R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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111第10節 障害者へのカウンセリング(相談)6オンラインを利用した相談め、先述した繰り返し確認するということと共通しますが、選択肢から選んでもらって意思を確認するという場合、選択肢の順番を何度か変えてクライエントに伝え、選んでもらうということが必要な場合があります。⑸ 音声言語のみでなく視覚的補助を用いようクライエントのなかには、音声言語だけではなかなか相談内容を覚えておくことが難しく、また自分でメモを取ることも難しい人もいるでしょう。そのような場合、話し合った内容などについて、相談員がメモを作り渡すということが有効かつ必要な場合があります。また、そもそも話の内容の理解を促すために、音声だけより図があった方がよいということもあるでしょう。話をしながら紙に図解する、ホワイトボードを活用しながら相談をするという工夫の仕方もありますので、クライエントの状況を見ながら(もちろん中には必要のない人もいる)、視覚的補助を導入していくとよいでしょう。なお、障害の有無にかかわらず、紙などを用いながら相談を行うことで、問題となっている状況をより客観的に把握できるという効果がある場合があります。オンラインを利用した相談には、通常の対面形式での相談に比べて、利点もあれば留意点もあります。新型コロナウイルス感染症への配慮が求められる生活の中で、その特徴・限界を理解したうえでうまく活用していくことが求められます。まう行動傾向のことを言います。知的障害の方などにこのような傾向が見受けられ、結果として本人の意思を尊重した相談が十分に行われない可能性があります。クライエントの意思を尊重するためには、この黙従傾向にも留意する必要がある場合があります。そのような場合、例えばあえて本人の意思と違うと考えられる質問を投げかけるなどして「違います」と否定してもらう、繰り返し尋ねるなどの工夫が必要でしょう。⑷ 新近性効果に留意「どう思いますか」「どうしたいのですか」といった開かれた質問ではなかなか意思の確認が難しいクライエントについては、「Aにしますか?Bにしますか?Cにしますか?」というように選択肢をいくつか提示して相談を進める場合があります。その際留意したいのが新近性効果です。新近性効果とは、複数の選択肢を提示した場合、最後に提示された(=時間的に最も近く新しい)選択肢を選んでしまうということを指します(先述した例でいえばCを選んでしまう)。クライエントによっては、冒頭に提示された選択肢をなかなか覚えておくことが難しく、一番後に提示されたものを選んでしまうということがあるのです。そのた2020年に発生した新型コロナウイルス感染症は、働き方を含む人々の生活を一変させました。そして、様々な活動においてオンライン技術がこれまで以上に活用されるようになっています。このことは障害者職業生活相談員の活動方法にも影響を与えていると考えられます。そこでここでは、オンラインでの相談について、触れておきたいと思います。オンラインでの相談の形態には様々なものがありますが、主な形態として、メールでのやり取り、Line等のチャットでのやり取り、ZoomやSkype等によるマイクやカメラを用いた同時双方向的なやり取り(ビデオ通話)が挙げられるでしょう。オンラインであっても、これまで述べてきた相談技術が基本とはなります。ただし、相談の進め方については先述したようにメールやビデオ通話といった形態によって影響を受けることになります。それぞれの形態ごとの留意事項は表2の通りとなります。Q&A【問】相談中は話の内容に注意すべきであり、クライエントの身振り手振りなどの動作を把握することは重要ではない(解答と解説はP345に記載しています)第2章 第10節

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