R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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166第3章 障害別にみた特徴と雇用上の配慮近年、“知的発達に顕著な遅れはない”“早期発見と適切な診断を行い、適切な対応と環境調整を行うことにより改善が期待できる”という様々な発達障害に社会の関心が寄せられています。このような障害として、学習障害、注意欠陥多動性障害、広汎性発達障害(高機能自閉症等)などがあげられます。決して新しい障害ではないのですが、病因や病態の理解だけでなく“呼称”も変遷してきた歴史があり、診断基準や治療方法の確立という点では、今後の検討課題が大きい障害であるといえます。平成14年に文部科学省は、このような特性のある子どもたちを「通常学級に在籍している」が「特別支援教育を必要とする」子どもたちと位置づけ、学校教育での支援を開始するという方針を打ち出しました。また、平成19年4月からは、「特別支援教育」を法的に位置づけた改正学校教育法が施行されています。この対象者は、平成17年4月から施行されている発達障害者支援法の対象者と重なっています。この法では支援体制の整備や専門家の確保などにより、発達支援、保育、教育、就労支援、その他生1発達障害とは活支援などを進めていくこととされています。⑴ 学齢期の特別な教育支援の対象者     ―文部科学省の調査結果から―「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(文部科学省,2012)は、学習面、行動面(「不注意」又は「多動性-衝動性」と「対人関係やこだわり等」)のそれぞれの著しい困難について把握した調査です。調査結果は、質問紙に記載されたチェック項目に「該当」した項目数が基準として定めた項目数を上回った児童・生徒について集計されています。対象は全国(岩手・宮城・福島の3県を除く)の公立小学校(1~6年)及び公立中学校(1~3年)の通常の学級に在籍する児童・生徒53,882人で、学級担任が記入し、特別支援コーディネーターまたは教頭(副校長)の確認を経て提出された回答です。発達障害の可能性のある児童・生徒が6.5%を占める(図1)という結果ですが、このことが、障害の出7第節発達障害者図1 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある             特別な教育的支援を必要とする児童・生徒Cのみ:0.3%Bのみ:1.3%A+B+C:0.4%A+B:1.5%4.5%3.1%1.1%(文部科学省作成,2012より)B+C:0.7%A+C:0.5%Aのみ:2.9%第3章 第7節

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