R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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150第3章 障害別にみた特徴と雇用上の配慮第3章 第4節かりやすくなるので、職場での手洗い等の健康行動に気をつけるようにします。② 個々の仕事の内容や進め方については、一方的な業務や職域の制限ではなく、上司や同僚が本人が仕事をしやすいように相談に乗るようにし、積極的に業務改善への意見を本人に求める等の取組が大切です。③ また、雇用していた人が中途で肝臓機能障害者となった場合、肝硬変の時期や肝臓移植の前後の1年〜数年間の通院や入院への配慮によって、就業継続を支えることができます。④ 通院が気兼ねなくできるようにします。特に症状がなく、安定して就業している時期でも、検査や薬の調整のため、月1回程度の通院が必要です。肝臓機能障害は症状が表れにくいため、少しでもおかしいと思った時に病院に行けるようにします。⑤ 血液感染であるウイルス性肝炎がある場合、通常の職業生活では感染することはないため過剰反応を起こすことなく、他者の血液に直接触れない、カミソリ等の共用は行わない等、一般的な出血事故や衛生管理への対応を確認します。(春名 由一郎)移植された肝臓の拒絶反応を防ぐために、免疫抑制剤を継続的に服用する必要があります。免疫が抑制されると感染症を起こしやすくなりますが、抗生物質や抗ウイルス薬を服用することで予防や治療ができます。⑸ 原因疾患について肝臓機能障害の原因は、ウイルスやアルコールによる肝炎が肝硬変や肝がんに進行したもの、薬物によるもの、自己免疫によるものなど多様です。治療や通院の必要性はこれらによっても異なります。ウイルス性肝炎は血液の直接接触でしか感染せず、普通の職業生活や一般的な出血事故への対応や衛生管理ができている職場で他者に感染することはありません。⑹ 雇用上の注意(合理的配慮を含む)① 本人の話もよく聞きながら、産業医等の専門職により、仕事内容の検討や、治療と仕事の両立を支えるための検討ができるようにします。本人のプライバシーや人権を守るためにも、必要以上に障害や病気のことを社内に広げることは好ましくありません。 具体的には、重労働や過労を避ける必要があります。また、食後には横になって休憩できるようにします。肝臓移植後の免疫抑制剤によって感染症にか◇ 内部障害者の雇用事例(サービス業)~障害者雇用職場改善好事例の入賞事例から~特例子会社の設立にあたって、免疫機能障害者を採用することとした。障害に対する正しい理解が、全ての社員が安心して働くために必要と考えた社長の呼びかけにより、免疫機能障害のある社員、ハローワークの雇用指導官や医療機関担当者が講師となり、経営層および社員向けの勉強会を実施した。社員の正しい理解が促進され、免疫機能障害のある社員の能力発揮や雇用の拡大につながった。また、安定した就労のためには定期通院が必要不可欠であることから、有給休暇に加え、通院休暇制度を創設したほか、障害者職業生活相談員による定期面談を行い、働きやすい環境を整備した。Q&A【問1】身体障害者福祉法において内部障害として規程されているのは、5つの障害である。Q&A【問2】腎臓機能障害者の健康維持にとって安静が重要であるので、休憩時間もベッド等で横になって過ごせる環境整備が必須である。Q&A【問3】免疫機能障害者の受け入れにあたり、本人の意思を確認した上で、上司等へは内部障害があることや必要な配慮を説明したが、具体的な病名は説明しなかった。(いずれも解答と解説はP346に記載しています。)

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