はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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119脳の神経細胞が徐々に減って、正常に働かなくなる病気。脳卒中(脳梗塞や脳出血)などに引き続いておこる。身体症状がみられることが多く、感情や意欲が乏しくなる。 ③前頭側頭型認知症(ピック病):9.4%脳の前方部分(前頭葉や側頭葉)が縮むことによりおこり、同じ動作を繰り返す、自制力の低下、情緒や人格面の障害が特徴。脳の神経細胞の中に「レビー小体」ができ、ふるえや動作が遅くなるなどパーキンソン症状、幻視、妄想、立ちくらみなどが特徴。(11)若年性認知症1 若年性認知症とは 認知症は“物忘れ”という症状を起こす病気の総称であり、年齢を重ねるとともに発症しやすくなり、一般的には高齢者に多い病気です。しかし、年齢が若くても認知症になることがあり、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」とされます。 高齢であっても若年であっても、病気としては同じで、医学的には大きな違いはありませんが、「若年性認知症」として区別するのは、この世代が働き盛りであり、家庭や社会で重要な役割を担っているので、病気によって支障が出ると、本人や家族だけでなく、社会的な影響が大きいためです。 本人や配偶者が現役世代であり、認知症になると仕事に支障が生じ、結果的に失職して、経済的に困難な状況に陥ることになります。また、子供が成人していない場合には、親の病気が子どもに与える心理的影響が大きく、教育、就職、結婚などの人生設計が変わることにもなりかねません。(小長谷陽子「令和4年版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト」より)【2017年から2019年に実施した若年性認知症の調査結果】・全国で3.57万人と推計されました。・最初に気づいた症状 「物忘れ」(66.6%)、「職場や家事などでのミス」(38.8%)・若年性認知症の原因となる疾患 ①アルツハイマー型認知症:52.6% ②血管性認知症:17.1% ④レビー小体認知症/パーキンソン病による認知症:4.1% ⑤その他:頭部外傷による認知症、アルコール関連障害による認知症などがある。(2020年7月プレスリリース「日本医療研究開発機構 認知症研究開発事業による研究結果」より)

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