巻末7 資料編6 就労支援機関5 障害特性と配慮事項5 障害特性と配慮事項 認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、年齢が若くても認知症になることがあり、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」とされます。 65歳以上で発症する老年期認知症と病気としては同じであり、医学的には大きな違いはありません。しかし、「若年性認知症」として区別するのは、この世代が働き盛りで家庭や社会で重要な役割を担っており、病気によって支障が生じると、本人や家族だけでなく、社会的な影響が大きいためです。 さらに、若年性認知症の人とその家族は、病気の特性と社会的な背景から孤立しやすく、就労や家事、育児などの複雑な課題に直面しやすく、適切な支援を受けないまま、疲弊している場合も少なくありません。(齊藤千晶「令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト」より)・全国で3.57万人と推計されました。・最初に気づいた症状 「物忘れ」(66.6%)、「職場や家事などでのミス」(38.8%)・若年性認知症の原因となる疾患脳の神経細胞が徐々に減って、正常に働かなくなる病気。脳卒中(脳梗塞や脳出血)などに引き続いておこる。身体症状がみられることが多く、感情や意欲が乏しくなる。脳の前方部分(前頭葉や側頭葉)が縮むことによりおこり、同じ動作を繰り返す、自制力の低下、情緒や人格面の障害が特徴。脳の神経細胞の中に「レビー小体」ができ、ふるえや動作が遅くなるなどパーキンソン症状、幻視、妄想、立ちくらみなどが特徴。1 若年性認知症とは【2017年度から2019年度に実施した若年性認知症の調査結果】 ①アルツハイマー型認知症:52.6% ②血管性認知症:17.1% ③前頭側頭型認知症(ピック病):9.4% ④レビー小体認知症/パーキンソン病による認知症:4.1% ⑤その他:頭部外傷による認知症、アルコール関連障害による認知症などがある。119(2020年7月 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所プレスリリース「日本医療研究開発機構 認知症研究開発事業による研究結果」より)(11)若年性認知症
元のページ ../index.html#120