⑴ 障害特性に応じた就労支援機器4障害者雇用に係る就労支援機器の活用♢◆◇ 医療機関への同行により状況説明をサポート ◇◆◇……医療機関との連携事例……① 視覚障害向け支援機器相談者 Aさん 株式会社○○ 障害のある方の担当者対象者 Bさん 30代女性 統合失調症 Aさんより障害者就業・生活支援センター(以下センターという。)に、雇用している障害者スタッフBさんの件で相談がありました。 2か月前に入社したBさんが、最近不安定になることが多いとのことでした。まずは事業所に訪問し状況を確認することが必要と判断しました。Aさんを通じてBさんにセンター支援員が訪問することについて同意を得たのち、聴き取りを実施しました。Bさんの様子としては疲れ易く、被害妄想的な発言が増えているということでした。就職して2か月ということもあり、環境の変化に伴い調子を崩したのではないかと推測しました。そこで、医療機関への相談を提案しました。Bさんは、ご自身の状況を主治医に伝えることが苦手な様子だったので、受診時に支援員が同行することについて提案し、同意いただきました。あわせて、受診に同行したい旨を医療機関に相談しました。 受診の際に、職場での様子等について主治医へ伝え、診療の参考にしてもらいました。主治医の説明から、就職直前に薬の処方の見直しに伴い、薬を減らしていたことがわかりました。環境の変化等のストレスが大きいとの判断になり、頓服薬が処方されました。職場で調子が悪い時に服用するよう指示が出て、現在試行中です。 Bさんご自身が、主治医に上手に自身の職場での様子を伝えることが難しかったことから、支援員が受診に同行し説明を行いました。その結果、主治医が職場でのご本人の状況を具体的に知ることができ、処方箋が見直され、本人の安定につながりました。就労支援機器とは、障害者が業務を行う上での作業を容易にし、効率的に業務を遂行するために必要な機能を備えた機器のことです。例えば、視覚障害者を対象とした拡大読書器、画面読み上げソフトや、聴覚障害者を対象とした補聴支援システム(集音システム)など、それぞれの障害特性に合わせた機器が多くあります。また、テクノロジーの進化とともに支援機器も進化し、就労の現場で役立つ場面が増えています。携帯型拡大読書器Q&A【問8】障害のある社員の問題は全て自社内で解決すべきである。(解答と解説はP289に記載しています)据置(卓上)型拡大読書器視覚障害者が職場で使用する機器として、主に視覚的な文字情報を拡大したり、音声で読み上げて支援する機器があります。ハードウェアでは、印刷物や写真などを拡大したり背景と文字色のコントラストを高くしたりする拡大読書器、パソコン画面の情報を点字情点字ディスプレイ画面読上げソフト(藤尾 健二)105
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