第3章 第8節3若年性認知症第8節 その他の障害者Rehabilitation.4)本田 哲三(2016)高次脳機能障害者実態調査結果,…本田 哲三(編)高次脳機能障害のリハビリテーション―実践的アプローチ 第3版 医学書院5)O’Keeffe,…F.,…Dockree,…P.,…Moloney,…P.,…Carton,…S.,…&…H.…Robertson,…I.…(2007).…Awareness…of…deficits…in…traumatic…brain…injury:…A…multidimensional…approach…to…assessing…metacognitive…knowledge…and…online-awareness.…Journal…of…International…Neuropsychological…Society,…13.…13-49.…6)Ownsworth,…T.,…Clare,L.,…&…Morris,M.…(2006)…An…integrated…biopsychosocial…approach…to…understanding…awareness…deficits…in…Alzheimer's…disease…and…brain…injury.…Neuropsychological…Rehabilitation,…16,…415-438.7)Prigatano,…G.…P.,…&…Sherer,…M.,…2020.Impaired…Self-Awareness…and…Denial…During…the…Postacute…Phases…After…Moderate…to…Severe…Traumatic…Brain…Injury.…Front…Psychol,…11.8)飛松 好子・浦上 裕子(編)…(2016).…社会復帰をめざす高次脳機能障害リハビリテーション 南江堂立つ必要があることを示しています1)。認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、年齢が若くても認知症になることがあり、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」とされます。65歳以上で発症する老年期認知症と病気としては同じであり、医学的には大きな違いはありません。しかし、「若年性認知症」として区別するのは、この世代が働き盛りで家庭や社会で重要な役割を担っており、病気によって支障が生じると、本人や家族だけでなく、社会的な影響が大きいためです。さらに、若年性認知症の人とその家族は、病気の特性と社会的な背景から孤立しやすく、就労や家事、育児などの複雑な課題に直面しやすく、適切な支援を受けないまま、疲弊している場合も少なくありません。認知症基本法においても、若年性認知症の人の意欲と能力に応じた雇用継続等の支援推進に関する内容が明記されています1)。① 認知症の定義と症状認知症は、脳の神経細胞が十分に働かなくなるた207コミュニケーションの仕方や環境、担当職務の範囲を少し変えることで状況が改善できる場合があります。社内だけで解決策を検討するのは難しい場合もあると思いますので、ぜひ就労支援機関にご相談ください。 冒頭で述べたように、高次脳機能障害はいつ、誰が、どこで受障してもおかしくない障害です。高次脳機能障害者が働きやすい環境を考えることは、誰もが安心して働ける職場を考えることに繋がるという視点で取り組むことも重要だと思われます。【参考文献】1)中島 八十一(2006).高次脳機能障害の現状と診断基準 中島 八十一・寺島 彰(編) 高次脳機能障害ハンドブック―診断・評価から自立支援まで(pp.1-20)医学書院.2)中島 八十一.…(2006).…診断基準.…In…高次脳機能障害支援コーディネート研究会監修,…高次脳機能障害支援コーディネートマニュアル(pp.…28-39).…中央法規.3)HaggerF.B.,…RileyA.G.…(2017).…The…social…consequences…of…stigma-related…self-concealment…after…acquired…brain…injury.…Neuropsychological…令和5年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(令和5年法律第65号。以下「認知症基本法」)が制定し、令和6年1月から施行されました。認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現を推進することが明記されています。認知症基本法は認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的としています。認知症基本法に基づき策定された「認知症施策推進基本計画」(令和6年12月閣議決定)において、認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望をもって自分らしく暮らし続けることができるという考え方「新しい認知症観」に(竹内 大祐)⑴ 若年性認知症とは
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