はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~
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92〇ぼうこう・直腸機能障害・ぼうこうや大腸の疾患により、尿や便を排泄前に蓄積しておく機能が失われた場合も、体の外部の袋に蓄積できるように尿路変更や人工肛門(ストマ)をつけ、通常の生活が送れるようになっています。〇小腸機能障害・食物中の栄養を吸収する機能が低下するため、生活のためのエネルギーや〇HIV(HIV: Human Immunodeficiency Virus)による免疫機能障害・現在では、服薬を継続することでHIVの増殖を抑え、免疫機能も回復するすによって社会復帰する例もあります。環境としては刺激ガスや温度(特に冷気)、乾燥に留意します。酸素療法を行っている場合は火気や室内の換気にも留意します。・人工肛門の使用者では、満員電車を避ける等の勤務時間の調整が必要となることもあります。全般的な体力が低下します。・軽度の場合は、夜間に液体栄養を胃にチューブで時間をかけて流し込む経管栄養となりますが、熱環境の職場、肉体労働主体の職場などでは発汗量も多いことから、電解質バランスの異常や脱水状態をきたしやすくなるので、避けたほうがよいでしょう。・重度の場合は、点滴で血液に直接栄養を送り込む必要があり、近年では在宅用や携帯型の機器が使われるようになっています。ようになり、職業生活が可能な人が多くなっています。・未だにHIVやAIDSへの誤解や偏見が残っているため、病気を隠して働いている人も多く、その場合、本人の不安やストレスが大きくなりがちであることから、上司や同僚との人間関係の面や、本人の心理的な面でのサポートが重要です。〇肝臓機能障害・食物中の栄養を分解・加工して自分の体のために使う機能や、アルコールや毒素を解毒する等の機能が低下すると、疲労が回復しにくくなる等の全身的な影響が現れます。・肝臓移植後、肝臓機能は正常になり社会復帰が可能となりますが、免疫抑制剤を継続服用することが必要であり、障害認定は維持されます。肝臓移植の前後の数年間は特に通院や医療的管理が重要であり、入院が必要な時期もあります。移植後1年もすれば普通に生活ができるので、休職時の就業継続への支援が重要です。

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