる者)を配置し援助を実施する費用に対する助成金です。 重度身体障害者、知的障害者、精神障害者または通勤が特に困難と認められる身体障害者を常用労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主、またはこれらの事業主が加入している事業主団体が、これらの者の通勤を容易にするための措置を行う費用に対する助成金です。 重度身体障害者、知的障害者または精神障害者を常用労働者として多数雇い入れるか継続して雇用し、かつ、安定した雇用を継続することができると認められる事業主が、これらの障害者のために事業施設等の整備等を行う費用に対する助成金です。 障害者の職業に必要な能力を開発し、向上させるための能力開発訓練事業(厚生労働大臣告示による基準に該当するもの)を行う事業主等が、能力開発訓練のために施設・設備の整備等を行う費用、その能力開発訓練事業を運営する費用や障害者である労働者を常用労働者として雇用する事業主が、その障害者である労働者に障害者能力開発訓練を受講させる費用に対する助成金です。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 地域障害者職業センター 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が全国の都道府県に設置しており、ハローワーク等の関係機関と密接な連携のもと、障害者や事業主に対して専門的な職業リハビリテーションサービスを行うとともに、地域の関係機関に対して職業リハビリテーションに関する助言・援助を行っています。 〒 所在地 電話番号 FAX番号 北海道障害者職業センター 001-0024 札幌市北区北24条西5-1-1札幌サンプラザ5F 011-747-8231 011-747-8134 北海道障害者職業センター旭川支所 070-0034 旭川市四条通8丁目右1号ツジビル5F 0166-26-8231 0166-26-8232 青森障害者職業センター 030-0845 青森市緑2-17-2 017-774-7123 017-776-2610 岩手障害者職業センター 020-0133 盛岡市青山4-12-30 019-646-4117 019-646-6860 宮城障害者職業センター 983-0836 仙台市宮城野区幸町4-6-1 022-257-5601 022-257-5675 秋田障害者職業センター 010-0944 秋田市川尻若葉町4-48 018-864-3608 018-864-3609 山形障害者職業センター 990-0021 山形市小白川町2-3-68 023-624-2102 023-624-2179 福島障害者職業センター 960-8135 福島市腰浜町23-28 024-522-2230 024-522-2261 茨城障害者職業センター 309-1703 笠間市鯉淵6528-66 0296-77-7373 0296-77-4752 栃木障害者職業センター 320-0865 宇都宮市睦町3-8 028-637-3216 028-637-3190 群馬障害者職業センター 379-2154 前橋市天川大島町130-1 027-290-2540 027-290-2541 埼玉障害者職業センター 338-0825 さいたま市桜区下大久保136-1 048-854-3222 048-854-3260 千葉障害者職業センター 261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 043-204-2080 043-204-2083 東京障害者職業センター 110-0015 台東区東上野4-27-3上野トーセイビル3F 03-6673-3938 03-6673-3948 東京障害者職業センター多摩支所 190-0012 立川市曙町2-38-5立川ビジネスセンタービル5F 042-529-3341 042-529-3356 神奈川障害者職業センター 228-0815 相模原市桜台13-1 042-745-3131 042-742-5789 新潟障害者職業センター 950-0067 新潟市東区大山2-13-1 025-271-0333 025-271-9522 富山障害者職業センター 930-0004 富山市桜橋通り1-18住友生命富山ビル7F 076-413-5515 076-413-5516 石川障害者職業センター 920-0856 金沢市昭和町16-1ヴィサージュ1F 076-225-5011 076-225-5017 福井障害者職業センター 910-0026 福井市光陽2-3-32 0776-25-3685 0776-25-3694 山梨障害者職業センター 400-0864 甲府市湯田2-17-14 055-232-7069 055-232-7077 長野障害者職業センター 380-0935 長野市中御所3-2-4 026-227-9774 026-224-7089 岐阜障害者職業センター 502-0933 岐阜市日光町6-30 058-231-1222 058-231-1049 静岡障害者職業センター 420-0851 静岡市葵区黒金町59-6大同生命静岡ビル7F 054-652-3322 054-652-3325 愛知障害者職業センター 453-0015 名古屋市中村区椿町1-16井門名古屋ビル4F 052-452-3541 052-452-6218 愛知障害者職業センター豊橋支所 440-0888 豊橋市駅前大通り1-27三菱UFJ証券豊橋ビル6F 0532-56-3861 0532-56-3860 三重障害者職業センター 514-0002 津市島崎町327-1 059-224-4726 059-224-4707 滋賀障害者職業センター 525-0027 草津市野村2-20-5 077-564-1641 077-564-1663 京都障害者職業センター 600-8235 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町803 075-341-2666 075-341-2678 大阪障害者職業センター 541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11クラボウアネックスビル4F 06-6261-7005 06-6261-7066 大阪障害者職業センター南大阪支所 591-8025 堺市北区長曽根町130-23堺商工会議所5F 072-258-7137 072-258-7139 兵庫障害者職業センター 657-0833 神戸市灘区大内通5-2-2 078-881-6776 078-881-6596 奈良障害者職業センター 630-8014 奈良市四条大路4-2-4 0742-34-5335 0742-34-1899 和歌山障害者職業センター 640-8323 和歌山市太田130-3 073-472-3233 073-474-3069 鳥取障害者職業センター 680-0842 鳥取市吉方189 0857-22-0260 0857-26-1987 島根障害者職業センター 690-0877 松江市春日町532 0852-21-0900 0852-21-1909 岡山障害者職業センター 700-0821 岡山市北区中山下1-8-45NTTクレド岡山ビル17F 086-235-0830 086-235-0831 広島障害者職業センター 732-0052 広島市東区光町2-15-55 082-263-7080 082-263-7319 山口障害者職業センター 747-0803 防府市岡村町3-1 0835-21-0520 0835-21-0569 徳島障害者職業センター 770-0823 徳島市出来島本町1-5 088-611-8111 088-611-8220 香川障害者職業センター 760-0055 高松市観光通2-5-20 087-861-6868 087-861-6880 愛媛障害者職業センター 790-0808 松山市若草町7-2 089-921-1213 089-921-1214 高知障害者職業センター 781-5102 高知市大津甲770-3 088-866-2111 088-866-0676 福岡障害者職業センター 810-0042 福岡市中央区赤坂1-6-19ワークプラザ赤坂5F 092-752-5801 092-752-5751 福岡障害者職業センター北九州支所 802-0066 北九州市小倉北区萩崎町1-27 093-941-8521 093-941-8513 佐賀障害者職業センター 840-0851 佐賀市天祐1-8-5 0952-24-8030 0952-24-8035 長崎障害者職業センター 852-8104 長崎市茂里町3-26 095-844-3431 095-848-1886 熊本障害者職業センター 862-0971 熊本市大江6-1-38-4F 096-371-8333 096-371-8806 大分障害者職業センター 874-0905 別府市上野口町3088-170 0977-25-9035 0977-25-9042 宮崎障害者職業センター 880-0014 宮崎市鶴島2-14-17 0985-26-5226 0985-25-6425 鹿児島障害者職業センター 890-0063 鹿児島市鴨池2-30-10 099-257-9240 099-257-9281 沖縄障害者職業センター 900-0006 那覇市おもろまち1-3-25沖縄職業総合庁舎5F 098-861-1254 098-861-1116 ◎発行日 平成22年3月 ◎企画・発行 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 雇用開発推進部 〒105-0022 東京都港区海岸1丁目11番1号 ニューピア竹芝ノースタワー TEL. 03-5400-1625 URL https://www.jeed.go.jp/ FAX. 03-5400-1608