令和4年度障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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◇ 聴覚・言語障害者の雇用事例(運輸業)140手話のできる社員がいない中、聴覚障害者をトラックドライバーとして採用した当初は、手振りや筆談により対応していたが、業務の指示内容が確実に伝わっているか等不安が生じていた。そのため、会社用のスマートフォンを整備し、業務上の相談を管理職と直接やりとりできる体制を作った。またSNSで聴覚障害のあるドライバーのグループをつくり、出勤状況の確認、点呼、体調管理、情報交換などのコミュニケーションを図った。聴覚障害があるドライバーは一見すると障害のあることがわからないため、顧客の理解が得られるように、幹部社員が顧客先に同行し挨拶をしたり、車に貼付する聴覚障害者を表す標識(聴覚障害者マーク)を名刺にも入れ理解を求めている。また、電子メモパッドを携帯し、配送先でのコミュニケーション手段として活用することで、トラックドライバーとして活躍している。~障害者雇用職場改善好事例の入賞事例から~〈注1〉職場定着の推進については、障害者職域拡大マニュアルNo.9「聴覚障害者の職場定着推進マニュアル」を参考にしてください。また、実際の企業内の取組みでは、DVD「みんな輝く職場へ~事例から学ぶ合理的配慮の提供~」もわかりやすく解説しています。〈注2〉聴覚障害の特性を踏まえた職場における配慮については、コミック版3「聴覚障害者と働く」、障害者職域拡大マニュアルNo.9「聴覚障害者の職場定着推進マニュアル」を参照するとよいでしょう。Q&A【問】聴覚障害者とのコミュニケーションにあたっては、特定の方法のみにこだわることなく、多様な方法を検討することも重要である。(解答と解説はP348に記載しています)(聴覚障害者マーク)聴覚障害者標識

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