はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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88(3)肢体不自由1 肢体不自由とは 肢体不自由とは、病気やケガなどにより上肢・下肢・体幹の機能の一部または全部に障害がある状態のことです。2 障害特性・肢体不自由にはさまざまな種類があり、その特性は障害部位や障害の現れ方(機能の喪失・制限など)や障害の原因、進行性の病気や変動性の病気が原因となっているか、発症時期、知覚障害や痛みなど随伴する障害の有無、補装具の有無などによりそれぞれ異なります。3 職業上の配慮・車いすの使用や自動車通勤、ラッシュを避ける時差出勤などの職場内の移・障害部位別には、運動機能障害の上肢・下肢・体幹の区分けがあり、障害の現れ方には、欠損による機能喪失(切断など)と本来の機能の制限や喪失(失調・まひなど)の場合があり、それぞれに必要とする配慮や支援の方法があります。動や通勤手段が安定的に獲得できるように配慮することが必要です。・歩行の困難性により通勤の際の電車や駅での歩行、職場内の移動に時間がかかる場合があり、休憩できる場所の確保や転倒の不安への対応といった、細やかな対応が必要な場合もあります。・仕事においては出社・退社時間の調整による通勤への配慮から、車いすの動線確保や業務スペースの確保、スロープの設置などのバリアフリー、トイレの改修、自動車通勤のための駐車場の確保など、職場全体の個々の状況に合わせた環境整備が必要な場合があります。・運動機能に関する障害は困難さが分かりやすいことから、その点についての理解は得やすいものの、運動機能以外の困難さは一見分かりづらいため、事情を知らない周囲の社員から誤解を受けることもあります。例えば、頸髄損傷の方は首から下の発汗機能の障害により体温調節が難しく、部屋の温度調整が必要である方もいるなど、個々の状況に応じた運動機能以外の困難への細やかな配慮が必要な方もいます。そのため、職場においては、目に見えない困難さも含めた障害特性の理解を得るための社内への周知の機会や、日々の状態を上司と相談する機会の設定などのフォローが必要です。

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