6 就労支援機関  障害者を雇用する企業に対して、サービスを提供したり、障害者の就職に向けた支援を実施したりする機関には、主に以下のようなところがあります。 障害者就業・生活支援センター 【主な業務内容】 ●就職・職場定着に向けた支援 ●生活習慣、健康管理、金銭管理などの日常生活の助言 【主な支援スタッフ】 ●就業支援担当者 ●生活支援担当者 ハローワーク 【主な業務内容】 ●職業紹介 ●雇用率達成指導 など 【主な支援スタッフ】 ●専門援助部門の職員 ●事業所部門の職員 就労移行支援事業所 【主な業務内容】 ●就労に必要な訓練など 【主な支援スタッフ】 ●職業指導員 ●就労支援員 医療機関 【主な業務内容】 ●就労支援に関するプログラムなど 【主な支援スタッフ】 ●医療従事者 特別支援学校 【主な業務内容】 ●職業教育、職場実習 【主な支援スタッフ】 ●担任教諭、進路担当教諭 障害者職業能力開発校 【主な業務内容】 ●職業訓練 など 【主な支援スタッフ】 ●職業訓練指導員 障害者職業能力開発校全国19校(国立13校、都道府県立6校) うち、2校は(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営 都道府県支部 地域障害者 職業センター 【主な業務内容】 ●事業主への相談・援助 ●ジョブコーチ支援 ●リワーク支援 など 【主な支援スタッフ】 ●障害者職業カウンセラー ●ジョブコーチ ●支援アシスタント 高齢・障害者業務課 【主な業務内容】 ●障害者雇用納付金制度に基づく障害者雇用納付金等の申告・申請の受付、障害者職業生活相談員資格認定講習の開催 など 【主な支援スタッフ】 ●助成金担当者 ※東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課を含む (独) 高齢・障害・求職者雇用支援機構 ■ ハローワーク(公共職業安定所) 厚生労働省が運営    ⇒ 参照:所在地等の一覧(厚生労働省ホームページ)   https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/hellowork.html (このようなときに利用することができます) Q 障害者を採用したい、紹介して欲しいときはどうしたらいいでしょうか? A ハローワークでは、事業主からいただいた求人を求職中の障害者に広く提供し、希望に合う求職者の方を紹介しています。また、障害者の雇用経験や雇用ノウハウが不足している企業を中心に、関係機関との連携により「障害者雇用推進チーム」を結成し支援する、いわゆる企業向けチーム支援も実施しています。 (主な業務内容) ◇職業相談・職業紹介 就職を希望する障害者各人の技能、職業適性、知識、希望職種などの状況に基づき、きめ細かな職業相談・職業紹介を実施しています。 ◇障害者向け求人の確保 障害者向けの求人の開拓を行うとともに、一般求人として受理したもののうち障害者に適したものについて障害者専用求人への転換を勧め、求人の確保に努めています。 ◇雇用率達成指導 毎年、事業主からの雇用状況報告を求め、雇用率未達成の事業主に対して指導を行っています。 ◇雇用率達成指導と結び付けた職業紹介 事業主に対して雇用率達成指導を行う中で、職業紹介部門、事業所部門が連携し、雇用率未達成企業への求人開拓、職業紹介を行っています。 ◇職場定着・雇用継続の支援 職業紹介により就職した障害者が職場に適応して就労していけるよう、また、在職中に受障した方が慣れた職場での雇用を継続できるよう、支援を行っています。 ■ 地域障害者職業センター (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が、各都道府県に設置   ⇒ 参照:巻末「施設連絡先一覧」     https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/index.html (このようなときに利用することができます) Q 「初めて障害者を雇い入れたい」、「障害者の雇用管理に課題があり困っている」などといった場合で、何から検討したらよいか、どこへ相談したら良いか分からないときはどうしたらよいでしょうか? A 各都道府県に設置された地域障害者職業センターでは、障害者の雇入れから職場定着まで幅広く相談支援を行っています。 (主な業務内容) ◇相談・援助 事業主が障害者の雇用管理に課題を有し、その解決に継続的な支援を必要としている場合には、事業主のニーズや雇用管理上の課題を分析し「事業主支援計画」を策定して、体系的な支援を行っています(例:職務の創出、社員研修の実施、雇用事例の提供、雇入れ計画の助言、雇用管理ノウハウの助言など)。 ◇ジョブコーチ支援 障害者が職場に適応できるよう、ジョブコーチ(職場適応援助者)が職場に出向いて、障害者及び事業主に対して支援や助言などを行っています。 ◇リワーク支援(職場復帰支援) 主治医などとの連携のもと、うつ病等により休職している方の職場復帰に向けたコーディネート、生活リズムの立て直し、リハビリ出勤による復職前のウォーミングアップ、職場の受入態勢の整備などの支援を行っています。 ◇障害者雇用支援人材ネットワーク事業 障害者の雇用管理について、労務管理、医療、建築等といった地域の専門家の協力を得て援助を行っています。 ■ 都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課) (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が、各都道府県に設置   ⇒ 参照:巻末「施設連絡先一覧」     https://www.jeed.go.jp/location/shibu/index.html (このようなときに利用することができます) Q 障害者雇用納付金制度のことや障害者職業生活相談員資格認定講習については、どこに相談したらよいでしょうか? A 各都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課)では、障害者雇用支援関係の業務として、以下の業務を行っています。 (主な業務内容(障害者雇用支援関係)) ◇障害者雇用納付金等の申告・申請受付 事業主から障害者雇用納付金の申告書および障害者雇用調整金等の申請書の受付を行っています。 ◇各種助成金の申請受付 障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金(障害者作業施設設置等助成金など)について申請を受け付けています。なお、これらの助成金は企業からの申請に基づき予算の範囲で支給決定されるものです。支給要件や支給額、支給期間または支給回数の限度がありますので、都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課)に相談することが必要です。 ◇障害者職業生活相談員資格認定講習の開催 障害者を5人以上雇用している事業所において選任が必要な障害者職業生活相談員の資格を認定するための障害者職業生活相談員資格認定講習を開催しています。 ◇地方アビリンピック(障害者の技能競技大会)の開催 障害のある方々が日ごろ培った技能を互いに競い合うことにより、その職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の人々が障害者雇用に対する理解と認識を深め、その雇用の促進を図ることを目的として開催しています。なお、地方アビリンピックにおける成績優秀者等は、全国アビリンピックへの参加選手として、都道府県知事より推薦される場合があります。 ※その他高齢者の就業に関する相談・援助、各種給付金の申請の受付等の業務を行っています。 ■ 障害者職業能力開発校 全国に国立13校、都道府県立6校の計19校が設置されています。 (このようなときに利用することができます) Q 採用を予定している職務に必要な技能を有する障害者を雇いたいときはどうしたらよいでしょうか? A 障害者職業能力開発校では、障害者の特性に配慮しつつ、各種技能習得のための科目を設定し、職業訓練を実施しています。各校では、技能習得した障害者の就職への支援も行っています。 (主な業務内容)  職業能力開発促進法に基づき、訓練科目・訓練方法などに特別の配慮を加えつつ、障害の態様などに応じた公共職業訓練を実施しています。また、企業に雇用されている障害者に対して、多様な職務内容の変化にも迅速に対応できるよう、在職者訓練を実施しています。障害者の雇入れを検討する企業との連携・協力による企業内訓練等を行う訓練校もあります。  現在は、どの障害者職業能力開発校でも、身体障害者だけではなく、知的障害者、精神障害者、発達障害者などを受け入れています。 ※国立の障害者職業能力開発校のうち、次の2校は(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営 ・国立職業リハビリテーションセンター(中央障害者職業能力開発校)  ・国立吉備高原職業リハビリテーションセンター(吉備高原障害者職業能力開発校)    ⇒参照:巻末「施設連絡先一覧」 JEED 広域センター 検索 ■ 障害者就業・生活支援センター 都道府県知事が指定する一般社団法人もしくは一般財団法人、社会福祉法人、NPO法人などが運営     ⇒参照:所在地等の一覧(厚生労働省ホームページ)     https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18012.html (このようなときに利用することができます) Q 出勤すれば仕事はしっかりできるものの、勤怠が安定しないような障害者の生活面を含めた相談ができる支援機関はありますか? A 障害者就業・生活支援センターでは、就業面、生活面双方における相談、支援業務を実施しています。職業生活を維持するための家庭生活面などでの困りごとも含め、地域の関係機関と連携を図りながら支援を行っています。 (主な業務内容)  就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者に対し、窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施しています。 ◇就業面での支援 就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習のあっせん)、就職活動の支援、職場定着に向けた支援、障害者それぞれの特性を踏まえた雇用管理についての事業主に対する助言、関係機関との連絡調整などを行っています。 ◇生活面での支援 生活習慣の形成、健康管理、金銭管理などの日常生活の自己管理に関する助言、住居、年金、余暇活動など地域生活、生活設計に関する助言、関係機関との連絡調整などを行っています。 ■ 就労移行支援事業所(福祉機関) (このようなときに利用することができます) Q ハローワークに求人を出しているが、さらに幅広く障害者に関する情報が欲しい時はどうしたらいいでしょうか? A 就労移行支援事業所では企業等への就職を目指す障害者が、就職準備のためのトレーニングを受けています。利用者はハローワークに求職登録している場合が多いですが、幅広く求人情報を求めている就労移行支援事業所も多いです。 (主な業務内容)  企業等への就職への移行に向けて、就労移行支援事業所内での作業や、企業における実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援を行っています。利用期限は原則2年以内です。 ■ 特別支援学校 (このようなときに利用することができます) Q ハローワークに求人を出しているが、さらに幅広く障害者に関する情報が欲しい時はどうしたらいいでしょうか? A 特別支援学校の高等部には企業等への就職を目指す生徒も在籍しています。卒業後就職を希望する生徒については、多くの学校が企業における実習を重ねながら進路相談を進めています。 (主な業務内容)  学校教育法に基づいて設置されている特別支援学校の高等部では、企業等での就職を目指す生徒に対して、各教科の学習に加えて働く力や社会人としての知識や技能を身に付けられるよう指導しています。多くの学校では2年生、3年生が企業での実習を行い、卒業時の就職を目指しています。