3若年性認知症第8節 その他の障害者⑴ 若年性認知症とはが、どこで受障してもおかしくない障害です。高次脳機能障害者が働きやすい環境を考えることは、誰もが安心して働ける職場を考えることに繋がるという視点で取り組むことも重要だと思われます。【参考文献】1)中島 八十一(2006).高次脳機能障害の現状と診断基準 中島 八十一・寺島 彰(編) 高次脳機能障害ハンドブック―診断・評価から自立支援まで(pp.1-20)医学書院.2)中島 八十一.…(2006).…診断基準.…In…高次脳機能障害支援コーディネート研究会監修,…高次脳機能障害支援コーディネートマニュアル(pp.…28-39).…中央法規.3)HaggerF.B.,…RileyA.G.…(2017).…The…social…consequences…of…stigma-related…self-concealment…after…acquired…brain…injury.…Neuropsychological…Rehabilitation.4)本田 哲三(2016)高次脳機能障害者実態調査結 在職中に高次脳機能障害を受障した社員の職場復帰に際して、配置転換及び職務の見直しが必要となった。受障前、顧客先での製品修理に従事していた経験を活かし、現場の後方支援業務を担当してもらうこととした。高次脳機能障害の影響により、記憶することが苦手であったため、顧客からの電話による修理依頼に対して抜けが生じないよう、業務スケジュールノートを用いて、依頼内容、経過を記録し、参照することを徹底した。また、これまでの経験を活かし、現場のサービス員に必要な部品の助言を行うなど、後進の育成や技術の継承の面でも貢献している。認知症は一般的には高齢者に多い病気ですが、年齢が若くても認知症になることがあり、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」とされます。65歳以上で発症する老年期認知症と病気としては同じであり、医学的には大きな違いはありません。しかし、「若年性認知症」として区別するのは、この世代が働き盛りで家庭や社会で重要な役割を担っており、病気によって支障が生じると、本人や家族だけでなく、社会的な影響が大きいためです。さらに、(竹内 大祐)~障害者雇用職場改善好事例の入賞事例から~果,…本田 哲三(編)高次脳機能障害のリハビリテーション―実践的アプローチ 第3版 医学書院5)O’Keeffe,…F.,…Dockree,…P.,…Moloney,…P.,…Carton,…S.,…&…H.…Robertson,…I.…(2007).…Awareness…of…deficits…in…traumatic…brain…injury:…A…multidimensional…approach…to…assessing…metacognitive…knowledge…and…online-awareness.…Journal…of…International…Neuropsychological…Society,…13.…13-49.…6)Ownsworth,…T.,…Clare,L.,…&…Morris,M.…(2006)…An…integrated…biopsychosocial…approach…to…understanding…awareness…deficits…in…Alzheimer's…disease…and…brain…injury.…Neuropsychological…Rehabilitation,…16,…415-438.7)Prigatano,…G.…P.,…&…Sherer,…M.,…2020.Impaired…Self-Awareness…and…Denial…During…the…Postacute…Phases…After…Moderate…to…Severe…Traumatic…Brain…Injury.…Front…Psychol,…11.8)飛松 好子・浦上 裕子(編)…(2016).…社会復帰をめざす高次脳機能障害リハビリテーション 南江堂若年性認知症の人とその家族は、病気の特性と社会的な背景から孤立しやすく、就労や家事、育児などの複雑な課題に直面しやすく、適切な支援を受けないまま、疲弊している場合も少なくありません。① 認知症の定義と症状認知症は、脳の神経細胞が十分に働かなくなるために起こる病気です。脳が縮んで小さくなったり、血管が詰まったり切れたりして脳が変化し、記憶などの知的な働きが低下していきます。記憶以外にも、時間や場所の感覚(見当識)、計画的に段取りよく物事を進める力(実行機能、遂行機能)、判断207◇ 高次脳機能障害者の雇用事例(卸売業・小売業)
元のページ ../index.html#209