R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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76第2章 障害者の雇用管理上の留意点ようなものか、通勤や職場での介助が必要かどうか、助成金の対象となるか等について助言を行っています。⑸ 職務・役職・賃金の検討 1〜3ヶ月の慣らし期間を経たあと、関係者で協議し、配属部署と復職後の職務、役職(役割)、妥当な賃金を決め、本人と話し合います。 職務内容が大きく変わる場合や新しい職務につく場合には、徐々にレベルアップする等の配慮も必要です。また、賃金の見直しが必要となる場合もあります。 環境整備には助成金の活用も考慮して雇用継続の方向で検討します。 そのほか、障害の種類や程度、具体的な支援方法、通勤、通院への配慮事項についても本人に相談し、確認しておくとよいでしょう。⑹ 勤務時間・通勤方法の配慮・在宅勤務 復職に先立ち、通勤のリハビリテーションを始めます。最初はラッシュ時を避け、通常どおりの通勤が可能かどうか確認します。長い療養生活から復帰する場合は、最初は苦痛も伴い、疲れることもありますが、徐々に慣れて体力にも自信がついてきます。 通勤を容易にするために、会社側の対応が必要となるケースもあります。例えば、車いす使用の障害者に自家用車通勤を認めるときは、駐車場スペースは通常の1.5倍の幅が必要です。事業所の駐車場が使えるか、事業場の入口までの通路、スロープ等の改善、エレベータの設置、トイレの改造等も検討します。 いずれの場合も「…だろう」と決めつけず、本人に確認しながら計画し、助成金の対象となるかどうかも併せて検討します。 通常の出勤時間帯の通勤が困難な場合は、フレックスタイム、出勤時間の繰り上げ繰り下げ、勤務時間のスライド等で対応します。一般従業員への対応も含めて就業規則に規定しておくとよいでしょう。 必要な場合は、短時間勤務のほか在宅勤務も併せて検討します(本章第5節3の(2)⑤在宅勤務者の項参照)。⑺ 職場への啓発・理解 職業生活を円滑に遂行できるかどうかは、日常生活における家族の支援、公共施設や交通機関のバリアフリー等環境の整備状況が重要な要素になりますが、職場における障害に対する理解等、障害者を支援する人す。  身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持つことは、国や地方公共団体の支援を受ける条件になります。身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるときには、市区町村独自の支援サービス、地域での生活支援サービスについての情報も得ておくようアドバイスします。  《相談窓口:居住地市区町村 福祉事務所》  本人が身体障害者手帳又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けたことを企業が把握している場合は、人事担当者が直接写しの提出を依頼し、事業所で保管します。  なお、本人に身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の写し等の提出を求める場合は、企業が障害者雇用率制度等の適用を受けるためである旨をよく説明し、利用の目的と範囲を明らかにして本人の意に反したものにならないよう配慮することが必要です。  障害の状態に変更のない限り毎年度利用すること、有効期限、障害の程度等に変更がないか確認することがあること等、変更のあったときの届出方法も併せて説明しておくとよいでしょう。  厚生労働省が策定した「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」(資料編第6節参照)を参考としてください。《相談窓口:ハローワーク》⑷ 職業リハビリテーションサービス 中途障害の場合、本人の得意とする分野や、今までのキャリアはわかっているため、本人の希望も考慮して新たな担当業務を決めて試してみます。障害の特性や程度に見合った業務であるかどうかは実際にやってみなければわかりませんので、少なくとも複数の業務に付けてみます。新業務を決められない場合や社員向け啓発・研修を計画する場合には、障害の特性や適応業務について数多くの事例を持ち、障害者雇用支援の専門家である障害者職業カウンセラーが配置されている地域障害者職業センターに相談し、助言を得るとよいでしょう。 地域障害者職業センターは各都道府県にあり、ハローワークと連携して障害者向け及び事業所向け相談や支援を行っています。例えば、復帰に向けた職業リハビリテーション計画を障害者自身が主体的に立てることができるよう復職前から支援を行うほか、事業所に対して、作業を容易にするための施設・設備はどの第2章 第6節

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