R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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151第5節 知的障害者5第節知的障害者療育手帳の障害区分は、国の指針ではA(重度)、B(その他)の大きく二つに分けられていますが、自治体によってその障害区分の表記方法は異なります。例として、A1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)、(東京都の場合は1度(最重度)~4度(軽度))など、概ね4段階に細分化されています。また、療育手帳の名称も「愛の手帳(東京都)」、「みどりの手帳(埼玉県)」と呼ばれている自治体もあり、各自治体の裁量に委ねられています。表1は、療育手帳の知能指数(IQ)による障害の程度の判定基準の例です。表1 療育手帳の知能指数(IQ)による判定基準の例障害の程度基準例A1最重度IQ20以下A2重度IQ35以下IQ21以上B1中度IQ50以下IQ36以上B2軽度IQ51以上IQ70以下⑶ 知的障害者数知的障害者数については、「令和2年版障害者白書」(内閣府)によると、知的障害児・者の在宅者数が96万2千人、施設入所者数が13万2千人で、合計109万4千人となっています。ただ、この数は主に療育手帳を申請し、取得している人であり、支援の必要性のない人、障害者としての位置づけを避けたい人など、手帳を申請していない人も多くいることが推測されます。また、「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」(厚生労働省)では、在宅者数を年齢別にみると18歳未満の知的障害児が約21万4千人(22.2%)、18歳以上の知的障害者が約72万9千人(75.8%)です。また、障害程度をみると在宅の知的障害児・者のうち、「最重度・重度」が37万3千人(38.8%)、「中度・軽度」が55万5千人(57.7%)、不詳が3万4千人(3.5%)となっています。⑴ 知的障害の概要① 知的障害の定義と障害特性知的障害の定義については様々ありますが、知的障害者福祉法においてその定義は規定されていません。厚生労働省が行った「知的障害児・者基礎調査」(2000)では、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障を生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義されています。知的障害者の障害特性として、人により個人差はありますが一般的に次のことが指摘されています。〇読み書き・計算など言語能力や数処理能力、抽象的な概念の理解が苦手である〇金銭管理、移動などの日常生活面や社会生活能力面に支障がある〇意思疎通能力や対人関係などのコミュニケーション面が未熟である〇新しい環境に適応することや、学習することに時間がかかる等② 主な発生原因知的障害の原因については、先天性の遺伝子・染色体異常、胎児期のアルコール・薬物等による影響、周産期の酸欠状態による脳の損傷、出産後の脳炎や脳の打撲による脳損傷などさまざまですが、原因不明のことが多いようです。⑵ 知的障害の確認と療育手帳知的障害者の確認については、原則として療育手帳によって行われ、児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター等での判定に基づき都道府県や政令指定都市から手帳が交付されます。障害区分の判定基準については、主に知能検査による知能指数(IQ)によりますが、その他身体障害等の重複状況や社会生活能力などを総合的に勘案して判断します。1知的障害者とは第3章 第5節

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