R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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26第1章 障害者雇用の理念と現状⑵ 地域ネットワークの育成こうした就労の継続、あるいは、人生の様々な出来事を乗り越えさせるための支援は、単独の組織や機関の提供する機能だけで応えることは、実際には、非常に困難なことでしょう。それゆえ、障害のある本人や家族ばかりでなく、事業所も安心して種々の相談や実際的な協力の得られる支援体制を整えることが重要です。特に、事業所の努力限界を超える課題に対しては、労働関係の機関に限らず、特別支援教育や保健福祉関係の諸機関や施設を含む地域の様々な社会資源が総合的に対応する、地域支援ネットワークによる支援体制の構築が必要となります。支援機関や担当者は、自組織や機関の提供する機能の限界を知り、その分、地域の社会資源や地域ネットワークと協働することによって、そうした限界を乗り越えることが求められています。こうした、就労支援に向けた支援ネットワークは、最近、福祉・保健・医療・教育などの分野と雇用・就労支援機関が連携した体制が、各地でつくられつつあります。さらに、労働組合・経営者団体・特例子会社等の事業主、企業の人事労務担当者、障害者の就業支援機関の職員、福祉や教育現場の就労担当者、行政関係者など、幅広い領域のメンバーが参加した、地域の社会資源の全体を巻き込んだ地域ネットワークの形成も進みつつあります。共生社会の実現に向けた支援は、障害者個人のニーズに対応したライフステージの全段階を通じて総合的にかつ適切な支援が求められています。それゆえ、生涯のライフステージに応じた長期的な展望に立った支援と、それを維持するための、地域における雇用支援のためのネットワークが、これからも、ますます大切になってゆくことでしょう。(松為 信雄)第1章 第2節

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