令和4年度障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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 昭和35年7月に身体障害者雇用促進法が制定されてから、60年が経過しました。この間、昭和51年には身体障害者雇用の努力義務から義務化及び雇用納付金制度の創設が行われ、また昭和62年には、法適用対象の拡大や、職業リハビリテーション体制の充実・強化が図られ、法律名も「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下「法」という。)と改められました。その後も数次の法改正を重ねていますが、平成27年4月からは雇用分野における障害者に対する差別の禁止と障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供)が義務化され、平成30年4月からは精神障害者が法定雇用率の算定基礎に加えられ、法定雇用率が引き上げられました。また、令和3年3月からは、法定雇用率がさらに引き上げられました。 このように障害者雇用に関する各種制度の充実、強化が図られる中で、民間企業の令和3年6月1日現在の障害者の雇用率は2.20%となり、雇用障害者数は597,786.0人と過去最高を更新しました。 しかしながら、障害者の雇用に当たっては、職業能力の把握、障害特性に応じた職域の確保・開発、作業施設の改善等、特別な雇用管理など配慮すべき点があり、障害者を直接雇用する場を提供する事業主の方の中にはこれらについての疑問や不安などをもたれる方がいらっしゃるものと存じます。 本書は、障害者職業生活相談員(法に基づき、5人以上の障害者を雇用する事業所では、障害者の職業生活全般についての相談、指導を行うために選任が義務づけられています。)を対象とする資格認定講習のテキストであり、事業主の方の疑問や不安などに応えることができるよう、障害者雇用に関する理念、障害者の雇用管理、障害の特性、各種支援施策等の幅広い内容について、各種障害者問題に携わる専門家、学識経験者等のご協力を得ながら編集しています。企業において雇用管理の実務に携わる方々にとって、障害者雇用に関する必要な知識やノウハウ等の情報を得るための入門書としても広く活用していただき、障害者の雇用の促進とその職業の安定の一助となれば幸いです。 令和4年5月は じ め に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

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