はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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115(10)難病1 難病とは 医学の進歩にかかわらず完治が困難な「難病」と呼ばれる病気は多くあり、誰もが発症する可能性があります。そのような病気の患者を救うため、我が国では難病対策が実施され、国が研究班を作って診断・治療の医学研究を行うとともに、長期の高額医療費の自己負担の軽減と、病気の治療をしながらの就労を含む社会参加の支援を総合的に実施しています。 令和3年11月現在、医療費助成の対象となる「指定難病」は338疾病で、その患者数は約95万人となっています。また、障害者総合支援法では、指定難病よりも広く筋ジストロフィーや関節リウマチ等を含み366疾病を「難病等」としてサービスの対象としています。2 障害特性難病による障害の特徴・多くの難病に共通する主な症状として「全身的な体調の崩れやすさ」があり、全身的な疲労や倦怠感、痛み、発熱、集中力の低下等、最初は外見からは分かりにくい症状として表れます。また、治療に伴い、顔がむくむ、免疫力が低下する、全身倦怠感が生じるなどの副作用が現れることがあります。定期的な検査や治療の継続、日々の体調管理により、ほぼ症状のない状態を維持できる場合も多いですが、日によって症状や体調に変動が生じる場合や常に何らかの症状が出ている場合もあります。・その他、難病にはさまざまな症状があり、症状の経過や疾病の進行に伴って、障害が残る場合もあります。難病はさまざまな身体障害や精神的障害の原因疾患であり、難病のある人の約3分の1は身体障害者手帳を取得し、障害者雇用率制度の対象となっています。難病を原因疾患とした身体障害等は多種多様となっており、認定されている身体障害等以外に多様な合併障害があり、また慢性疾患としての特性への留意が必要です。

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