R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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54第2章 障害者の雇用管理上の留意点第2章 第3節表4 障害別の専門機関外部の支援機関名支援内容(例)どんな時に活用すればいいか問い合わせの際の留意事項発達障害者支援センター発達障害者の相談支援機関。発達障害の特性についての情報提供や対処法について助言してくれる。発達障害者の特性や対処について知りたい時当初は、企業就労を直接支援する機関を通じた方がスムーズにいくことが多い。難病相談・支援センター難病者の相談支援機関。難病の特性についての情報提供や対処法について助言してくれる。難病者の特性や対処について知りたい時精神保健福祉センター精神保健福祉の相談機関精神障害者の特性や対処について、またメンタルヘルスについて情報を得たい時高次脳機能障害者支援拠点機関(高次脳機能障害者支援センター等)高次脳機能障害者の医療から就学・就労に関する総合相談窓口機関高次脳機能障害の特性や対処について知りたい時当初は、企業就労を直接支援する機関を通じた方がスムーズにいくことが多い。リハビリテーション病院に設置されている場合が多く、研修会やセミナーを企画しているところもある。(岩佐 純)♢◆◇ 支援機関を活用し担当者に心のゆとりを ◇◆◇……障害者就業・生活支援センターの活用により関係修復が図れた事例……相談者 Aさん 株式会社○○ 障害のある方の現場での指導担当者対象者 Bさん 30代女性 精神障害者保健福祉手帳2級 発達障害 Aさんより障害者就業・生活支援センター(以下、センターという。)に相談がありました。共に働くBさんの対応に行き詰まり、このままでは雇用継続が難しいとの内容でした。「集中力を欠く」「出勤するとすぐに体調不良を訴え休憩を求める」という状況が続いていました。また、このような状況が続くことにより他の社員が不満を持ち、職場での人間関係も悪化していました。 会社がセンターから支援を受けることについて、AさんからBさんに説明を行い、同意を得ることができたので支援を開始しました。センターの支援員が職場を訪問し、Aさん、Bさん双方より聴き取りを実施し状況を確認したところ、職場において「発達障害」の障害特性が十分共有されていないことが分かりました。そのことでBさんの行動の理由を周囲の方が理解できず、Bさんへの評価が下がっていることが考えられました。そこで、Bさんの特性に合った職場での指示の出し方や、周囲の対応の仕方などの改善を試みることを会社に提案しました。 支援員は職場に1か月に1度訪問してBさんと定期面談を行い、困りごとの相談を聞き取り、具体的な対応方法の提案、また1か月間の取組みの振り返りを行うことにより、トライ&エラーを繰り返しながらも徐々にBさんの状態は安定していきました。このことに伴い、周囲のBさんに対する評価も良くなりました。それまでの追い詰められていた状況が改善したことにより、Aさんにもゆとりが生まれました。Aさんは余裕を持ってBさんに接することができるようになった結果、それまでは気づかなかった長所に気づくことができるようになり、好循環が生まれました。 その他にも、好きなスポーツチームに肩入れしすぎることでSNS上でトラブルが起きていることが分かりました。SNSにおけるトラブルについては、アカウントを整理する本人の取組をサポートし、改善を図りました。生活面での不安が減少することにより、Bさんの勤怠は大幅に改善されました。 支援スタート当初は契約更新が難しいと言われていたBさんですが、今では自信を持って業務にあたり、職場に欠かせない存在として活躍しています。

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