R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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107第10節 障害者へのカウンセリング(相談)の提案に対しても気持ちが乗ってこない、信頼関係が崩れてしまう、などのリスクもありますので、「この1回の相談で方向性を絶対に見出す」などといった切迫感を持たずに、相談に臨んでいくことが重要だということが言えます。⑷ 相談の記録相談をしたら、原則的には記録を付けておく方がよいでしょう。特に多くの人と相談をする場合、相談員側の記憶は曖昧になっていきます。そのため、クライエントごとにファイルを用意するなどして記録を作成しておくとよいでしょう。その際、どこまで詳細に記録をつけるのか、また、組織内でどこまでその記録を共有化するのか、これらの記録をどのように保管し外部流出を防ぐか(守秘義務)などを決めておく必要があるでしょう。⑸ 相談の例相談と言ってもその内容は様々で、絶対的な正解があるものではありません。ただし、相対的に適切、あるいは逆に改善の余地があると考えられる場合があります。以下に架空の相談の例を示します。実際に相談事例1と相談事例2についてロールプレイをしてみてどのように感じるのか実感したり、相談事例1と相談事例2とではどのような点が違うのか、相談員はどのような技法を用いているのか等分析してみるとよいでしょう。(相談事例1)会話解説(相談員、クライエントとの定例面接を行うため、クライエントを椅子に座るよう手でジェスチャー。相談員はこれまでの記録書類を見ているため、クライエントを見ていない)・閉ざされた質問・クライエントを励まそうとしている。・クライエントを励まそうとしている。・クライエントを励まそうとしている。・問題解決のため提案相1:最近どう?仕事には慣れた?相2:慣れてきたんだ、よかったね!ク1:はあ、少し慣れてきたんですが・・。(ため息)ク3:それでもこの前、課長に注意されてしまって。ク4:はあ、そうですか。相4:まあ、そんなに気にすることないよ。   私も会社に入ったころは色々と怒られたよ。みんな、通る道だよ。相5:そんなに気になるんなら、課長に言っておこうか?もっと丁寧に教えるようにって。ク2:まあそうなんですが、まだうまくできていないなあ、と思うんです。相3:え、そう?そんなことないと思うなあ。第2章 第10節

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