はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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採用後においては、労働者からの申出の有無に関わらず、事業主が労働者の障害の有無を確認・把握することになっています。[指針第3_2-(1)]ケース9の場合は、毎年ハローワークに報告する障害者雇用状況のために実施している障害者であることの確認時に合わせて合理的配慮に関する情報も提供した上で把握することとし、全ての労働者に周知・確認する対応により注意を払って把握しているものと捉えられます。[指針第2_4][Q1-5-1]採用後の合理的配慮の提供に関して、事業主は、労働者が雇入れ時に障害者でなかった場合については、障害者となったことを把握した際に、当該障害者に対して職場において支障となっている事情の有無を確認することになっています。[指針第3_2-(1)]ケース10の場合は、採用後に障害者となった事例です。健康であった社員が不慮の事故等により障害者となる場合もありますので、申出があった場合には速やかに対応することが肝要となります。[Q1-3-2]採用後における合理的配慮の提供に関し、事業主は、職場において支障となっている事情の有無を確認した後においても、障害の状態や職場の状況が変化することもあるため、必要に応じて定期的に、当該障害者に対して職場において支障となっている事情の有無を確認することになっています。[指針第3_2-(1)]ケース11の場合は、募集・採用時点で合理的配慮に関する職場における支障の有無を確認しているので、その後は不要であると考えている事例です。障害の状況によっては、その程度が変化し、別の配慮が必要となる場合も考えられますので、上記にあるように必要に応じて定期的に確認することが必要になります。[指針第3_2-(1)][Q1-5-1]ケース12の場合は、毎年1回実施している個別面談の機会に合理的配慮に関する職場における支障の有無を確認しているという事例であり、指針で示されている対応を行っている一つの例として挙げられます。[Q4-2-8]個々の事情を有する障害者と事業主は、合理的配慮の提供に関し、どのような措置を講ずるかについて話合いを行い、事業主は、障害者との話合いを踏まえてその意向を十分に尊重しつつ、具体的にどのような措置を講ずるかを検討し、措置の内容等を伝えることになっています。[指針第3_2-(2)・(3)]なお、障害者が希望する合理的配慮に係る措置が過重な負担であるとき、事業主は、当該障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で合理的配慮に係る措置を講ずることになっています。「過重な負担」に当たるか否かについては、①事業活動への影響の程度②実現困難度③費用・負担の程度④企業の規模⑤企業の財務状況⑥公的支援の有無を総合的に勘案し、個別に決めていくこととされています。[指針第3_2-(3)][指針第5]ケース13の場合は、雇用後の障害者からの合理的配慮の申出に対して、「過重な負担」という文言を安易に用いた事例と言えます。根拠が不十分な場合には、労働者からの申立てにより行政機関から指導や勧告を受けることにもなりかねません。[法第36条の6][指針第5]ケース14の場合は、採用後に脳梗塞により半身まひとなった社員と合理的配慮に関する面談の機会を設定し、話合いの結果、対象障害者との合意形成を図った上で過重な負担にならない範囲での措置として階段昇降機を設置した事例となります。[指針第5][Q4-4-1]13910〇11×12〇13×14〇9〇

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