令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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② マイクロカウンセリングの基本的な関わり技法表1 マイクロカウンセリングにおける基本的な関わり技法決まりはありませんが、お互いが圧迫感を感ずるほど近すぎず、かといって遠すぎない距離が望ましいでしょう。次にクライエントと相談員の座り方についても、考えてみましょう。テーブルなどを利用して相談を行う場合、座り方には下図に示すように何種類かあります。図5は最も一般的な相談場面における座り方でしょう。相談員とクライエントは相対し、相談を進めまそれでは、相談場面における具体的な相談員の応答の技法に焦点をあてていきましょう。アレン・アイビイという研究者は、カウンセリングの流派には様々なものがある中で、各流派に共通して求められるカウンセリングの応答技法について、「マイクロカウンセリング」としてまとめ、カウンセリング技術を学ぼうとする人のために、カウンセリング技術の習得の手順についても提唱しています。ここでは、基本的な技術か技法名①基本的関わり行動非言語的なコミュニケーションを相②-1繰り返し②-2要約③-1開かれた質問内容談にふさわしいものにする。クライエントの発言を相談員がそのまま繰り返す。クライエントの発言・説明を簡潔にまとめ、確認をする。答え手が自由に応答することができ回答が長くなり内容も様々なものとなりうる質問(英語で言えばwhatやhowで始まるような質問)す。ただし、クライエントによっては相談員と正面に向かい合うことや、また視線が合いやすくなることで圧迫感を感じる人もいるかもしれません。場合によっては、図6のように90度の位置で相談を行うという方がよいかもしれません。また、図7のように横に座り相談を行うという方法もあります。この場合、相手の顔がお互いに見にくくなりますが、視線が合いにくくなりますので、最も圧迫感を感じにくくなるかもしれません。ら順に紹介していきます。いずれの技法も、「話をよく聞いてもらっている」という印象をクライエントに与える役割を持ち、信頼関係の構築や、クライエントの自己理解の促進にも有効な技法です。表1に各技法の概要を示します。なお、どんな内容や流れ・ペースであったとしても、特に初心者のうちは以下に示す基本的な技法を意識的に用いるとよいでしょう。・視線を適切に合わせる・相談にふさわしい姿勢・表情・身振りをする・相談にふさわしい口調で対応する・相槌を適切なタイミングで行う(「はい」「えぇ」「なるほど」「そうなんですね」)ク:「○○ということで困っているんです・・」相:「○○でお困りなんですね」「○○で困っている・・・」「あなたが言いたいのは○○ということですね。」「○○とはどういうことですか?」「□□はどうなっているのですか?」具体例111相談員図5テーブルクライエントクライエント相談員テーブル図6クライエントテーブル相談員図7

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