R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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104第2章 障害者の雇用管理上の留意点4具体的技術それでは、具体的にはどのように相談をするとよいのでしょうか。相談には、相談室など相談専用のスペースで相談を行う場合と、たまたま会社内等で出会ったときに「最近どう?」などと会話を交わす中で相談的な内容に進む場合とがあります。ここでは前者の場合を想定して、その具体的な技術や留意点を示していきます。⑴ 物理的環境設定相談は人間と人間との関係性の中で行われるものですが、相談員がきちんと対応しさえすれば物理的な環境はどのようなものであってもよい、というわけではありません。まず、秘密が守られるとクライエントが感じられる場所である必要があります。相談専用の部屋があることが望ましいのですが、なかなかそのようなスペースがない場合、パーティションで部屋を区切る、人がいないような時間帯を選んで相談を受ける、といった工夫が必要になります。また、相談の際の座り方を一考する必要があります。まず、相談員とクライエントの物理的な距離の問題です。特に何cm程度にしなければならないという決まりはありませんが、お互いが圧迫感を感ずるほど近すぎず、かといって遠すぎない距離が望ましいでしょう。次にクライエントと相談員の座り方についても、考えてみましょう。テーブルなどを利用して相談を行う場合、座り方には図に示すように何種類かあります。図5は最も一般的な相談場面における座り方でしょう。相談員とクライエントは相対し、相談を進めます。ただし、クライエントによっては相談員と正面に向かい合うことや、また視線が合いやすくなることで圧迫感を感じる人もいるかもしれません。場合によっては、図6のように90度の位置で相談を行うという方がよいかもしれません。また図7のように横に座り相談を行うという方法もあります。この場合、相手の顔がお互いに見にくくなりますが、視線が合いにくくなりますので、最も圧迫感を感じにくくなるかもしれません。⑵ マイクロカウンセリングの基本的な関わり技法それでは、相談場面における具体的な相談員の応答の技法に焦点をあてていきましょう。アレン・アイビイという研究者は、カウンセリングの流派には様々なものがある中で、各流派に共通して求められるカウンセリングの応答技法について、「マイクロカウンセリング」としてまとめ、カウンセリング技術を学ぼうとする人のために、カウンセリング技術の習得の手順についても提唱しています。ここでは、基本的な技術から順に紹介していきます。いずれの技法も、「話をよく聞いてもらっている」という印象をクライエントに与える役割を持ち、信頼関係の構築や、クライエントの自己理解の促進にも有効な技法です。表1に各技法の概要を示します。なお、どんな内容や流れ・ペースであったとしても、特に初心者のうちは以下に示す基本的な技法を意識的に用いるとよいでしょう。テーブル図5図6図7 テーブルテーブル 相談員クライエントクライエントクライエント相談員相談員 第2章 第10節

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