R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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105第10節 障害者へのカウンセリング(相談)① 基本的関わり行動(視線、姿勢・表情・身振り、口調、相槌など)基本的関わり行動は特に非言語的コミュニケーションに関するものと言えます。相談員の顔の向きや視線に関してですが、顔をクライエントに向けることで、「きちんと話を聞いてもらっている」という印象を与えることにもつながります。また、相談員は相談を行う際、クライエントの感情や考えを把握するために表情をよく見る必要があります。そのために、相談員の視線は原則的に相手(クライエント)の目に向ける方がよいでしょう。ただし、凝視すると圧迫感を与えることにつながりますので、適宜視線を外してもよいでしょう。欧米文化と日本を含むアジアの文化では視線についての捉えられ方は異なりますが、やはりある程度は視線をクライエントに合わせることは必要だと思われます。なお、視線を合わせることに抵抗感がある場合、相手の口元やネクタイなどの頭部の下を見てもよいでしょう。クライエントに自発的に話をしてもらう上で、聞き手である相談員が相槌を打つこともとても重要なことです。相手の話のペースに合わせながら、また基本的には相手の話の流れを妨害しないように、相槌を打つようにしましょう。相槌を打つ際に何種類かバリエーションがあるとよいでしょう。口調や身振り・手振り、姿勢も、非言語的なコミュニケーションの要素として重要なものです。相手の話の内容に合わせて口調を変える、相槌を打つ際にうなずく動作をする、また相手の話に身を乗り出すようにする(相手に対し少し前傾する)といったことも、クライエントに話をしてもらうためには必要でしょう。② 繰り返し、要約これらの技法はクライエントの自発的な話を促し、クライエントに自分自身の気持ちに気づいてもらうためのものです。「繰り返し」を行うことで、話を聞いてもらっているという印象を与えることに加え、クライエントが自分の考えや感情を改めて認識する機会を提供すること、以上のことからもっと話をしようという意欲を抱表1 マイクロカウンセリングにおける基本的な関わり技法技法名内容具体例①基本的関わり行動非言語的なコミュニケーションを相談にふさわしいものにする。・視線を適切に合わせる・相談にふさわしい姿勢・表情・身振りをする・相談にふさわしい口調で対応する・相槌を適切なタイミングで行う(「はい」「えぇ」「なるほど」「そうなんですね」)②-1繰り返しクライエントの発言を相談員がそのまま繰り返す。ク:「○○ということで困っているんです・・」相:「○○でお困りなんですね」「○○で困っている・・・」②-2要約クライエントの発言・説明を簡潔にまとめ、確認をする。「あなたが言いたいのは○○ということですね。」③-1開かれた質問答え手が自由に応答することができ回答が長くなり内容も様々なものとなりうる質問(英語で言えばwhatやhowで始まるような質問)「○○とはどういうことですか?」「□□はどうなっているのですか?」③-2閉ざされた質問短めで、一定の範囲内に収まる回答となる質問「何時に帰ったのですか?」(⇒○時です)「○○は△△だということですか?」(⇒はいorいいえ)④感情の反映クライエントの発言の感情的な要素に焦点を当てて相談員が指摘し、共感・受容すること。「つらいと感じているのですね。」「不安な一方で、チャレンジしたい気持ちもあるんですね。」第2章 第10節

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