はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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100(6)精神障害1 精神障害とは 精神障害は、さまざまな精神疾患が原因となって起こります。主な精神疾患には、統合失調症、気分障害(うつ病、そううつ病など)、精神作用物質(アルコール、薬物など)による精神疾患があります。 障害者雇用促進法上では、精神障害者の範囲を、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人または統合失調症、そううつ病、てんかんにかかっている人で、症状が安定し、就労が可能な状態にある人としています。 精神障害者保健福祉手帳は、1級~3級の等級となっています。 なお、障害者雇用率に算定できるのは、精神障害者保健福祉手帳所持者のみとなります。2 障害特性〇統合失調症・統合失調症は患者数が多く、急性期から回復しても各種の障害が後遺症と〇そううつ病・生活に支障をきたすほどに異常に気分が沈んだり高揚したりする状態が長くして残って社会での自立した生活を困難にすることが多くあります。・統合失調症から回復した人によく見られる特徴としては「細かな指先の動作が苦手」「複雑なことが苦手」「臨機応変に判断することが苦手」「新しいことに対して不安が強い」などが指摘されています。続く病気です。・うつ病では、一般に身体と精神の両方に症状が現れます。身体症状としては、睡眠障害、食欲不振、性欲減退、頭痛・腰痛・肩の痛み、疲労感・倦怠感などが見られます。精神症状は、身体症状に隠れて見逃されがちですが、抑うつ状態、日内変動(特に朝方の憂うつ感がひどく、夕方になるにつれて軽くなっていく状態が続く)、集中力低下、注意力散漫、意欲低下、不安、取り越し苦労、自信の喪失などが特徴的です。・「そう」は、「うつ」とは逆に気分の高揚が特徴で、「何かをしなくてはならない」という感覚や考えが次々にわいて止まらないという症状が現れます。例えば、社交性が高まり、あちこちに電話をかけたり、話が止まらなかったり、過度の馴れ馴れしさが出たりといった特異な行動が見られることがあります。うつの睡眠障害とは反対に、寝なくても平気である場合が多い

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