障害者雇用マニュアル コミック版 A 知的障害者と働く ―理解を深め、ともに働く環境づくり― はじめて障害者雇用する企業を支援 マニュアルで仕事が上達 家族の協力 ジョブコーチ支援で職場定着 高齢化への対応 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 はじめに  本マニュアルは、知的障害者の雇用および職場定着を推進することを目的として、知的 障害者雇用のノウハウを平易でわかりやすいコミック版の形式で解説したものです。平成 10年3月の初版から幾度の改訂を行い、障害者や事業主に対して、雇用の前後を通じて障 害特性を踏まえた支援を行う「ジョブコーチによる支援事業」を活用した事例や、就業面 と生活面の一体的な支援を行う「障害者就業・生活支援センター」と連携した事例、知的 障害者の高齢化への対応などの視点を盛り込み、これまで多くの企業でご利用いただいて いるところです。  平成28年4月1日から全ての事業主を対象に、雇用分野における障害者に対する差別の 禁止及び合理的配慮の提供が義務付けられたことなどを踏まえて、本マニュアルが今後と も更に多くの企業などで活用され、知的障害者の雇用促進、職場定着に役立つものとなれ ば幸いです。 令和元年8月 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 P2 CONTENTS 知的障害者と働く ―理解を深め、ともに働く環境づくり― はじめに 目次 2 主な登場人物 4 基礎編 プロローグ 6 知的障害とは 8 知的障害者の雇用の実態 9 実務偏 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 職場:スーパー 従事作業:商品の品出し、陳列、清掃作業 シーン1 求職活動 12 解説 支援機関の名称と主な業務内容 16 シーン2 面接 18 解説 障害者を雇用する場合に活用できる支援制度 20 シーン3 ジョブコーチ支援スタート 22 シーン4 通勤時の配慮 24 解説 通勤時の配慮 25 シーン5 わかりやすい教え方 26 解説 仕事の習熟をサポートするポイント 30 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 職場:自動車部品工場 従事作業:工場敷地の緑化、福利厚生施設等の清掃 シーン1 安全意識 32 シーン2 マニュアルの作成 34 解説 マニュアルの効果 38 シーン3 昼休みの過ごし方 40 解説 適切な行動と不適切な行動 42 P3 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 職場:菓子製造会社 従事作業:商品用箱折り、箱詰め、ばんじゅう洗浄 シーン1 障害者就業:生活支援センターとの連携 43 解説 障害者職業生活相談員とは 45 シーン2 家族との連携 46 解説 家族との連絡方法 49 シーン3 余暇活動への参加 50 4 職場定着事例 指導担当者の異勤がきっかけで、作業遂行に課題が発生 職場:老人福祉施設 従事作業:清掃、洗濯物たたみ、介護補助 シーン1 地域障害者職業センターとの連携 52 シーン2 職務創出と指示系統の明確化 56 5 職場定着事例 親の高齢化のためグループホームに入居 職場:クリーニング工場 従事作業:洗濯作業 シーン1 家族の高齢化 60 解説 職場のサポート体制 63 シーン2 グループホームの活用 64 解説 事業所における知的障害者の高齢化への対応 66 エピローグ 68 資 料 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構 地域障害者職業センター、広域障害者職業センター一覧 70 都道府県支部高齢・障害者業務課一覧 71 引用・参考文献一覧 72 障害者雇用に役立つ資料 73 P4 主な登場人物 上田 一郎さん (20歳・知的障害) 特別支援学校高等部を卒業、就労移行支援事業所に通った後、地域障害者職業センターの 支援を利用する。スーパーマーケット井上に採用され、食品売り場で就労を始めた。 中川 英治さん (18歳・知的障害) 特別支援学校高等部に在籍中、自動車部品製造工場で2週間の職場実習を体験。実際の作 業をとおして働き方を学び、卒業後採用された。 木村 由美さん (25歳・知的障害) 菓子製造会社に就職。元気に働きだして1年半後、友達と会えない悩みを抱える。障害者 就業・生活支援センターを通じて余暇活動に参加することで、再び元気に働きだした。 前川 花梨さん (25歳・知的障害) 老人福祉施設で清掃、洗濯物たたみ、レクリエーション補助など、介護補助スタッフとし て活躍。身近な職員が異動したことにより作業に戸惑ったが、無事クリアして就労を続け た。 服部 春夫さん (51歳・知的障害) クリーニング工場で働き勤続25年目となるが、父親が急逝、将来の自立した生活を目指し てグループホームに入居して働き続けることになった。 加藤 伸司さん 40歳・地域障害者職業センターの障害者職業カウンセラー。事業主に対して、障害者雇用 を進めるための相談や職場定着に向けた助言を行っている。 奥田 博さん 35歳・地域障害者職業センターのジョブコーチ。障害者が職場に適応できるよう職場に出 向いて支援している。 ※ この作品は複数の雇用事例を基に構成したものです。登場する人物、企業等はすべて架 空のもので実在するものではありません。 P5 基礎編 ● プロローグ 6 ● 知的障害とは 8 ● 知的障害者の雇用の実態 9 P6 基礎編 プロローグ プロローグ はいスーパーマーケット井上人事の飯野です ハローワーク障害者相談窓口担当江川と申します 今回、ハローワークに求人のお申し込 みをいただいていますが知的障害者の雇用を検討していただけませんか ハローワークも サポートしますし、障害者職業センターという専門機関もありますよ えっ… 当社では知的障害者の採用はしたことがありませんし…う〜ん 知的障害者の採用か… P7 基礎編 プロローグ ずいぶん一生懸命に作業をしていますね 近所にある就労移行支援事業所に通って、訓練を受けている知的障害のある人たちですよ 作業の一貫として園芸活動をしています ほー 元気がありますね 知的障害者は 十分働けるかも… 早速ですが知的障害者について教えてください はい、わかりました 知的障害とは… 知的障害とは… P8 基礎編 知的障害とは 解説 知的障害とは 1.障害の概要  知的な発達に遅れがあり、意思交換(言葉を理解し気持ちを表現することなど)や日常 的な事柄(お金の計算など)が苦手なために援助が必要な人といえます。  知的な遅れがあるといっても、すべての能力が遅れているわけではありません。「話し言 葉は理解できるが、文章の理解や表現は苦手」という人もいますし、「言葉による指示より 視覚的指示の方が理解しやすい」という人もいます。障害の程度、適性、意欲、興味、体 力などは個人差もあり、知能指数だけで職務能力を判断することは避ける必要があります。 2.配慮事項 いろいろな人から説明や指示を受けると混乱してしまいます。指導担当者をはっきりさ せることが大切です。  機械を導入して工程を単純化したり、工程を細分化して作業を可能にした例も多くあり ます。「それ」「あれ」などの言い方や抽象的な表現は避け、簡潔で具体的な表現が大切で す。絵や図を使ったり、注意事項などは黒板に書いたりするのもよいでしょう。やってみ せて、次に、本人にやらせて理解を確かめます。  一般に文章理解、数字の操作が苦手ですが、1個できあがるたびにカウンターを押して 数を数えなくてもよくする、砂時計やタイマーを使用して正しいタイミングや必要な時間 の長さを測るなど、道具の利用や工夫によって解決できることもあります。 3.「障害者の雇用の促進等に関する法律」における知的障害者の範囲 何によって確認? 地方自治体から療育手帳(自治体によっては、「愛の手帳」や「緑の手帳」などの名称があ ります)が交付されます。 ※ 療育手帳のほか、児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターまたは精 神保健指定医による判定書や地域障害者職業センターの判定書でも知的障害の確認ができ ます。 手帳の等級 手帳において障害程度はA(重度)、B1(中度)、B2(軽度)に区分している自治体が 多いです。 重度障害者 療育手帳Aと地域障害者職業センターで重度知的障害者と判定された者が重度障害者の扱 いとなります。障害者雇用率において、1人を2人として算定されます。 短時間労働者 障害者雇用率において、重度障害者が1人として算定されます。 重度以外の障害者が0.5人として算定されます。 4. 知的障害者の人数  内閣府の令和元年版の「障害者白書」によれば、在宅の知的障害児・者は約96万2千人 と推計され、これを社会福祉施設に入所している知的障害児・者約12万人と合わせると、 わが国の知的障害児・者数は約108万2千人です。 P9 基礎編 知的障害者の雇用の実態 5. 知的障害者の新たな職域  近年は定型業務に加え、事務補助や介護などの業務にも知的障害者の職域が広がってい ます。 【例】 ・ パソコンを使用して名刺作成 ・ 全国の支店などへメール発送 ・ 介護施設におけるベッドメイキング、利用者の誘導 ・ 保育園における園児の遊びや食事の介助、昼寝の布団の準備 (「障害者雇用事例リファレンスサービス」(https://www.ref.jeed.go.jp/)及び「知的障 害者のための職場改善に関する好事例集」(2007)より) 知的障害者の雇用の実態 (厚生労働省:平成30年度障害者雇用実態調査の結果より) 1. 雇用されている知的障害者の人数  厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」によると、5人以上の常用労働者を雇 用している民間の事業所に常用で雇用されている知的障害者は、全国で18万9千人と推定 されています。 2. 産業別の雇用状況  産業別にみると、製造業で25・9%と最も多く雇用されています。次いで、卸売業、小 売業23・7%、医療、福祉21・9%となっています(図1 ー 1)。 3. 職業別の雇用状況  職業別にみると、生産工程の職業が37・8%と最も多く、次いでサービスの職業が22・ 4%と多くなっています(図1 ー 2)。 図1-1 産業別の雇用状況 図1-2 知的障害者の職業別雇用状況 P10 基礎編 知的障害者の雇用の実態 4. 雇用形態と労働時間  雇用形態別にみると、正社員が19・8%であり、正社員以外が80・0%となっています。 また、週所定労働時間別にみると、通常(30時間以上)が65・5%と最も多く、次いで 20時間以上30時間未満が31・4%となっています(図1 ー 3)。 図1-3 週所定労働時間別 5. 賃金の状況  知的障害者の1か月の平均賃金は、11万7千円となっています。 週所定労働時間別に みると、通常(30時間以上)の者が13万7千円、20時間以上30時間未満の者が8万2千 円、20時間未満の者が5万1千円となっています。 なお、賃金の支払形態は、月給制が 19・9%、日給制が6・0%、時給制が73・8%、その他が0・2%、無回答が0・1% となっています(図1 ー 4) 図1-3 週所定労働時間別 図1-4 週所定労働時間別平均賃金 実務編 1 新規雇用事例  12 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 2 新規雇用事例  32 特別支援学校の職場実習を受け入れ 3 職場定着事例  43 遅刻が増えて、家族と協力して解決 4 職場定着事例  52 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 5 職場定着事例 親の高齢化のためグループホームに入居 エピローグ  68 P12 1  新規雇用  事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 職場:スーパー 従事作業:商品の品出し、陳列、清掃作業 対象障害者 上田一郎さん シーン1 求職活動 上田一郎さんは特別支援学校高等部を卒業後、就労移行支援事業所『希望の家』に通いだ した。 就労移行支援事業所『希望の家』 上田さん、袋詰めのクッキーをお店に運び並べてくださいね はい カララン こんにちは あら、おいしそうに焼きあがっているわね ありがとうございます P13 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 一郎もそろそろどこかに就職するっていうわけにはいきませんか うちへ来てもう2年になりますね就職を目指すために地域障害者就職センターに相談して みたんですよ 職業準備支援というものを利用してみませんか 用語解説 職業準備支援 作業体験、職業準備講習などを通じて、職業に関する知識の習得や社会生活技能等の向上 を図るもの わかりました やってみます 地域障害者職業センター P14 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 上田さんは作業は几帳面 決められたことは確実にできますね また、作業量も安定していますね いってらっしゃーい お疲れ様でした P15 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 加藤さん 自信もわいてきたので早く就職を… 一緒にハローワークに行ってみましょう スーパーマーケット井上で商品の品だし 陳列、清掃作業の求人がでているよ 商品を並べる作業をやってみたいです このスーパーマーケット井上の仕事を、やってみたいです 上田さんは経験もしているし先方に連絡してみましょう 先日もお電話したハローワークの江川です 求人の作業内容に十分対応できます はじめて障害者雇用をされる企業に向けて さまざまな支援制度がありますよ では面接をしてみましょう ありがとうございます P16 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 解説 支援機関の名称と主な業務内容    知的障害者の雇用に関して、本人と事業主との橋渡し役となる以下のような支援機関が あります。雇用の際や雇用してからの職場定着に関して、支援機関を活用してよりよい雇 用・職場環境を築いていくことが大切です。 1. ハローワーク(厚生労働省が運営) ■ 職業相談・職業紹介  就職を希望する障害者の求職登録を行い、技能、職業適性、知識、希望職種などの状況 に基づき、ケースワーク方式によるきめ細かな職業相談・職業紹介を実施しています。 ■ 障害者向け求人の確保  障害者向け求人の開拓を行うとともに、一般求人として受理したもののうちから障害者 に適したものについて障害者求人への転換を勧め、求人の確保に努めています。 ■ 雇用率達成指導  毎年、事業主からの雇用状況報告を求め、雇用率未達成の事業主に対して指導を行って います。 ■ 雇用率達成指導と結び付けた職業紹介  事業主に対して雇用率達成指導を行う中で、職業紹介部門、事業主指導部門が連携し、 雇用率未達成企業からの求人開拓、未達成企業への職業紹介を行っています。 ■ 職場定着・継続雇用の支援  職業紹介により就職した障害者が職場に適応して就労していけるよう、支援を行ってい ます。 2. 地域障害者就業センター  ((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が各都道府県に設置)  障害者職業カウンセラーが配置され、障害者に対して、職業評価、職業指導、職業準備 支援、ジョブコーチによる支援等の専門的なリハビリテーション、事業主に対する雇用管 理に関する助言等を実施しています。 ■ 職業評価・職業指導  就職の希望等を把握した上で、職業能力等を評価し、必要な相談・指導を行い、これら を基に、就職して職場に適応するために必要な支援内容・方法等を含む個々人の状況に応 じた「職業リハビリテーション計画」を策定します。 ■ 職業準備支援  個別カリキュラムに基づき、就職又は職場適応に必要な職業上の課題の把握とその改善 を図るための支援、職業に関する知識の習得のための支援、社会生活技能等の向上を図る ための支援を行います。 P17 ■ ジョブコーチ支援  障害者が職場に適応できるよう、ジョブコーチが職場に出向いて、障害者および事業主 に対して支援や助言などを行います。 ■ 事業主に対する雇用管理に関する助言等  事業主が障害者の雇用管理に課題を有し、その解決に継続的な支援を必要としている場 合には、事業主のニーズや雇用管理上の課題を分析し「事業主支援計画」を策定して、体 系的な支援を行います。  特に専門性の高い障害者の雇用管理に係る事項については、地域の専門家である「障害 者雇用管理サポーター」の協力を得て助言等を行います。 3. 障害者就業・生活支援センター  (都道府県知事が指定する一般社団法人もしくは一般財団法人、社会福祉法人、NPO 法人など)  就業およびそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者に対し、窓口での相談や職 場・家庭訪問などを実施します。 ■ 就業面での支援  就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習のあっせん)、就職活動の支援、職場定 着に向けた支援、障害者それぞれの特性を踏まえた雇用管理についての事業主に対する助 言、関係機関との連絡調整 ■ 生活面での支援  生活習慣の形成、健康管理、金銭管理などの日常生活の自己管理に関する助言、住居、 年金、余暇活動など地域生活、生活設計に関する助言、関係機関との連絡調整 4.特別支援学校  障害の程度が比較的重い児童・生徒を対象として専門性の高い教育を行う学校です。幼稚園 から高等学校に相当する年齢段階の教育を、特別支援学校のそれぞれ幼稚部・小学部・中 学部・高等部で行います。高等部においては、家庭生活、職業生活、社会生活に必要な知 識、技能、態度などの指導を中心とし、例えば、木工、農園芸、食品加工、ビルクリーニン グなどの作業学習を実施し、特に職業教育の充実を図っています。 5. 就労移行支援事業所  一般就労などへの移行に向けて、就労移行支援事業所内での作業や、企業における実習、 適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援を行います。利用期限は原則2年 以内です。 6. 障害者職業能力開発校(国立13校、都道府県立5校)  一般の職業訓練校で職業訓練を受けることが難しい障害者に対し、それぞれの障害の状 態に応じて科目やカリキュラムに特別の配慮を加えた職業訓練を実施しています。また、 企業に雇用されている障害者に対して、多様な職務内容の変化にも迅速に対応できるよう、 在職者訓練を実施しています。 P18 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート シーン2 面接 どうしてうちの会社で働きたいと思ったの? 『希望の家』でパンやクッキーを作ってお店に並べていました お菓子を売っているスーパーに興味があって働きたいと思いました 当施設では接客もしてお客様の評価も良かったですよ 食品を扱う作業ですので作業時には白衣に着替えたり、手洗い髪の毛のチェックをしたり  身だしなみもしっかりしています。 実際、うちの仕事はできそうかな 当センターに約2か月通ってもらって様々な作業を体験してもらいました 丁寧な作業で確実性はあると思います また、熱心に作業に取り組みますので安定した作 業が可能だと思います ただ P19 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 初めての場面では緊張をしてしまうことがあるので作業に慣れるまでの時間をいただけれ ばありがたいです うーん 飯野部長 トライアル雇用という制度をご存知ですか? まず 3か月間有期雇用していただいて3か月後に常用雇用に移行するかどうか判断する ことが可能です その間に作業がどれだけできるか職場に慣れるか見てください それに初めての受け入れでご不安な点がございましたら 当センターではジョブコーチというスタッフを定期的に訪問させ 上田さんが作業や職場の人間関係になれるためのサポートをしたいと思います トライアル雇用とジョブコーチ支援を活用して まずは上田さんの仕事をする力を見てい ただけないでしょうか … 上田さんうちの会社で働いてみたい? はい 働きたいです! わかりました 社長にかけあってみましょう 結果は、後日ご連絡します よろしくご検討ください P20 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 解説  障害者を雇用する場合に活用できる支援制度 1. 障害者トライアル雇用事業 問い合わせ 都道府県労働局、ハローワーク  障害者雇用の経験が少ない事業主は、障害者に関する知識や経験に乏しいことから、障 害者雇用に取り組む意欲があっても雇い入れることに躊躇する面もあります。  また、障害者の側でも「どのような職種が向いているかわからない」「仕事に耐えられる だろうか」といった不安を感じている場合もあります。  そこで、障害者を短期の試行雇用(トライアル雇用)の形で受け入れることにより、事 業主の障害者雇用のきっかけをつくり、常用雇用への移行を促進することを目的とする制 度です。 ■期間  トライアル雇用の期間は原則として3か月間で、ハローワークの職業紹介によ り、事業主と対象障害者との間で有期雇用契約を締結します。 トライアル雇用期間中の労働条件は、労働基準法などの労働関係法令に基づき定めなけれ ばなりません。 ■助成金 トライアル雇用を実施した事業主に対して、トライアル雇用終了後、原則とし てトライアル雇用者一人につき、月4万円の助成金が支給されます。 ※ 対象となる事業主の要件がありますので、詳細についてはハローワークにお問い合わせ ください。 障害に応じた職場の配慮事項が分からない 障害者への接し方、雇用管理が分からない どのような仕事が適職か分からない 不安  事業主  不安  障害者 どのような仕事を担当させればよいか分からない 身体障害者は雇用しているが、知的障害者を雇うのは初めて 訓練を受けたことが実際に役立つか不安 就職は初めてなので、職場での仕事に耐えられるか不安 トライアル雇用(3か月間の有期雇用) 不安の解消・軽減 常用雇用 P21 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 2. ジョブコーチによる支援 問い合わせ 地域障害者職業センター  障害者が円滑に職場に適応することができるよう、ジョブコーチが事業所に出向き、職 場内において様々な支援を行う制度があります。 ■ 「作業手順を覚える」「作業のミスを防ぐ」などの職務を遂行するための支援や、「質問 や報告を適切に行う」などの仕事をするうえで円滑にコミュニケーションをとるための支 援など、障害者の課題に応じた支援を行います。 ■ また、障害者だけでなく、「障害を理解し、適切な配慮をするための助言」や「仕事内 容や指導方法に対する助言」など、事業主や職場の従業員に対しても支援を行います。 ■ 支援期間や支援頻度は、課題に応じ個別に設定しますが、標準的な支援期間は2〜4か 月程度です。 支援頻度を徐々に減らし、最終的には事業所内のサポート体制をつくることを目標として います。 ■ 地域障害者職業センターに所属するジョブコーチ(配置型職場適応援助者)と社会福祉 法人などに所属するジョブコーチ(訪問型職場適応援助者)が各地域に配置されており、 必要に応じて両者が連携して支援を行います。 右記のジョブコーチ以外に事業主が自ら雇用する障害者(在職者)のために、職場適応援 助者を配置することができます(企業在籍型職場適応援助者)。また、訪問型及び企業在籍 型職場適応援助者配置に関し、助成金制度が設けられています。 ・ 障害特性に配慮した雇用管理に関する助言 ・ 配置、職務内容の設定に関する助言 事業主 (管理監督者・人事担当者) 上司  同僚  同僚 ・ 障害の理解に係る社内啓発 ・ 障害者との関わり方に関する助言 ・ 指導方法に関する助言 ジョブコーチ ・ 職務の遂行に関する支援 ・ 職場内のコミュニケーションに関する支援 ・ 体調や生活リズムの管理に関する支援 障害者 家族 ・ 安定した職業生活を送るための家族の関わり方に関する助言 集中支援 職場適応上の課題や事業所の環境整備等について集中的に改善を図る 週3〜4日訪問 移行支援 支援ノウハウの伝授やキーパーソンの育成により、支援の主体を徐々に職場に移行 週1 〜2日訪問 フォローアップ 数週間〜数か月に一度訪問 ※個別に必要な支援期間を設定 ※雇用の前後を問わず、必要なタイミングで支援を実施 P22 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート シーン3 ジョブコーチ支援スタート トライアル雇用を活用して上田さんを試しに雇用してみたいのだが…それとジョブコーチ の支援も欲しいね ありがとうございます 早速、カウンセラーの加藤とジョブコーチをお伺いさせます 飯野部長 このたびはジョブコーチ支援とトライアル雇用を活用して上田さんを受け入れ てくださりありがとうございます 上田さんが面接ではっきりと「働きたい」って言ってくれたからね やる気のある人であれば、試しに雇用してみてはどうかって社長に相談してみたんだよ 社長もまずは仕事をやらせてみろって言ってくれました 今日は御社に訪問するジョブコーチのご紹介と具体的な支援内容の打合せでお邪魔いたし ました P23 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート ジョブコーチの奥田です よろしくお願いします 3か月間のトライアル雇用中ジョブコーチ支援を実施したいと考えております 上田さんは、初めての場面では緊張が高まりやすいので仕事の報告・連絡がスムーズにで きるようサポートしたいと思います 初めての障害者雇用ということで現場のスタッフの方々もどのように作業指示を出したら よいか戸惑いもあるかもしれません そういえば主任の中沢さんもどのように声かけすればいいか気にしていたな ジョブコーチさんよろしくお願いします 現場の方に上田さんのことを理解していただけるよう中沢主任とも情報交換を蜜にしてい きたいと思います 失礼します 中沢です よろしく お願いします P24 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート シーン4 通勤時の配慮 それと、上田さんは一人で通勤することは大丈夫なのだろうか はい それは大丈夫です 障害者職業センターに2か月間通所していたときは 一人で電車、バスを乗り継いで通っ ていました 電車が遅れたときも駅から電話連絡をしてくれました 電車が遅れて 今、駅につきました 会社に遅れるような事態が発生したときに備えて 連絡用のカードを携帯させようと思っ ています P25 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 緊急時の連絡先 担当者を教えていただけませんか? 〈連絡カード〉 ◎ 電車・バスが遅れたとき会社へ電話する 電話番号 担当者 ※ 遅れた理由を伝える なるほどこれならすぐ連絡先がわかるね 解説 通勤時の配慮 1. 通勤ルートの確認  企業で働く(あるいは働こうとする)知的障害者は、基本的に一人で通勤が可能と考え て間違いありません。ただし、知的障害者は慣れるのに時間がかかるので、人によっては 通勤の練習が必要です。事前に利用するバス・電車などの交通機関、乗降時刻などを確認 しておくことが大切です。 2. 交通機関の遅れなどの時に備えて  交通機関が遅れた時に通勤途中から連絡できるよう職場の連絡先を教えておきます。困 ったときや異常のあったとき、職場や自宅へ電話連絡したり、交番や駅員などに相談した りするよう伝えます。近年は携帯電話も普及したので、企業側も本人の連絡先を把握して おくとよいと思います。  なお、連絡体制を整えているにもかかわらず、無断欠勤や遅刻をする場合は、適切に指 導する必要があります。 P26 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート シーン5 わかりやすい教え方 トライアル雇用初日 事務室 おはようございます 今日から、上田さんがトライアル雇用でお世話になります 中沢です よろしくね上田さん 上田さんがお仕事に慣れるための方法を会社の皆さんと一緒に考えていきたいと思います  定期的に会社にお邪魔することになりますがよろしくお願いいたします こちらこそ よろしくお願いします 上田さん 一緒にがんばっていきましょう わからないことがあったら何でも聞いてね はい! 用語解説 トライアル雇用 障害者を試行雇用の形で受け入れてもらうことで、本格的な障害者雇用に取り組むきっか けづくりを進める事業。 P27 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 食品売場 奥田さん、私もわからないことが出てくると思いますがそのときは教えてくださいね わかりました よく見てね じゃ やってみてくれる? はい! あら、上手じゃない 昔、『希望の家』でお菓子の陳列作業をやったことがあります そうなの! ポイント@わかりやすい教え方 ● 実際にやり方をしめす ● 一緒にやる ● 一人でやってみるをくり返すと上達します。 P28 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート きちんと並べてあってとても上手ね じゃあこの台車にあるやつを全部やってもらおうか な はい あ 中沢主任 陳列作業をする上で注意するところはありますか? そうねぇ… 大切な商品だから床に落としたり汚したりしないこと もし商品が汚れていたら取り除く こと それとお客様から質問を受けたら『少々お待ちください分かるものに確認します』といっ て私を呼ぶこと――かな 上田さん、今、中沢主任が言った注意点言ってみようか 商品を落とさない汚さない お客様からの質問は中沢主任に報告、です ばっちりね! じゃあお願いします はい ポイントAわかりやすい教え方 ● やり方を示す際には、簡潔で具体的な説明も加えるとよい ● 正しくできたらその場で褒める ● わからなくても「はい」と返事をしてしまう場合があるので、本人に手順を説明しても らう、実際の行動をみて、理解したか確認することも大切 休憩室 上田さん陳列作業は大丈夫そうね きっと中沢主任の指導が上手だからですよ P29 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 私の教え方が…? 実際にやり方を見せてくれたので上田さんもとてもわかりやすかったと思います きちんと並べてあってとても上手ね それとできたところを褒めてくださったでしょう 上田さん自信になります はい 他に何か心がけておくことは? そうですね 初めての場面では緊張からミスをすることがあると思うのですが そんな時はどこをどうすればいいのかなるべく具体的に指示してあげてください  奥のほうから順番につめてね 手前には… ただ注意されるだけだと萎縮してしまうだけなので  ダメじゃないの!こんな置き方! 確かに 頭ごなしにしかられるだけじゃどうしていいかわからないものね 人によって教え方が違ったり手順がころころ変わったりすると手順の理解が不十分になる ことがあります そうねまわりのみんなにも徹底しておくわ P30 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 仕事の習熟をサポートするポイント 1. 作業工程の細分化  複数の工程にまたがる業務を任せようとしてうまくいかない場合は、その中の1つの工 程だけを任せるようにしてみます。職務内容を細分化することで業務をマスターできる可 能性があります。また、数工程を通常1人で行う作業を、細分化でて数人でそれぞれ同じ 量をこなせば、作業の間違いを減らし、生産性をあげることができます。 スーパーのバックヤードで商品を箱から出し、売り場に出て商品を陳列する仕事 作業工程の細分化 パックヤードで商品を箱から出し、 空き箱を片付ける仕事 2. 抽象的な表現ではなく具体的な言葉で  作業の指示を出す際には具体的に行い、知的障害者に理解できる言葉やサインに翻訳す ることが大切です。「適当なところで」「いい頃合いで」「大体のところで」といった曖昧な 指示は避けなければなりません。知的障害者が上手に仕事ができない場合、作業の指示や 情報が正確に伝わっていないことが考えられます。  知的障害者の理解できる、わかりやすい言葉を探り当て、指導者が伝えると、作業能率 が向上します。 商品の陳列がで「きちんと並べて」 「商品の向きを揃えて並べる」と具体的に指示 P31 実務編 1 新規雇用事例 ジョブコーチ支援で受け入れをサポート 3.数や量の計算が苦手な場合は、動作に置きかえて  数や量の計算など抽象的な思考が得意ではない人もいます。しかし、具体的なものを通 しながら物事を考えていくことは、けっして苦手ではありません。したがって、「数や量の 計算」をさまざまな補助器具を使って、具体的な「動作」に置きかえる工夫をすることで 効果をあげることができます。 【数量の処理についての工夫の一例】 ●仕切りの中に一つずつおさめれば、所定の数になる箱を用意する。 ●できあがったら、カウンターを1回押すことにより、完成した個数が数えられる。 ●5までは数えられる人の場合、20枚束ねる仕事で、5枚の束を4組つくって束ねる。 ●製品1個あたりの重量を記憶させると、乗せた製品の個数が表示される計測器(カウン ティングスケール)を準備し、数え間違いをなくす。 ●秤の目盛りの所定の重さのところに色のついているテープを貼り、重さを計る。 ●時間を砂時計やタイマーを使って計る。 4.分類をするときは手がかりを  多種類の商品を区別するため、文字情報に加え「手がかり」となる色、記号をつけ、置 き場所を区分けすると良いでしょう。類似部品は分けて保管します。倉庫での配送作業も 品物や配送場所を「手がかり」で区分することで対応可能となります。 5.手順を理解するためにマニュアルを整備  図や写真を盛り込み、手順を簡潔にまとめたマニュアルを整備することで手順の理解を 助けます(38ページの「マニュアルの効果」参照)。 P32 2  新規雇用  事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 職場:自動車部品工場 従事作業:工場敷地の緑化、福利厚生施設等の清掃 対象障害者 中川英治さん シーン1 安全意識 自動車部品工場 特別支援学校高等部教諭の杉 紀子です 本校に在籍中の中川英治さんです 卒業後、就職を希望しています よろしくお願いします 今回は、2週間の職場体験実習を受け入れていただきありがとうございます 工場長の羽田です 中川君、よろしくね 実習では製造ラインではなく工場敷地の緑化 福利厚生施設の清掃業務を体験してもらいます P33 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 工場内の敷地では、トラックとかフォークリフトの行き来が多いのだけれど移動するのに 中川君は大丈夫なのだろうか 中川さんは、学校まで毎日自転車で通学していますし 交通ルールも理解しています 工場内で必要な安全ルールについては実習が始まる前に指導いただければ守ることができ ると思います ただ、安全教育といっても講義だけでは、十分理解することが苦手です 一緒に敷地内を回りながら例えば、道路横断時の確認立入禁止箇所などを具体的に教えて いただけるとより理解が進むと思います 歩く人は緑色に塗られている部分を歩いてください 道路を渡るときは必ず左右、指差し確認してから渡るように やり方を見せるからやって ごらん ヨシ ヨシ 車が来ていたら車が通り過ぎるまで待つように ヨシ ヨシ P34 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ シーン2 マニュアルの作成 中川さんは仕事が丁寧ですね 中川さんが担当する清掃場所ってどのぐらいあるんですか 社員食堂と 玄関 男性用トイレが4か所 会議室 慣れてくれば除草作業や落ち葉掃きも考えていますよ 毎日決まった場所を清掃するのですか? 1日じゃ終わらないし屋外の清掃は天候に左右されるからその日その日にスケジュールを 立てなければいけないかな… P35 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 田島さんご提案なんですけど清掃マニュアルを整備しませんか? マニュアル? 毎日、同じ場所を清掃すれば手順もすぐに覚えると思うのですが 日によってスケジュー ルが異なるのであれば忘れてもすぐに思い出せるように簡単なマニュアルがあるといいと 思います 清掃作業というのは人によって手順が異なる場合があります …… どこに注意して綺麗にするかというポイントも決めづらいものです 中川さんが混乱しないように手順や注意事項を明らかにすることが大切です それと、中川さんはスケジュールの見通しがたたないと不安を感じてしまうことがありま す 朝の朝礼時に今日は「何時から何時までどこの清掃を行なう」という指示を出していただ けると中川さんも見通しをもって頑張れると思います なるほど P36 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ よし、写真を入れた マニュアルが出来た 後はプリントアウトして… よし完成だ! 翌日 皆さんおはようございます おはようございます 今日からスケジュール表を作りましたから一日の作業を確認してください わかりました 今日は大会議室の清掃から始めます 9時から12時までですよ はじめに椅子とテーブルを片側に寄せます 次に床を磨きます濡れているうちは足を踏み入れないでね これを繰り返します P37 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 午後からはトイレ掃除です 4か所ありますが丁寧にしてください はい 作業の仕方を写真入りで作りました 中川さんはマニュアルを見ながら急がなくてよいから丁寧にね はい 長靴、手袋… まず 床の水洗いをします 次は便器の掃除……柄つきのたわしでこする…… P38 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 解説 マニュアルの効果 1. マニュアル作成のメリット 知的障害者にとって 1マニュアル作成することにより、本人が行う作業手順を周囲の従業員が理解でき、指導 のばらつきを防ぐことができる(本人の理解に混乱が生じにくい)。 2口頭での指示だけでなく、視覚的なマニュアルがあればイメージを持ちやすい。 3覚えたことの確認がしやすい。 事業所にとって 1マニュアル作成を通じて、知的障害者の理解の程度やどのように支援すればよいか理解 するきっかけになる。 2マニュアル作成することにより、指導に関わる従業員全体が内容を確認でき、共通認識 が持ちやすい(指示の一本化)。 3事業所のスタッフは交代(異動)が考えられるため、マニュアルを残していくことで支 援の継続につながる(引継ぎ資料になる)。 2. マニュアルの基本的な作り方 (1) 作業手順を書き出します。  はじめての人に教えることをイメージし、行動を一つずつ箇条書きにしてみてください。 名称(作業名、使用する道具の呼び名など)は、普段使っている言葉に合わせておくと良 いでしょう。 (2) 本人に伝わるか試してみます。  マニュアルの内容を説明しながら実施します。手順に抜けがないか、読めない字はない か、伝わらない言葉がないか確認しながら、マニュアルの表現を修正していきます。 ※ 実際にやってみて、足りない注意点を加えるようにします。ふりがなをつけたり、手書 きで図を加えたりして微調整します。 (例)野菜のもりつけ 1右手にビニール手袋をはめる。 2千切りにされたキャベツを右手でとる。 3キャベツをお皿にもる。 4コーンをキャベツの上にのせる。 (例)野菜のもりつけ 1右手にビニール手袋をはめる。 2千切りにされたキャベツを右手でとる。 3キャベツをお皿にもる。  高さが出るように盛る 4コーンをキャベツの上にのせる。  落ちないように、上から落とさずにキャベツに置くようにする P39 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ (3) 使いやすいマニュアルを作成するための工夫 @大きさの工夫:大きくして貼り紙にしたり、持ち歩けるようにエプロンのポケットに入 る大きさにしたりするなど、用途に合わせて大きさの工夫をすると使いやすくなります。 A ラミネートで強化:水まわりで使用するもの、めくり式のものはラミネートすることで 丈夫になり、長く使用することができます。 B 掲示場所の工夫:職場の都合と本人の目につく場所を考慮して掲示します。ロッカーや 用具入れの扉の裏側は、周囲からは目につかず、本人が開けた時に見える場所になります。 C 図や写真で表現:言葉だけではわかりにくい(伝わりにくい)部分に、図や写真を入れ るとわかりやすくなります。 D 色の工夫:重要事項を目立つ色合いにします。同じ作業は同じ色で統一するなど、色に よる工夫でわかりやすくなります。 いろいろなマニュアル (1) 写真を入れたマニュアル例(トイレ清掃) 大便器 1 バケツの水ぞうきんを洗う 2 スポンジで大便器をみがく(便座の裏⇒便器の中) 3 ぞうきんでふきあげる。(ふた⇒便座⇒便座の裏(便器のまわり) 4 ふたを閉める。 5 バケツの水でぞうきんを洗う (2) マニュアルにチェック機能を付加 @ マニュアルに手順を確認できる機能を付加したもの 手順書の右端にチェック欄をつけ、手順を抜かさずに行うようにする。 作業   確認 床をほうきではく 集めたゴミやホコリは、ゴミ箱にすてる。 洗面台に洗面台用の洗剤をつける。 スポンジでみがく。 鏡をふく。(水ぶき、カラぶき) 洗面台の周りをふく。髪の毛などが残らないように! 便器の水を流す。 A 仕上がりをチェックするもの 本人のチェックだけでなく事業所側の評価をフィードバックできるようにすることで、自 己評価と事務所の評価にズレがあるのか確認することができます。 トイレそうじチェック表 チェック内容  チェック  リーダー ゴミやかみの毛がついていないか? ぬれていないか? かがみがくもっていないか? よごれがついていないか? 三角おりにしたか? トイレットペーパーは三つあるか? P40 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ シーン3 昼休みの過ごし方 おいしいね 中川さんは好き嫌いはあるの 出てくるものは みんな好きです ごちそうさま  はいよー 中川さん何しているの すみません すみません …… P42 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 杉先生 中川さんが昼休み中工場内の駐車場をうろうろしていたんですけど… 何をしているか聞いても答えないし…工場内はトラックも行き交うから不必要に歩き回る と危険だし…心配なんですよ 中川さんは、車が好きなので色々な車が止まっていることに興味を持ったのかもしれませ ん それと、一人で過ごすほうが落ち着くみたいなので休憩室を出たのかもしれません でも、それじゃ心配だなあ わかりました 事故にあわないように休憩時間中は敷地内を歩き回らないというルールを 決めて 田島リーダーからお伝えしていただくと良いと思います ただ、中川さんも禁止されるだけではストレスになると思います 車が好きなので休憩中一人で車雑誌を読みながら過ごすというのはいかがでしょう 中川さんは大丈夫かな もちろん本人の意思を確認しなければなりませんが ただ歩き回ってはだめと言うよりも 代わりにどのように過ごすべきかを話し合うことが大切だと思います 学校でも雑誌を読んで休憩時間を過ごすことがありましたので彼も了解できると思います 数日後 P42 実務編 2 新規雇用事例 特別支援学校の職場実習を受け入れ 解説 適切な行動と不適切な行動  40ページの事例において「工場内の駐車場を歩き回る」ことは、事業所にとって「不適 切な行動」として認識されています。「不適切な行動」は目立ち、それを減らすことを強く 求められます。ただ、「不適切な行動」が減ったとしても、「適切な行動」が身に付いて増 えなければ、別の「不適切な行動」がでてくる可能性があります。  山本(2008)は、行動上の問題を生じさせている要因は、「不適切な行動が多い」場合と 「適切な行動が少ない」場合があり、それらは一方が多くなると一方が少なくなるという 関係にあると述べています(図2)。また、「不適切な行動」が多い場合でも、それを減ら そうとするのではなく、それにかわる「適切な行動」を増やすよう試みることが有効であ ると指摘しています。 <例> 「不適切な行動」=工場内の駐車場を歩き回る 「適切な行動」=休憩室で一人で車雑誌を読む 適切な行動(良い行動) 適切な行動(良い行動) 不適切な行動(問題となる行動) 不適切な行動(問題となる行動) ■ 図2 不適切な行動をなくすためには、適切な行動を増やす P43 3  職場定着  事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 職場:菓子製造会社 従事作業:商品用箱折り、箱詰め、ばんじゅう洗浄 対象障害者 木村 由美さん シーン1 障害者就業・生活支援 センターとの連携 菓子製造会社 木村 由美さんは障害者就業・生活支援センターを利用して菓子製造会社に就職 明るく挨拶する姿と作業の飲み込みも順調 評判も上々です ここはこうやるのよ あ ありがとうございます 就職して1年半経過後 おはようございます 木村さん遅刻をしてはいけませんよ …… ふわ‥ あっ 最近、作業が雑ですよ どうかしたんですか … P44 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 心配だから障害者就業・生活支援センターに相談してみよう 長田要一です 障害者職業生活相談員をしています 障害者就業・生活支援センター指導員の白岩真理です 遅刻が増えだしたのはいつ頃なんですか? これまで遅刻することはなかったのですが3か月ぐらい前から月に1〜2回遅刻がみられ ました… その都度注意していましたが これまで真面目に通勤していたのでたまたま遅刻をしてしまったぐらいに考えていたんで す ところが今月に入ると週に1〜2回遅刻するようになって… 何か遅刻の理由は言っていますか? 何かあったの? どうしたの?と聞いているのですが すみません気をつけます の一点張りでよくわからないのです もしかしたら私にも話しづらい理由なのかもしれな いのでそれとなく白岩さんから話を引き出してもらえませんか? わかりました 今日はどんなお仕事しているの? 箱折り作業をしています これが終わったらばんじゅう洗浄をします P45 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 さっき箱折利のお仕事見たけど とても上手にできてたね お仕事は慣れたみたいだけど 体調はどう? 大丈夫です あら、そう 最近、何回か遅刻してるみたいだけど… 体調が悪いのかなと思って心配し てるんだよ …すみません気をつけます 何か困ったことでもあったの? 困ったことはありません たまたま、寝坊してしまっただけです もうしません 木村さんが遅刻してしまうと木村さんの仕事を他の人がやることになって負担がかかっち ゃうから気をつけて どうでしたが はっきりとした理由は言いませんでした ただ、『たまたま寝坊した』と言っていたので  家庭での様子を確認してみたいと思います よろしくお願いします 解説 障害者職業生活相談員とは 1、 趣旨  職業を通じて障害者の福祉の向上を図るためには、その雇用の促進を図ることが必要で あるだけでなく、雇用関係に入った後における障害者の職業生活の充実を図ることも必要 です。  このような観点から、事業主は厚生労働省令で定める数(5人)以上の障害者を雇用す る事業所において、障害者職業生活相談員を選任し、その者に障害者の職業生活全般にお いての相談、指導を行わせなければならないとされ、これにより、障害者の職場適応の向 上を図り、その有する能力を最大限に発揮させるよう障害者の特性に十分配慮した雇用管 理を期することとされています。 2、 相談員の役割  障害者職業生活相談員の役割は、おおむね次のような事項について障害者から相談を受 け、またはこれを指導することにあります。 @ 障害者の適職の選定、能力の開発向上等障害者が従事する職務の内容に関すること。 A 障害者の障害に応じた施設設備の改善等作業環境の整備に関すること。 B 労働条件や職場の人間関係等障害者の職場生活に関すること。 C 障害者の余暇活動に関すること。 D その他障害者の職場適応の向上に関すること。 P46 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 シーン2 家族との連携 障害者就業・生活支援センター 木村さんのご両親は共働きだったわね ご両親のほうが出勤が早いから木村だんが遅刻を していることを知らないかも… 障害者就業生活支援センターの白岩と申します いつもお世話になります 今日、職場訪問して由美さんの様子を拝見しました 箱折り作業もだいぶ上手にできてい ましたよ ありがとうございます ところで由美さんの体調はいかがですか? えっ 特に風邪もひいていませんし変わりないと思いますが、何か… 実は、今日職場に伺ったとき職場の長田さんから最近、遅刻が多くなったというお話を聞 きました そうなんですか! P47 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 長田さんのお話ではこれまで遅刻はなかったのに3か月ぐらい前から遅刻がみられ 最近 では週に1〜2回遅刻することもあるようです 何か悩んでいることでもあるのでしょうか… これまで普通に出勤していると思ったものですから… 『たまたま寝坊した』とおっしゃっていたんですが睡眠時間はとれていますかね? 早い時間に自分の部屋に行っているので休んでいるものと思っていました 夜の様子を見 てみます よろしくお願いします おはよ〜 あ〜 眠い、眠い 昨晩はずいぶん遅くまで起きていたのね… 部屋の明かりがついていたわ メールを真夜中までしちゃったの P48 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 それで寝坊はダメでしょ だって友達と遊ぶ時間がないから… さびしいんだもん そうなの… とにかく遅刻しないよう行った、行った もしもし白岩さんですか… そうなんですか… 確かに仕事をしていて友達と休日が合わないと遊ぶこともできないですしね わかりました 由美さんが寂しくないよう余暇活動の場を探してみます 休日に友人と触れ合う機会が持てれば真夜中までメールをしなくてもすむようになるかも しれません お母様には真夜中まで起きてないか朝出勤ができるよう目を配っていただけませんか? わかりました P49 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 解説 家族との連絡方法  知的障害者の採用と職場定着を進めるためには、家族と支援機関との連携が重要です。 状況に合わせて適切な連絡方法を選択します。  家族との電話や手紙のやりとりのほか、「作業日誌」や「連絡帳」を活用する方法があり ます。「作業日誌」では、当日の作業内容、健康状態、職場からの連絡事項、家庭での様子 など適宜必要な項目を設け、記入している事例があります。  「作業日誌」の活用を通じて、普段、気になっていることを事業所と本人、家族が相互 に伝え合うことができるとともに、職場定着に向けた課題を共通認識し、役割分担をしな がら支援することにつながります。 ■ 作業日誌の例 また、家族との面談、定期的な職場見学会を設定することで家族とのコミュニケーション を密にしている事業所もあります。  なお、家族との連携について、事業主が知的障害者の家族と個別に連絡をとることが難 しい場合は、支援機関に連絡調整のサポートを依頼する方法もあります。 職場定着に向けた役割分担 P50 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 シーン3 余暇活動への参加 今度の日曜日はバーベキュー大会があります 障害者就業・生活支援センターでは月に1回余暇活動をしているんですよ 友達もできそうです 由美にも参加させますわ 由美〜どう ぜひ参加します! 誘ってくれたんだ あら同じ学校の由美さんね楽しんでる? 先輩、こんにちは会えてうれしいです メールアドレスの交換しましょ はい 友達と仲良くなって携帯電話で話をしたりメールすることはいいことよ ! P51 実務偏 3 職場定着事例 遅刻が増えて、家族と協力して解決 でも真夜中にはしないようにね次の日の仕事にも影響するから メールしていて遅刻する のは社会人として許されないわよ 携帯電話が買えたのは由美さんが遅刻しないで働いたお給料のおかげなのよ う〜ん 平日のメールは22時ぐらいまでにしておくこと その分、休日にここで知り合った友達と 思いっきり遊んだら はい 数日後 由美さんはその後いかがですか バーベキューに行ってからは真夜中までメールをして起きているということがなくなりま した 遅刻もしなくなりましたよ 木村さん、その後遅刻は無くなったみたいですね 現場の従業員がアフターファイブや休日に由美さんをカラオケやボーリングに誘ってくれ るようになり 本人も仕事と余暇のメリハリがついたようです 余暇活動への参加ポイント ● 知的障害者は一般的に新しい環境に慣れるのに時間がかかるといわれているため職場 の人とうまくコミュニケーションを図れないときもある。 ● 余暇活動への参加は本人の意向を踏まえ、声をかける。その際、家族にも了解を取り、 連絡先を伝えておくことが大切。 ● 帰宅するルートが変ることで本人が帰れなくなる心配がある場合は、車で送る、家族に 迎えにきてもらうなどの配慮が必要。 P52 4 職場定着  事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 職場:老人福祉施設 従事作業:清掃、選択物たたみ、介護補助 対象障害者 前川 花梨さん シーン1 地域障害者職業センターとの連携 老人福祉施設 しっかりやっているわね はい 前川さんへの作業指導、精神面のフォローを行っていた職員の野上有紀さんが他の施設に 異動となる また前川さんとかかわりのあった職員も異動や退職で徐々に少なくなっていた 3か月後 清掃が行き届かない 洗濯物たたみをしているときに手が止まるなど作業遂行に課題が見られ始めた あれ、前川さん洗濯物たたみまだ終わってないの? P53 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 あ… 事務局長室 以前までできていた仕事がなぜか十分にできていないんですよ いつ頃からですか? 1か月前ぐらいから清掃が行き届かないことに周囲が気付きはじめたそうです 何か、きっかけとなるようなことは思い当たりますか 事務局長 佐々木淳一郎 うーん大きな出来事といえば前川さんを良く指導していた野上という職員がいるんですけ ど 4か月前に他の施設に異動になったことでしょうかね… でも、野上によれば仕事も覚えてしっかりやっていて一人で大丈夫と報告を受けていたも のですから… 前川さんとはお話されてみましたか? この間面談をして何か困っていることが無いか聞いてみました 何をしたらいいかわからない これまで十分に仕事をしてくれていたのに… びっくりしています 障害者職業センターではジョブコーチ支援というサポートをしていると聞きましたが お手伝いいただけないでしょうか わかりました 前川さんとご家族にご了解をいただいた上で私どもでサポートできることがあるか確認し てみましょう よろしくお願いします P53 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 翌日 わざわざお呼びたてしまして いつもお世話になっています 前川花梨さんにまた職場で力を発揮して欲しいのです 障害者職業センターと連携しながら前川さんにジョブコーチをつけてサポートさせてくれ ませんか わかりました ぜひお願いします 前川さんの作業スケジュールは? 作業の指示を出す方はどなたでしょう 家庭の状況はいかがですか いつもと同じ状況なんですがね 職場内の情報や家族の話から次のような課題が出てきました サポートする上で重要ですね まず… P54 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 @ 野上さん異動後一日の作業スケジュールを指示してくれる人がいない 1つの作業が終了した時に誰に報告していいかわからない 他のスタッフはシフト勤務のため毎日同じスタッフと仕事をしない A 一人のスタッフから指示を受けて仕事をしている時に急遽、他のスタッフから別の指示 を受けることがある 途中で作業が変ってしまうことから直前まで行なっていた仕事を忘れてしまった B 以前より作業スピードがアップしているため作業が早く終わってしまう その後ど のようにしたらいいかわからなかった 前川さんによると皆さんが忙しそうに利用者のケアをしているため話しかけられなかった だから前川さんはスタッフからの指示を途中で忘れてしまい掃除が行き届かなかった どうしたらいいかわからなかったり作業がすぐに終わってしまうため手が止まっていたん ですね P56 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 シーン2 職務創出と指示系統の明確化 就職してから3年が経ちましたね 仕事に慣れて空いた時間があるようなので新しい仕事を加えていきましょう はい、わかりました どんな仕事ですか 利用者のベッドのシーツを交換しましょう 用語解説 職務創出 個々の能力に合わせた作業や新たな作業を組み合わせるなどして、職務を創り出すこと。 まずシーツをはがして たたみます 新しいシーツをパッと広げて… 手順を覚えるまで一緒に練習しましょう ありがとうございます まず、シーツをはがして… これをたたむのね 手順どおりしっかりね 新しいシーツをパッと広げて  間に挟みこむ…でしたね そう、そう よく出来ました P57 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 これが前川さんの一週間の作業スケジュール表ですよ わー、いっぱい でも頑張ります 奥田さん よろしくお願いします はい 数日後 前川さん 食器後片付けをお願い あっ は、はい ちょ、ちょっといいですか はい P58 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 今、洗濯物たたみをしているのですが、食器の後片付けはこのあとでも間に合いますか? 大丈夫ですよ 混乱を防ぐためにできれば一つの仕事が終わってから指示を出してもらえると助かります あっ そうでしたね 忙しいとつい…洗濯物たたみがおろそかになってしまいますね おや? この紙袋 どうしよう そうだ シフト表を見れば誰に聞けばよいか解るんだわ P59 実務偏 4 職場定着事例 指導担当者の異動がきっかけで、作業遂行に課題が発生 うんうん 紙袋が置いてありました あら ありがとう 前川さんも以前のようにてきぱき仕事をしています 職場の同僚たちも喜んでいますね 皆さんが忙しくしていると 前川さんも遠慮して声をかけられない場合があるので 報告や質問に来たときは可能な限り声をかけてもらえるようお願いします うん、みんなに言っておこう それから、野上さんが心配してサポートする際のポイント を教えてくれましたよ 今の部署のスタッフにも伝えておきましょう スタッフが異動するときはサポートの内容 について新しいスタッフにきちんと引き継ぐと良いと思います 取り決めをしておきましょう 5 職場定着 事例 親の高齢化のため グループホームに入居 職場:クリーニング工場 従事作業:洗濯作業 対象障害者 服部 晴夫さん クリーニング工場 今日も 元気でやっているね 洗濯機の操作は 順番の数字どおりにね はい ここへ来て 25年になるなあ 年はいくつになったかな 51歳です 工場長 石川 賢二さん ご家族も 喜んで いらっしゃるよ あ、服部さん 先週のハイキングは 楽しかったな また 誘って くださいね … こうした 同僚の支えが 服部君の 継続勤務を 支えているんだ えっ…… 服部君のお父様が 亡くなった…… お母さん ご愁傷様でした 大変だったでしょう いろいろお世話になりました 晴夫もようやく 落ち着いたようです 何か困ったことが あれば、言って くださいよ 実は… 今後の晴夫の ことなんです このたび主人が 他界したことで 親なき後のことが 現実問題として 追ってきまして… 服部晴夫さんは 良くやって いますよ 本人がよければ 定年までずっと 働いてもらいたいと 考えています ありがとう ございます 工場長をはじめ 皆さんのおかげで 晴夫も長く勤めることが できました でも心配なのは 私亡き後、一人で生活して 行けるのかということが 心配で… そうでしょう… そういえば工場に 障害者就業・生活支援センターの 先生がよく巡回で来るから もしかすると何か サポートして もらえるかもしれません 今度 聞いてみましょうか 職場のサポート体制 1.ナチュラルサポートとは  障害者の職場定着のためには、職場におけるサポート体制が重要であることが指摘され ています。特に、上司や同僚などが障害者に対して行なうサポートを「ナチュラルサポー ト」といい、小川(2001)は「一般の従業員が職場において、障害のある人の就労継続に 必要な様々な援助を自発的または計画的に提供すること」と定義しています。  60から61ページの事例における洗濯機操作への配備、余暇活動の参加などさりげな いサポートは、まさに「ナチュラルサポート」といえます。 2.サポート体制の構築とポイント  障害者を受け入れた企業において、初めからナチュラルサポートが形成できるとはかぎ りません。サポート体制について企業全体で検討したり、支援機関の助言を得たりしなが ら構築していくと良いでしょう。 ポイント1 指導担当者の配置  多くの知的障害者は、いろいろな人から説明や指示を受けると混乱しています。指導担 当者をはっきりさせることが大切です。新しい環境に緊張したり、気後れしている知的障 害者を職場に溶け込ませていくには、温かい人柄と辛抱強さが必要になります。  職場への適応に向けた基礎的な生活指導も合わせて行う場合、「キーパーソン」として、 まさに雇用の成否の鍵を握ることになります。職場に多少、慣れてきた場合でも、本人の 気持ちやいいたいことを汲み取って従業員に伝える仲立ちが必要なこともあるので、指導 者を配置することが望ましいといえます。 ポイント2 人事担当部署の役割  障害者の教育・指導などに関して配属部署の管理者や従業員に負担がかかりやすくなり ます。人事担当者は、特定の従業員に負担が偏っていないか、相談を担当している人が困 っていないかなどに気を配り、採用後しばらくの間は配属部署の管理者や従業員のサポー トを行います。  また、企業のサポート体制のみで対応できない場合は、支援機関に協力を求めるなど外 部の資源との連携も人事担当者の重要な役割といえます。 ポイント3 支援機関との連携  知的障害者の場合は、家庭や交友関係のトラブル、生活習慣の乱れなど職場以外の事項 が職務遂行に影響を与える場合があります。また、体調の安定を図るため継続的な通院が 必要な場合もあります。  これは職場以外の生活や医療面の問題に対しては、企業が立ち入ることが躊躇される場 合があります。このような場合は、支援機関や医療機関のスタッフに協力を求め連携して 対応していくとよいでしょう。 障害者 Aさん サポート 連携 ポイント1 ●社内サポート体制を作る 職場の上司、人事担当者、支援機関担当者が役割を決め連携して改善を図る ポイント2 ●人事担当部署の役割 職場の上司に負担がかかりやすい。人事担当者や支援機関スタッフがサポート ポイント3 ●支援機関との連携 生活面や医療面の問題解決には支援機関スタッフのサポートを受ける サポート サポート 支援機関Dさん 役割 ●生活面の支援や悩みの解消(生活習慣、家族・交友関係、医療機関との調整) 職場の上司Bさん 役割 ●仕事に関する教育・指導や悩みの解消 ●人間関係の改善 ●職場環境の改善 人事担当者Cさん 役割 ●労働条件(就業時間・休日)の配置 ●医療機関や支援機関との連絡調整 シーン2 グループホームの活用 数日後 お母様の お悩みわかります 当法人で グループホームという 施設を運営しています グループホームを 利用している方々は 親元を離れ、共同生活しながら 仕事をしています 食事は世話人という スタッフが準備しています 共同生活が 最初慣れない場合も あるかもしれませんが 部屋は個室ですし 晴夫さんと同じように ご家族がご高齢で 自立生活を目指して グループホームを 利用している方も いらっしゃいますよ そこに入れたら 安心だけどね〜 1回見学させて もらえば? それがいいと 思います 親元を離れての 生活について 服部さんが十分に 納得する必要が あると思います グループホームの イメージもつかないと 思うので、一度見学して その上で判断されて みてはいかがでしょう グループホーム 仲間もいて 楽しそうだな お父さんも亡くなって お母さんも もう年だから… 個室だし こんなところで 暮らせれば うれしいな 半年後 いってきます! 事業所における知的障害者の高齢化への対応 1.高齢化に伴う能力低下による雇用継続の問題  (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害者の加齢・高齢化に対応した継続雇用 の在り方に関する調査研究」によると、重度障害者等(※)を多数雇用している事業所を 対象に行なったアンケート調査において、「加齢・高齢化に伴う能力低下により、雇用継続 に問題が生じている」と回答した事業所は全体の30.5%でした。 ※ここでいう重度障害者等とは、重度身体障害者、知的障害者、精神障害者をいいます。 雇用の継続に問題は生じていない 69.5% 雇用の継続に問題が生じている者がいる 30.5% 加齢・高齢化に伴う雇用継続(回答256事業所) 2.雇用継続のために取り組んでいる内容  同アンケート調査において、知的障害者の高齢化に対して、企業が雇用継続のために取 り組んでいる内容として回答が多かったものとしては、「より軽い作業に配置転換させる」 23.8%、「勤務時間、勤務日数等を少なくする」21.9%、「事業所外の福祉サービスへ の移行ができるよう関係者との相談を進める」18.8%でした。 より軽い作業に配置転換させる 23.8% 勤務時間、勤務日数等を少なくする 21.9% 賃金を下げる 8.1% 最低賃金の減額許可を受ける 11.3% 事業所内に福祉施設を設置するなど軽作業部門を設ける 4.4% 事業所外の福祉サービスへの移行が出来るよう関係者との相談を進める 18.8% 研修・訓練などの支援を行う 4.4% 職場の設備を改善する 6.9% その他 0.6% 0 5 10 15 20 25 雇用継続のために取り組んでいる内容 (回答110事業所、延べ160件) 3.具体的な取り組み内容  同調査研究のヒアリングにより把握された、事業所における継続雇用の取り組みをご紹 介します(以下の事例は、全て知的障害者の事例です)。 事例1(50代) 作業内容:クリーニング工場におけるシーツ・枕カバーなどの整理。シーツローラーへの 投入作業。 高齢化による課題:シーツ・枕カバーなどは、水分を含んでいるため腰に負担がかかるの か、腰痛を訴える。 事業所の取り組み:比較的腰に負担のかからないシーツローラーへの投入作業を中心に行 なう。 見通し:以前と比較し、腰痛の訴えがなくなる。今後、腰痛を訴えた場合は配置転換を検 討。定年まで雇用する予定。 事例2(60代) 作業内容:塗装工場で部品の吹き付け塗装作業。 高齢化による課題:能力低下がみられた。 事業所の取り組み:労働時間の短縮を行なう。 見通し:本人の意思があれば、65歳まで雇用する予定。 事例3(60代) 作業内容:公園等の環境整備、管理業務 高齢化による課題:フルタイム勤務を行なっていたところ、持続力や注意力が低下。 事業所の取り組み:勤務日数を減らし、負担の軽減を行なう。 見通し:現状のままで継続雇用する予定。 事例4(50代) 作業内容:墓園の清掃・除草作業。ごみの回収と分別。 高齢化による課題:体力低下が見られた。 事業所の取り組み:5年前に両親の介護のため、週3日勤務に変更。介護の必要性がなっ た後も、体力低下が見られたため週3日勤務を継続。 見通し:継続雇用する予定。 事例5(60代) 作業内容:洗濯作業。 高齢化による課題:全般的な生活支援が必要。 事業所の取り組み:夕飯の支度を週3回ヘルパーに依頼。障害者就業・生活支援センターや 社会福祉協議会に家庭訪問や金銭管理を依頼。 見通し:65歳まで継続雇用する予定。 ●ヒアリングの対象企業では、「勤務時間や勤務日数の短縮」、「軽作業への配置転換」を行 って、障害者の負担の軽減を図っています。 ●日常から障害者の適性や能力を把握することにより、個々の障害者に応じた職場づくり を行っています。 ●また、障害者の健康管理や退職後の安定した生活を送れるよう、福祉施設との連携も必 要との意見が出されています。 P68 実務編 エピローグ エピローグ 上田さんの 働きぶりは いかがですか 何か気に なることは ありますか いやあ思った 以上の働きぶりで 助かっています 上田さんは こつこつまじめに 働いてくれて それに几帳面なのが うれしいわ 上田さんの 活躍には 感心します いまお弁当部門に 新たな2名の 知的障害者を 雇用する予定です 昨日、ハローワークの 江川さんに 連絡したところです 江川担当官も 喜んだでしょう 私どもは こうして雇用の輪が 広がるのがなにより ありがたいことです 上田さんも 働き甲斐が あったと いうものですね そうだ 上田君の最近の 働きぶりを 見てやってください ちょうど今 休憩時間中です やあ、上田さん 調子はどうですが こんにちは みんなに 教えてもらいながら 元気にやっています それは よかった 先日はみんなで ボーリング大会を やりましてね… ぼくストライクも 出たんだよ ちょっとした 配慮と工夫で 共に働けるのね… ありがとう ございます DATA 資料 地域障害者職業センター  障害者職業カウンセラーが配置され、公共職業安定所、障害者就業・生活支援センター、 病院、特別支援学校等の関係機関との密接な連携の下、各都道府県における中核的な職業 リハビリテーション機関として、地域に密着した職業リハビリテーションサービスを提供 しています。 名  称 郵便番号 所 在 地 電話番号 FAX番号 北海道障害者職業センター 001−0024 札幌市北区北二十四条西5−1−1 札幌サンプラザ5階 011−747−8231 011−747−8134 北海道障害者職業センター 旭川支所 070−0034 旭川市四条通8丁目右1号 LEE旭川ビル5階 0166−26−8231 0166−26−8232 青森障害者職業センター 030−0845 青森市緑2−17−2 017−774 −7123 017−776−2610 岩手障害者職業センター 020−0133 盛岡市青山4−12−30 019−646 −4117 019−646−6860 宮城障害者職業センター 983−0836 仙台市宮城野区幸町4−6−1 022−257−5601 022−257−5675 秋田障害者職業センター 010−0944 秋田市川尻若葉町4−48 018−864 −3608 018−864−3609 山形障害者職業センター 990−0021 山形市小白川町2−3−68 023−624 −2102 023−624−2179 福島障害者職業センター 960−8054 福島市三河北町7−14 福島職業能力開発 促進センター内 024−526−1005 024−535−1000 茨城障害者職業センター 309−1703 笠間市鯉淵6528−66 0296−77 −7373 0296−77−4752 栃木障害者職業センター 320−0865 宇都宮市睦町3−8 028−637 −3216 028−637−3190 群馬障害者職業センター 379−2154 前橋市天川大島町130−1 ハローワーク前橋 3階 027−290−2540 027−290−2541 埼玉障害者職業センター 338−0825 さいたま市桜区下大久保136−1 048−854−3222 048−854−3260 千葉障害者職業センター 261−0001 千葉市美浜区幸町1−1−3 ハローワーク千葉 4階 043−204−2080 043−204−2083 東京障害者職業センター 110−0015 台東区東上野4−27−3 上野トーセイビル 3階 03−6673−3938 03−6673−3948 東京障害者職業センター 多摩支所 190−0012 立川市曙町2−38−5 立川ビジネスセンタービル5階 042−529−3341 042−529−3356 神奈川障害者職業センター 252−0315 相模原市南区桜台13−1 042−745−3131 042−742−5789 新潟障害者職業センター 950−0067 新潟市東区大山2−13−1 025−271 −0333 025−271−9522 富山障害者職業センター 930−0004 富山市桜橋通り1−18 北日本桜橋ビル7 階 076−413−5515 076−413−5516 石川障害者職業センター 920−0901 金沢市彦三町1−2−1 アソルティ金沢彦 三2階 076−225−5011 076−225−5017 福井障害者職業センター 910−0026 福井市光陽2−3−32 0776−25 −3685 0776−25−3694 山梨障害者職業センター 400−0864 甲府市湯田2−17−14 055−232 −7069 055−232−7077 長野障害者職業センター 380−0935 長野市中御所3−2−4 026−227 −9774 026−224−7089 岐阜障害者職業センター 502−0933 岐阜市日光町6−30 058−231 −1222 058−231−1049 静岡障害者職業センター 420−0851 静岡市葵区黒金町59-6 大同生命静岡ビル 7階 054−652−3322 054−652−3325 愛知障害者職業センター 460−0003 名古屋市中区錦1−10−1 MIテラス名古屋 伏見5階 052−218−2380 052−218−2379 愛知障害者職業センター 豊橋支所 440−0888 豊橋市駅前大通り1−27 MUS豊橋ビル6階 0532−56−3861 0532−56−3860 三重障害者職業センター 514−0002 津市島崎町327−1 ハローワーク津3 階 059−224−4726 059−224−4707 滋賀障害者職業センター 525−0027 草津市野村2−20−5 077−564 −1641 077−564−1663 京都障害者職業センター 600−8235 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町 803ハローワーク京都七条5階 075−341−2666 075−341−2678 大阪障害者職業センター 541−0056 大阪市中央区久太郎町2−4−11 クラボウ アネックスビル4階 06−6261−7005 06−6261−7066 大阪障害者職業センター 南大阪支所 591−8025 堺市北区長曽根町130−23 堺商工会議所5階 072−258−7137 072−258−7139 兵庫障害者職業センター 657−0833 神戸市灘区大内通5−2−2 ハローワーク灘3 階 078−881−6776 078−881−6596 奈良障害者職業センター 630−8014 奈良市四条大路4−2−4 0742−34 −5335 0742−34−1899 和歌山障害者職業センター 640−8323 和歌山市太田130−3 073−472−3233 073−474−3069 鳥取障害者職業センター 680−0842 鳥取市吉方189 0857−22−0260 0857−26−1987 島根障害者職業センター 690−0877 松江市春日町532 0852−21−0900 0852−21−1909 岡山障害者職業センター 700−0821 岡山市北区中山下1−8−45 NTTクレ ド岡山ビル17階 086−235−0830 086−235−0831 広島障害者職業センター 732−0052 広島市東区光町2−15−55 広島市児童総合相 談センター2階 082−263−7080 082−263−7319 山口障害者職業センター 747−0803 防府市岡村町3−1 0835−21 −0520 0835−21−0569 徳島障害者職業センター 770−0823 徳島市出来島本町1−5 ハローワーク徳島 4・5階 088−611−8111 088−611−8220 香川障害者職業センター 760−0055 高松市観光通2−5−20 087−861 −6868 087−861−6880 愛媛障害者職業センター 790−0808 松山市若草町7−2 089−921 −1213 089−921−1214 高知障害者職業センター 781−5102 高知市大津甲770−3 088−866 −2111 088−866−0676 福岡障害者職業センター 810−0042 福岡市中央区赤坂1−6−19 ワークプ ラザ赤坂5階 092−752−5801 092−752−5751 福岡障害者職業センター 北九州支所 802−0066 北九州市小倉北区萩崎町1 −27 093−941−8521 093−941−8513 佐賀障害者職業センター 840−0851 佐賀市天祐1−8−5 0952−24 −8030 0952−24−8035 長崎障害者職業センター 852−8104 長崎市茂里町3−26 095−844 −3431 095−848−1886 熊本障害者職業センター 862−0971 熊本市中央区大江6−1−38 ハローワ ーク熊本4階 096−371−8333 096−371−8806 大分障害者職業センター 874−0905 別府市上野口町3088−170 0977−25 −9035 0977−25−9042 宮崎障害者職業センター 880−0014 宮崎市鶴島2−14−17 0985−26 −5226 0985−25−6425 鹿児島障害者職業センター 890−0063 鹿児島市鴨池2−30−10 099−257−9240 099−257−9281 沖縄障害者職業センター 900−0006 那覇市おもろまち1−3−25 沖縄職業 総合庁舎5階 098−861−1254 098−861−1116 広域障害者職業センター  全国の広範な地域から障害者を受け入れ、職業評価、職業指導、職業訓練などの職業リ ハビリテーションを実施し、その成果に基づく指導技法などを他の障害者職業能力開発校 等へ提供しています。 名称 郵便番号 所在地 電話番号 FAX番号 国立職業リハビリテーションセンター 359-0042 埼玉県所沢市並木4−2 04-2995 -1711 04-2995-1052 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 716-1241 岡山県加賀郡吉備中央吉川7520 0866-56-9000 0866-56-7636 都道府県支部(高齢・障害者業務課)  高年齢者の雇用に関する相談・援助、高年齢者、障害者雇用に関する助成金の受付、障 害者雇用納付金等の申告申請の受付、地方アビリンピックの開催等の業務を行っています。 都道府県 郵便番号 所 在 地 電話番号 FAX番号 北海道 063−0804 札幌市西区二十四軒4条1−4−1 北海道職業能力開発促進セ ンター内 011−622−3351 011−622−3354 青 森 030−0822 青森市中央3−20−2 青森職業能力開発促進センター内 017−721−2125 017−721−2127 岩 手 020−0024 盛岡市菜園1−12−18 盛岡菜園センタービル3階 019−654−2081 019−654−2082 宮 城 985−8550 多賀城市明月2−2−1 宮城職業能力開発促進センター内 022−361−6288 022−361−6291 秋 田 010−0101 潟上市天王字上北野4−143 秋田職業能力開発促進セン ター内 018−872−1801 018−873−8090 山 形 990−2161 山形市漆山1954 山形職業能力開発促進センター内 023−674 −9567 023−687−5733 福 島 960−8054 福島市三河北町7−14 福島職業能力開発促進センター内 024−526−1510 024−526−1513 茨 城 310−0803 水戸市城南1−4−7 第5プリンスビル5階 029−300 −1215 029−300−1217 栃 木 320−0072 宇都宮市若草1−4−23 栃木職業能力開発促進センター内 028−650−6226 028−623−0015 群 馬 379−2154 前橋市天川大島町130−1 ハローワーク前橋3階 027−287 −1511 027−287−1512 埼 玉 336−0931 さいたま市緑区原山2−18−8 埼玉職業能力開発促進セン ター 本館4階 048−813−1112 048−813−1114 千 葉 261−0001 千葉市美浜区幸町1−1−3 ハローワーク千葉5階 043−204 −2901 043−204−2904 東 京 130−0022 墨田区江東橋2−19−12 ハローワーク墨田5階 03−5638 −2284 03−5638−2282 神奈川 241−0824 横浜市旭区南希望が丘78 関東職業能力開発促進センター内 045−360−6010 045−360−6011 新 潟 951−8061 新潟市中央区西堀通6−866 NEXT21ビル12階 025−226−6011 025−226−6013 富 山 933−0982 高岡市八ケ55 富山職業能力開発促進センター内 0766−26 −1881 0766−26−8022 石 川 920−0352 金沢市観音堂町へ1 石川職業能力開発促進センター内 076−267−6001 076−267−6084 福 井 915−0853 越前市行松町25−10 福井職業能力開発促進センター内 0778−23−1021 0778−23−1055 山 梨 400−0854 甲府市中小河原町403−1 山梨職業能力開発促進センター内 055−242−3723 055−242−3721 長 野 381−0043 長野市吉田4−25−12 長野職業能力開発促進センター内 026−258−6001 026−243−2077 岐 阜 500−8842 岐阜市金町5−25 G-frontU7階 058−265−5823 058−266 −5329 静 岡 422−8033 静岡市駿河区登呂3−1−35 静岡職業能力開発促進セン ター内 054−280−3622 054−280−3623 愛 知 460−0003 名古屋市中区錦1−10−1 MIテラス名古屋伏見4階 052−218−3385 052−218−3389 三 重 514−0002 津市島崎町327−1 ハローワーク津2階 059−213 −9255 059−213−9270 滋 賀 520−0856 大津市光が丘町3−13 滋賀職業能力開発促進センター内 077−537−1214 077−537−1215 京 都 617−0843 長岡京市友岡1−2−1 京都職業能力開発促進センター内 075−951−7481 075−951−7483 大 阪 566−0022 摂津市三島1−2−1 関西職業能力開発促進センター内 06−7664−0782 06−7664−0645 兵 庫 661−0045 尼崎市武庫豊町3−1−50 兵庫職業能力開発促進センター内 06−6431−8201 06−6431−8220 奈 良 634−0033 橿原市城殿町433 奈良職業能力開発促進センター内 0744−22 −5232 0744−22−5234 和歌山 640−8483 和歌山市園部1276 和歌山職業能力開発促進センター内 073−462−6900 073−462−6810 鳥 取 689−1112 鳥取市若葉台南7−1−11 鳥取職業能力開発促進センター内 0857−52−8803 0857−52−8785 島 根 690−0001 松江市東朝日町267 島根職業能力開発促進センター内 0852−60−1677 0852−60−1678 岡 山 700−0951 岡山市北区田中580 岡山職業能力開発促進センター内 086−241−0166 086−241−0178 広 島 730−0825 広島市中区光南5−2−65 広島職業能力開発促進センター内 082−545−7150 082−545−7152 山 口 753−0861 山口市矢原1284−1 山口職業能力開発促進センター内 083−995−2050 083−995−2051 徳 島 770−0823 徳島市出来島本町1−5 ハローワーク徳島5階 088−611 −2388 088−611−2390 香 川 761−8063 高松市花ノ宮町2−4−3 香川職業能力開発促進センター内 087−814−3791 087−814−3792 愛 媛 791−8044 松山市西垣生町2184 愛媛職業能力開発促進センター内 089−905−6780 089−905−6781 高 知 780−8010 高知市桟橋通4−15−68 高知職業能力開発促進センター内 088−837−1160 088−837−1163 福 岡 810−0042 福岡市中央区赤坂1−10−17 しんくみ赤坂ビル6階 092−718−1310 092−718−1314 佐 賀 849−0911 佐賀市兵庫町若宮1042−2 佐賀職業能力開発促進センター内 0952−37−9117 0952−37−9118 長 崎 854−0062 諫早市小船越町1113 長崎職業能力開発促進センター内 0957−35−4721 0957−35−4723 熊 本 861−1102 合志市須屋2505−3 熊本職業能力開発促進センター内 096−249−1888 096−249−1889 大 分 870−0131 大分市皆春1483−1 大分職業能力開発促進センター内 097−522−7255 097−522−7256 宮 崎 880−0916 宮崎市大字恒久4241 宮崎職業能力開発促進センター内 0985−51−1556 0985−51−1557 鹿児島 890−0068 鹿児島市東郡元町14−3 鹿児島職業能力開発促進センター内 099−813−0132 099−250−5152 沖 縄 900−0006 那覇市おもろまち1−3−25 沖縄職業総合庁舎4階 098−941−3301 098−941−3302 DATA 引用・参考文献一覧 小川 浩(2001) 「重度障害者の就労支援のためのジョブコーチ入門」エンパワメント研究所,p113 厚生労働省(2019) 「平成30年度障害者雇用実態調査結果」 https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000521376.pdf 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(2015) 「知的障害者の職場定着推進マニュアル」障害者職拡大マニュアルNo.14 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(2007) 「知的障害者のための職場改善に関する好事例集」 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター(2008) 「障害者に対する職場におけるサポート体制の構築過程−ナチュラルサポート形成の過程 と手法に関する研究−」調査研究報告書No.85 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(2019) 「2019年版 障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト」 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/guidebook/koshu_text.html 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(2010) 「障害者の加齢・高齢化に対応した継続雇用の在り方に関する調査研究」研究調査報告書 No.272 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(2018) 「はじめからわかる障害者雇用 事業主のためのQ&A集」 文部科学省 「特別支援教育について パンフレット「特別支援教育」について」 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/004.htm 文部科学省 「特別支援教育について 4. それぞれの障害に配慮した教育 (3)知的障害教育」 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/003.htm 山ア裕司・山本淳一(2008) 「リハビリテーション効果を最大限に引き出すコツ−応用行動分析で運動療法とADL訓 練は変わる」株式会社三輪書店,p43−45 障害者雇用マニュアル(コミック版2) 知的障害者と働く 発 行 日:平成10 年3月 初版       令和元年8月 第8版 企画・発行:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 〒261−0014千葉県千葉市美浜区若葉3−1−3 TEL.043−297−9513(雇用開発推進部) FAX.043−297−9547 HP.https://www.jeed.go.jp/ 障害者雇用に役立つ資料 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構では、事業主に役立つマニュアルなどの各種資料 の配布や、障害者雇用に関するDVDの貸出しを行っておりますのでご活用ください。 1 マニュアル、事例集等 知的障害者の職場定着推進マニュアル  知的障害の特性や職場での配慮事項および職場で起きる課題への対処方法などを解説・ 紹介したマニュアル 知的障害者のための職場改善に関する好事例集  企業が取り組んだ雇用管理や職場環境の整備など様々な改善好事例を紹介 2 障害者雇用事例リファレンスサービス  積極的に障害者雇用に取り組んでいる全国の事業所の事例を「障害者雇用事例リファレ ンスサービス」としてホームページで紹介しています。業種別、障害種別、従業員規模別 等で雇用事例を検索することができます。 https://www.ref.jeed.go.jp/ 3 DVDの貸出し  障害者雇用事業所の取組をDVDにまとめ事業主に貸し出しています。障害者が実際に 働く姿や職場での具体的工夫の内容を動画でみることができます。  貸出しの概要、DVDのリスト、借用申請書はホームページに掲載しています。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/dvd/index.html お問合せ (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構 雇用開発推進部 雇用開発課 1. マニュアル、事例集等 2. 障害者雇用事例リファレンスサービス TEL.043−297−9513 FAX.043−297−9547 中央障害者雇用情報センター 3. ビデオ・DVDの貸出し TEL.03−5638−2792 FAX.03―5638−2282 誰もが職業をとおして社会参加できる「共生社会」を目指しています。 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構