はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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89採用面接の時に障害のあることは一切話がなかったのに、勤務初日に障害者であることを告げられた。本人曰く、社員募集の仕事内容から支障はないと思っていたが、電話応対が苦手なのにその対応をしなければならないことが分かったので申し出たという。本人には申し訳ないと思うが、当初申出がなかったので、配慮できないことを伝えた。当社では、従来から障害者であることの確認について、厚生労働省の「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」を参考にして、全社員に通知文書で実施している。毎年実施しているため、合理的配慮のことについても併せて情報提供し、障害のある社員を始め社員が知らなかったというようなことがないよう気を配って対応している。採用後健康診断で大腸がんの診断を受けた社員から、手術後、障害者手帳を取得したと申出があった。勤務に支障があるか、何か配慮すべきことがないか相談する機会を設け、その意向を十分に尊重した上で、合理的配慮に係る措置を講じた。職場における支障の有無の確認は、募集・採用時にしっかり行っているし、時間的余裕もないので、あらためて実施することはしていない。年1回、全社員を対象に個別面談を行っているので、障害のある社員については働く上での支障の有無も併せて確認するようにしている。先日、障害のある社員から、合理的配慮の提供義務に関するリーフレット持参で、自身の困りごとについて、申出があった。しかしながら、当社は、40人程度の社員でなんとか運営しているわけで、具体的な説明はできないので、過重な負担ということにして「負担が大きく難しい」と回答して断った。当社は、2階建てのためエレベータが設置されていない職場環境。半年前、50代の社員が脳梗塞により、半身まひとなった。その後、復職して勤務しているものの、階段の昇降に苦労している様子だったので、本人と話合いの場を設けて、体調のことや会社として対応できることがないか確認した。結果、エレベータの設置は無理だったが、階段昇降機を設置することで改善できることがわかり本人に提案し、本人了解の上で早速設置した。1351011121314

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