第1節 障害者雇用の理念と障害者雇用対策の動向17Q&A【問1】合理的配慮指針では、すべての事業主を対象に、募集・採用時や採用後において、過度な負担にならない範囲で合理的配慮を提供しなければならないことなどを定めている。(解答と解説はP289に記載しています)「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」が成立・公布されました。障害者雇用促進法の主な改正内容は、事業主の責務として、障害者の職業能力の開発及び向上に関する措置を行うことを明確化すること、特に短い労働時間(週所定労働時間10時間以上20時間未満)で働く重度の障害者及び精神障害者に対し、就労機会の拡大のため、特例的に実雇用率において算定できるようにすること、障害者雇用調整金等の支給方法を見直し、企業が実施する職場定着等の取組みに対する助成措置を強化すること等であり、適正かつ円滑な施行に向けた取組みを進めていくこととなっております。また、社会全体が高齢化していく中で、企業から中高年齢者である障害者を継続して雇用する中で生じる課題について相談できる窓口を求める声があることを受け、令和4年6月に労働政策審議会において、「障害者就業・生活支援センターについて、関係機関との連携を強化し、地域の実情や個々の事業主の状況に応じて中高年齢者である障害者を継続して雇用するための課題に関する相談機能を強化することが適当である。」と結論づけられました。そこで、令和6年4月より、障害者就業・生活支援センターにて、企業が雇用する障害者の加齢に伴い生じる様々な課題等に対応することとなりました。このように法律制定以降、幾度かの改正を経て、障害者雇用促進法は現在の形となっています。これらの改正の趣旨を踏まえ、障害者が職業生活において自立することが促進され、職業の安定が図られるよう、関係者が一体となって取り組んでいくことが求められます。
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