R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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98第2章 障害者の雇用管理上の留意点障害者虐待防止法で定義する障害者や使用者に関しては、次のとおりとなります。⑴ 対象障害者 障害者基本法(昭和45年法律第84号)第二条第一号に規定する障害者とする、とされ、すなわち「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁より継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者」と定義されます。身体障害者手帳等の所持の有無は問わず、また、年齢制限もありません。なお、社会的障壁とは「障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会に近年、事業所や障害者施設での障害者への虐待に関する報道が幾度かなされてきました。虐待は障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって、それを防止することはきわめて重要です。このため、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」と言います。)が平成23年6月に成立し、平成24年10月1日から施行されました。この法律では、「養護者による障害者虐待」「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」及び「使用者による障害者虐待」の3つについて、それぞれの防止等を規定していますが、ここでは「使用者による障害者虐待」について解説します。おける事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。」と定義されます(障害者基本法第二条第二号)。⑵ 対象使用者障害者を雇用する事業主(法人、個人経営者)、事業の経営担当者(法人理事、会社役員、支配人など)、その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をする者(実質的指導監督・決定権限者など)です。また、派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受ける事業主や、船員職業安定法(昭和23年法律第130号)における船員派遣を受け入れる事業主も含まれます。なお、就労継続支援A型の場合は、「障害者福祉施設従事者等」と「使用者」のいずれにも該当します。9第節使用者による障害者の虐待防止1対象障害者・対象使用者2障害者虐待の具体例・判断のポイント⑴ 虐待の具体例障害者虐待防止法では、使用者による障害者虐待とは、使用者が当該事業所に使用される障害者について行う次のいずれかに該当する行為とされます。① 身体的虐待 障害者の身体に外傷が生じたり、生じるおそれのある暴行を加えること、または正当な理由なく障害者の身体を拘束すること。【例:たたく、つねる、なぐる、熱湯を飲ませる、異物を食べさせる、監禁する、危険・有害な場所での作業を強いるなど】② 性的虐待 障害者に対してわいせつな行為をすること、または障害者にわいせつな行為をさせること。【例:裸の写真やビデオを撮る、理由もなく不必要に身体に触る、わいせつな画面を配布する、性的暴力をふるう、性的行為を強要するなど】③ 心理的虐待 障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応、不当な差別的言動その他、障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。【例:脅迫する、怒鳴る、悪口を言う、拒絶的な反応を示す、他の労働者と差別的な扱いをする、意図的に恥をかかせるなど】④ 放置等による虐待 障害者を衰弱させるような著しい減食または長時間の放置のほか、他の労働者による①~③の虐待行為の放置など、これに準第2章 第9節

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