R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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169第7節 発達障害者注意欠陥多動性障害(ADHD)をこれに加えている場合があります。最も広い範囲を認める立場では、“社会性に困難がある子ども”をも含めています。これは、主として「教育的な対応が必要な子どもたちの問題を考える」ということを意味していますが、多様な発達障害の特性をどこまで含めるかという問題でもあります。教育用語としての「LD」は広い範囲の多様な学習上の困難を想定しているという見方もありますので、医学で診断されるLearning Disorderが「読字」「計算」「書字」に焦点をあてるのとは対照的です。教育用語として使われている「学習障害」は Learning Disabilitiesを翻訳した時にあてられた用語のうちの1つです。しかし、教育、臨床の関係者をは⑵ 注意欠陥多動性障害(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)(Attention-Deficit/ Hyperactivity Disorder : ADHD)【診断基準:DSM-5】不注意もしくは多動性・衝動性について、発達水準に照らして相応しない不適応症状が長期(6ヶ月以上)にわたって継続した場合に診断されます。下記の表2のうち、不注意については6項目以上で頻発する場合に診断される対象となります。また、多動性・衝動性については6項目以上で頻発する場合にじめとして、保護者も本人も、この用語を適切でないとして「LD」と称する場合が多いのです。「LD」という呼称には、根底に“障害が学習に関する能力の限定的な障害であり、その点について配慮し、その障害の克服を手助けしていけば、健常児と同じように知的な能力を発揮できる”という考え方があります。このような考え方を背景として、「障害児と健常児の間の子ども」「グレイゾーンの子ども」であるために、適切な支援をうけることができないという「学習障害」観が成立することになりました。したがって、義務教育のみならず、高等学校以降の学校教育において特別な教育的支援が充実するに伴い、教育の効果に対する期待が一層高まっているといえます。対象になります。ただし、不注意も多動性・衝動性も、青年、成人(17歳以上)では5項目を満たす場合に診断されます。また、症状は、反抗、挑戦、敵意、または課題や指示が理解できないなどによるものではないとされています。さらに、多動性・衝動性または不注意の症状のいくつかが12歳以前に存在し、障害を引き起こしていること、これらの症状による障害が2つ以上の状況(例えば学校〔または仕事〕と家庭)に存在すること、社会的・学業的または職業的機能を損なっている、もしくは減少させているという明確な証拠が存在しなければ表2 注意欠陥多動性障害の診断不注意多動性/衝動性a)綿密に注意することができない、または、不注意な過ちをおかすb)注意を持続することが困難であるc)直接話しかけられたときに聞いていないように見えるd)指示に従ってやり遂げることができないe)課題や活動を整理することが困難であるf)精神的努力を継続する課題を避ける、嫌う、または、いやいや行うg)課題に必要なものをなくすh)外からの刺激によって注意をそらされるi)日課を忘れるa) 手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじするb) 座っていることを要求される状況でじっとしていられないc) 不適切な状況で、走り回ったり高い所へ上ったり、過度に動き回ったりするd) 過度に大声で騒々しいe) "じっとしていない" または、まるで "エンジンで動かされるように" 行動する。他の人からは落ち着きがなく、じっとし続けるのが困難なように見える。f) しゃべりすぎるg) 質問が終わる前に出し抜けに答え始めてしまうh) 順番を待つことや並んで待つことが困難であるi) 他人の邪魔をしたり干渉する第3章 第7節

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