表2 環境に配慮が必要な人への配慮例表2-1 不注意、多動性・衝動性への配慮例表2-2 対人関係やコミュニケーションへの配慮例表2-3 認知における困りごと困りごと⑷ 環境に配慮が必要な人への配慮ように、知的障害、精神障害、発達障害のある方への環境配慮のための大規模な聞き取り調査等をもとに、配慮指針を作成しています。また、こうした人々が安全に、落ち着いて暮らせる住宅に関する研究も進んでいます(文献3)。表2は、こうした環境上の配慮が必要な人たちが働くうえでの嫌悪感、困りごとや苦悩を一つの特性と捉え、不便や苦悩別に可能な環境配慮を表したものです。ここでは環境的な配慮が可能と考えられる項目のみ取り上げています。・ 対象者の得意なもの、手順がきまっているものなどをやっているときは比較的落ち着く、仕事を限定してまかせる・ 対象者が自由な環境を与えられると落ち着かない、席を決める、行動範囲を決める、物を管理する範囲を決める・ 席を簡易間仕切りなどで仕切る・ コミュニケーションをパソコン等を使用して口頭以外でする・ かかわる従業員を限定する・ むやみに席を変えない・ 対象者の仕事のエリアを限定する・ 対象者の仕事のエリアを他の従業員に示しておく・ 仕事の内容は定型化する・ 文字、会話など得意な方法で・ 指示や報告、その他コミュニケーションをパソコンチャットやメールなどで行う・ むやみに席を変えない・ 仕事の内容は定型化する・ 一連の作業は、なるべく視線を移動させなくてもできるように、一箇所にまとめたり、直線上に配置するなどする。第2章 障害者の雇用管理上の留意点第2章 第3節以下にあげた空間設計に関する知見は、既往文献や当事者、その支援者等の意見を参考にしていますが、直接的な効果はまだ検証されていないことを了承ください。① どのような人たちか近年、ユニバーサルデザイン分野においても発達障害者への環境配慮の必要性について関心がもたれるようになりました。国土交通省では文献1)2)に示す特性(本人の働くうえでの嫌悪感や困りごとや苦悩)気が散りやすい 好きなことをやっていても多動・落ち着いて就労できる場の提供・席を簡易間仕切りなどで仕切る・周囲の音や光、臭いなどの刺激を少なくする・その一方で、人的サポートを受けやすい環境設定・ 転倒などによって、建築物や室内什器、設備、機器などにぶつけてけが、触れてやけどをしないようにプロテクターなどをつける活動の切り替えが苦手、活動途中でなにかを始めてしまう物事が中途半端、活動が一つひとつか完結せずに作業がやりっぱなし環境によって多動になりやすい特性(本人の働くうえでの嫌悪感や困りごとや苦悩)対人関係が苦手(もしくは過剰適応)こだわりが強い非言語的コミュニケーションができない視覚情報の特異な興味を持つ(ただし、文字やその理解ができるとは限らない)変化を嫌う作業に集中しているときに、別のものに視線を移動させると、元の作業時に見ていたものを探すのに時間がかかる。もしくは元やっていた作業内容を忘れてしまう。認知72環境配慮事項環境配慮事項環境配慮事項
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