令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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3外部の支援機関の活用⑴ 課題に応じて、外部の支援機関を活用する⑵ 活用できる外部の支援機関と支援内容図1 職業生活を支える構造と支援機関98本社に企業在籍型ジョブコーチを配置しているが、全国の各事業所で障害者を雇用しているため、各事業所に配置された障害者職業生活相談員が現地での相談等を行っている。ジョブコーチは、相談員からの問い合わせに応じて支援策を提案したり障害者社員との訪問面談を行うなど、相談員と協力して支援を行っている。また、ジョブコーチが相談員を対象とした研修会を開催し、支援に有効な情報(関係法令、障害特性、支援技法など)を伝えるほか、具体的なケースに関するディスカッションも行っている。これにより、相談員が過度に負担を感じることなく、社内のナチュラルサポートを形成することを目指した取組となっている。  そのような時、助けになるのが本人の特性をよく理解している外部の支援機関です。外部の支援機関からは、「何かあったら、いつでも連絡して下さい。」と言われることが多いですが、早期発見、早期対応につなげるために、具体的にどのような言動が見られた時に連絡すればいいのか確認しておくことをおすすめします。体調不良による休みが月に3回以上になった時、自分のミスを認めず人のせいにするような言動が見られた時等会社側から連絡する基準が予め分かっていれば迷わず早期に連絡できます(Q&A【問8】(P105)にチャレンジ)。 図1右側のように職業生活は日常生活や医療的ケアに支えられています。病院等も含めて考えると、人によっては多数の支援機関が関わっている場合もあります。一見、職業生活が安定しているように見えても、日常生活の乱れや医療的ケアが不十分だといずれ職業生活にも支障が出ます。 しかし、支援機関と言っても障害者○○支援センター、○○障害者センター等似たような名称のものも多く、どこに連絡すればいいのか迷ってしまうことが多いようです。 ここでは、外部の支援機関を大きく①企業就労を直接支援する機関、②生活面を中心に支援する機関、③医療・保健機関、④障害別の専門機関に分けて説明します。 企業にとっては①が最も身近な存在ですが、支援機法人企業就労を直接支援する機関生活面を中心に支援する機関医療・保健機関訓練等給付就労移行支援地域生活支援事業事業職業生活日常生活医療的ケア就業・生活支援事業◇◆◇企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)の活用事例◇◆◇ ① 自ら孤立しないようにする  雇用管理のコツの一つに「孤立させない、孤立しない」ということがあります。孤立させないとは障害のある従業員はもちろんですが、指導する担当者を孤立させないということです。孤立しないというのは会社自体が孤立しないということです。従業員が休みがちになる、作業のミスが目立つようになる等になった場合、その原因が職場にあることがはっきりしていれば職場で解決を図ることになりますが、原因がはっきりしなかったり、明らかに家庭に原因がある時には外部の支援機関を活用することで早く問題が解決したり、障害のある従業員、事業所側ともに解決への負担が少なくなったりします。② 早めの対応が重要  早期発見、早期対応が重要なことは、職場定着にもいえます。しかし、何を基準に早期に対応すればいいのでしょうか。極端な変化でもあれば発見も容易ですが、徐々に変化したりまたは良くなったり悪くなったり波がある場合はどのように考えたらいいのでしょう。~企業在籍型ジョブコーチ活用好事例集から~

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