障害者雇用マニュアル コミック版 視覚障害者と働く ―理解と配慮で、ともに働く環境づくり― ■ 支援機関のサポートを受けて 事務職として雇入れ ■ ヘルスキーパー制度を導入し、 新規雇入れ ■ ジョブコーチを活用して課題を改善 ■ 中途障害者がキャリアを活かして 雇用を継続 ■ 受障後の訓練と職場復帰への取組 ■ 在宅勤務の導入に向けた取組 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 はじめに  本マニュアルは、視覚障害者の雇用促進及び安定した継続雇用を 推進することを目的として、視覚障害者の雇用のノウハウをわかり やすいコミック版の形式で解説したものです。  近年の視覚障害者が従事する職業は、あん摩・マッサージ・指圧、 鍼、灸業が多くを占めていますが、昨今においては、ICT技術や就労 支援機器の発達・普及に伴い事務的職業やサービス業に就く視覚 障害者が増えており、今後一層の職域拡大が期待されています。  また、中途で視覚障害となった方の継続雇用や職場復帰について も、ニーズの高まりとあわせて、ICT技術や就労支援機器の発達・普 及に伴い職務内容の検討の幅も拡がり、企業の取組が注目されてい るところです。  本マニュアルにおいては、視覚障害者の主要な職業領域である事 務的職業やヘルスキーパーを中心に、最新の就労支援機器や支援制 度の活用例、職場での具体的な支援方法などを盛り込みながら、視 覚障害者の雇入れと職場定着に必要な雇用管理の実践的手法につ いて紹介しております。  本マニュアルができるだけ多くの事業主、人事労務担当者、そし て視覚障害者とともに働く上司や同僚の方々にご参考にしていた だきましたら幸いです。 令和5年3月 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 1 視覚障害者と働く -理解と配慮で、ともに働く環境づくり- はじめに…1 目次…2 主な登場人物…4 基礎編…5 シーン1 障害者職業センターでの相談「 視覚障害とは」…6  シーン2 視覚障害者のリハビリテーション…10 シーン3 就労に当たっての環境整備…12 シーン4 視覚障害者の業務…16 解  説 視覚障害者に関するデータ…18 実践編…19 事例1 職業訓練を経て事務職で就職した事例…20 シーン1 職業能力開発による支援…20 解  説 視覚障害者等を対象とした職業能力開発施設…23 シーン2 求職活動への支援…24 シーン3 受入れ段階での支援…26 シーン4 入社後のサポート…30 解  説 視覚障害者へのガイドの方法…33 事例2 特別支援学校(盲学校)からヘルスキーパーとして就職した事例…34 シーン1 ヘルスキーパーの導入を検討する事業所への支援…34 解  説 特別支援学校(盲学校)からヘルスキーパーとして就職した事例…38 2 シーン2 シーン2 ヘルスキーパー採用に当たっての支援…39 シーン3 更なる職場定着のための取組…43 事例3 ジョブコーチ支援を活用して課題改善を図った事例…44 シーン1 課題の洗い出しと改善への取組…44 解  説 障害者トライアル雇用助成金、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援…49 事例4 在職中に視覚障害者となったが、これまでのキャリアを活かして雇用が継続された事例…50 シーン1 受障から継続雇用への取組…50 シーン2 職場内での取組…54 解  説 在職中に視覚障害者となったが、これまでのキャリアを活かして雇用が継続された事例…57 事例5 在職中に受障し、日常及び就労面の訓練を受けて職場復帰を果たした事例…58 シーン1 職場復帰を見据えた訓練の実施…58 シーン2 職場復帰への移行…62 解  説 中途視覚障害者の職場復帰のポイント…65 事例6 在宅勤務を導入した事例…66 シーン1 在宅勤務導入に当たっての取組…66 シーン2 在宅勤務定着に当たっての取組…71 解  説 在宅勤務に関する手続き、マニュアルの紹介…73 資 料 地域障害者職業センター一覧・広域障害者職業センター一覧…74 都道府県支部 高齢・障害者業務課…75 事業主に対する助成措置…76 障害者雇用に役立つ資料…78 就労支援機器の展示・貸出し…79 引用・参考文献一覧…80 3 主な登場人物 大谷 宏一 さん (19歳) 疾患名:先天性白内障 視力・視野:弱視、視野狭窄 特別支援学校3年生の時に職場実 習を受けた 職務上課題を有しているためジョ ブコーチ支援を活用し正式採用さ れた 渡会 佳織 さん (22歳) 疾患名:先天異常   視力・視野:全盲 特別支援学校(盲学校)からヘル スキーパーとして就職 同時に採用された経験者と一緒に、 新たに企業内に設置されたマッサー ジ室で働き出した 大越 和也 さん (23歳) 疾患名:先天異常 視力・視野:全盲(学童期まで弱視) 四年制大学を卒業するが就職活動 が実を結ばず職業訓練を受けた後 に事務職として採用された 余野木 守 さん (38歳) 疾患名:網膜色素変性症   視力・視野:弱視と視野狭窄から全盲へ 弱視と視野狭窄がある視覚障害者 として就職したが進行性の疾病に より全盲に 会社移転のため通勤困難となった が在宅勤務が実現 渡辺 晴幸 さん (42歳) 疾患名:事故による両眼の損傷 視力・視野:全盲 建設現場での事故により両眼の視力 を失ったが、日常や就労面の訓練 を経て、職場復帰した 狩野 恵理 さん (38歳) 疾患名:緑内障 視力・視野:弱視、視野狭窄 在職中に病気による視力の低下と 視野狭窄のためこれまでの業務が 困難な状況となるが職業訓練を経 て職場復帰した 4