はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
82/172

図1:障害のない人の視野図2:視野の中心部の視力は保たれていますが、周辺部が見えていません。一度に見える範囲は限られていますが、視線を周辺へ意識的に移して確認することで、安全に歩くことができます。80(1)視覚障害1 視覚障害とは 視覚は、視力、視野(ものの見える範囲)、色覚(色の識別機能)、光覚(光の程度を感じる機能)に分けられます。身体障害者福祉法では、このうち視力と視野に一定以上の障害がある場合を視覚障害と定めています。一人ひとりの見え方はさまざまです。2 障害特性〇視力・視覚障害者の中には、視覚を全く活用できない「全盲」の人と、光を感じる、ないしは何らかの保有視力がある「弱視」の人がいます。近年、弱視を「ロービジョン」ということも多くなっています。〇視野・障害のない人の視力は、視野の中心(中心視野)が最もよく見え、視野の周辺に向かうほど見えにくくなっています。視力表による測定は、中心視野の視力を測っています。・身体障害者手帳では、最も軽度な等級は6級で、「良い方の眼の視力が0.3以上、0.6以下、かつ、他方の眼の視力が0.02以下のもの」であり、最も重い等級は1級で「良い方の眼の視力が0.01以下のもの」です。・職業生活では、中心視野が見えているかどうかが重要です。中心視野が片眼だけでも確保されていれば、目の前の危険物に気づき易くなり、伝票やパソコンの文字を自分の眼で見て、読み書きすることができるからです。下方の視野が両眼とも欠けている場合は、手元の書類やパソコンのキーボードが見えにくかったり、歩行時の足元が見えにくいため歩きにくいと感じたりするでしょう。・視野の障害のうち最も軽度の等級は5級で、「両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの」となっています。・視野障害の視野の欠損は、疾患の内容や状態によってさまざまです。視野の欠損の状態の例は、以下の図のとおりです。

元のページ  ../index.html#82

このブックを見る