R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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164第3章 障害別にみた特徴と雇用上の配慮第3章 第6節エ 不安障害など 長期の引きこもり等を経験した不安障害の対象者は、自信と自尊感情の低下が重篤な場合が多くあります。その場合は徹底したストレングスモデルが効果を発揮します。 以下の援助方法が効果的です。○ 体験したことはすべて「成功体験」となるように本人にフィードバックする。例:失敗した場合→「これで一つ学べてよかったね」  欠勤した場合→「あなたが我が社にとって重要であることがわかったよ」○ 精神科医療機関にかかっている場合は連携する○ 同じ立場の従業員同士で支え合う・教え合う態勢を作る○ 障害者職業生活相談員は自己の感情をコントロールし、対象者本人を突き放さない○ 成功体験の積み重ねが自信となっていくので、仕事の難易度を上げる場合は小さなステップで異常が出現し、けいれんを起こして意識がなくなって倒れる症状から、一瞬だけ意識がなくなるだけのレベルまでさまざまな発作が出現します。服薬で発作が起こらないレベルから薬で抑えられないレベルまで個人差があります。 てんかんは、発作時のみ障害者であることが特徴です。月に1-2度発作を起こしても1年のうち10数時間だけの障害者といえるでしょう。 発作を起こした場合でも特別な処置は必要ありません。意識がなくなる発作の場合は静かなところに移動させて、意識が戻るのを待ちましょう。意識が戻った後、30分ほど休息すれば仕事に戻れます。頭痛を訴えるときは治まるまでもう少し休ませてあげてください。 希に繰り返し発作を起こす場合があります。このときは救急で医療機関に連絡してください。 てんかん発作だけでなく、認知機能障害をあわせもつ人もいます。その場合は、認知機能障害に沿った対処をしてください。 統合失調症、気分障害、高次脳機能障害などは就職後に発病・受傷することが多くあります。また、統合失調症、気分障害は就職した後に再発することも多々あります。ここでは、休職して職場復帰する際の配慮事項について述べます。⑴ 専門医への受診を勧める 採用後に精神疾患に罹る従業員の多くはうつ病であるといわれています。残念なことに、うつ病の場合は、うつ病の専門医を受診せずに、他科等を受診する場合が多くあります。その結果、症状が悪化し、長期休職になってしまいます。うつ病が疑われた場合、リワークプログラムなど職場復帰支援プログラムがある、または精神保健福祉士が配置されている精神科医療機関への受診を勧めることが職場復帰への近道といえるでしょう。 さらに、地域障害者職業センターには職場復帰支援のプログラムが用意されています。この活用も時期を見て考えます。3長期休業後の職場復帰における配慮⑵ 復職支援体制を構築する 休職となった場合、対象者本人、上司、人事担当者及び産業医などの事業所内支援体制を作ることが大切です。さらに、本人のプライバシーに配慮しつつ、外部の専門家である主治医及びソーシャルワーカー等のスタッフ、就業支援機関のスタッフを加えて、復職支援体制を作ることが効果的です。リハビリ出勤、地域障害者職業センターによる“精神障害者総合雇用支援の職場復帰支援(リワーク支援)”の活用、復職後の職場適応援助者の活用など、さまざまな制度の活用と復職に向けての人的支援を得ることができます。 また、長期休業した場合は、自信や自尊心の低下、長期に休んでしまったという気まずさ、早く戻らなければというあせり、回復度合いの理解が不十分などさまざまな精神的身体的状況を引き起こします。そのため、以下の事項について検討が必要です。① リハビリ出勤の検討 復職して職業生活が再び継続できる状況まで回復したかどうかは、正確には誰もわかりませ

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