R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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66第2章 障害者の雇用管理上の留意点務形態の中から、それぞれ本人の障害の特性と程度に合った労働条件を選択します。 障害者を雇用するうえで、労働条件をどう設定し、働きやすい環境とするかは重要な問題です。多様な勤⑴ 労働条件の明示義務と法令等の周知義務① 労働条件の文書による明示 障害者との労働契約は、基本的には通常の労働者の場合と変わりありません。ただし、障害を考慮して通常の労働者と異なる環境、条件を取り決めた場合は、本人にそのことを十分説明し、個別契約としておくことが必要です。この場合、その合意の内容が労働条件となります。また、それは就業規則を下回ることはできません。 契約の当事者は、あくまでも労働者本人と事業主(使用者)です。内容が理解しにくい知的障害者には、やさしい文章とし、フリガナをつける等工夫した文書を作成し添付するとよいでしょう。また、保護者にも内容を確認していただき、副署名を求めておくことをお勧めします。 労働条件の明示は、次の事項について書面により行うことが必要です(労働基準法第15条)。ア 契約期間イ 有期契約を更新する場合の基準ウ 就業場所及び従事すべき業務エ 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇オ 賃金の決定、計算及び支払い方法、賃金の締切り及び支払いの時期、昇給に関する事項カ 退職に関する事項② 法令等の周知義務 「労働基準法」と「関係法令」の要旨、「就業規則」のほか、「労使協定」並びに「労使委員会の決議」を、次の方法により労働者に周知しなければなりません。内容が理解しにくい障害者に対しては、わかりやすく表現する等の配慮をするとよいでしょう。ア 常時、各作業場の見やすい場所に掲示または備え付けることイ 書面により交付すること1労働契約ウ CDやパソコン等に記録し、労働者が内容を常時確認できる方法や社内LAN等を整備すること⑵ 雇用・勤務形態の多様化と障害者雇用 障害者の雇用も基本的には通常の雇用と同じと考えてよいのですが、障害の種類、程度により、同一場所、一斉就業、一斉休憩、フルタイム勤務等にこだわらず、本人とよく相談し、本人に合った雇用・勤務形態からスタートします。時には、よかれと考えて決めた、期間の定めのない正社員という条件が重荷になることもあります。移動障害のある肢体不自由者、視覚障害者については、在宅勤務の可能性も検討します。また、精神障害者、重度障害者、就労経験のない障害者等を雇い入れる場合等、適応が難しいと予想される場合は、ハローワークに相談し、障害者トライアル雇用制度を活用されることをお勧めします。 担当業務と作業環境、人間関係も考慮して、定着へ近づけます。 本章第2節の2「多様化する雇用形態と就業組織形態」もあわせてご参照ください。5第節賃金・労働時間等の条件第2章 第5節

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