令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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③ 肢体不自由向け支援機器106報に変換して表示する点字ディスプレイなどがあります。ソフトウェアでは、パソコン画面の文字情報を音声で読み上げる画面読上げソフト、パソコン画面の情報を拡大する画面拡大ソフト、スキャナで印刷物などを読み込ませ文字情報を音声で読み上げたり、拡大読書器と同じように印刷物や写真を拡大するなどの機能を併せ持つ活字音訳・拡大読書ソフト(OCRソフト)などがあります。その他にも、様々な機器等が開発されており、障害の状態及び従事する職務に応じて組み合わせて使うことができます。② 聴覚障害向け支援機器補聴器などを用いて音声によるコミュニケーションを図れる聴覚障害者を難聴者といい、障害を受けた部位によって「伝音性難聴」と「感音性難聴」及び両方が混じった「混合性難聴」とわけることがあります。「伝音性難聴」の場合は、音声を拡大する機器や補聴器を使用することで補聴効果が表れやすいですが、肢体不自由者が職場で使用する機器として、主にパソコン操作を支援する機器があります。例えば、音声により文字入力やアプリケーションを操作する音声認識ソフト、キーボードやマウス操作を支援する補助具、ノートパソコンを楽な姿勢で操作できるよう傾斜などを調整できるパソコン周辺機器、キーボードやマウスを使いやすくするパソコンのアクセシビリティ機能などがあります。補聴支援システム簡易卓上パーテーション「感音性難聴」の場合は、聴神経に障害を受けるため明瞭に聞き分けることができないといわれています(第3章第3節1(1)参照)。難聴者が職場で使用する機器として、主にコミュニケーションを支援する機器があります。例えば、電話でのコミュニケーションを支援する電話関連機器、テレコイル対応の補聴器、人工内耳などに音声を直接伝える補聴支援システム、音声により文字入力やアプリケーションを操作する音声認識ソフト、対話支援スピーカー、離れた場所でも業務上の連絡事項や緊急時の連絡などを光信号やバイブレーションで知らせる携帯型無線呼び出しシステムなどがあります。また、上記の支援機器以外にも筆談支援機器やメールのような電子データでのやりとりなど、さまざまなコミュニケーション方法があります。活用場面や本人の意向に応じて柔軟に支援機器の活用を検討していくことが大切です。また、職場内の設備への配慮として、受話器を使用しなくても電話の発信・受信ができるハンズフリー電話機、主に車いすを使用する方で作業にあわせて高さを調整できる上下昇降デスクなどがあります。④ 知的障害・精神障害・発達障害向け支援機器知的障害者・精神障害者・発達障害者が職場で使用する機器として、主に周囲の過剰な刺激を軽減し作業環境の改善する機器があります。例えば、視覚的な刺激を遮断し、作業に集中できる環境を作るパーテーノイズキャンセリングヘッドホン対話支援スピーカー

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