R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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132第3章 障害別にみた特徴と雇用上の配慮第3章 第3節コミュニケーションにはさまざまな方法があります。聴覚障害者だからこの方法でと固定的に考えるのではなく、ある方法でうまくいかなければ別の方法で、あるいはほかの方法を組み合わせて、と工夫してコミュニケーションの輪を広げることが大切です。コミュニケーションの相手が聴覚障害になった時期、育った環境、教育の背景などによって使える方法もさまざまです。また、場面によって方法を変えていくことも必要です。ここでは、職場でよく利用される方法について、それぞれのポイントを紹介することにします。⑴ 手   話手話は、聴覚障害者の「見る言葉」ともいえます。手や表情を使って表します。専門用語の表現などに一定の限界はありますが、聴覚障害者が気分的にも最もリラックスできるコミュニケーション方法です。よく、職場の上司や同僚から「手話を覚えるには相当の時間がかかるのでは?」とか「とても手話通訳者みたいには、うまくなれないですよ」といったことを聞きますが、職場でまず大切なのは「手話をうまく使えること」よりも「手話を使うことを理解すること」3さまざまなコミュニケーション方法があるです。ですから、ちょっとしたあいさつや気持ちだけでも手話表現することで、コミュニケーションの輪が広がります。手話を学ぶには地元の手話サークルに参加する、市町村などで実施する手話講習会に参加するなどの方法がありますが、もし、既に職場に聴覚障害者がいれば、その人に教えてもらう、職場の手話サークルや手話講習会で講師になってもらうという方法が効果的でしょう。ところで、手話は、聴覚障害者の生活の中から生まれてきた「見る言葉」です。大きくわけて主に講習会などで使われている「日本語対応手話」と、主にろう者が使っている「日本手話」とよばれるものがあります。前者は、音声言語としての日本語の語順に基本的に1対1で対応していますが、後者は必ずしもその語順と対応しているのではなく、その意味をとらえて表現しています。日本手話は、見る言語本来の表現力を備えているといった特徴があります。聞こえる人は、自分が習った手話が絶対に正しいと思い込むのではなく、手話による豊かな表現のすばらしさを、まず感じてほしいものです。さらには、職場独自の専門的な表現については、そ おはようございます。今日も、がんばろうね。手話であいさつ 手話は手の表現だけでありません。表情も大切にしながら相手に伝えようとする思いを込めてください。おはようございます。今日も、がんばろうね。❶❶ 障害者職域拡大マニュアルNo.9「聴覚障害者の職場定着推進マニュアル」

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