R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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177第8節 その他の障害者蓄積とその回復に必要な休憩・休日・通院等のバランスが重要です。 例えば、デスクワークならフルタイムで働けたり、立ち作業の軽作業ならパート等の短時間で休日も多ければ働けたりする一方で、同じ軽作業でもフルタイムで週5日の勤務は続けられないという場合があります。一方、運搬や労務作業、長時間の立ち作業等の体力を要する仕事、時間的拘束が厳しく休憩が取りにくい作業、頻繁なトイレや急な体調の変化に対応しにくい顧客との約束の多い仕事等、難病のある人が続けにくい場合がある仕事もあります。ただし、固定的な見方は禁物です。イ 通院や休暇等のための柔軟な業務調整 難病のある人は、最低でも数か月に1回の定期的通院が必要であったり、体調悪化時には早めに休憩や通院が必要であったりします。多くの場合、有給休暇等のスケジュール調整で十分ですが、難病の一部では現時点での医療管理の限界から体調変動が起こりやすく、実際の事例でも、突発休が年に数回でもあると、業務評価や職場の人間関係への影響が大きくなっている状況も認められます。しかし、そのような場合でも、育児中や介護中の従業員の多い職場等、突発休を前提とした引き継ぎを意識した仕事の進め方やチーム担当制が導入されていれば、無理なく仕事を継続できる場合もあります。③ 外見から分かりにくい障害:職場のコミュニケーションの重要性 難病等の症状が悪化した場合の症状は疾病により多様ですが、体調悪化の兆し(疲れ、痛み、集中力の低下等)は疾病にかかわらず共通しています。ただし、そのような体調悪化の兆しは外見からは分かりにくく、本人や主治医から正しい情報を得ることが重要です。難病のある人が必要としている職場の理解や配慮の具体的内容を正しく理解できれば、その実施自体は、我が国の多くの職場では決して難しいことではありません。ア 難病の先入観でない最新の正しい知識 「難病」という言葉の印象や、症状悪化時の症状等の限られた情報から、「働くことが難しいのではないか」といった誤解を生じやすくなっています。症状が悪化した状況での治療や医療の課題と、症状が安定している状況で職場において理解・配慮すべき課題は異なります。 難病についての誤解や偏見は差別の原因となるだ等)、皮膚・結合組織系(神経線維腫症等)、骨・関節系(後縦靭帯骨化症等)、腎・泌尿器系(多発性嚢胞腎等)等、多種多様です。 難病の各疾病の詳細は、難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/)が一般向けに提供しています。イ 難病等による障害への法制度の整備 障害者総合支援法では、難病等を「治療方法が確立しておらず、その診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっており、かつ、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」としており、難病法よりも広く関節リウマチ等を含み361疾病を「難病等」としてサービスの対象としています。 障害者の雇用の促進等に関する法律においても、障害者手帳のある難病のある人が障害者雇用率制度上の障害者であることはもちろん、障害者手帳のない場合でも、難病のある人は、同法第2条における「障害者」にあたり、専門的職業紹介等の職業リハビリテーション全般や障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)の対象であり、障害者差別禁止や合理的配慮の提供義務の対象でもあります。特に、障害者手帳の対象となっていない難病のある人を新たに雇用し配慮を行う企業向けに特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)が設けられています。② 固定しない障害:無理なく活躍できる仕事内容と職場調整の重要性 難病等による障害の最大の特徴は、治療により症状は抑えられているものの、病気が完治していないことによる、全身的疲れやすさ等の体調変動の起こりやすさそのものです。良くも悪くも障害が固定しておらず、医学的な重症度は同程度でも、症状が少なく仕事が問題なくできる場合もあれば、体調が悪化して退職になる場合もあり、それは仕事内容や勤務条件による場合が多いのです。ア 健康管理、通院に無理のない仕事内容や勤務 条件 難病のある人にとって「無理のない仕事」とは、身体的に無理がない、休憩が比較的自由に取りやすい、疲労回復が十分にできる勤務時間や休日、通院のための業務調整が可能ということです。「難病のある人に適さない仕事」といった固定的な見方は適切ではなく、あくまでも、個々の仕事による疲労の第3章 第8節

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