R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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114第3章 障害別にみた特徴と雇用上の配慮じる場合があります。障害の内容では、先天性の形成不全、切断などのように身体部位を失っているために運動機能を喪失している場合と、身体部位はあるものの運動機能の制限や喪失が生じている機能不全の場合があります。障害の表し方は一般に、障害部位と障害の内容によって表現します。たとえば、右上肢機能障害、左下肢切断などです。広範囲に障害がある場合には片まひ(左右どちらかの半身のまひ)、対まひ(両下肢のまひ)、全身性運動機能障害(多肢及び体幹の障害)などの表現も用いられます。また、運動機能障害の程度・状態では動作がぎこちない程度のもの、全く動かないもの、意図したのとは異なる動きとなってしまうもの、関節の動きに制限が生じるものなど、さまざまなものが見られます。 ② 身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)での区分 身体障害者障害程度等級表では、肢体不自由の級別について上肢、下肢、体幹のほか、脳の運動中枢に原因があって姿勢や運動に障害が生じているもの(脳原性運動機能障害)を区分するために「乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害(上肢機能)」、「同(移動機能)」を設けています。乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害は、主に脳性まひを指しています。等級別の人数は表2のとおりで⑴ 肢体不自由の種類と特徴 肢体不自由とは左右の上肢(手・腕)と下肢(足)、体幹(背骨を中心とした上半身と頸部)のいずれかの部位において、日常生活上の動作が困難となるような運動機能の障害が発生し、永続する状態をいいます。脳の運動中枢、運動神経、筋肉、骨、関節などのいずれかに外傷・疾患・欠損・変形などが生じることで起こりますが、その原因はさまざまです。 厚生労働省の「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)❶」によると、在宅の肢体不自由者数は193万人(うち、65歳未満は58万人)で、在宅の身体障害者手帳所持者全体の約半数(45%)を占めています。65歳未満の人の障害程度をみると、重度(1、2級)51.7%、中度(3、4級)35.6 %、軽度(5、6級)12.5 %となります。障害原因については、「平成18年身体障害児・者実態調査」では事故(交通事故、労働災害、その他の事故、戦傷病・戦災)16.1%、疾患22.4%、出生時の損傷3.0%、加齢4.0%、その他(不明、不詳を含む)54.5%となっています。 ① 障害の部位と内容 障害部位では、上肢、下肢、体幹の一部分に障害が発生する場合と、特定の部位だけではなく広範囲に生1肢体不自由の種類と特徴        表1 身体障害者手帳を所持する在宅の肢体不自由児・者の年齢階級別人数(単位:千人)合計0〜19歳20〜29歳30〜39歳40〜49歳50〜59歳60〜64歳65歳以上/不詳1931424252961811621356(資料出所)厚生労働省「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」より作成     表2 身体障害者手帳を所持する在宅の肢体不自由児・者の障害区分・等級別人数(65歳未満)(単位:千人)総数1級2級3級4級5級6級総数576175123971085220肢体不自由(上肢)20483522916159肢体不自由(下肢)244294449882410肢体不自由(体幹)92451914113−肢体不自由(脳原性運動機能障害・上肢機能)211444−−−肢体不自由(脳原性運動機能障害・移動機能)144513−1(資料出所)厚生労働省「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」より作成❶ 当該調査における在宅とは「施設入所以外」を指す。1第節肢体不自由者第3章 第1節

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