R3障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト(デジタルブック版)
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80第2章 障害者の雇用管理上の留意点作業管理にはより一層注意を払わなくてはなりません。作業環境管理とは、作業環境測定などによって、作業環境中の有害な因子を把握して、できるかぎり良好な状態を保つよう管理することです。障害者にとって好ましい作業環境は、障害のない人にとっても良い環境となります。障害の有無にかかわらず、すべての労働者がよりよい作業環境のもとで働けるようにすることが求められています。以上の労働衛生3管理に加えて、総合的な労働衛生対策を効果的に進めるためには、産業医や衛生管理者等が連携するとともに、安全管理さらには生産管理と一体となって行われる必要があり、そのために総括管理があります。さらに、労働衛生教育によって、労働衛生管理体制や労働衛生3管理についての、労働者の理解を深めることが大切です。以上の労働衛生3管理ないし5管理に加えて、障害者自身による自己管理が求められます。障害者は、医療機関や職業訓練機関等において、自身の障害について理解し、健康の自己管理ができるよう、さまざまな教育や指導を受けています。事業場は障害者の自己管理を尊重し支援するとともに、相互に協力して健康と安全を組み立てます。また、十分に自己管理できない障害者には、適切な指導や見守りを行って、健康管理に努めます。なお、健康や障害に関する個人情報に接する職員は、業務を通じて知り得た秘密を守らなくてはなりません。また、病歴や障害に関する情報は要配慮個人情報に該当するので、事業場が、個人情報保護法に則って責任を持って厳重に管理しなくてはなりません。障害者の就業とその継続には、健康と安全の確保がきわめて大切です。障害者がその持てる能力を十分に発揮し、障害のない人とともに同じ職場で働けるようにすることは、ノーマライゼーションが目指す成熟した社会の証です。しかし、障害者の就業に際しては、障害が進行したり、原疾患が悪化したり再発したりするかもしれないという不安が付きまといます。そのため、障害者を新たに雇用するときや、新たに障害を負った職員が復職するときには、雇用後の生活全般において、障害者の健康と安全をどのように確保し、それを維持していけばよいかが大きな問題となります。労働と健康を両立させるためには、「健康管理」「作業管理」および「作業環境管理」からなる「労働衛生3管理」が重要です。これに「総括管理」と「労働衛生教育」を加えて、労働衛生の5管理とすることもあります。これらは、障害のある人にもない人にも同じように重要な基本的事項です。このうち健康管理とは、労働者ひとりひとりの健康状態を、法に定められた定期健康診断などによって直接チェックし、異常を早期に発見したり、その進行や悪化を防止したり、さらには、健康を回復するための医学的および労務管理的な措置を講じることです。障害者の健康管理においては、すでにある障害の特性や程度をよく把握した上で、障害の原因となった疾患の管理や二次障害の予防に努めなくてはなりません。一方、作業管理とは、環境の汚染や有害要因のばく露を防止するとともに、作業負荷をできるだけ軽減するような作業方法を定めて、それが適切に実施されるように管理することです。とくに、障害のない人には適切な作業方法であっても、障害者にとっては有害であったり負荷が過剰になったりすることがあるので、7第節障害者の健康と安全事業場の健康管理体制は労働安全衛生法によって定められており、事業場の規模や業種によって若干の違いがあります。一定の業種の一定規模以上の事業場では、事業を実質的に統括管理する者を総括安全衛生管理者として選任し、その者に安全管理者、衛生管理者を指揮させるとともに、産業医を選任し、専門家とし1基本的な考え方2さまざまな健康管理体制のなかでの取組み第2章 第7節

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