R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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213第5節 障害者雇用率制度の概要第4章 第5節を、各事業主が平等な負担で保障するとの観点から、障害者雇用率は、次のような割合を基準として設定することとされています(法第43条第2項)。これは、対象障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会(同時に、一般労働者と同じ水準で失業することもやむを得ない。)を与えることを意味するものです。ただし、除外率制度が設けられているので、除外率によって控除した労働者に対する割合でそれを保障しようとするものです。障害者雇用率は、このように一般労働市場における常用雇用と失業の状態に対応しつつ、対象障害者に雇用機会を保障しようとするものですから、そのときどきの条件によって変化していくべきものでありますが、障害者雇用率が常に変動することは安定性を害するので、少なくとも5年ごとに上述の割合の推移を勘案して見直すこととされています。⑶ 障害者雇用率平成30年4月から、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の施行により、精神障害者が雇用義務の対象となり、精神障害者が障害者雇用率の算定式に追加されました。現行の障害者雇用率は、次のとおりです(政令第2条、第9条、第10条の2)。⑴ 趣   旨事業主は、一定の雇用関係の変動がある場合、つまり労働者を新たに雇い入れ、又は解雇しようとするような場合には、その雇用している労働者中に占める身体障害者、知的障害者又は精神障害者(以下「対象障害者」という。)の割合が一定率(障害者雇用率)以上であるようにしなければならないこととされています(法第43条)。すなわち、対象障害者の雇用は常に一般労働者と同じように確保すべきものとし、原則として事業主は、常態として障害者雇用率を達成・維持すべき義務を有することとされています。なお、義務の内容と関連して、その履行確保が問題になりますが、雇用関係は労使間の信頼に基づく人的結合であり、雇用を刑罰によって実現しようとすることは、必ずしも適切でないので、その義務の違反には罰則(刑罰)は設けられていません。しかしながら、この義務が法的な義務であることには変わりはなく、ただ履行確保の手段として刑罰をとらず、後述の対象障害者の雇入れに関する計画制度等によることとされています。⑵ 障害者雇用率の設定基準障害者雇用率の設定基準は、事業主の社会連帯の理念に適合し、対象障害者に一般労働者と同水準の雇用5第節障害者雇用率制度の概要障害者雇用率= 身体障害者である常用労働者の数+失業している身体障害者の数+知的障害者である常用労働者の数+失業している知的障害者の数+精神障害者である常用労働者の数+失業している精神障害者の数常用労働者数-除外率相当労働者数+失業者数〈注1〉  短時間労働者(一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である常時雇用する労働者をいう。)は、1人を0.5人としてカウント。ただし、精神障害者の特例あり(P218参照)。〈注2〉  重度身体障害者、重度知的障害者は1人を2人としてカウント。短時間重度身体障害者、短時間重度知的障害者は1人を1人としてカウント(P218参照)。1障害者雇用率制度

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