R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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211第4節 障害者に対する差別の禁止・合理的配慮の提供義務第4章 第4節・合理的配慮に係る措置を講ずること(その結果として、障害者でない者と異なる取扱いとなること)。・障害者専用求人の採用選考又は採用後において、仕事をする上での能力及び適性の判断、合理的配慮の提供のためなど、雇用管理上必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ、障害者に障害の状況等を確認すること。3障害者に対する合理的配慮の提供義務⑴ 基本的な考え方全ての事業主は、過重な負担を及ぼすこととなるときを除いて、募集及び採用について、障害者と障害者でない者と均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければなりません。また、障害者と障害者でない者との均等な待遇の確保又は障害者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するため、その特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配慮その他の必要な措置を講じなければなりません。(法第36条の2、第36条の3、第36条の4)指針では、このような障害者に対する配慮に関し、事業主が講ずべき措置として、適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めています。また、合理的配慮は個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のものであり、合理的配慮の提供は事業主の義務ですが、採用後の合理的配慮について、事業主が必要な注意を払ってもその雇用する労働者が障害者であることを知り得なかった場合には合理的配慮の提供義務違反には問われません。⑵ 合理的配慮の提供義務① 合理的配慮の手続合理的配慮の提供に関する手続は以下のとおりです。ア 募集・採用時:障害者から事業主に対し、支障となっている事情などを申し出る。障害者は面接日等までの間に時間的余裕をもって事業主に申し出ることが求められる。採 用 後:事業主から障害者に対し、職場で支障となっている事情の有無を確認する。イ 合理的配慮に関する措置について事業主と障害者で話し合う。ウ 合理的配慮に関する措置を確定し、講ずることとした措置の内容及び理由(過重な負担にあたる場合はその旨及びその理由)を障害者に説明する。採用後について、措置の実施に一定の時間がかかる場合はその旨を障害者に説明する。※ 障害者の意向確認が困難な場合、就労支援機関の職員等に障害者の補佐を求めても差し支えありません。② 合理的配慮の内容採用後に講ずる合理的配慮は職務の円滑な遂行に必要な措置であることから、次に掲げる措置が合理的配慮として事業主に求められるものではありません。・日常生活に必要である眼鏡や車いす等の提供。・中途障害により、配慮をしても重要な職務遂行に支障を来す場合の、当該職務の継続。ただし、当該職務の継続ができない場合には、別の職務に就かせることなど、他の合理的配慮を検討する。合理的配慮の事例として、多くの事業主が対応できると考えられる措置の例として指針において「別表」が定められています。「別表」はあくまでも例示であり、あらゆる事業主が必ずしも実施するものではありません。また、記載されている事例以外であっても合理的配慮に該当するものがあります。(別表の記載例)【募集及び採用時】・募集内容について、音声等で提供すること。(視覚障害)・面接を筆談等により行うこと。(聴覚・言語障害など)【採用後】・机の高さを調節すること等作業を可能にする工夫を行うこと。(肢体不自由)・本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと。(知的障害)・出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること。(精神障害ほか)など

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