令和4年度障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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3車いす使用者、歩行困難者等身体障害者への配慮90車いす使用者は、わずかでも段差があると移動が困難となります。段差は最大でも5cm以下とされていますが、前輪(キャスター)の大きさを考えると2cm以下が望ましいです。ところが、歩行困難者(高齢者や杖使用者)は、数センチメールの段差よりも、こうした数ミリメートル建築基準法に定められたスロープ勾配の上限は1/8(平面で8m走行して、1m上がる勾配)です。しかし、このような急なスロープは上肢・体幹に障害がない、若い車いす使用者でも昇ることはできません。…表1のように最低でも1/12、できれば1/15、屋外では1/20程度が必要です。もう一つ重要なことは、ス程度の段差において転倒する例が多くあります。段差はできるだけなくすか、なくせない場合は、注意喚起のためにも手すりを取り付ける必要があります。基本的な通路幅は、車いす使用者の通行を考えれば、最低90cm、歩行する人とすれ違うなら120cm以上は最低限確保すべきです。ロープの始まりと終わりの部分に、必ず水平部分を設置することです。スロープを降りてから、すぐに道路に出るような位置に設定することはたいへん危険です。① 一般的な多機能トイレ(内法200cm×200cm)車いすトイレとよくいわれます。子ども連れ、ストーマ使用者やその他一般トイレでは不便を感じる⑴ 段差 可能なら段差はなくす⑶ スロープ(傾斜路)図1 出入り口、廊下等の通路幅の考え方(  )内は最低基準図2 多機能トイレ(車いす使用者用便房)⑵ 屋内の通路の有効幅員(基本)(図1)⑷ 多機能トイレ(車いす使用者用便房)(図2)出入口の幅90cm(80cm)廊下幅(120cm)車いす使用者と立位歩行者がなんとかすれ違える廊下幅(180cm)車いす使用者2名がすれ違える車いす使用者が転回できる最小限スペース

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