R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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121第2節 視覚障害者いるために視力は低くなります。杆体細胞は暗いところで機能し、色の判別はできません。物体の判別がやっとできる程度の薄暗闇で見る景色は色の情報が欠落した白黒の世界になります。通常の視力は中心視力のことをいい、片眼ずつ測定します。また、眼鏡やコンタクトレンズで矯正した後の視力を対象として視覚障害を判定します。眼鏡やコンタクトレンズで矯正して身体障害者福祉法で定める以上の視力が得られる場合は、裸眼視力が0.1あるいはそれ以下であっても、視力に障害があるとはいえません。視力が低下すると空間の解像度が低くなり形の識別が難しくなりますが、その視力を測定するために文字や記号などの視標が用いられます。わが国でよく用いられているのはランドルト環です(図2)。ランドルト環は、直径7.5mm、線の太さ1.5mmの環で、1.5mm四方の切れ目があります。この視標を5mの距離から見て、1.5mm四方の切れ目が認識できれば視力1.0となります。このときの切れ目の幅を角度で表し、その角度は視角1分となります。視角1分は60分の1度です。角度を用いることで測定距離が変わっても同じように視力を測定することができます。例えば、測定距離2.5mで上記の視標を認識できた場合の視角は2分となるので、視力は1.0の半分の0.5となります。眼で物体を見た時の光の結像の様子を図3に示します。眼球における光の入射位置の角膜から網膜までの距離を眼軸といいます。入射した光は角膜と水晶体で屈折し、網膜で結像します。図3(a)のように正しく結像している場合、すなわちピントが合っている場合を正視といいます。図3(b)のように網膜の手前で結像している場合は近視です。眼鏡やコンタクトレンズ等の凹レンズによる調整で結像位置を網膜側に移動させることによりピントが合うようになります。逆に、遠視の場合は光の結像位置が網膜の後方になるので、老眼鏡等の凸レンズによって結像位置を短縮して網膜で結像するように調整することでピントが合うようになります。視距離を短くして視対象に近づいていくと、その網膜像も大きくなり、近づいた分だけ大きく見えます。視力が低い場合は視対象に顔(眼)を近づけて見ることもあります。しかし、視距離を短くしても十分な大きさを得られない場合や、眼を近づけられない場合は、視対象を何らかの方法で拡大しなければならないです。視対象そのものを拡大して見る他に、遠方の視対象を拡大するのには単眼鏡を使用したりします。手元近くの視対象を拡大するためには、レンズや拡大読書器を用いたりします。⑶ 視野の障害正面の1点を見つめて、眼を動かさないで見える範囲のことを視野といいます。視野の障害は、それが欠損している部分により全く異なった様相を見せます。視野の範囲が外側から欠損して中心部分の視野が残っている求心性視野狭窄、視野の中心部分が見えなくなる中心視野欠損などがあります。① 求心性視野狭窄代表的な原因疾患として挙げられるのは、網膜色素変性症と緑内障です。網膜色素変性症では、視野の周辺部分から見えなくなり、欠損部分が中心に向かってゆっくり進んでいきます。周辺視野の網膜上には杆体細胞が配置されており、この杆体細胞は暗いところで機能します。一方、中心視野に配置されている錐体細胞は明るいところのみで機能し、暗いところでは機能しません。したがって、周辺視野が欠損すると夜盲になります。網膜色素変性症では、視野欠損がゆっくり進むため夜に見えづらくなってから初めて自覚する場合も少なくありません。緑内障は眼圧が高くなり、視神経乳頭の部位で視神経が圧迫されることにより視機能が低下します。典型的な例では、輪状の暗点が出て、次第に周辺が見えな図3 正視・近視・遠視とその結像の様子眼軸(a) 正視眼軸(b) 近視眼軸(c) 遠視第3章 第2節

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