はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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117〇難病の人はどのような仕事で働いているか・疾病や重症度により大きく異なりますが、一般的に、難病のある人に向いている仕事の条件には、身体的に無理がない、休憩が比較的自由に取りやすい、疲労回復が十分にできる勤務時間や休日、通院のための業務調整が可能ということがあります。このため、多くの疾病では、デスクワークの事務職や比較的柔軟に休憩がとりやすい専門・技術職で働いている人が多くなっています。疲労の解消や通院時間の確保等という点で短時間勤務が選択肢となる疾病もありますが、正社員、フルタイム、短時間勤務で働いている人の割合は同じ性別・年齢の人と差がない疾病がほとんどです。〇差別禁止と合理的配慮・「難病患者」の先入観を持つことではなく、一人の職場の仲間として本人を理解し、その上で、外見からは分かりにくいことが多い難病の特性や必要な配慮について本人とよくコミュニケーションをとって、理解し合って本人と職場が一緒に取り組むことが大切です。①採用選考時のポイント・求職者本人が求人の仕事に適しているかに焦点を置き、ハローワークや本人から就職後に必要な配慮について説明があった際に、その具体的内容を理解するために十分な時間をとります。②就職後の配慮のポイント・難病のある人が無理なく仕事で活躍し続けるためには、仕事による疲労やストレスの蓄積と休日・休憩・通院等による体調の回復のバランスが重要です。・難病のある人の体調悪化や疲労の兆候は外見から分かりにくいため、本人が差別等の懸念なく必要な配慮について職場に相談しやすい職場風土づくりを基礎として、本人が仕事で成果を上げやすいように職場全体で休暇や業務の調整が行えること、日常的に体調を気づかうことがポイントです。・「難病のある人に適さない仕事」といった固定的な見方は適切ではなく、あくまでも個々の仕事による疲労の蓄積とその回復に必要な休憩・休日・通院等のバランスが重要であり、このことにより仕事に従事できる可能性が増してきます。・実際に必要な配慮は、月1回程度の通院への配慮であったり、体調管理のための業務調整の相談であったりするので、「難病」への先入観でなく、求人の仕事が可能か、配慮が可能かを具体的に検討します。

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