(表紙) 別冊 障害者雇用のための企業用自己診断チェックシート<活用の手引き> 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 (1ページ) 1 目的 「障害者雇用のための企業用自己診断チェックシート」(以下「チェックシート」という。)は、企業の皆さまが障害者雇用を進めるにあたり、どのような認識を持っているか、どのような準備をしているかを自ら点検し、整理するためのものです。 チェックシートの結果を一つの参考資料として自社の課題を明らかにし、その後の情報収集や障害者雇用を支援する機関との相談など、より具体的な解決方法の検討に役立てていただくことを目的としています。 2 構成 (1)チェックシートは、「T 障害者雇用への理解」、「U 障害者の職務の選定・労働条件の検討」、「V 障害者の募集・選考・採用」、「W 職場環境の見直し・社内の意識向上・障害者の職場定着」の四つの領域からなっています。 (2)各領域の質問は、「知識・認識」レベル、「方針・計画策定」レベル、「具体的行動」レベルの三段階からなっています。各領域では、主に以下のポイントについて確認します。 T 障害者雇用への理解 ・ 障害者雇用率制度を理解しているか ・ 自社において障害者雇用を進めていくという方針がたてられているか ・ その方針を社内全体で共有しているか ・ 社内の理解を進めるための具体的な取り組みをしているか U 障害者の職務の選定・労働条件の検討 ・ 職務内容を検討する際のポイントを理解しているか ・ 自社の中で具体的な職務が想定できるか ・ 職務を選定するために具体的な取り組みをしているか ・ 障害に応じた労働条件面での配慮事項を理解しているか ・ 必要な配慮事項について柔軟な対応を検討しているか V 障害者の募集・選考・採用 ・ 障害者の募集方法を理解しているか ・ 採用時に利用できる制度について理解しているか ・ 募集方法や選考基準について具体的な計画をたてているか ・ 求人活動を行っているか W 職場環境の見直し・社内の意識向上・障害者の職場定着 ・ 障害者の職場定着のために、どのようなことに留意すればよいか理解しているか ・ 自社で具体的にどのようなことが必要か検討しているか (2ページ) 3 活用の効果 チェックシートを活用することで得られる効果として、次のものが挙げられます。 @障害者雇用に向けた取り組みの準備状態を把握することができる。 A障害者雇用を検討するときに見落としがちな項目を把握することができる。 B障害者の雇用から職場定着に向けた各領域における課題の整理や再確認ができる。 C課題を解決するために収集する情報、障害者雇用支援機関と相談する事項が整理できる。 D上記@からCの対応を通して、障害者の雇用、職場定着のために取り組む事項が整理できる。 (3ページ) 4 結果の活用 チェックシートの別紙「採点表」の各質問に「○」が付かなかった場合は、以下の点について取り組むことが望まれます。 具体的な方法については、「はじめての障害者雇用〜事業主のためのQ&A〜」(以下「Q&A」という。)の該当部分を確認してください。また、下記5(2)の参考資料を参照してください。 T 障害者雇用への理解 障害者雇用を進めるためには、障害者雇用率制度を理解し、自社の雇用方針を策定したうえで、社内全体の意識の向上を図るための具体的な取り組みをすることが大切です。 Q1 障害者雇用率制度に関する知識を習得することが望まれます。(障害者雇用の目的、 障害者の範囲、 除外率制度、雇用率達成指導等) 「Q&A」の 1(2)(3)、7(1)を参照 Q2 障害者雇用納付金制度に関する知識を習得することが望まれます。(雇用率算定方法、 障害者雇用調整金、報奨金等) 「Q&A」の7(1)(5)(6)を参照 Q3 経営者に対し、障害者雇用に関する理解を求める取り組みが望まれます。 「Q&A」の1(2)(5)を 参照 Q4 管理職に対し、障害者雇用に関する理解を求める取り組みが望まれます。 「Q&A」の1(5)を参照 Q5 社員に対し、障害者雇用に関する理解を促す取り組みが望まれます。 「Q&A」の様々な分野で働く障害者、1(5)を参照 Q6 自社の障害者雇用を推進する具体策について検討することが望まれます。 「Q&A」の1(1)(5)、2(1)を参照 Q7 障害者雇用に関する社内意識の向上を図ることが望まれます。 「Q&A」の1(5)を参照 (4ページ) U 障害者の職務の選定・労働条件の検討 職務内容や労働条件を検討するときは、障害特性や配慮が必要なことを理解したうえで、能力が発揮できるような配置を考えることが大切です。 Q8 障害者が能力を発揮し、勤務している事例等を把握することが望まれます。 「Q&A」の様々な分野で働く障害者、1(4)、3(7)、5を参照 Q9 新たな職務を創って雇用した事例等を把握することが望まれます。 「Q&A」の2(3)を参照 Q10 各障害の障害特性やそれに伴う配慮事項について、把握することが望まれます。 「Q&A」の5、7(2)(3)を参照 Q11 既存の職務だけでなく、外部に委託している業務も含めて見直し、現場担当者とも話し合うことが望まれます。 「Q&A」の2(3)を 参照 Q12 障害に応じた就業規則の変更等について社内で検討することが望まれます。(短時間労働、最低賃金法等) 「Q&A」の2(4)参照 Q13 自社で職務が想定できない場合は、障害者雇用を支援する機関と職務についての具体的な相談を行うことが望まれます。 「Q&A」の2(3)、6を参照 Q14 労働条件について、社内の合意を得るための取り組みをすることが望まれます。 「Q&A」の2(4)を参照 Q15 職務内容について、社内の合意を得るための取り組みをすることが望まれます。 「Q&A」の1(5)、2(3)(6)、7(2)(3)を参照 (5ページ) V 障害者の募集・選考・採用 求人活動を行うためには、採用計画をたて、利用できる制度等について、あらかじめ情報収集しておくことが大切です。 Q16 障害者を募集する場合の機関や手続きに関する知識を習得することが望まれます。 「Q&A」の3(1)、6を参照 Q17 各種助成金制度や支援施策に関する知識を習得することが望まれます。(納付金制度に基づく助成金、特定求職者雇用開発助成金、トライアル雇用、ジョブコーチ支援等) 「Q&A」の3(4)(6)、6、7(4)(6)を参照 Q18 職務内容や労働条件等を整理し、いつ、何人雇用するかなど具体的な採用計画を策定することが望まれます。 「Q&A」の1(1)を参照 Q19 面接時にどんなことを確認するか、検討することが望まれます。 「Q&A」の3(2)を参照 Q20 選考方法や選考基準について、検討することが望まれます。 「Q&A」の3(3)を参照 Q21 採用計画を策定したら、ハローワークに求人を申し込むなど具体的な求人活動を行うことが望まれます。 「Q&A」の3(1)を参照 Q22 利用できる助成制度や支援制度について、障害者雇用を支援する機関と具体的な相談を行うことが望まれます。 「Q&A」の3(6)、6、7(4)(6)を参照 (6ページ) W 職場環境の見直し・社内の意識向上・障害者の職場定着 採用した障害者の職場定着を図るためには、物理的な環境や人的な環境を見直し、社内全体の受け入れ態勢を整備することが大切です。 Q23 仕事の進め方を工夫することや、職場環境を見直すことで、定着している事例等について、把握することが望まれます。(職場改善好事例集、就労支援機器の貸出制度等) 「Q&A」の3(4)(5)(7)、4(1)、5を参照 Q24 障害に応じた健康管理面での配慮事項について、理解を深めることが望まれます。 「Q&A」の2(5)(6)、5を参照 Q25 障害者雇用を支援する機関のサービスについて、理解を深めることが望まれます。 「Q&A」の3(6)、6を参照 Q26 障害に応じた仕事の進め方等について、検討することが望まれます。(就労支援機器の貸出制度等) 「Q&A」の3(5)(7)、4(1)、5を参照 Q27 社内の環境整備や指導体制等について、検討することが望まれます。 「Q&A」の2(6)、3(4)(7)、4(2)(3)を参照 Q28 勉強会の開催等、社内の理解を深めるための具体的な取り組みを検討することが望まれます。(社員研修、インターンシップ等) 「Q&A」の1(5)、7(7)を参照 Q29 他社の情報を収集し、参考となる取り組みを検討することが望まれます。(障害者雇用事例リファレンスサービス、障害者雇用マニュアル・事例集、DVD等) 「Q&A」の1(4)参照 Q30 社内の支援体制を整備するための取り組みが望まれます。(障害者職業生活相談員等) 「Q&A」の2(6)、3(4)を参照 (7ページ) 5 その他 (1)チェックシートの活用方法 企業の皆さまが自社の障害者雇用について自己診断をするほか、ハローワークや地域の障害者雇用を支援する機関において、雇用相談の場面で相談ツールとして活用いただけます。 (2)参考資料 障害者雇用について創意工夫を行い積極的に取り組んでいる事業所の事例や合理的配慮の提供に関する事例について紹介したウェブサイト「障害者雇用事例リファレンスサービス」 障害者雇用の理念・現状、法制度、障害別の特徴や雇用上の配慮点など、障害者雇用に関する基本事項を紹介した冊子「障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト」 障害者雇用があまり進んでいない業種のうち、主に中小企業における取組や改善事例を紹介した冊子「障害者の職場定着と戦力化」、「障害者雇用があまり進んでいない業種における雇用事例」 これらについては、当機構ホームページでご覧いただけます。また、冊子については、ダウンロードにより全文、もしくは必要箇所を印刷することが可能です。その他、多数の障害者雇用に関するマニュアルや事例集等がございますので、当機構ホームページの資料情報を併せてご覧ください。 アドレスは、https://www.nivr.jeed.go.jp/manual.htmlです。グーグル、ヤフーなどの検索サイトで「nivr マニュアル 事業主」のキーワードで検索してください。 (3)お問合せ先 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 雇用開発推進部 雇用開発課(TEL 043−297−9513)