R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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22第1章 障害者雇用の理念と現状のに必要な条件です。③ 職務との適合:ある職業群や職務に就いてそれを維持する可能性を明らかにするのに必要な情報です。ある職務を遂行するうえでの必要条件でもあります。こうした視点は、働きたいという障害者を観察してそれを支援する場合に重要です。障害のない人の多くは、「職務との適合」の領域に限定した評価で済むことが多いのですが、障害のある人、特に、知的障害や精神障害の人たちの場合には、「職業準備行動」と「社会生活の遂行」の領域で問題となることが多く、それに対する支援が必要だからです。このことは、職場で不適応となって退職する原因の多くは、職務の適合にかかわる能力よりも、職業人としての基本的な要件が未熟なことからも明らかです。ソナリティ」といわれます。これは、特定の職業や職場に限定されない、職業生活の全体を通して形成される職業人としての基本的な特性です。発達の過程を通して形成され、仕事を効果的に行うのに必要な適性や行動や価値観や能力などの側面が含まれ、仕事を探したり、それに従事して適応する過程で大きな影響を及ぼします。その具体的な条件を示したのが、図3です。ここでは、個人特性を「社会生活の遂行」「職業準備行動」「職務との適合」から構成される階層構造とみなしています。それぞれの内容は、次のとおりです。① 社会生活の遂行:地域社会の中にあって役割を果たして日常生活を行うのに必要とされる、最小限度の個人的な条件を網羅したものです。② 職業準備行動:どのような仕事に就いても共通して要請される、職業人としての役割を遂行する図3 個人特性の階層構造第1章 第2節

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