104相談者 Aさん 株式会社○○ 担当課長対象者 Bさん 20代男性 …軽度知的障害 自閉傾向ありAさんより障害者就業・生活支援センター(以下センターという。)に障害者雇用に関する相談がありました。これまで特別支援学校から採用した経験はあるが、中途採用の経験が無く、どのように進めれば良いかとの相談でした。まずはセンターのスタッフが職場訪問させていただき、業務内容や職場環境の確認を行いました。訪問により得た情報を地域の就労系福祉サービス事業所と共有することに同意をいただき、希望者を募りました。そのなかで、就労移行支援事業所からBさんの推薦を受けたため、Bさんと就労移行支援事業所の職員とで職場見学を実施しました。Bさんの住所は職場にも近く、また以前に力仕事をしていたため、今回の業務も十分に可能ではないかとの考察に至りました。本人も「働きたい」と意欲を示したため、職場実習を実施しました。実習に際しては、事前にBさんの紹介シートを作成して、実習先において共有してもらいました。【紹介シートの内容】〇Bさんの得意なこと、苦手なこと〇Bさんの障害特性および必要な配慮事項(合理的配慮)〇Bさんに対する具体的な対応方法〇Bさんの人柄・趣味などシートを事前に共有することにより、共に働くスタッフの不安を解消することができました。また、実習期間も引き続き、就労移行支援事業所の職員がBさんのサポートを行ったため、スタッフがBさんとの関わり方で疑問に感じたことなどについて、適切に助言をもらうことができ、安心して雇用することができました。就労後は、本人が通所していた就労移行支援事業所の「就労定着支援事業」を利用し、就労に伴う「生活面」の支援を受けることとなりました。就労定着支援事業は最長3年間利用することが可能な事業になります。職場での支援は、会社のスタッフに移行していきますが、就労後の生活支援については、就労定着支援事業所がマネジメントしてサポートします。「お金の管理」「一人暮らしの希望」「人間関係に関する悩み」など、対象となるサポートは様々です。Bさんの場合には、SNSでの人間関係に悩み「業務に集中できない」「遅刻・欠勤」が増加するという状況になりました。就労定着支援事業所のスタッフが、地域の生活支援機関と連携しサポートにあたり、業務中の集中力低下や勤怠の不安定さは改善されました。就職後の3年間は、生活面の変化が特に大きくなります。この期間に支援機関のサポートを受けることにより、その後の安定した就労に繋がると言えるでしょう。◇◆◇障害者スタッフの生活面の支援について◇◆◇ …就労移行支援事業所・就労定着支援事業の活用事例…
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