表紙 障害者雇用マニュアルコミック版4 精神障害者と働く 〜理解と思いやりの職場環境づくり〜 ■精神障害者を雇い入れ  職場での受入れ体制を構築 ■職場環境の変化による不安や悩みを  支援機関との連携で解決 ■雇用継続に向けた、仕事に対する  モチベーション維持・向上の取組 ■職場におけるてんかん発作への  対応・未然防止の取組 ■メンタル不調による休職から  職場復帰への流れ ■職務の変更による  2回目の休職からの職場復帰 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 はじめに  精神障害者の雇用につきましては、改正障害者雇用促進法により平成30年4月から精神障害者が法定雇用率の算定基礎に加わり、法定雇用率が2.2%に引き上げられるなど雇用支援制度・施策の拡大が図られていることにより、今後も就職の機会がさらに増加し、特性に応じて活躍できる場が広がっていくと考えております。  また、保健医療、福祉の進展等により精神障害者の社会参加が進み、就業ニーズも年々高まりを見せており、令和元年度の厚生労働省の障害者の職業紹介状況によれば、ハローワークを通じた精神障害者の就職件数は49,000件を超える(前年度比3.3%増)など働く精神障害者の数は増加しています。  このような中で、精神障害者の雇用については職場定着の難しさがしばしば指摘されており、事業主にとっては精神障害者の職場定着をいかに図っていくかが大きな課題となっています。また、企業に就職後、うつ病などのメンタルヘルスに不調を来して休職した従業員に対する適切な雇用管理の手法を知りたいというニーズも高まっているところです。  本マニュアルでは、近年の新たな動きや雇用支援制度の情報を取り入れつつ、精神障害者の雇用促進、職場復帰及び職場定着に当たって必要な雇用管理、職務内容の設定や職場の配置、作業指導の方法、職場環境の設定などについて解説し、わかりやすく読みやすいコミック版の形式で紹介しています。  本マニュアルができるだけ多くの企業などで活用され、精神障害の特性や雇用管理上の配慮点について理解を深めていただくとともに、実際の取組場面などにおいて役立てていただければ幸いです。  今後とも、精神障害者の雇用促進、職場復帰等についてご尽力いただきますようよろしくお願いいたします。 令和2年9月 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 精神障害者と働く ―理解と思いやりの職場環境づくり― はじめに 1 目次 2 主な登場人物 4 第1章 基礎編 5 シーン1 精神障害者の雇用 6 シーン2 就業上の特性、採用時や雇用管理上の留意点 10 シーン3 精神障害者の主な従事業務 16 シーン4 メンタル不調者の職場復帰 18 第2章 実践編 精神障害者の新規雇入れ〜雇用継続 21 事例1 精神障害者を雇い入れ、職場での受入れ体制を構築した事例 シーン1‐1 採用までのプロセス 22 シーン1‐2 受入れに係る準備 25 シーン1‐3 作業指導と雇用管理 28 【解説】 障害者トライアル雇用事業、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援 33 事例2 雇用して半年後、職場環境の変化による不安や悩みによる離職への危機を、 支援機関との連携で乗り越えた事例 シーン2‐1  職場環境・職務内容の変化による不安への対応 34 事例3 雇用して2年後、さらなる雇用継続に向けて、仕事に対する モチベーションの維持に取り組んだ事例 シーン3‐1 モチベーションの維持・向上に向けた取組 40 シーン3‐2 周囲の従業員の理解 45 【解説】 雇用管理に役立つツール@ 47 事例4 職場におけるてんかん発作への対応と未然防止に取り組んだ事例 シーン4‐1 てんかん発作への理解と対応 48 第3章 実践編 精神障害者の職場復帰 53 事例5 メンタル不調による休職から、職場の上司と産業保健スタッフのサポートにより 職場復帰した事例 シーン5‐1 休業開始から職場復帰できる段階までの回復の過程 54 シーン5‐2 職場復帰の決定 59 シーン5‐3 職場復帰後のフォローアップ 62 【解説】 雇用管理に役立つツールAB 64 事例6 職務の変更を行うことにより、2回目の休職から職場復帰した事例 シーン6‐1 リワーク支援に至るまでの経緯 66 シーン6‐2 リワーク支援の取組  70 シーン6‐3 職務を変更して職場復帰  74 【解説】 プライバシーの配慮と、情報提供の範囲 77 資料 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構 地域障害者職業センター、広域障害者職業センター一覧 78 都道府県支部 高齢・障害者業務課一覧 79 障害者雇用に役立つ資料 障害者雇用に役立つ資料 80 委員会委員一覧、引用・参考文献一覧 81 主な登場人物 辻堂 明夫 さん (32歳) 疾患名:統合失調症 高校在学時に統合失調症を発症し、卒 業後の在宅療養を経て就労移行支援事 業所に通い障害者就業・生活支援セン ターに登録。 ハローワークの紹介で株式会社磯山製 作所に採用された。 森高 さとえ さん (26歳) 疾患名:うつ病 障害者求人で応募した株式会社カワサ キレコードに就職。 半年間順調に就労していたが、指導担 当者が交代した後欠勤が続くように なった。職場や支援機関のサポートを 受け、仕事への不安や悩みを乗り越え る。 小越 賢也 さん (38歳) 疾患名:統合失調症 障害者求人で応募した千波苑で介護補 助職として就職。 2年が経過し、モチベーションの低下 がみられるようになったことから、支 援機関のアドバイスを受け、モチベー ションの維持・向上に向けた取組を行 うこととなった。 清野 啓司 さん (21歳) 疾患名:てんかん 幼少時から学童時までてんかん発作の 頻度が多かったが、高校以降は服薬の 調整ができ、発作は1年に1回程度と 落ち着いている。 ビジネス専門学校を卒業後、ハロー ワークの紹介で妙典商事に応募し、採 用された。 綱山 加奈子 さん (32歳) 疾患名:うつ病 株式会社庄田の営業・企画部門に所属。 職場ではリーダーとして意欲的に仕事 をこなしていたが、心労が重なりうつ 病と診断され休職となった。 職場の上司や産業保健スタッフの計画 的な支援のもと職場復帰する 大林 幸弘 さん (23歳) 疾患名:うつ病 株式会社サイナックソリューションにSE として就職後、うつ病を発症し休職。 その後一度は復帰するものの再度休職と なり、リワーク支援を活用し職場環境 や職務内容等の調整を行って職場復帰す ることとなった。 ※この作品で登場する人物、企業等はすべて架空のもので実在するものではありません。 第1章 基礎編 シーン1 精神障害者の雇用 シーン2 就業上の特性、採用時や雇用管理上の留意点 シーン3 精神障害者の主な従事業務 シーン4 メンタル不調者の職場復帰 シーン1 精神障害者の雇用 磯山製作所の 北澤と申します 障害者の雇用を 考えているのですが 今回の求人では どのような職務を 想定されていますか 主には製造職ですが 職務内容は 障害者の状況に応じて 検討するつもりです 障害の種別は 問いませんが 当社では以前から 雇用している 身体障害者以外は 雇用経験がなくて… 来週 精神障害をテーマに 障害者雇用セミナーが 開催されますので 参加してみませんか? 精神障害…ですか 聞いたことはありますが 具体的なイメージは… ただ どのような障害か 知ることも大切ですよね 参加させてください 翌週ー 本日は お集まりいただきまして ありがとうございます 精神障害者を 雇用する企業は 年々増加しています 令和元年度には 精神障害者の 就職件数が 49,000件を 超えました また 障害者雇用促進法の 改正によって 平成30年4月から 雇用率の算定基礎に 精神障害者が 加わりました※1 本日は 精神障害とは どのような障害か 精神障害者を雇用する際の ポイントなどを 解説していきます 精神疾患名 ● 統合失調症 ● 気分障害 うつ病、そううつ病 ● 神経症 パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害 など ● 依存症   アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存 症など ● パーソナリティ障害   境界性パーソナリティ障害など ● てんかん ● 発達障害※2 ● 高次脳機能障害※3 ※2、3 発達障害、高次脳機能障害については、当 機構でそれぞれ「障害者雇用マニュアルコミック版」 を作成しておりますので、そちらをご参照ください 精神疾患には このような ものが あります ※1 平成30年4月からは民間企業における法定雇用率は2.2%となり、平成33年4月までには更に0.1%引き上げになります。 雇用支援対象となる精神障害者 ○ 統合失調症 ○ そううつ病 (そう病及びうつ病を含む) ○ てんかん   以上のいずれかにかかっている者か ○『精神障害者保健福祉手帳所持者』 雇用支援の対象となる 精神障害者について 障害者雇用促進法では この図にある方であって 『症状が安定し就労が 可能な状態にあるもの』と なっています 雇用率の 算定対象となるのは 精神障害者保健福祉 手帳所持者であり カウントはこの図の とおりです (一人あたりの算定数) 週30 時間以上 の常時雇用する 労働者 週20 時間以上 30 時間未満の 短時間労働者 身体障害者1人0.5 人 重度2人1 人 知的障害者1人0.5 人 重度2人1 人 精神障害者1人0.5 人(注) それではまず 統合失調症、気分障害 てんかんの主な症状等について 説明します※4 統合失調症 ●主な症状 発症初期や調子を崩した際に現れやすい症状として、幻覚、妄想、思考の混乱など。また、慢性的な症状として、意欲の低下、感情や表情の平板化など。 ●発症の特徴 10 代から30 代の若い世代で発症することが多く、この疾患に罹る確率は1%弱とされている。 ●通院・服薬 服薬による治療が中心で、症状が改善された後も一定期間継続する必要がある。 ※4 その他の精神疾患については、「精神障害者雇用管理ガイドブック」(障害者職業総合センター、2014)をご参照ください (注) 精神障害者である短時間労働者であって、新規雇入れから3年以内又は精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の者については、原則として、平成35年3月31日までに雇い入れられ、精神障害者保健福祉手帳を取得した場合に限り、1人を0.5人ではなく1人として算定します。 気分障害 ●主な症状 気分障害とはうつ病やそううつ病の総称で、うつ状態では、「憂 うつ・悲観・絶望感・自己を責める・興味や関心がなくなる・考 えがまとまらない・判断や決断ができない・集中力に欠けるなど」 (思考や意欲の変化)、「不眠や熟睡できない・疲れやすい・食欲 低下・頭痛など」(身体症状)がみられる。そう状態では、「気分 の高ぶり・イライラ感・飛躍した考え」(思考面)、「落ち着きが ない・口数が多い・外出や電話を頻繁にする、浪費など」(行動面)、 「不眠、食欲亢進など」(身体面)がみられる。 ●発症の特徴 うつ病は一生のうちに15 人に1 人は罹ると言われるほど頻度の 高い疾患で、そううつ病はうつ病に比べて頻度は低い。うつ病は 若いときに発病することが多いが、中高年での発病も少なくない。 ●通院・服薬 うつ病では服薬と休養による治療が基本となる。そううつ病で は服薬による治療が中心となる。いずれの場合も一定期間服薬 の継続が必要。 てんかん ●主な症状 さまざまな成因による慢性的な脳の疾患で、てんかん発作は脳の神経が 一時的に激しく活動することにより起こるもの。「全身けいれんを起こ して倒れる」というイメージがあるが、発作には多くの種類があり、大 きく分類すると以下の2 つに大別される。 部分発作:脳のある部分から始まる発作で、意識が保たれたままであっ たり、徐々に意識が消失したり、全身のけいれんに進展する場合がある。 全般発作:発作のはじめから、脳全体で神経が激しく活動するため、意 識が最初からなくなることが多いという特徴がある。 ●発症の特徴 3 歳以下の発病が最も多く8 割が18 歳以前に発病するが、近年は脳血管障 害等による発病も増えており、発症率は100 人に1 人程度と言われている。 ●服薬・通院 個々人の状態に応じた薬を選択し、継続的な服薬による治療が行われる。 ハイ! 病気だったら 病気を治してから 仕事をするのが よいのでは… 精神障害の場合 慢性的な疾患と捉えて 服薬や定期的な通院を 継続するとともに さまざまな配慮や 工夫をしながら職業生活を 送ることができます また、障害についての 考え方は近年大きく変化し 症状の変動や 治る可能性があっても 一定期間以上 生活面や対人関係上の課題 仕事や社会活動に制限が ある状態は障害とみなす という捉え方が一般的です シーン2 就業上の特性、 採用時や雇用管理上の留意点 これから紹介する精神障害者の 就業上の特性や留意点について 覚えておいていただきたいことが あります ご説明したとおり 精神疾患の種類は多岐にわたり 疾患が同じでも症状や程度 特性は一人ひとり違いますし もともとの能力や性格 発病前に身につけていた技能 経験なども異なるため 一括りに説明することは 難しいのです しかし ある程度共通項となりうる ポイントがあります 皆さんが 精神障害者を 採用し雇用管理を 進める際には それらの共通項を 踏まえつつ 一人ひとりの 状況を把握しながら 個別に対応することと なります なるほど 精神障害者が就労する際 障害による影響が どのように現れるのか その共通項について ご説明します 全ての精神障害者に 当てはまるものでは ありませんが 一般的に… ●疲れやすい はぁ・・・ ●環境の変化に  慣れるのに  時間がかかる ●失敗により  自信を失いやすい ●あいまいな状況で  困惑しやすい などがあると 言われています こうやって この方が やりやすい どうすれば いいんだ? 次に 採用時の留意点に ついてご説明します 精神障害者の採用時の留意点 面接等での聴取事項 病気や障害については 「聞いてはいけない」 「聞きづらい」と 思われるかも しれませんが 障害者手帳を 所持していると言っても 一人ひとり障害の 状況が異なるため できる限り 把握することが重要です 「担当業務を決めるため」や 「働きやすい職場環境を 整えるため」など 質問する理由 を伝えましょう ●自分自身の精神疾患や  障害の理解度 ●普段の生活や  仕事における健康管理上の留意点  通院・服薬がきちんと  できているか  調子が悪くなった  ときに適切に  主治医などに  相談できるかなど ●雇用された場合に必要な  配慮や支援 面接以外での把握 職場実習や各種制度を活用して 常用雇用の前に試行的に 働いてもらい 様子を見ることが 有効な場合があります 対象者の意向も確認した上で 制度を実施している機関へ 問い合わせてください このほか 本人の緊張を 解きほぐすような 雰囲気を作ることも 効果的です                         ●就労支援機関などが設定する職場実習 ●障害者トライアル雇用 ●各種訓練制度  障害者委託訓練   職場適応訓練   など 支援機関からの情報収集 求人に応募してきた 精神障害者を支援している 支援機関がある場合 ●これまでの支援内容 ●職業上の特性 ●現在の病状、調子を崩す  きっかけやサインとその対応方法 ●生活面を含めた支援体制 これらの項目は 本人の同意に基づいて 情報提供してもらいます なるほど・・・ 雇用管理では 何に留意すれば よいのでしょうか 一般的な項目を まとめてみました 精神障害者の雇用管理上の留意点 雇用管理では 何に留意すれば よいのでしょうか 一般的な項目を まとめてみました 職務の設定 ●負荷が比較的軽い業務  の設定から始める 本人の仕事ぶりを判断して 段階的に仕事内容の幅を広 げることなどを検討します ●職務を作り出す  (作業内容を切り出す) 既存の職務に配置させること が難しい場合、他の社員や多 数の部署から対応可能と思わ れる作業を切り出して設定し ます ●作業を標準化する 作業マニュアルや手順書を 整備し、作業の仕方や 留意点を明確化します 作業スケジュール表を整備す ると、行程が見えることで先の 見通しが持ちやすくなります 手順書 1==== 2==== 3==== ●数種類の作業を  設定する 作業のマンネリ化を防ぐこと につながる場合があります 封入はできそうですか リサイクルペーパー の回収も いいですね コピーを お願いしましょう 指示の出し方や教え方 ●指導担当者を設定する 指導、指示内容に一貫性を 持たせます ●指示は具体的に、確認  しながら、一度に言わない 1 書類を揃える 2 封筒に入れる 3 数を数える 大丈夫そうですね ●できたことは認める(ほめる) 認める(時にはほめる)ことに よって自信につなげることが重 要です ●慣れるまでは確認を促す ●ミスをしたら対応策を  一緒に考える ミスをすると自信をなくしたり 落ち込んでしまう場合がありま すので、ミスをした原因とその 対策を一緒に考えます ●定期的な振り返りと  目標を設定する できていることと課題を共有し 今後の目標を明確にすることで 不安の軽減や安心感、仕事への 意欲につながります 間違えた〜! 一緒に考えましょう 健康管理面への配慮 ●通院時間を確保する ●就業時間を段階的・柔軟に  設定する 短時間での就労から開始し、段 階的に時間を延ばしていくこと が有効です 体調に波が出やすい人には一時 的に就業時間を短縮し、安定し てきたら元の時間に戻すなどの 柔軟な時間の設定を行う企業も あります 9:00始業 15:00終業 お先に 失礼します ●体調の変化に気を配る ●調子を崩す際の状況等を  把握しておく 調子を崩しやすい状況や崩す際 のサイン、調子を崩した際の対 応方法など、本人や支援機関の 担当者から情報収集しておきま す 落ちこんでいるみたい だけど何かあったかな… ●体調不良時の対応は支援機関  等と連携しながら検討する ●産業保健スタッフを活用する 産業保健師などがいる場合は、 本人との面談をお願いしたり医 療機関との連携のアドバイスを 得ることができます コミュニケーション(接し方) ●定期的に相談できる場を  設定する 本人の気持ちを受け止める機会と して捉えることがポイントです 必要に応じて支援機関の担当者 の同席や、本人と支援機関担当 者だけで相談 の機会を設定する ことも有効です ●休憩時間の接し方に配慮する コミュニケーションを取りたい 人もいれば、一人になって落ち 着きたい人もいます 本人の意向を確認しておくこと が望まれます ●本人の話に耳を傾ける ●職場の雰囲気を和やかにする ●環境の変化に適切に対応する 指導担当者が異動となる場合 指導方針が変わらないように引 継ぎを行い、本人を含めて相談 する機会を設定して関係づくり を行います 交代→ そのほかの職場環境の変化について も、伝えられる範囲で事前に情報を 共有して、不安や心配事があれば 相談に乗るなどの対応が望まれます ご紹介した留意点のほかに 本人を知る支援機関から助言や サポートを得ることがとても有効です 本人の状況を詳細に把握でき 特性に応じたサポートが得られます また、事前に職場環境や体制整備について 企業の状況に応じたアドバイスが受けられます さらに 精神障害者の雇用と その後の職場定着を 進めるためには 人事担当者だけではなく ともに働く従業員の理解と 配慮が必要です そのためには 次のような取組が ポイントとなります ともに働く従業員への理解促進とサポート ●精神障害に関する  基礎的情報を  提供する 特性や就業上の 留意事項等の情報が わかると不安の 緩和につながります 社内の研修会などで 支援機関の職員から 情報提供してもらうのも いいでしょう ●指導担当者をサポートし  周囲の従業員の不安や  悩みに対応する 指導担当者の負担感や 指導上の悩みなど 人事担当者や上司が 把握した場合には 早期に対応するなど 適切なサポートが 望まれます また、障害のある社員と 周囲の従業員との 関係づくりにも配慮が 必要です 周囲の従業員に 障害に関する情報を 提供することについて事前に 本人の意向を確認して おくことを 忘れないでください その際には 情報提供する理由 そのタイミングと 対象範囲、伝える内容 説明の仕方等について 本人が不安を 感じないように丁寧に 伝えましょう 特性に ついては… 留意事項 としては… 変わりは ありませんか シーン3 精神障害者の主な従事業務 従事業務については これらのポイントを 踏まえた上で 決めていくことが 望まれます 本人の希望 障害の状況 職務経験や 身につけている技能 会社が 提供できる職務 職場環境 参考として 精神障害者が 従事している例が 多い業務を ご紹介します 精神障害者が従事する職務内容の例 事務的作業 ●PCによる  データ入力・集計 顧客情報、アンケート 出退勤データなど ●経理関係伝票の処理 ●文書管理 契約書等のデータ化 保管、整理 ●郵便物の仕分け・  配付・発送 ●庶務的業務 消耗品や備品等の 管理・補充 名刺の作成・発注 会議資料のコピーなど サービス系の作業 ●介護施設等での介護補助業務 共用部・居室の清掃、洗濯 シーツ交換 レクレーション補助 見守り支援 配膳・下膳 送迎補助など ●飲食店等での調理補助業務 調理やその下準備、盛りつけ 食器洗浄など ●クリーニング業務 ●ホテル等での客室清掃  ベッドメイキング ●小売業店舗での  品出し・バックヤード  での作業 計量、袋詰め 値札シール貼り 結束、POP作成 サイズチップの整理 段ボールの整理など 製造・労務系の作業 ●生産工程における  組立・加工・結束・  分別・検査等の作業 ●物流倉庫等での  ピッキング作業  包装・梱包  カートの移動作業 ●清掃業務 ●カートやかごの洗浄作業 精神障害者を雇用する場合 受入れ体制を整えて 本人が作業を 習得できた後の かかわり方も重要です 周囲が温かく迎え入れ 日頃から仕事ぶりや 体調面等に配慮し 仕事の成果を適正に 評価して フィードバック していくという いわゆる 『新入社員への教育』にも 通じる雇用管理を 行うことが大切です シーン4 メンタル不調者の職場復帰 近年 うつ病などの メンタル不調※5で 休職する人の増加や 休職後の職場復帰が スムーズに進まないなどの 調査結果もあり 休職した人の職場復帰の 問題に対する関心が 高まっています メンタル不調で 休職している 従業員がいる場合 会社としては 次のリスクがあります ※5本マニュアルでは、「メンタル不調」の範囲として、精神障害に限らず、ストレスや強い悩み、 不安などの精神的及び行動上の問題を幅広く含みます。 メンタル不調者がいる会社のリスク ●休職した従業員分の生産性のダウン ●休職した従業員が担当していた業務を 代替する従業員の疲労やストレス ●医療費や代替従業員の人件費の増加 ●労災認定や訴訟等による企業イメージ の低下 これらのリスクを少しでも 軽減するために 会社としては休職者の職場復帰を スムーズに進め その後の職場定着に つなげていくことが求められます 職場において 心の健康を保持することを含めた 安全配慮義務の観点から メンタルヘルスケアの 教育研修・情報提供や 職場環境等の把握と改善 (ストレスチェック制度の活用など) メンタル不調への気づきと対応も 求められるところです※6 ※6 メンタルヘルス対策については、厚生労働省が取りまとめた『職場における心の健康づくり〜労働者の    心の健康の保持増進のための指針〜』などをご参照ください つづいて メンタル不調により 休職した従業員の 職場復帰に向けた 流れについて ご紹介します 職場復帰支援の流れ 第1ステップ 病気休業開始 及び休業中のケア ア 病気休業開始時の労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出 イ 管理監督者によるケア及び事業場内産業保健スタッフ等によるケア ウ 病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応 エ その他 第2ステップ 主治医による職場復帰可能の判断 ア 労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記 された診断書の提出 イ 産業医等による精査 ウ 主治医への情報提供 第3ステップ 職場復帰の可否の判断 及び職場復帰支援プランの作成 ア 情報の収集と評価   (ア)労働者の職場復帰に対する意思の確認   (イ)産業医等による主治医からの意見収集   (ウ)労働者の状態等の評価   (エ)職場環境等の評価   (オ)その他 イ 職場復帰の可否についての判断 ウ 職場復帰支援プランの作成   (ア)職場復帰日   (イ)管理監督者による就業上の配慮   (ウ)人事労務管理上の対応   (エ)産業医等による医学的見地からみた意見   (オ)フォローアップ   (カ)その他 第4ステップ 最終的な職場復帰の決定 ア 労働者の状態の最終確認 イ 就業上の配慮等に関する意見書の作成 ウ 事業者による最終的な職場復帰の決定 エ その他 職場復帰 第5ステップ 職場復帰後のフォローアップ ア 疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認 イ 勤務状況及び業務遂行能力の評価 ウ 職場復帰支援プランの実施状況の確認 エ 治療状況の確認 オ 職場復帰支援プランの評価と見直し カ 職場環境等の改善等 キ 管理監督者、同僚等への配慮等 職場復帰を 支援する際に 企業が検討・留意 すべき点は 次のとおりです 職場復帰支援に際して検討 または留意すべき事項 ●主治医との連携の仕方 主治医に対して事業所の制度や本人の業 務状況を説明することが効果的です また、企業として職場復帰を前向きに進 める立場であることを明確にしておくと よいでしょう なお、主治医と情報共有するには、事前 に本人への説明と同意を得ておくことが 必要です ●職場復帰可否の判断基準 本人の職務遂行能力が完全には 改善していないことも考慮しつ つ、社内の制度や受入れ体制を加 味しながら判断してください 主治医 本人 事務所   判断基準の例 ● 労働者が十分な意欲を示している ● 通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる ● 決まった勤務日、時間に継続して就労が可能 である ● 業務に必要な作業ができる ● 作業による疲労が翌日までに十分回復する ● 適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に 眠気がない ● 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復して いる  出典:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者 の職場復帰支援の手引き」 ※詳細は第3章「精神障害者の職場復帰実践編」の事 例で解説しています ●リワーク支援の活用 リワーク支援は、医療機関 や障害者職業センターなど が実施している職場復帰に かかる支援プログラムで 一定程度症状が改善してき た休職中の従業員が、職場 復帰に向けて取り組む際に 活用できます 生活リズムを取り戻し、ス トレスへの対処方法を学 び、復職への意欲と自信を 高めることが期待できます ●職場復帰後の  就業上の配慮 職場復帰の際は、元の慣れた職場へ の復帰が原則です ただし、異動や職場でのトラブル等 が誘因となって発症した場合は 個別の状況に合わせて検討します 職場復帰後は、主治医や産業保健ス タッフ等の意見を踏まえ、負荷を軽減 した業務から始めて、段階的に元へ 戻すなどの 配慮が望ま れます 職場復帰を円滑に 進めるには休職者に 100%の状態で 復帰してもらおうと 考えるのではなく 最初は就業上一定の 配慮をしながら 段階的に元の状態に 戻れるように 支援することが ポイントです 休職者が出てから 検討を始める のではなく 日頃から 社内の理解と 受入れ体制の 準備をして おくことが 必要です 就業上の配慮の例 ● 短時間勤務 ● 軽作業や定型業務への従事 ● 残業・深夜業務の制限 ● 出張制限 ● 交替勤務制限 ● 危険作業、運転業務、高所作業、窓口業務  苦情処理業務などの制限 ● フレックスタイム制度の制限または適用 ● 転勤についての配慮 以上 これまでいろいろと 説明してきましたが いかがでしたでしょうか 精神障害者の雇用と メンタル不調者の職場復帰には 本人の努力だけではなく 企業の方々の理解と 配慮が必要です みなさまの企業でも 精神障害者の雇用が進み メンタル不調者の 職場復帰がスムーズに 行われるよう願っています とても 参考になったな いろいろ準備も あるが 受入れも 検討できそうだ 帰ったら 社長にも 報告しよう 実践編 第2章 精神障害者の 新規雇入れ〜雇用継続 事例1 精神障害者を雇い入れ、 職場での受入れ体制を構築した事例 事例2 雇用して半年後、職場環境の変化による 不安や悩みによる離職への危機を、 支援機関との連携で乗り越えた事例 事例3 雇用して2 年後、さらなる雇用継続に 向けて、仕事に対するモチベーションの 維持に取り組んだ事例 事例4 職場におけるてんかん発作への対応と 未然防止に取り組んだ事例 ※第2章及び第3章の事例に登場する人物の疾患名は様々な設定 となっていますが、本コミック版マニュアルでは精神障害者へ の対応として共通項となりうる事項を紹介しています。  実際に雇用管理を行う上では、ここで紹介する共通項を踏まえ つつ、個人の状況を的確に把握し、それに応じた個別対応を図 ることが望まれます。 第2章 実践編 事例1 精神障害者を雇い入れ、 職場での受入れ体制を構築した事例 シーン1-1 採用までのプロセス 辻堂 明夫さん(32歳) 統合失調症 職場:株式会社磯山製作所 (従業員100人) 辻堂さんは高校在学時に 統合失調症を発症しました 卒業後数年間は 在宅療養しながら 時折アルバイトを 試みましたが 数日でやめてしまいました 主治医に相談して 就労移行支援事業所に通い 就労に必要な知識や体力を 身につけることを 提案され通所することに 決めました 通所から1年後 いよいよ就職を 目指すこととなり 求職活動や採用後の サポートを得るため 障害者就業・生活支援 センターに 登録しました どのような仕事に 就きたいですか ものをつくる 仕事がいいです 就職後の体調管理の ことも考えて主治医と 情報共有しながら サポートしたいのですが よろしいですか? そうしてもらえると 安心です ハローワーク 辻堂さんは ハローワークで 求職登録を 行いました その後 ハローワークから 製造関連の職種で求人が 出ているとの情報を受けて 申し込むことにしました 面接当日ー 本日は よろしく お願いします よろしく お願いします 当社は機械部品を 製造する会社で 社員は100名ほどです 辻堂さんは 精神障害者保健福祉手帳を お持ちですが どのような障害なのですか 統合失調症という 病気です 北澤人事部長 通院や服薬は していますか また 会社に配慮してもらいたい ことはありますか 4週間に一度の通院と 1日3回の服薬が あります 緊張しやすいので 職場に慣れるまでに 時間がかかります 仕事では何度も 質問してしまい ますが根気強く 教えていただき たいです なるほど わかりました 北澤人事部長は 相川支援員に 辻堂さんの職業上の 特性や配慮点について 確認します 症状は 安定していて こつこつまじめに 仕事をしてくれます 緊張しやすく なかなか自信が持てない タイプですので 気軽に声をかけたり できていることを言葉で 伝えてあげてください 辻堂さんが 採用された場合 私が辻堂さんの 支援を担当します 精神障害者の採用が 初めてでしたら 障害者トライアル雇用※1を 検討してはいかがですか ジョブコーチ支援※2も 活用できます ジョブコーチ 支援ですか 障害のある人が職場で 継続して働けるように ジョブコーチが 職場に直接出向いて 本人や職場の皆さんを 支援するものです なるほど そのような支援が あるのはありがたいですね それでは社内で検討して 後日結果をご連絡します よろしく お願いします 社長室 …というわけで 少し緊張しやすいようですが まじめそうでした 試行的に雇用しながら 支援機関のサポートも 受けられるようです そうか 精神障害者の雇用は 初めてだが 受け入れてみよう 数日後、北澤人事部長から辻堂さんに 障害者トライアル雇用とジョブコーチ支援を 活用して採用するとの連絡がありました ありがとうございます! 後日 相川支援員は ジョブコーチとして 磯山製作所を訪問し 受入れの支援を行う こととなりました ※1障害者トライアル雇用、※2ジョブコーチ支援については、P33 の解説ページをご参照ください シーン1-2 受入れに係る準備 打合せ当日ー 辻堂さんを 受け入れるに 当たって どのようなことが 必要でしょうか 辻堂さんの症状は 安定していますが 定期的な通院と 服薬をしていますし 本格的に就労するのは 今回が初めてです 慣れるまでに時間が かかることや、質問を 繰り返すことがあるので これらの状況を踏まえた 雇用管理が必要です なるほど、それでは 辻堂さんの職務内容は どのように設定 すべきでしょうか 職場を見学 させていただき 各職務で必要な スキルや要件を 教えてください 北澤人事部長は ジョブコーチの協力を得ながら 次のことに取り組みました 取組1 職務内容を 設定する 部品の穴あけや 研磨の加工作業で あればできると 思いますが 納期があるので 任せていいものか… 各種作業を 洗い出し 必要な要件を 整理してみました 資材の管理と 梱包材の組立・ 通い箱の磨き作業 から始めるのは いかがですか 製造工場での作業整理票 作業名 資材の発注 資材の管理 図面の作成・管理 製造ライン1 製造ライン2 検査作業 出荷作業1 出荷作業2 内容 業者との折衝、発注害の作成、 発注先への連絡 購入した資材を、資材庫と PCにより管理する 受注業者の依頼に応じた図面 や工程表の作成など NC旋盤等を利 用した加工 部品の穴あけや研磨加工 製品の検査 検査に合格した製品を梱包材 へ入れて出荷する 梱包材の組立または通い箱の 磨き作業 要件1 (身体負担) 不要 不要 不要 ややあり ややあり 不要 ややあり ややあり 要件2 (理解・判断) 必要 不要(一定の基準がわか れば) 必要 機械操作などの専門の知 識が必要 図面の理解と判断が必要 だが、部品ごとに実際の やり方を示せば不要 図面の理解と判断が必要 受注書との照合や出荷伝 票の作成に判断を要する 受注書との照合や出荷伝 票の作成に判断を要する 要件3 (対外的なコミュニケーション) 必要 不要 必要 不要 不要 不要 不要 不要 要件4 資格・スキル PC操作 PC操作 必要 必要 スピードを要する(部 品と納期による) ・最終確認のため責 任を伴う ・スピードを要する ・フォークリフトが 利用できればなお可 不要 時間・ 頻度 3〜4 時間/週 1時間 /1日 終日 終日 終日 終日 終日 梱包・出荷の 合間に実施 一人あたり 30分/1日 辻堂さんの 従事可能性 × ○ × × △ × × ○ 部品の穴あけや 研磨の加工作業は 職場に慣れてから 段階的に導入することが 望ましいと思います なるほど そうしましょう 取組2 指導担当者を 決める いろいろな人 からの指示が 出されて 混乱したり 誰に質問すればよいか迷わないように 現場で指導する人を決めて おくことが効果的です 指導は 現場リーダーが 担当します 相川さんは ジョブコーチとして ご支援ください 真島と申します わからないこと ばかりですので いろいろと 教えてください 現場リーダー真島 取組3 業務日報を 作成する 業務日報で 自分の作業状況や 体調を 振り返ることが できるように しましょう 現場リーダーが これを共有すれば その日の状態を 把握することが できます いいですね 取組み4 勤務時間を段階的に 延ばしていく 当初は勤務時間を 短時間から開始し 本人の体調などを 見て段階的に 延長したら どうでしょうか 1日5時間の 週4日勤務から 始めて 1か月ごとに時間を 延長するかどうか 検討しましょう 取組5 作業手順書と スケジュール表を 整備する 作業手順書や スケジュール表を 整備すれば 仕事の進め方で 迷うことが少なくなり 不安感を軽減できます わかりました 準備して おきます 現場で働く従業員の 理解を図ることも大事だと 考えているのですが どうしたら… そうですね 一度現場の 従業員の方向けに 学習会を開催しては いかがでしょうか 私もお手伝いします それはありがたい ぜひお願いします 取組6 現場でともに働く従業員を対象に 学習会を実施する 北澤人事部長とジョブコーチは 工場長、真島さんのほか 辻堂さんが配属されるラインの 従業員を集めて学習会を 開催しました ・精神障害とは… ・サポートの仕方… シーン1-3 作業指導と雇用管理 トライアル雇用初日 辻堂さんはセンター職員と 磯山製作所に出社しました とても緊張 しています ちゃんとできる でしょうか はじめは誰でも 緊張するものです 焦らずじっくり作業を 進めていけば 大丈夫ですよ 今日からよろしく お願いします こちらこそよろしく お願いします 早速作業を始めましょう 辻堂さんには、出荷する 際に必要な梱包材の組立 通い箱の磨き作業 資材の管理作業をやって もらいます 辻堂さんの一日のスケジュール 時間 作業内容 留意する点 始業●8:50 から9:00 までの間でタイムカードを押す ●指導担当者から、本日の作業内容を確認する 9:00 ●梱包材組立または通い箱の磨き作業 その日の作業指示に従って作業を行うこと 11:00 ●資材の管理作業 12:00 昼食 13:00 ●梱包材組立または通い箱の磨き作業 その日の作業指示に従って作業を行うこと 14:00 終業● 13:50 以降になったら手元に残っている物を作業して後片付けを行い、タイムカードを押すこと 作業手順書を 準備しました 手順書を見ながら 覚えてください 作業手順書 〜資材の管理作業の手順書〜 注意事項 @ 指示された資材(資材名、整理番号)を、 PCで検索し、在庫数量をメモする A 資材庫に行き、指示された資材の在庫数を 確認し、在庫数をメモする 整理番号を照合し、間違いがないか確認すること B PCデータに在庫番号を入力、保存する C 在庫チェックが終わったら、担当者に 報告する   極端に少ない資材があった場合はそれに ついても報告する 「極端に少ない資材」は資材ごとに異なるため、指 示する段階で担当者から報告されるのでメモをして おくこと。 〜梱包材組立、通い箱磨き作業の手順書〜 ◆梱包材組立作業の手順 注意事項 @ 指示された梱包のサイズと数量を  メモする A 資材庫から作業場まで、指定の梱包材を  台車で持ってくる 機械や資材等をぶつけないように運んでくること B 梱包材を5つまとめて組み立てる C 梱包材の底をガムテープで貼り付ける ガムテープの張り方が歪みがないかチェックするこ と D 所定の場所に5段重ねでおいていく ◆通い箱の磨き作業 注意事項 @ 使用済みの通い箱を、仕切りと箱に  分解する A シール貼付痕やこびりついた油などは  溶剤をウエスに湿らせてこすり落とす ・仕切りと箱をそれぞれまとめて作業すると効率的 ・箱は内側の四隅まできれいにすること B ウエスで油などの汚れを拭き取る C エアーでほこりを除去しながら、最終的な 真島さんは手順書に沿って 辻堂さんに 作業を教えていきました @指示された梱包材の  サイズと数量をメモする A資材庫から  作業場まで  指定の梱包材を  台車で持ってくる B梱包材を  5つまとめて  組み立てる C梱包材の底を  ガムテープで  貼り付ける D所定の場所に  5段重ねで置いていく 最初は真島さんが 流れに沿ってやってみせると 辻堂さんも覚えやすいと思います その後辻堂さんにやってもらい 留意点を伝えると さらに効果的です 指示は具体的に 一度にたくさんの 内容を伝えすぎない ことがポイントです 資材管理のある場面ではー どうしましたか すみません 目的の資材が 見つかりません 大丈夫ですよ 資材の棚には 整理番号が 付いています 整理番号を よく見て 落ち着いて探せば 必ず見つかります 作業ぶりをこまめに 確認し、うまく作業が できない場合は どのように改善すれば よいのか 一緒に考えながら 進めると効果的です 順調に作業できている 場合でも きちんとできている ことを伝えること また、慣れるまでは とにかく焦らず 見守り、根気強く 教えていくことが ポイントです トライアル雇用開始から1週間後ー この1週間で 仕事には 慣れましたか なかなか慣れません リーダーの指導に きちんと応えられて いるのでしょうか いやいや 十分頑張っていますよ 1週間でこれだけ こなせれば 大したものです 本当ですか それなら 安心しました まだ始まったばかりです これからの1週間も 焦らず確実に作業を 進めましょう わからないことはすぐに 質問してください わかりました 定期的に作業の 振り返りを実施することで 作業の習熟度や 進捗状況を把握し 次の目標を明確にすることで 不安やプレッシャーを 軽減させることが有効です 雇用から数週間後ー 作業指導は 慣れてきたよう ですね まだまだだとは 思いますが 何とか辻堂さんのことが わかってきましたし このまま進めて いきたいと 思います 辻堂さんは作業のほかに 対人関係や職場の環境 自分の体調面にも不安や 緊張を感じやすいようです そうでしたね 具体的にどのような 対応を心がけたら よいでしょうか それでは 雇用管理の進め方 についてポイントを お伝えします 北澤人事部長と真島さんは、ジョブコーチの アドバイスのもと、以下の取組を始めました ポイント1 辻堂さんの 表情や作業の様子 業務日報から 体調面を確認 おはようございます! 体調は問題 なさそうだな ポイント2 定期的に 体調や仕事について 相談できる場を設定 不安なことは ないですか 大分慣れて きました ポイント3 休憩時間に、周囲の 従業員から気軽に 声かけをするなど 緊張の緩和を図る 辻堂さんの調子の 善し悪しや 不安がある場合の傾向が わかってきました その後、辻堂さんは 順調に作業を習得し 段階的に就業時間も 延長されて いきました 3か月後ー トライアル雇用期間終了に 向けた話し合いが 行われました これまで働いてきた 感想はいかがですか 緊張でミスをして 落ち込むこともありましたが 体調を崩さず 続けることができました リーダーから、焦らないで じっくり確実に作業を 進めればいいと 言われたことで とても安心できました 振り返りの 機会を設定して いただいたことで 目標が明確になり 仕事に前向きに 取り組むことが できたようです はじめは不安や 緊張がこちらにも 伝わってきましたが やがて笑顔が出るよう になり安心しました わからないことが あってもジョブ コーチがいてくれて とても助かりました 週30時間を 安定して働けるように なりましたし 正式採用したいと 思います ありがとうございます これからもよろしく お願いします 精神障害者の雇用は 受入れ時よりも 継続雇用の中でいろいろな 課題が出てきやすいと 言われています それらを未然に防ぐために 今後も辻堂さんが気軽に 相談できる体制を継続して いただきたいと思います もちろんです 辻堂さんを受け入れたことで 職場内のコミュニケーションが 増えたように思います 障害者が働きやすい 職場環境は 誰もが働きやすいもの なんですね 解 説 障害者トライアル雇用事業、 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援 障害者トライアル雇用事業  障害者に関する知識や雇用経験がないことから、障害者雇用をためらっている事業所に、障害者を試行的に雇用してもらい、本格的な障害者雇用に取り組むきっかけづくりを進める事業です。  トライアル雇用の1週間の所定労働時間は20時間以上ですが、短時間トライアル雇用の場合には10時間以上20時間未満から開始し、トライアル雇用期間中に20時間以上に変更することを目指すこともできます。 ● 実施期間 トライアル雇用は原則3か月(精神障害者は原則6か月)、短時間トライアル雇用は3か月以上12か月以内で、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、有期雇用契約を締結します。 ● 申込手続き トライアル雇用に係る求人申込を管轄するハローワークまたは民間の職業紹介事業者等で行ってください。 ● 助成金の支給 トライアル雇用を実施した事業主に対して、トライアル雇用助成金が支給されます。原則として対象者1人当たり1か月最大40,000円(精神障害者を雇用する場合は最初3か月に限り1か月最大80,000円。短時間トライアル雇用では最大40,000円)です。 ● 対象となる事業主は、過去6か月の間に労働者の解雇を行っていないなど諸条件がありますので、利用に当たっては管轄のハローワークへ事前にご相談ください。 事業主の不安 ■ 障害に応じた職場の配慮事項が分からない ■ 障害者への接し方、雇用管理が分からない ■ 身体障害者は雇用しているが、精神障害者を雇うのは初めて ■ どのような仕事を担当させればよいか分からない 障害者の不安 ■ どのような仕事が適職か分からない ■ 就職は初めてなので、職場での仕事に耐えられるか不安 ■ 訓練を受けたことが実際に役立つか不安 トライアル雇用(短時間トライアル雇用)により、これらの不安が解消または軽減することが、常用雇用につながるきっかけになりうる。 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援  障害者が職場に適応できるよう、ジョブコーチが職場に出向いて、障害者および事業主に対して支援や助言などを行います。 ● 支援の契機 雇用の前後を問わず、必要なタイミングで支援を行います。 (例:@不安の軽減や作業手順を覚えるために雇入れと同時に支援を開始。A配置転換や人事異動といった職場環境の変化により職場適応上の課題が生じたため雇用後の支援を開始。)。 ● 実施期間 個別に必要な期間を設定します (標準は2〜4か月)。職場適応 上の課題が改善され、職場の上司 や同僚が適切に関われるように なった段階で支援が終了となり ます。支援終了後は、必要に応 じてフォローアップを行います。 ジョブコーチ 事業主(管理監督者・人事担当者) ●障害特性に配慮した雇用管理に関する支援 ●配置、職務内容の設定に関する支援 障害者 ●職務の遂行に関する支援 ●職場内のコミュニケーションに関する支援 ●体調や生活リズムの管理に関する支援 上司・同僚 ●障害の理解に係る社内啓発 ●障害者との関わり方に関する助言 ●指導方法に関する助言 家族 ●安定した職業生活を送るための家族の関わり方に関する助言 集中支援 移行支援 フォローアップ 職場適応上の課題や事業所の環境整備等について集中的に改善を図る週3〜4日訪問 支援ノウハウの伝授やキーパーソンの育成により、支援の主体を徐々に職場に移行週1〜2日訪問 支援終了時の課題に応じ、数週間〜数か月に1度訪問 個別に必要な支援期間を設定 第2章 実践編 事例2 雇用して半年後、職場環境の変化による不安や悩みに よる離職への危機を、支援機関との連携で乗り越えた事例 シーン2 − 1 職場環境・職務内容の変化による 不安への対応 森高 さとえさん(26歳) うつ病 職場:株式会社 カワサキレコード (従業員800人の CDショップ) 大学卒業後 一般企業に就職しましたが しばらくしてうつ病と診断され退職し その後も離転職を繰り返しました 無理なく安定して働きたいとの 思いで、精神障害者保健福祉手帳を 取得し、障害者求人で応募し カワサキレコードに 就職しました 店長が指導担当者となり 森高さんの体調に配慮しつつ丁寧に 指導し、相談にもこまめに 応じました 周囲も温かく迎え入れ 不安を感じることなく 順調に作業をこなしてきました 働き始めてから半年後ー 最近の 体調はいかがですか はい おかげさまで 順調です 店長 相談なのですが、私の 作業や就業時間は 他のスタッフと 違います できればみんなと 同じ時間で 同じ仕事をさせて くれませんか 無理はしてほしく ありませんが… 検討してみましょう こうして 翌月から1つのコーナーの 商品管理を 任されることになり 就業時間も週30時間から 40時間に変更となりました しかし、その直後…           倉持店長が 異動することになりました 後任の店長には 松木副店長が昇格し 森高さんの指導担当も 引き継ぐことになりました あとは松木さんに よろしくね それから1か月が経った頃 森高さんは体調不良を理由に 欠勤する日が続くように なってしまいました 松木店長は 森高さんの 欠勤について ハローワークに 相談することに しました ・・・というわけで 『体調が悪くて 出勤できない』としか 返答がなく原因が わからないのです とりあえず 体調が良くなるまで 休暇を取って もらっていますが 今後どうしたら よいでしょうか それでは 地域障害者職業 センターに 相談してみては どうでしょうか 障害者職業センター よろしく お願いします こちらこそ よろしくお願いします 松木店長はこれまでの 経過を伝えました 狩谷カウンセラー わかりました まずは森高さんの 意向を確認して ください 松木店長は森高さんに 地域障害者職業センターによる 支援を提案し了解を得ました はい… わかりました 早速、松木店長と森高さん 狩谷カウンセラーで 話し合いが行われました 頑張ってくれているので 今後も 継続して働いて もらいたいのですが 少しお時間をいただき 森高さんと相談させて いただいても よろしいですか ええ よろしく お願いします 狩谷カウンセラーは森高さんの気持ちを 聞き出すことにしました 松木店長は 店長になった ばかりなので忙しく 前の倉持店長のようには 相談に乗ってもらえません それから、新しい業務に 変わってから 他のスタッフに聞いても みんな作業の進め方が違うので 作業の方法が よくわからなくて… あるスタッフからは 『そのやり方ではダメだ』と 注意されたこともありました 狩谷カウンセラーは 森高さん了解のもと松木店長にも 森高さんの気持ちを 伝えることにしました そうだったんですね 森高さんの仕事ぶりが 他のスタッフと 変わらないので大丈夫だと 思っていました 今後どのように 対応したらいいのでしょうか 体調面は 大丈夫なのでしょうか 森高さんの体調不良への 対応や今後の留意点に ついて主治医から アドバイスを もらいませんか そうですね 森高さんに継続して 働いてもらえるよう 主治医からお話を 伺いたいです 森高さん よろしいですか はい 主治医には 仕事に関する相談を したことがなかったので 私からも お願いします 狩谷カウンセラーと松木店長は 森高さんの診察に同行し 主治医に相談することにしました 主治医に 相談したい内容を 文書にまとめ森高さんに 確認してもらいました 松木店長は文書に 沿って職場での状況と 相談したいポイントを 説明しました 1 職場での状況について ●今年4月に、障害者求人で採用 ●当社の業種:CD・書籍販売 ●職務内容はバックヤードでの入荷作業 から始めた。6か月後に森高さんの意向 により他のスタッフと同様に商品管理 業務を行っている。 ●就業時間:週30時間(月〜金で1日6時 間)から始めて、6か月後に週40時間(シ フト制で週5日、1日8時間)としている。 ●当初は順調に作業を覚えて積極的に業 務をこなしていたが、職務内容を変更 し、就業時間を延ばしてから体調不良 を訴えるようになり、出勤できない日 がある。 ●森高さんからは、指導担当者の交代も あり、仕事上の相談をする機会がなく なったことが要因と聞いている。 2 伺いたいポイントについて ●現在の体調不良について、どう対応し たらよいでしょうか(例えば、就業時 間や出勤日数を一定期間減らす、もし くは一定期間休んでもらう)。 ●今後体調不良を起こさないために当社 が留意することはありますか。 うまくまとめ ましたね 会社の考え方と 職場の状況が 分かって助かりました まず 体調不良についてですが 一定期間休職する 必要はないでしょう 今はまだ仕事の幅を 広げるより 無理せず継続して 働くことを 目標にしましょう 森高さん 業務上の疑問や悩みが あるときはできるだけ 早く指導担当者に 確認してもらうことが ベストです それが難しい場合は 不安や悩みを ノートに書き留めて 気持ちを整理して みましょう 悩みや不安な気持ちが 出てきたら 私にも相談してください 障害者職業センター 松木店長と 狩谷カウンセラー、森高さんは 主治医の意見を踏まえ 雇用管理の方法について 再度整理することにしました それでは このように進めて いきましょう @ 業務と就業時間を当面元に戻す A 定期的な業務の進捗の振り返りと、疑問への対応に係 る相談時間を確保する B 業務連絡帳を活用する C 森高さんの様子がいつもと異なると感じたら声かけし 必要に応じて職業カウンセラーまたは主治医に連絡する D 作業に空きができた場合に限り、商品管理業務を補助 的に実施する その後 森高さんの体調不良は 改善していきました あれから2週間 経ちますが いかがですか 安定して 出勤できるように なってきました それは よかったです 不安や悩みを 私たちと共有できた ことで安心感が 得られたようです コミュニケーションって 大事なのですね 狩谷カウンセラーと 主治医からのアドバイスで 森高さんも私も とても助かりました いろいろな機関の サポートを受けられて とても心強かったです 第2章 実践編事例3 雇用して2年後、さらなる雇用継続に向けて、 仕事に対するモチベーションの維持に取り組んだ事例 シーン3-1 モチベーションの 維持・向上に向けた取組 小越 賢也さん(38歳) 統合失調症 職場: 老人福祉施設 「千波苑」 (従業員200人) 高校卒業後就職しましたが 20代で発病して離職 その後は 短期アルバイトを続けていました 30代で福祉施設への通所を始め 就職への意欲が高まり求職活動を始めました 障害者求人で「千波苑」に応募 介護補助職として採用されました 老人福祉施設「千波苑」 職務内容は 食堂やトイレ 風呂場などの 共用部の清掃 段階的に利用者の 居室清掃へと職務の 幅を広げていきました 就業時間は 週20時間から始め 現在は週25時間で 働いています 千波苑では 清掃作業担当として 知的障害者を 10年前から雇用しており 当時活用した就労支援 センターの協力を得て 職場環境を整えたので スムーズに 職場定着できました 雇用から2年が経過── 小越さん 元気かしら… ご無沙汰 しています お待ちして いました どうぞこちらへ 就労支援センター 山路相談員 「千波苑」 総務担当者 植田主任 最近の小越さんの 様子はいかがですか? 休まず 出勤していますよ ただ、最近は仕事ぶりが 機械的というか 丁寧さに欠ける ところがあります そうですか… 直接小越さんに 仕事について 尋ねてみましょう 小越さん 最近、お仕事は どうですか? 不安や悩みはありません でも、自分の仕事が 皆さんの役に立っているのか わからないのです 私も介護職の方と 同じような 利用者の役に立つ 仕事をしてみたいです …このように 言っていました 当センターに来たときは 必ず仕事の話を していたのですが 最近は話題に 出さなかったので 気にはなって いたのです 小越さんは 人と触れあうことが 好きで 新しいことに 対しても 積極的な タイプです  人と触れ合いながら 仕事ができるとの思いで こちらに応募した経緯がありました 2年経過して、モチベーションの 低下があるのかもしれません 私たちにできることは 何かありますか? では 一緒に考えて いきましょう 植田主任は 就労支援センターの アドバイスにより 次の取組を 行いました 取組1 事業所の中での 役割の明確化 小越さんの仕事は 利用者の皆様が快適な 生活を送るために 不可欠なものです また、小越さんが清掃 作業を担当しているので 他の職員は介護業務に 集中できてとても助かって いますよ そうだったん ですね 担当業務が事業所の中で どのような役割を担っているのか 利用者に対してどのように 役に立っているのか知ることは 本人のモチベーションの 維持・向上につながります 取組2 業務の 振り返りと 目標の設定 月に1度 面接の機会を設け 目標達成状況を振り返る とともに次の目標を 立てることにしました 今月は予定どおりの作業が こなせましたね 食堂の床の汚れている箇所を 率先してきれいにしてくれ 職員からも感謝の 声がありました そうですか 自分のことを きちんと評価して くれているんだ 時々 居室の洗面台清掃を抜かしてしまう ことがありますので 抜けがないように 作業することを 来月の目標にしたら どうでしょう ハイ! 居室清掃は利用者の方に 迷惑にならないように 落ち着いてきれいに 作業することを心がけます 目標があると 先が見通せるから 安心できる 目標を立て 仕事ぶりについて振り返り よかった点をきちんと 評価して本人に伝えることで 安心して仕事に 取り組むことができます 取組3 他の職務を 担当させることを検討 小越さん! 以前山路相談員から 聞いたのですが 介護業務の手伝いを してみる気持ちは ありますか? はい やってみたいです それでは 清掃作業に 支障のない範囲で 介護職員の 補助業務をお願い しますね ありがとう ございます おやつの時間の 配膳と下膳を 職員と一緒に始めました 目を見て 渡しましょう 新たな職務を導入したり 様々な職務を行って もらうことで 本人の意欲の向上を図ったり 集中を持続することが できる場合があります 後日 その後 小越さんの様子は いかがですか? 以前よりも 積極的に 作業するように なりました 仕事への 責任感も出てきたように 思います 何がモチベーションの向上に つながるかは 一人ひとり異なります 本人の思いや、職務のスキル 障害の状況のほか、職場の 環境などを総合的に判断して 進めることが大切です 特に 職域の幅を広げるには 職場の人員体制や 周囲の理解も必要ですので 慎重に判断してください シーン3-2 周囲の従業員の理解 そう言えば ある職員から 先日こんな質問が ありました 小越さんは頑張って くれていますが 就業時間は 1日5時間ですし 時折休むことも ありますよね 今回 清掃作業に加えて 小越さんに 介護補助業務を 担当させたのは なぜですか 現場の職員にもいろいろな 思いがあると感じた一方で その時は どう答えたらいいのか わかりませんでした 御社の障害者雇用の 考え方や小越さんとともに 働く中で協力を お願いしたいことなどに ついて改めて説明する 機会を設定するのが いいかもしれませんね 植田主任と山路相談員は 現場の職員向けに 説明会を実施しました 当法人が 長年にわたり障害者を 雇用しているのは 皆さんのサポートが あったからこそです 〜小越さんの安定した雇用につなげるために〜 1障害者雇用の推進=当法人の理念 2障害の多様性 ● 障害種別 ● 性格 ● 職務のスキル 一人ひとり 異なる その人にとって働きやすい ● 職場環境 ● 労働条件 ● 職務内容 設定することが大事 3職員との温かい関わりの重要性 当法人の障害者雇用実績と 安定した職場定着 職員の適切な指導と関わり 小越さんはもともと人と関わる ことが好きで利用者の方に 接することができる今の仕事に やりがいを感じています 今後も小越さんと温かく接して いただくようお願いします なお、現場の従業員が負担感や 不公平感を持たないように… @人員配置に余裕を持たせ  精神障害のある  従業員が  休んでしまった  場合でも  周囲が負担に  ならない  ようにする A業務部門で作業を行う  場合でも所属は  総務部付にし  業務部門の人件費  などの負担を軽減する B給与に反映する人事評価は  障害の有無に関わらず  同じ査定で行うなど  人員体制や給与の  あり方に関する方針を  立てている このような 取組を行っている 事業所もあります あの後 以前質問が あった職員から… 配膳作業を一緒にするようになり 小越さんが生き生きと 仕事をしているのを見て 意欲をもって仕事をすることの 大切さがわかりました 私たちも障害のある 職員から得るものや 助けられることが あるのですね …と報告がありました それはよかったですね 私も今回ともに働く社員の 理解と配慮を 得ることの大切さを 改めて学ばせてもらいました 解 説 雇用管理に役立つツール@ 職場における 面談チェックリスト  精神障害者の雇用管理において は、精神障害のある従業員と定期 的または必要に応じて面談を行う ことで、職場で不安や心配事がな いか、体調を崩していないかなど の状態を把握することが重要とな ります。  面談を実施する際には、これら に加え、場合によってはプライ ベートに関する内容について確 認・把握しなければならない場面 が出てくるかもしれません。  以下の面談チェックリストは、 ある就労支援機関において、面談 の際に聞き取る内容をカテゴリー 別にまとめたものです。精神障害 のある従業員との面談の際に参考 にしてください。 表 カテゴリー ねらい 質問例 対応例 就業状況 通勤によるス トレス状況の 確認 通勤によって疲労や負担がある 場合もあるので確認するためで す。 ●通勤にはなれましたか ●疲れませんか 数ヶ月経っても無理があるよ うであれば、出社時間の調整、 シフトの変更も検討します。 モチベーショ ンを保つこと ができる業務 量と内容の把 握 業務量が多すぎる、難易度が高 いなども問題ですが、業務がな い、少なすぎるということもモ チベーションの低下を引き起こ しかねません。本人にとって適 正な仕事量、質が提供されてい るかをチェックしながら、本人 がどのように感じているかを確 認します。 ●仕事の内容はどうですか ●自分に合っていますか ●勤務時間はどうですか ●長すぎたり短すぎたりしませんか ●働き方に無理がありませんか ●大丈夫ですか ●配慮したほうがいいことはありますか  場合によっては業務換え、就 業時間変更なども検討します。 量や時間を増やす場合は、少 しずつ増やしていくことが必 要です。増やす前に主治医や 支援機関に相談をすることも 有効です。 変化への対応 状況の把握 人事異動、配置転換など変化に よってストレスを感じていない か、新しい環境に適応できてい るか確認するためです。 ●上司の異動や配置転換は大丈夫でしたか ●新しい環境はどうですか ●環境が変わったことで心配なことは ないですか  心配事があるときや、困った ときに相談できるキーパーソ ンの配置など話しやすい環境 づくりを検討します。問題が あれば現状を直属の上司など へも引き継いで周知しておき、 SOS を逃さないような体制づ くりをします。 職場の人間関 係の把握 職場のひとたちとうまくなじん でいるか聞きとりをします。業 務遂行上必要なチームワークが とれているかも確認します。 ●同僚との関係はどうですか ●話しやすい環境にありますか ●チームワークがとれていますか 職場のサポー ト体制の確認 困った時や職場のなかでの悩み 事を相談できているかを確認し ます。 ●会社の中で安心して相談できる人が いますか ● SOS を出せていますか 健康管理 体調変化の 把握 体調を崩し始めているときには、 睡眠に影響がでやすい傾向があ ります。適度な睡眠がとれてい るかを確認します。 ●よく眠れていますか ●ベストな睡眠時間は何時間ですか 今の睡眠時間は何時間ですか ●いつもより寝つきが悪い日がありませんか ●早く目が覚めてしまうことはありませんか ●次の日起きても疲れがとれていないとき がありますか ●最近疲れがたまっていると感じますか ●食欲はありますか   病状に課題があれば、一定期 間休養をとらせる・一時的に 就業日数時間の調整、服薬調 整等の対応が必要になります。 そのためには主治医に外来を お願いする必要があります。 不調時はなかなか自分の状態 や気持ちを主治医に伝えづら い場合もあるので、まず本人 の同意をもらい支援者に連絡、 相談につなげます。 メンタル状態 の確認 精神的に安定しているか、悩み 事を抱え込んでいないか確認す る必要があります。また意欲の 過剰な低下・高ぶりがないかを 確認します。 ●気分はどうですか ●今の病状はどうですか ●症状はありませんか ●つらいことはないですか 通院状況の 確認 病状を安定させていく上で定期 的な通院は不可欠です。主治医 に何でも相談できるなど、良好 な関係がとれているかも確認し ます。 ●決められた通院日に通院していますか ●主治医に相談できていますか 服薬状況の 確認 病状を安定させていく上で服薬 は不可欠です。処方どおり飲ん でいるかだけでなく、副作用が 出て仕事に影響が出ていないか など確認する必要があります。 ●処方どおりに飲んでいますか ●薬が変わったりしていませんか ●薬は今の自分に合っていますか ●薬の副作用などはないですか プライベート 生活上の悩み・ストレスケアの把握 プライベートの悩みが解消でき ず、仕事に持ち込んでいないか 確認する必要があります。 ●生活上の悩みはありませんか ●家ではゆっくり過ごせていますか ●休日は息抜きができていますか 支援者へ相談を促す。場合に よっては本人の同意をもらい 支援者に連絡をします。 支援環境 相談体制の確認 職場で相談しづらいことなどを 周囲に相談できているか。また 家族関係の悪化で体調を崩すと いうこともあります。家族との 関係や家庭が安心できる環境に あるか聞き取りをします。 ●支援者に相談できていますか ●アドバイスをもらえていますか ●家族と良好な関係ですか ●家族と話ができていますか 支援者へ相談を促す。場合に よっては本人の同意をもらい 支援者に連絡をします。 第2章 実践編事例4 職場におけるてんかん発作への対応と 未然防止に取り組んだ事例 シーン4-1 てんかん発作への理解と対応 清野 啓司さん(21歳) てんかん 職場: 妙典商事株式会社 (従業員300人) 清野さんは幼少時から てんかん発作がありましたが 高校以降は服薬の調整ができ 発作は1年に1回程度と 落ち着いています ストレスや体調不良が 発作の要因となることが あります ビジネス専門学校を卒業後 就職活動を行っています ハローワーク 専門援助部門 就職するときに てんかん発作があることを 伝えた方がよいのか 悩んでいます 精神障害者雇用 トータルサポーター※ の 田中です てんかんがあることを 伝えることで 職場環境などに配慮して もらったり、職場で発作が 起こった時適切に対処して もらいやすいということが あると思いますよ ※P 52 の用語解説をご参照ください なるほど 確かにそうですね 主治医にも 就労する上での 留意事項を 聞いておくと いいでしょう わかりました では 清野さんはどういった 仕事を希望しますか 専門学校では 総務や経理の勉強を してきました 障害者対象求人では ありませんが こちらの求人が 希望に合っているかと 思います 清野さんの希望に 合う妙典商事の 総務・経理事務の 求人をピックアップ しました その後、一般求人で 事務職を募集していた 妙典商事に応募し てんかんについても 伝えました 面接会場 てんかん発作に ついては… 面接の結果 清野さんは採用される ことになりました 面接後 妙典商事から ハローワークに連絡が ありました 当社では てんかんのある方を 採用したことがないため いろいろ教えて いただきたいのですが かしこまりました それでは入社前に清野さんと 一緒にお伺いします 田中さんは 清野さんとともに 妙典商事を 訪問しました 本日は よろしく お願いします 私のほかに 清野さんと一緒に 仕事をしてもらう 社員も同席させて ください 妙典商事 鍛冶人事係長 それでは てんかんのある社員の 雇用管理上の ポイントについて ご説明します まず、てんかん発作を 起こさないような 労働条件や職場環境の 設定に留意する必要が あります てんかん発作は脳の神経が 一時的に激しく 活動することにより 起こります 発作には多くの種類があり その出方は一人ひとり 異なりますので個々の状況を 把握することが求められます そのためには、本人を介して 主治医から就労上の 留意すべき事項を 聞いておくことが望まれます 〜発作が起きないようにするために〜 1個人の状況を把握すること 2主治医からの留意事項を遵守すること 3通院及び服薬の時間を確保すること 4長時間の残業をなるべく避けるなど生活リズムを崩さないようにすること 5アルコールの摂取は控えること(飲み会への参加は問題ない) 6発作が起きた場合の対処法と緊急連絡先を社員カードと一緒に携行してもらうことなど てんかんだからと一律に 制限される職務はなく 一人ひとりの症状に よって判断される ものです 高所や危険箇所での 作業など、判断に迷う 場合には本人を通じて 主治医に確認することが 望まれます 主治医に 確認しつつ その人の症状によって 職務内容を判断する ということですね はい そのとおり です 次に 発作が起きた場合の 一般的な対応を紹介します 発作が起きた場合の対応 (意識消失とけいれんを伴う発作の一般的な対応例) @ゆっくり横にさせる  (極力移動させない、後頭部の下にタオルなどを敷く) A周囲の危険なものを取り除く B衣服の襟元やベルトを緩め、眼鏡を取る C気道を確保するため、下あごに手をあてて上方にしっかり押し上げる D発作が終わった後は顔を横に向けて、呼吸が戻るのを待ち 意識が回復するまでそのまま静かに寝かせる E意識が回復した後もしばらく経過観察を行い、表情や発語な どにより意識が明瞭であるかを確認する ※ 発作が5 分以上続いたり、発作を繰り返す場合はかかりつけの病院へ連絡 して指示を仰ぐか、救急車を要請する 起こった発作は必ずおさまると いうのがてんかん発作の特徴です また、発作そのものが致命的に なることは滅多にありません 落ち着いて冷静に対応することを     心がけてください 落ち着いて 冷静に…か 続いて 清野さんから てんかんの状況に ついて説明して もらいます 私は 小中学生の頃まで 月に1回程度の 発作を起こして いましたが… それ以降は服薬の 調整がうまくいき 発作は年に1回程度で 落ち着いています 発作は夜に 起こりやすいのですが 緊張やストレスが きっかけとなり 日中に起きることも あります 発作が起こると どういう状態に なりますか 私の場合 発作が起きると ぼーっとなって、その後意識を失って 1〜2分はけいれんが続きます その後はそのまま30分ほど 寝てしまうことが多いです 就労に関して 主治医からは問題ないと 言われていますが 留意点として アドバイスされたのは これらの事項です 清野さんが就労するうえで留意すること ●過度な緊張やストレス、睡眠不足は避けること ●作業上の制限はないが、初めての就労であるこ とから念のため高所での作業は避けること ●お酒は控えること ●職場で発作が起きた場合は横になって安静にすること 意識が元の状態に戻れば就労継続することは可能  発作が5 分以上止まらない、対処がわからない ときは病院へ連絡すること 清野さんの発作時の対応チャート図 発作(意識消失とけいれん)が起きる 妙典商事:慌てず対応・横向きに寝かせる・ケガがないかの確認 5分以上発作が続く、頭部にケガをした 妙典商事:かかりつけ医へ連絡し、指示を仰ぐ 緊急搬送の指示がある、連絡がつかない 妙典商事:救急車を呼び、状況を伝える      家族へ連絡を取り搬送先病院を伝える 清野さん、家族: 搬送先病院へ向かう 処置後、妙典商事へ状況を報告する 後日、かかりつけ医を受診 5分以上の発作がない、頭部にケガがない 緊急搬送の必要なしとの判断があった 妙典商事:そのまま安静にさせ、睡眠から覚醒したら意識の状態を確認する。判断に迷う際には、かかりつけ医に問い合わせる。 体調がすぐれない 清野さん: 家族に連絡し迎えに来てもらう・タクシーを呼ぶ かかりつけ医を受診 受診後、妙典商事に状況を報告する いつもの状態に戻った 妙典商事:大事を取って、早退させる※ ※早退させるのは一例であり、元の状態に戻れば業務に復帰することも可能です 連絡先☆家族:○○○-○○○○/090-○○○○-○○○○ ☆○○病院:△△△-△△△△(担当医:□□) 発作が起きたときの 対応については 清野さんと相談して このような流れ図と 緊急連絡先を 作成しました 参考にしてください それからしばらく経ち 田中さんが 妙典商事を訪問しました 清野さんの状況は いかがですか よく 頑張って くれて いますよ また、先日の 説明会に参加した ある職員は… 発作が 起こった時の 具体的な対処方法を 知ることが できたので 安心しました …と言ってくれました あらかじめ清野さんが 就労する上での 留意点を伝えて いただいてよかったです 用語解説 精神障害者雇用 トータルサポーターとは  平成20 年からハローワークに 配置され、精神障害者等の求職 者に対して精神症状に配慮した カウンセリングを行う等の就労 支援を行い、事業所に対して精 神障害者等の雇用に関する意識 啓発や理解促進を行います。 実践編 第3 章 精神障害者の職場復帰 事例5 メンタル不調による休職から、 職場の上司と産業保健スタッフの サポートにより職場復帰した事例 事例6 職務の変更を行うことにより、 2回目の休職から職場復帰した事例 ※第2章及び第3章の事例に登場する人物の疾患名は様々な設定 となっていますが、本コミック版マニュアルでは精神障害者へ の対応として共通項となりうる事項を紹介しています。  実際に雇用管理を行う上では、ここで紹介する共通項を踏まえ つつ、個人の状況を的確に把握し、それに応じた個別対応を図 ることが望まれます。 第3章 実践編事例5 メンタル不調による休職から、職場の上司と 産業保健スタッフのサポートにより職場復帰した事例 シーン5-1 休業開始から職場復帰できる 段階までの回復の過程 綱山 加奈子さん(32歳) うつ病 職場: 株式会社庄田 (従業員500人の製造メーカー) 営業・企画部門に 所属している網山さんは プロジェクトのリーダーを 任されることになりました 当初はリーダーとして 意欲的に仕事を こなしていましたが次第に さまざまな課題を プレッシャーとして抱え 込むようになりました また、同時期に父親の 介護を手伝うこととなり 心身の疲労が重なったことから 頭痛などの身体症状と 気分の落ち込み 不眠が出るように なりました 体調不良により 欠勤することが 多くなり 心療内科を 受診したところ うつ病と診断され 休職することと なりました 和田人事課長と 井上産業保健師は 綱山さんが 職場復帰した後も 安定して働き続けられる 体制をつくるため 親会社の 産業保健スタッフから 情報を収集することと しました …というわけで 職場復帰に向けて どのように対応すれば よいでしょうか わが社に限らず メンタル不調による 休職者がいる 事業所は多い状況です 過去1年間にメンタルヘルス不調により 連続1か月以上休業又は退職した労働者割合 厚生労働省「平成29年労働安全衛生調査」から抜粋 休職者にできるだけ スムーズに職場復帰して もらうためには 該当者が出てから 対応するのではなく あらかじめ 職場復帰までの 取組を整備して おくことが必要です 職場復帰の流れと 事業所として 取り組むポイントを 整理しましょう 第1ステップ 休業開始 及び休業中のケア 「1休業開始時は   経済的な保障や   休業の最長期間   職場復帰に向けた   手順など必要最低限の   説明に留めて   W病気回復を最優先することW   を伝えます」 仕事のことは 心配せず、主治医の 指示に従って病気の 回復を最優先して ください …はい 定期的に連絡させてもらい ますが、主治医から職場 復帰についての話題が 出たら教えてくださいね 休職間もない時期に事業所から 休職者に連絡を入れる際には休職者が 自分のタイミングで 返事できるように メールや文書で 連絡している 事業所も あります 「2休職者への連絡は   労務管理の観点や   職場復帰後の   関係性を高めるために   人事担当者と連携しながら   主として上司が   行うことが基本ですが その際には 産業保健スタッフから アドバイスを受けることが 望まれます」 共有 人事担当者 上司 産業保健スタッフ 本人に対しては 上司、人事担当者 産業保健スタッフ 誰にでも相談できることを 伝えておくと いいでしょう 「3意欲が回復し 憂うつな気分が改善してきたと 思われる段階では 主治医が職場復帰の 見通しについて 言及しているかを確認します」 休職から4か月経過した頃ー …そうですか 快方に向かっているよう でよかった 主治医からは どんなお話がありましたか 上村部長 職場復帰に向けて 日中は図書館に 通うなどの活動を 始めてもいいのでは と言われました それでは 綱山さんの都合のいい日に 井上保健師や 和田人事課長と一緒に 職場復帰に向けた 打合せを行いませんか はい よろしくお願いします 定期的なやりとりの中で 生活リズムが 安定してきたと 感じられた ことから 職場復帰に向けた 取組に ついて 話し合う 場を設定 しました 「4職場復帰に向けた   自主的活動を   促します」 自分の生活リズムや 気分の波を把握すること また、外出の機会を増やして 体力を養うために これらの活動を 進めてみては いかがでしょう 主治医とも相談して みてください 〜職場復帰に向けた活動〜 1生活リズムチェック表※1で生活リズムや体調、気分 を記録し、自分の状態を客観的に把握するとともに 上司や人事担当者と共有する 2体力の回復を目的に、散歩したり軽く運動をする 3自宅外での活動に適応することや集中力・判断力な どを回復することを目的に、図書館に通う ※1「生活リズムチェック表」については、P64 をご参照ください ありがとうございます 早速主治医に 相談してみます 綱山さんは主治医と相談し 職場復帰に向けた活動を 始めることにしました その間、上村部長や井上保健師には 定期的に通院状況や 活動状況の進捗を報告しました 生活リズムチェック表 綱山さんが職場復帰に向けた 活動を始めて1か月後 再度打合せを行いました 生活リズムは 以前の状態に 戻ってきました 主治医には 生活リズム チェック表を 見せながら 診察を 受けて いますが 職場復帰できる 段階にあると 言われました 確かに 活動を始めた頃と 比較して 生活リズムが 安定してきたと 思います それでは 職場復帰に向けた 手続きを 進めていきましょう よろしく お願いします シーン5-2 職場復帰の決定 第2ステップ 主治医による 職場復帰可能の判断 「休職者から 主治医が職場復帰可能と 判断した診断書を 提出してもらいます 職場復帰に際して 必要とされる 職務遂行レベルに 達しているか どうかを把握 するため 休職者または 産業医から主治医に対して 情報提供を依頼※2します」 ※2 情報提供の依頼については、P65 をご参照ください 和田人事課長は、綱山さんから 職場復帰が可能と記載のある 診断書を提出して もらいました また、診断書だけでは症状の 回復度合いや職場復帰の際に 留意すべき事項が 把握しにくいことから… 網山さんの同意を得て 綱山さんの主治医に 職場復帰の判断に必要な 情報の提供を 依頼すること にしました 綱山さんの主治医への情報提供依頼事項 ●業務上影響を及ぼすと考えられ る症状の有無、注意力や集中力 の回復程度、疲労の回復具合、 職場復帰の際に配慮すべき事項 など その際、事業所の就業規則や復帰後に 事業所が想定している業務について説 明しておくと、主治医から具体的な意 見が得られやすくなります 主治医と産業医の間で情報を共有するに当たり 事業所によっては産業医との調整に 時間がかかることがあります その際は人事担当部署から 情報提供依頼を行っても 主治医が対応してくれる 場合があります 第3ステップ 職場復帰可否の判断と 職場復帰支援プランの作成 「1職場復帰の可否判断については 上司などによる 本人の職場復帰の意思確認 産業医による主治医への 情報提供依頼 本人の状態の確認 所属部署の環境などの観点で 事業所が判断します」 主治医←産業医→本人 職場の環境は… 職場復帰についてどう思いますか? 「2職場復帰支援プランは 人事担当者と 上司で次のような 項目について検討しながら 作成します その際 産業医を含めた 産業保健スタッフは 必要な助言を 行います」 〜職場復帰支援プランを作成する際の検討項目例〜 1職場復帰日 2就業上の配慮(業務内容や業務量の変更、治療上必要な配慮、サポートの方法など) 3人事労務管理上の対応(配置転換や異動の必要性、勤務制度変更の可否や必要性など) 4産業医等による医学的見地からの意見(安全配慮義務に関する助言など) 5フォローアップ(就業制限等の見直しのタイミング、その他配慮事項等が不要となる時期の見通し、フォローアップの方法など) 綱山さんの復帰に当たっては 和田人事課長、上村部長、井上保健師で プラン作成のための 打合せを行い 介護休業制度に ついても ご説明します また、社内の 介護休業制度に ついても 情報提供しました 第4ステップ 最終的な 職場復帰の決定を行う 事業所が作成した 職場復帰支援プランについて 綱山さんと綱山さんの家族に 説明を行いました 職場復帰支援プランの内容 ●職場復帰日は、9月1日とする ●労働時間は、1 日6 時間から始め、1 か月ごと に1 時間ずつ延長する ●職務内容は、内勤で上司から指示を受けた業務を こなすことから始め、1 か月後には内勤で担当業 務に限って作業を行い、2 か月後には外勤を含め て自分の担当する業務をこなす  最終的には本来の職務(自分の業務に加えてグルー プ内の業務を把握・調整する)をこなせるように する ●月に1回の産業医相談に加え、必要に応じて産業 保健スタッフや上司との相談、毎月末には人事担 当者、上司、産業保健スタッフとの相談を行う 職場復帰に 向けたプランを 作成しました スムーズに 職場復帰できるように 私たちもサポート していきたいと思います ありがとう ございます 無理はしないで 仕事を進めて いきたいと 思います こうして 綱山さんは 職場復帰 することと なりました シーン5-3 職場復帰後のフォローアップ 第5ステップ 職場復帰後の フォローアップ 「復帰後には 就業上の配慮や就業時間の 制限の段階的な解除を 産業医のほか 人事担当者・上司・ 産業保健スタッフとの 定期的な面談の実施により 確認していきます」 上村部長は、綱山さんの 職場復帰に当たり 共に働く従業員に対して 職場復帰後の見通しを 説明するとともに その間の作業負担への 理解を求めました このほか、人事担当者や 産業保健スタッフは 職場の同僚や上司に 過度の負担が かかっていないかに ついても確認して 必要に応じてフォローを 行うことが望まれます 職場復帰した綱山さんは 就業時間や職務の制限を 守りつつ 自らの調子を確認しながら 業務を進めました 和田人事部長や井上保健師 上村部長との四者面談も定期的に 行われ段階的に職務等の制限が 解除されていきました それでは 就業時間を 1時間延長し 職務の制限も 一部解除 しましょう お願いします 3か月後ー 職場復帰から 3か月が 経過しましたが 仕事の方は いかがですか はい 上司をはじめ 職場の皆さんのおかげで 休まず職務を続ける ことができました 定期的な面談や 職務の負荷を段階的に 設定していただいた ことでスムーズに 戻れたと思います 順調に業務を こなしていますね 綱山さんの同意を得て 現場にも理解を求め 配慮が得られたことも 大きかったと 思います 体調や気持ちに ついては いかがですか 当初は 多少疲れを 感じましたが気分の 落ち込みはありません 今回休職したことが 自分の仕事の仕方に ついて振り返る いい機会になりました これまでの 状況から職務の 制限については 解除したいと 思います はい よろしく お願いします 職場復帰に向けて 見通しと計画を 立てたこと また上村部長と 和田人事課長との間で 情報を共有しながら サポートを進めたことが スムーズな職場復帰に つながったのだと 思います 不安があれば今後も 気兼ねなく声を かけてくださいね 上村部長も 綱山さんの状態に 変化があれば いつでも ご相談ください よろしく お願いします 解 説 雇用管理に役立つツール2 生活リズムチェック表  メンタル不調により休職している従業員が職場復帰するためには、生活リ ズムを立て直し規則正しい生活を送れるようになることが必要となります。  症状が悪化している段階では睡眠障害や憂うつな気分により、就労してい る時のような生活リズムで過ごすことは難しい状態ですが、ある程度症状が 回復した段階では、生活リズムの改善に向けて取り組むことが有効です。  その際、毎日の睡眠時間や活動、気分の状態などを記録すると、自分の日々 の過ごし方を客観的に把握することができるとともに、症状や気分と照らし 合わせながら生活リズムの改善に向けた意識付けが期待できます。このため リワーク支援などでも活用されています。  また、事業所においても生活リズムチェック表の情報を本人と共有するこ とによって、職場復帰に向けた具体的なサポートの仕方を検討したり、今後 の見通しを探る参考にすることが期待できます。  生活リズムチェック表は、呼び名や様式に様々なものがありますが、ここ ではその一例をご紹介します。 資料出所:NECディスプレイソリューションズ株式会社 雇用管理に役立つツール3 職場復帰支援に関する情報提供依頼書  スムーズな職場復帰を職場で支援するためには、最終的な職場復帰決定 の手続きの前に、必要な情報の収集と評価を行った上で職場復帰の可否を 適切に判断しなければなりません。  メンタル不調で休職中の従業員から、主治医が職場復帰可能と判断した 診断書が提出されても、診断書に記載されている内容だけでは十分な職場 復帰支援を行うのが困難な場合があります。  その際は、産業医等が本人の同意を得た上で、治療の状況と病状の回復状 況、そして業務遂行能力について評価を行うに当たって必要な情報や意見 を、本人の主治医から収集することが有効です。  以下の「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」は、厚生労働省「心の健康 問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に掲載されている様 式です。  なお、情報提供依頼を行うに当たっては労働者のプライバシーに十分配 慮することに留意してください。 資料出所:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 第3章 実践編事例6 職務の変更を行うことにより、 2回目の休職から職場復帰した事例 シーン6-1 リワーク支援に至るまでの経緯 大林 幸弘さん (23歳) うつ病 職場:株式会社 サイナックソリューション  (従業員250人のIT企業) システムエンジニアとして 就職しましたが 作業がうまく進められない 内気な性格もあり 上司に質問できずにミスをする といったことが続きました そのため、上司から繰り返し注意を 受けることとなり、体調不良を 訴えて頻繁に欠勤するようになりました ある日、部長が心配して 受診を勧めたところ うつ病の診断を受けたとの 相談がありました 3か月間の休職を経て職場復帰し 1か月間内勤で勤務して順調に 回復したため所属のチームに 戻りましたが 直後に再度体調を崩して2回目の 休職をすることになりました 人事総務部 中田係長 大林さんが また休職してしまった… 今後 どう支援していけば いいのだろう 職場 健康管理 産業保健総合支援センターか… まずは相談してみよう 産業保健総合支援センター どのような ことで お困りですか 社員が二度目の休職をしています まじめに仕事しているのですが 作業がうまく進められず ミスも目立ちます 報告・連絡・相談が苦手で 周囲ともコミュニケーションを あまり取りません 職場復帰後 どのような対応を していけば いいでしょうか そうですか まずはメンタル不調者の 職場復帰の一般的な 進め方から ご説明しましょう 中田係長は一般的な社内の メンタルヘルスに関する対応や 職場復帰の対応について アドバイスを 受けました …その方については 地域障害者職業 センターのリワーク 支援を活用してみては いかがでしょうか リワーク支援では 体調管理やストレス対処の 技能を高めたりコミュニ ケーションスキルやキャリア プランについての講習もあります また、事業所へのサポートも 行っていますよ リワーク支援ですか 活用を検討してみます 株式会社サイナックソリューション 再休職してから3か月 体調が回復してきたことから 中田係長と大林さんは 面談を行うことにしました 体調は いかがですか だいぶ 回復してきました 提案なのですが リワーク支援の 活用を考えて みませんか 中田係長は大林さんに リワーク支援の概要を 説明しました そうですね 今のまま復帰しても 再休職しないか 不安がありますし リワーク支援について 詳しく聞いてみたいです 中田係長と大林さんは 地域障害者職業センターを 訪問しました サイナック ソリューションの 中田です 職業カウンセラーの 狩谷です 当社の大林について リワーク支援を利用したいと 考えています また わが社へも職場復帰と その後の定着に向けた アドバイスをいただきたいと 思っています リワーク支援は うつ病等により 休職している方が スムーズに職場復帰を 図れるように するための プログラム です 大まかな流れは このように なっています リワーク支援の流れ 休職者 企業 主治医 職場復帰のコーディネート→ リワーク支援→ 職場復帰→ 復帰後のフォローアップ 支援開始に当たっては 大林さんと御社の 同意のほか 主治医が職場復帰に向けて 活動することを 了解していることが 必要となります また、ご本人だけ ではなく 事業所に対しても 支援を行います なるほど リワーク支援の主な内容 休職者に対する支援 生活リズムの構築に向けた支援 作業に対する集中力や持続力向上のための作業課題の設定 ストレス対処の講習 ストレス場面での対処法やストレスに対する自己管理 を学ぶコミュニケーション講習 場面に応じたコミュニケーション方法の習得や対人対応力を高めるグループミーティング 自分と同じ境遇の人たちと話し合うことで、自分自身がどのように行動すればよいか理解を深めるキャリアプランの再構築 復職する職場や職種、キャリアプラン等に関する検討・整理を行い、キャリアプランの再構築や復職後の職業生活への適応を促進する 企業に対する支援 職場復帰に伴う労働条件や職務内容の設定 に関する助言 職場復帰受け入れのための上司、同僚の理 解の促進に関する助言・援助 職場復帰後の支援対象者の状況把握や適切 な対処方法に関する助言・援助 家族や主治医との連携に関する助言・援助 具体的な 支援内容は このとおりです 大林さんは リワーク支援を 受けることを 希望し 地域障害者職業 センターでは 開始に向けた 手続きを進める こととしました シーン6-2 リワーク支援の取組 狩谷カウンセラーは大林さんの主治医と 勤務するサイナックソリューションとの 間でリワーク支援を開始するに 当たっての調整を行いました 同時に、大林さんの状態を把握するため 基礎評価を行いました 大林さん、会社と主治医の合意が 得られたことからリワーク支援を 開始することとなりました 支援計画に 沿って進めて いきましょう よろしくお願いします ハイ! 講習・グループワーク アサーションとは? 講習やグループワークを受講して 円滑にコミュニケーションを 図るためには 自分の気持ちを伝えつつ 相手のことも配慮するのが 大事だと気づくことが できました オフィスワーク作業や グループでの作業 作業遂行力が回復したことを 実感できました 生活リズムチェック表の記入 生活リズムチェック表 日々の活動や体調を 記録することで 自己管理の 意識が 高まりました リワーク支援を 受けてみて いかがですか いいウォーミングアップに なっています 上司や同僚との コミュニケーションや 仕事の進め方などの 自分の課題と対処法も 見えてきました それでは リワーク支援を通じて 気づいたことや 職場に復帰する際に どうしたらよいのかを 自分なりに報告書として まとめてみませんか 私もお手伝いします 狩谷カウンセラーと 相談を重ねる中で 自分の状況を 振り返り リワーク支援を通じて 気づいたことや 考えられる成果などを 終了報告書に まとめることに しました リワーク支援修了報告書 1休職時の自己分析 ●物事を悪い方にばかり捉えてしまい、リーダーに相 談できなかった。 ●リーダーや同僚と必要なコミュニケーションが取れて いなかった。 2リワーク支援で気づいたこと ●物事を悲観的に捉えてしまいがち。 ●与えられた仕事は自分の責任で全うすべきものと捉 えていたが、周囲と連携するという考え方が欠けて いたように思う。 3リワーク支援での成果 ●作業への集中力や体力は戻ったと思う。グループ作 業がいい経験になった。 ●生活リズムを記録して、自分の体調の傾向が分かる ようになった。 ●自分の思いを伝えつつ、相手の受け取り方にも気を 配ることが大切だと感じた。 4再発予防策 ●報告・連絡・相談の徹底、作業遂行状況を常にチェッ クする。 ●休暇や終業後まで仕事の悩みを引きずらない、気持 ちの切り替え 5職場に配慮を求めたいこと ●職場復帰後一定期間は環境に慣れる時間をいただ きたい。 うまく まとめることが できましたね はい ありがとうございます 自分自身の 対応マニュアルが できたようで うれしいです 一方、狩谷カウンセラーは 会社に対しても次のような支援を 行いました これまでの職務内容に 関する聞き取り 現場の管理職から 大林さんの これまでの働きぶりや 職務のスキル 職場環境の 聞き取りを 行いました …という状況で 当社としては 元の職場に戻るよりも 職務を変更し部署を 換えた方が よいと考えています まずは大林さんの意向を 確認することが必要ですね 職務を変更する場合は 大林さんの 得意なことにも目を 向けながら 配置を検討してみては どうでしょう リワーク支援の状況報告 リワーク支援の実施状況を 事業所に報告しました 出席日数は… 取組状況は… 職場復帰後の適切な対処方法に関する助言 ●定期的な面談の実施 ●通院・服薬の確保 ●主治医との連携の仕方 ●現場と人事総務部との役割分担 狩谷カウンセラーから人事総務部に対して 大林さんが復帰した後の雇用管理のあり方に ついて説明を行いました 人事総務部長 人事総務部人事課長 ご報告いただいたことや ご助言を参考にして 大林さんの職場復帰を 進めていきたいと 思います これからも 何かあれば ご相談ください シーン6-3 職務を変更して職場復帰  リワーク支援終了に伴い 大林さんと狩谷カウンセラーは サイナックソリューションを訪問し 今後の打合せを行いました 大林さんは人事総務部に対して リワーク支援を受けた 結果について伝えました リワークでの成果は… 再発予防としては… …以上です 大林さんの了解を得て 主治医から話を聞いたところ 『就業時間の制限を一定期間 設けること』 『ストレス負荷が高い 外勤業務よりも、内勤業務で 一定程度整った職場環境で 働くことが望ましい』との 意見をいただいて います 大林さんとも 話し合いましたが 無理のない形での 職場復帰ということを 考えると、主治医の 意見に沿って検討して いただくことが 望ましいと 思います 大林さんの復帰について サイナックソリューションは 現在のチームから 経理部への異動を検討する ことにしました また、2度目の 休職であることから 職場復帰を 段階的かつ慎重に 進めるため 試し出勤を 行うことにしました 用語解説 試し出勤制度  職場復帰の決定前に、社内制度として試 し出勤制度を設けている事業所があります。  休職している従業員が、復帰する職場の 状況を直に感じることで不安を和らげる効 果があります。  なお、この制度の導入には処遇や災害が発 生した場合の対応や、人事労務管理上の位 置づけについてあらかじめ労使間で検討し、 ルールを定めておく必要があります。また、 試し出勤中に、作業指示を与えたり作業内容 が業務に当たる場合は、労働基準法が適用さ れる場合があることや賃金等の処遇を行うべ きことに留意が必要です。 こうして試し出勤が始まりました 試し出勤が 始まりますね 一つひとつ慣れて いきましょう はい でも少し 緊張します… 試し出勤中は 人事総務部が主体となり 直接的な業務は行わず 通勤訓練から始めて 業務に関連する図書の 要約作業などを段階的に 実施していくことに なりました 職場復帰後の配属予定である 経理部の雰囲気に慣れるため 試し出勤中の 課題の進捗を 経理部永谷課長に 伝える機会を 設定しました 永谷課長 本日の課題の 実施状況ですが… わかりました おつかれさま 総務部 永谷課長 試し出勤の終盤 関係者間の 打ち合わせが 行われました 試し出勤の状況は いかがでしたか はい、はじめは 慣れない環境で 戸惑いも ありましたが 復帰後の感触は つかめました 大林さんの作業の 進め方や体調がわかる ようになってきました 社内で協議して 大林さんの復帰する 部署を経理部に したいと思いますが 大林さんは いかがですか はい やってみたいと 思います こうして経理部に 配置替えをして 職場復帰することと なりました 経理部 よろしくお願いします こちらこそよろしく いよいよ職場復帰だね まずは焦らず少しずつ 作業を確認しながら 進めていこう 大林さんは 対人折衝が少ない 作業から始める ことになりました 併せて 大林さんが設定した スケジュールを永谷課長が 確認する形で 作業を進めることに しました 1ヶ月後ー 職場復帰後のフォローアップのため 狩谷カウンセラーが サイナック ソリューションを 訪問しました 永谷課長は質問の仕方や 職場の人とのコミュニ ケーションの取り方について アドバイスをくださいます また、スケジュールについても 確認していただいていて とても心強いです 当面は当職の下で じっくりと作業のスキルを 身につけてもらおうと 思います 就業時間を短縮して 復帰していますが 本人の様子を見ながら 1か月単位で段階的に 元に戻したいと 思っています 就業時間を増やす中で 職務範囲も徐々に 拡大できるといいですね その後も 狩谷カウンセラーは 定期的に フォローアップを 継続しました 大林さんは順調に 職場に慣れていき 新たな部門での職務も 少しずつ 拡大していきました 解説 プライバシーの配慮と、情報提供の範囲  新たに雇入れた精神障害者やメンタル不調を抱える従業員の障害に関する情報や健康情報等は、厳格 に保護するとともに慎重に取り扱う必要があります。  そのため、次の点に留意してください。 ● 支援機関や医療機関等から情報収集または当該機関に対して情報提供する場合は、雇用管理や職 場復帰を進める上で必要な内容に留めるとともに、必ず本人の同意を得る。 ● 職場内で情報を取り扱う場合においても、業務上必要な範囲の人に限り、必要な内容を伝える。  新たに精神障害者を雇い入れる際、勤務時間や仕事の内容、指示の出し方などについて事業所と して配慮したいと考えていることを、上司などに加えてともに働く従業員にも伝える場合、事業所 が説明内容や情報提供する範囲などについて一方的に決めるのではなく、本人の意向を確認し、同 意を得る。  必要に応じて、本人と関わりのある支援機関も交えて相談する。 ● このほか、在職している精神障害者の把握・確認を行う際には「プライバシーに配慮した障害者の 把握・確認ガイドライン」(厚生労働省のホームページ※からご確認ください)に沿った対応を行う。 ※「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」のリンク先 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000065285.pdf 資料 地域障害者職業センター一覧 障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する助言・援助を実施しています。 名称 郵便番号 所在地1 所在地 TEL FAX 北海道障害者職業センター 001-0024 札幌市北区北二十四条西5-1-1 札幌サンプラザ5階 011-747-8231 011-747-8134 北海道障害者職業センター 旭川支所 070-0034 旭川市四条通8丁目右1号 LEE旭川5階 0166-26-8231 0166-26-8232 青森障害者職業センター 030-0845 青森市緑2-17-2 017-774-7123 017-776-2610 岩手障害者職業センター 020-0133 盛岡市青山4-12-30 019-646-4117 019-646-6860 宮城障害者職業センター 983-0836 仙台市宮城野区幸町4-6-1 022-257-5601 022-257-5675 秋田障害者職業センター 010-0944 秋田市川尻若葉町4-48 018-864-3608 018-864-3609 山形障害者職業センター 990-0021 山形市小白川町2-3-68 023-624-2102 023-624-2179 福島障害者職業センター 960-8054 福島市三河北町7-14 福島職業能力開発促進センター内 024-526-1005 024-535-1000 茨城障害者職業センター 309-1703 笠間市鯉淵6528-66 0296-77-7373 0296-77-4752 栃木障害者職業センター 320-0865 宇都宮市睦町3-8 028-637-3216 028-637-3190 群馬障害者職業センター 379-2154 前橋市天川大島町130-1 ハローワーク前橋3階 027-290-2540 027-290-2541 埼玉障害者職業センター 338-0825 さいたま市桜区下大久保136-1 048-854-3222 048-854-3260 千葉障害者職業センター 261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 ハローワーク千葉4階 043-204-2080 043-204-2083 東京障害者職業センター 110-0015 台東区東上野4-27-3 上野トーセイビル3階 03-6673-3938 03-6673-3948 東京障害者職業センター 多摩支所 190-0012 立川市曙町2-38-5 立川ビジネスセンタービル5階 042-529-3341 042-529-3356 神奈川障害者職業センター 252-0315 相模原市南区桜台13-1 042-745-3131 042-742-5789 新潟障害者職業センター 950-0067 新潟市東区大山2-13-1 025-271-0333 025-271-9522 富山障害者職業センター 930-0004 富山市桜橋通り1-18 北日本桜橋ビル7階 076-413-5515 076-413-5516 石川障害者職業センター 920-0901 金沢市彦三町1-2-1 アソルティ金沢彦三2階 076-225-5011 076-225-5017 福井障害者職業センター 910-0026 福井市光陽2-3-32 0776-25-3685 0776-25-3694 山梨障害者職業センター 400-0864 甲府市湯田2-17-14 055-232-7069 055-232-7077 長野障害者職業センター 380-0935 長野市中御所3-2-4 026-227-9774 026-224-7089 岐阜障害者職業センター 502-0933 岐阜市日光町6-30 058-231-1222 058-231-1049 静岡障害者職業センター 420-0851 静岡市葵区黒金町59-6 大同生命静岡ビル7階 054-652-3322 054-652-3325 愛知障害者職業センター 460-0003 名古屋市中区錦1-10-1 MIテラス名古屋伏見5階 052‐218‐2380 052‐218‐2379 愛知障害者職業センター 豊橋支所 440-0888 豊橋市駅前大通り1-27 MUS豊橋ビル6階 0532-56-3861 0532-56-3860 三重障害者職業センター 514-0002 津市島崎町327-1 ハローワーク津3階 059-224-4726 059-224-4707 滋賀障害者職業センター 525-0027 草津市野村2-20-5 077-564-1641 077-564-1663 京都障害者職業センター 600-8235 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町803ハローワーク京都七条5階 075-341-2666 075-341-2678 大阪障害者職業センター 541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル4階 06-6261-7005 06-6261-7066 大阪障害者職業センター 南大阪支所 591-8025 堺市北区長曽根町130-23 堺商工会議所会館5階 072-258-7137 072-258-7139 兵庫障害者職業センター 657-0833 神戸市灘区大内通5-2-2 ハローワーク灘3階 078-881-6776 078-881-6596 奈良障害者職業センター 630-8014 奈良市四条大路4-2-4 0742-34-5335 0742-34-1899 和歌山障害者職業センター 640-8323 和歌山市太田130-3 073-472-3233 073-474-3069 鳥取障害者職業センター 680-0842 鳥取市吉方189 0857-22-0260 0857-26-1987 島根障害者職業センター 690-0877 松江市春日町532 0852-21-0900 0852-21-1909 岡山障害者職業センター 700-0821 岡山市北区中山下1-8-45 NTTクレド岡山ビル17階 086-235-0830 086-235-0831 広島障害者職業センター 732-0052 広島市東区光町2-15-55 広島市児童総合相談センター2階 082-263-7080 082-263-7319 山口障害者職業センター 747-0803 防府市岡村町3-1 0835-21-0520 0835-21-0569 徳島障害者職業センター 770-0823 徳島市出来島本町1-5 ハローワーク徳島4・5階 088-611-8111 088-611-8220 香川障害者職業センター 760-0055 高松市観光通2-5-20 087-861-6868 087-861-6880 愛媛障害者職業センター 790-0808 松山市若草町7-2 089-921-1213 089-921-1214 高知障害者職業センター 781-5102 高知市大津甲770-3 088-866-2111 088-866-0676 福岡障害者職業センター 810-0042 福岡市中央区赤坂1-6-19 ワークプラザ赤坂5階 092-752-5801 092-752-5751 福岡障害者職業センター 北九州支所 802-0066 北九州市小倉北区萩崎町1-27 093-941-8521 093-941-8513 佐賀障害者職業センター 840-0851 佐賀市天祐1-8-5 0952-24-8030 0952-24-8035 長崎障害者職業センター 852-8104 長崎市茂里町3-26 095-844-3431 095-848-1886 熊本障害者職業センター 862-0971 熊本市中央区大江6-1-38 ハローワーク熊本4階 096-371-8333 096-371-8806 大分障害者職業センター 874-0905 別府市上野口町3088-170 0977-25-9035 0977-25-9042 宮崎障害者職業センター 880-0014 宮崎市鶴島2-14-17 0985-26-5226 0985-25-6425 鹿児島障害者職業センター 890-0063 鹿児島市鴨池2-30-10 099-257-9240 099-257-9281 沖縄障害者職業センター 900-0006 那覇市おもろまち1-3-25 沖縄職業総合庁舎5階 098-861-1254 098-861-1116 広域障害者職業センター一覧 全国の広範な地域から障害者を受け入れ、職業評価、職業指導、職業訓練などの職業リハビリテーションを実施し、その成果に基づく指導技法などを他の障害者職業能力開発校等へ提供しています。 センター名 郵便番号 所在地 TEL FAX 国立職業リハビリテーションセンター   (中央障害者職業能力開発校) 359-0042 埼玉県所沢市並木4-2 04-2995-1711 04-2995-1052 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター   (吉備高原障害者職業能力開発校) 716-1241 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 0866-56-9000 0866-56-7636 高齢・障害者業務課、高齢・障害者窓口サービス課一覧 高年齢者の雇用に関する相談・援助、高年齢者、障害者雇用に関する助成金の受付、障害者雇用納付金等の申告申請の受付、地方アビリンピックの開催等の業務を行っています。 都道府県 郵便番号 所在地 電話番号 FAX番号 北海道 063-0804 札幌市西区二十四軒4条1-4-1 北海道職業能力開発促進センター内 011-622-3351 011-622-3354 青 森 030-0822 青森市中央3-20-2 青森職業能力開発促進センター内 017-721-2125 017-721-2127 岩 手 020-0024 盛岡市菜園1-12-18 盛岡菜園センタービル3階 019-654-2081 019-654-2082 宮 城 985-8550 宮城県多賀城市明月2-2-1宮城職業能力開発促進センター内 022-361-6288 022-361-6291 秋 田 010-0101 秋田県潟上市天王字上北野4-143 秋田職業能力開発促進センター内 018-872-1801 018-873-8090 山 形 990-2161 山形市漆山1954 山形職業能力開発促進センター内 023-674-9567 023-687-5733 福 島 960-8054 福島市三河北町7-14 福島職業能力開発促進センター内 024-526-1510 024-526-1513 茨 城 310-0803 茨城県水戸市城南1-4-7 第5プリンスビル5階 029-300-1215 029-300-1217 栃 木 320-0072 宇都宮市若草1-4-23 栃木職業能力開発促進センター内 028-650-6226 028-623-0015 群 馬 379-2154 前橋市天川大島町130-1 ハローワーク前橋3階 027-287-1511 027-287-1512 埼 玉 336-0931 さいたま市緑区原山2-18-8 埼玉職業能力開発促進センター 本館4階 048-813-1112 048-813-1114 千 葉 261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 ハローワーク千葉5階 043-204-2901 043-204-2904 東 京 130-0022 墨田区江東橋2-19-12 ハローワーク墨田5階 03-5638-2284 03-5638-2282 神奈川 241-0824 横浜市旭区南希望が丘78 関東職業能力開発促進センター内 045-360-6010 045-360-6011 新 潟 951-8061 新潟市中央区西堀通6-866 NEXT21ビル12階 025-226-6011 025-226-6013 富 山 933-0982 富山県高岡市八ケ55 富山職業能力開発促進センター内 0766-26-1881 0766-26-8022 石 川 920-0352 金沢市観音堂町へ1 石川職業能力開発促進センター内 076-267-6001 076-267-6084 福 井 915-0853 福井県越前市行松町25-10 福井職業能力開発促進センター内 0778-23-1021 0778-23-1055 山 梨 400-0854 甲府市中小河原町403-1 山梨職業能力開発促進センター内 055-242-3723 055-242-3721 長 野 381-0043 長野市吉田4-25-12 長野職業能力開発促進センター内 026-258-6001 026-243-2077 岐 阜 500-8842 岐阜市金町5-25 G-frontU7階 058-265-5823 058-266-5329 静 岡 422-8033 静岡市駿河区登呂3-1-35 静岡職業能力開発促進センター内 054-280-3622 054-280-3623 愛 知 460-0003 名古屋市中区錦1-10-1 MIテラス名古屋伏見4階  052‐218‐3385 052‐218‐3389 三 重 514-0002 津市島崎町327-1 ハローワーク津2階 059-213-9255 059-213-9270 滋 賀 520-0856 大津市光が丘町3-13 滋賀職業能力開発促進センター内 077-537-1214 077-537-1215 京 都 617-0843 長岡京市友岡1-2-1 京都職業能力開発促進センター内 075-951-7481 075-951-7483 大 阪 566-0022 大阪府摂津市三島1-2-1 関西職業能力開発促進センター内 06-7664-0782 06-7664-0645 兵 庫 661-0045 兵庫県尼崎市武庫豊町3-1-50 兵庫職業能力開発促進センター内 06-6431-8201 06-6431-8220 奈 良 634-0033 奈良県橿原市城殿町433 奈良職業能力開発センター内 0744-22-5232 0744-22-5234 和歌山 640-8483 和歌山市園部1276 和歌山職業能力開発促進センター内 073-462-6900 073-462-6810 鳥 取 689-1112 鳥取市若葉台南7-1-11 鳥取職業能力開発促進センター内 0857-52-8803 0857-52-8785 島 根 690-0001 松江市東朝日町267 島根職業能力開発促進センター内 0852-60-1677 0852-60-1678 岡 山 700-0951 岡山市北区田中580 岡山職業能力開発促進センター内 086-241-0166 086-241-0178 広 島 730-0825 広島市中区光南5-2-65 広島職業能力開発促進センター内 082-545-7150 082-545-7152 山 口 753-0861 山口市矢原1284-1 山口職業能力開発促進センター内 083-995-2050 083-995-2051 徳 島 770-0823 徳島市出来島本町1-5 ハローワーク徳島5階 088-611-2388 088-611-2390 香 川 761-8063 高松市花ノ宮町2-4-3 香川職業能力開発促進センター内 087-814-3791 087-814-3792 愛 媛 791-8044 松山市西垣生町2184 愛媛職業能力開発促進センター内 089-905-6780 089-905-6781 高 知 781-8010 高知市桟橋通4-15-68 高知職業能力開発促進センター内 088-837-1160 088-837-1163 福 岡 810-0042 福岡市中央区赤坂1-10-17 しんくみ赤坂ビル6階 092-718-1310 092-718-1314 佐 賀 849-0911 佐賀市兵庫町若宮1042-2 佐賀職業能力開発促進センター内 0952-37-9117 0952-37-9118 長 崎 854-0062 諫早市小船越町1113 長崎職業能力開発促進センター内 0957-35-4721 0957-35-4723 熊 本 861-1102 熊本県合志市須屋2505-3 熊本職業能力開発促進センター内 096-249-1888 096-249-1889 大 分 870-0131 大分市皆春1483-1 大分職業能力開発促進センター内 097-522-7255 097-522-7256 宮 崎 880-0916 宮崎市大字恒久4241 宮崎職業能力開発促進センター内 0985-51-1556 0985-51-1557 鹿児島 890-0068 鹿児島市東郡元町14-3 鹿児島職業能力開発促進センター内 099-813-0132 099-250-5152 沖 縄 900-0006 那覇市おもろまち1-3-25 沖縄職業総合庁舎4階 098-941-3301 098-941-3302 障害者雇用に役立つ資料  (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構では、事業主や事業主団体の方々に対し、障害者の雇入れに当たっての工夫・改善、障害者が能力を発揮して活躍するための実践的なマニュアルや好事例集等の提供のほか、障害者雇用に関するDVD 等の貸出し等を行っておりますのでご活用ください。 マニュアル、事例集等 はじめからわかる障害者雇用 〜事業主のためのQ&A集〜 障害者雇用の知識や関連情報、具体的方策を30のQ&Aを通じてわかりやすく解説したQ&A集 精神障害者雇用管理ガイドブック 精神障害者雇用に取り組む企業にとって必要な情報を分かりやすく整理したガイドブック この冊子については以下へご連絡ください 研究企画部企画調整室 TEL:043-297-9067 コミック版 障害者雇用マニュアル1〜6 障害者雇用に関する問題点の解消のためのノウハウや具体的な雇用事例を障害別にコミック形式でまとめたマニュアル マニュアル等の資料はホームページからダウンロードできます。 障害者雇用資料 検索 障害者雇用事例リファレンスサービス 積極的に障害者雇用の取り組みを行っている全国の事業所の事例を紹介しています。 障害者 リファレンスサービス 検索 障害者雇用支援人材ネットワークシステム 障害者雇用に関する様々な分野の専門家が企業の皆様のご相談に応じ、支援を行っています。 障害者雇用支援人材 検索 DVDの貸出し 障害者雇用事業所の取り組みをビデオ・DVDにまとめ事業所に貸出しています。貸出しの概要・リストは、ホームページに掲載しています。 障害者雇用 DVD 検索 お問合わせ先 ■ マニュアル、事例集等 ■ 障害者雇用事例リファレンスサービス ■ 障害者雇用支援人材ネットワークシステム 雇用開発推進部 雇用開発課 TEL:043−297−9513 FAX:043−297−9547 ■ DVD等の貸出しについて 中央障害者雇用 情報センター TEL:03−5638−2792 FAX:03−5638−2282 「障害者雇用マニュアル コミック版 精神障害者と働く」 改訂委員会委員名簿 座長 相澤 欽一 福島障害者職業センター 所長 北沢 健 リゾートトラスト株式会社 東京人事総務部事務支援課 課長 中川 正俊 田園調布学園大学 人間福祉学部 社会福祉学科 教授 中田 貴晃 キューブ・インテグレーション株式会社 エグゼクティブコラボレーター 山地 圭子 社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会 障害者就業・生活支援センター オープナー 施設長 和田 弓美子 NECディスプレイソリューションズ株式会社 事業管理本部 総務部 (五十音順 敬称略)(所属・役職は平成26年12月時点) 引用・参考文献一覧 厚生労働省 (2019) 〜メンタルヘルス対策における職場復帰支援〜 改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00005.html 障害者職業総合センター(2012) 精神障害者雇用管理ガイドブック https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/38_seishin.html 障害者職業総合センター職業センター(2013) 支援マニュアルNo.9 精神障害者職場再適応支援プログラム 〜気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのストレス対処講習〜 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/support09.html 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 (2018) はじめからわかる障害者雇用 事業主のためのQ&A集 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/qa.html 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 (2016) 平成25年度 障害者職域拡大等調査報告書No.3 「中小企業における精神障害者の新規採用後の雇用継続に係る課題と対応に関する調査」 精神障害のある社員が安定して長く働くために https://www.jeed.go.jp/disability/data/casebook/ex_ls/ex_research.html 障害者雇用マニュアル(コミック版4) 精神障害者と働く 発行日:平成19年3月初版     令和2年9月版 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 雇用開発推進部 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3丁目1番3号        (障害者職業総合センター内) TEL.043−297−9513 FAX.043−297−9547 HP https://www.jeed.go.jp 誰もが職業をとおして社会参加できる 「共生社会」を目指しています。 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構